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■開業つれづれ:新型インフル、いつの間にか医療現場に押し付け「全医療機関で受診可能に」

なんか保健所から

いろいろ書類が送られてきてましたが、

結局は本日から

新型インフルは現場に押し付けられます。





舛添さんとか

「オールジャパンで阻止!」

とか言ってましたが、

結局、医療機関には

お金全く出さないで丸投げです。

どこにオールジャパンがあるのよ…。




>各医療機関は、受診時間の指定やマスク着用の指示


国はぜんぜん一般の方に周知徹底してませんが、

一体どうするのでしょう?



この方針自体、

まったく報道されてませんが、

秋以降、新型インフルが爆発したら

また”医療現場叩き”が

始まるんでしょう。






全医療機関で受診可能に 和歌山県新型インフル対策

2009年7月30日7時56分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090730-00000010-san-l30


 新型インフルエンザの対応について県は29日、国が改定した運用指針に準じ、和歌山市を除き、発熱外来を廃止し、季節性インフルエンザと同様に一般の医療機関で受診できるようにするなど、8月1日から診療態勢を変更すると発表した。

 県によると、保健所などの発熱相談センターは、新型インフルエンザに関する相談窓口として継続するが、開設日は平日の午前9時~午後5時45分に縮小。また発熱外来を廃止し、一般医療機関での受診を可能にする。このほか、詳細(PCR)検査はインフルエンザの集団感染が発生した場合や入院を要する重症患者などに限定して実施するだけにとどめるという。

 感染が疑われる人は一般医療機関へ直接連絡して受診し、連絡を受けた各医療機関は、受診時間の指定やマスク着用の指示など院内感染防止策を講じた上で診療に当たる。

 県は「秋以降の流行に備えた措置。今後は集団感染の防止や重篤患者の治療に重点を置く」と説明した。 最終更新:7月30日7時56分




新型インフルエンザ:あすから原則、全医療機関に受診 /京都

7月31日16時1分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090731-00000216-mailo-l26


 府は29日、新型インフルエンザの受診を8月1日から原則すべての医療機関で行うよう変更すると発表した。各保健所に設置していた発熱相談センターも同日から「新型インフルエンザ相談窓口」と改称し、平日のみの対応とする。
 これまで府などの発熱相談センターに電話してもらい、必要に応じて発熱外来が設置されている協力病院で受診するよう誘導していたが、国の指針改定を受けて変更する。
 発熱など感染の疑いがあると、かかりつけ医など一般の医療機関で受診できる。ただし、他の患者との接触を減らす必要があるため、訪れる前にその医療機関に電話して受診時間など指示を受ける。
 各保健所の相談窓口は平日の午前8時半~午後5時15分で、かかりつけ医がいない場合の受診先の紹介や自宅療養に関する助言をする。【太田裕之】

7月31日朝刊


最終更新:7月31日16時1分



新型インフルエンザ:専用電話廃止、今月末に県 /福岡

毎日新聞 2009年7月30日 地方版
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20090730ddlk40040323000c.html


 県は29日、新型インフルエンザ対策として夜間・休日に県内の各保健福祉環境事務所に設けていた発熱相談専用窓口を今月末で廃止すると発表した。23日から新型インフルエンザの診療が一般病院でも可能になったことや、深夜帯の電話相談が減少したため。

 平日の午前8時半~午後5時15分は、各保健福祉環境事務所の一般窓口で新型インフルエンザの相談に応じる。

〔福岡都市圏版〕







<国の新型インフルエンザ方針>

●新型インフルエンザを診断するな
(集団発生、入院患者以外のPCRを行わない→診断できない)

●新型インフルエンザが病院で広がったら病院の責任
(空間的、時間的に分離せよ、といいますが不可能です)

●周知徹底も医療機関の責任
(患者さんがいきなり勝手に来ても現場で何とかしなさい)



…いつものインフルエンザですら

流行を阻止することができないのに、

それとおなじような新型インフルエンザが流行したら

それぞれの病院の責任になりそうな予感。





その上、

●修学旅行は補助するが、医療機関に補助はない

●新型インフルエンザでは金は出さない


という方針を国は打ち出してますから(1)、

たとえ医師が新型インフルにかかっても、

風評被害が出ても現時点ではまったく補償されない

(秋からは一応対象になるようですが、未定)

というお粗末さ。




日本という国は観光業界の方が

ずっと偉くてお金もフォローしてくれるけど

実際に治療をする医療現場は

一円も、

一枚のマスクも

今回の新型インフルエンザ対策をしてもらってません。


●新型インフルエンザ対策は全部病院が自腹でやれ

というのが国の方針です。






日本では医療は観光よりもずっと下、

ということです。




一般の皆さん、

修学旅行の補償があってよかったですね

インフルエンザを実際に診ている病院の方はつぶれるかも知れませんが。




修学旅行よりも医療の方が大事、

そんな

当たり前のことが言えないのが

日本の今の現状です。





今回の決定は

めんどくさくなった国が

現場に責任を丸投げして、

”新型インフル、受診変更はまったく広報はしないけど、まあ頑張れ”

という形になっています。




新型インフルに関する診療報酬も一切ないのにね。

●新型インフル対策はゼロ円でやれ

と言っているわけです。

医療業界は

ゼネコンの下請けのような現状です。





現在、新型インフルで病院によっては

億単位で減収中です(2)。

こんなことしてたら

医療も崩壊するよね、

当然。







(1)

■開業つれづれ: 休業補償なんか全くない 「新型インフル感染拡大 受診急増、対応に苦慮」 ボランティアで診療、見つけたら強制休業、補償なし
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-846.html

■マスコミはこういうのを報道したら? 「新型インフル、予算面で新しい措置講じなくても対応可=杉本財務次官」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-826.html

■で、保健所は医師に休業を迫る 「大阪府八尾保健所が診察の医師に休業求める」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-845.html

■開業つれづれ: 医師より修学旅行 「新型インフル、2次感染医師に休業補償 政府、秋以降に交付」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-885.html

(2)
■開業つれづれ: 億単位で減収 「新型インフルによる減収で財政支援など要望-全自病」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-926.html





















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コメント

No title

日本全国すべての医療機関で対応するから「オールジャパン」なんでしょ。
ハゲ添の言うことですから、最初からそうなるだろうと思ってました。
医療に関して、彼の言うことは殆ど信用していません。

現実的には、新型のPCR検査のキャパシティは事実上もう限界を超えてましたから、こうなるのは時間の問題でしたが、もうちょっとマスコミも選挙ばかりでなく、こういったことも報道してほしいですよね。

ただし、小児科では元から発熱患者が半数以上を占めるので、区別のしようがありません。親も平気で連れてきてました。
どうしようもないです。

妊婦

やっぱり妊婦の死亡率は高かったわけですが
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090730-OYT8T00221.htm

新フル感染妊婦が「かかりつけ」産科医院にやってきた →隔離なんて物理的に不可&医療従事者への感染予防なんて無理(できるんだったらそもそも流行してない) →他の妊婦に感染(もしかしたらその医院以外で感染したのかもしれないけど) →ついに日本国内で新フル死者発生しかも妊婦!と大々的に報道 →該当産科医院あぼーん
内科や小児科もあわせて掲げている産科施設ならもっとありえる話。
ああ、産科滅亡まであと何日?

No title

素人です。医療関係者じゃありません。
そもそも、風邪とインフルエンザの違いを説明し自分の頭で考えられる国民がほとんどいないのに、「感染が疑われる」って判断できるわけないじゃないですか?
ますぞえチェンチェイはちょっとおかしいですよ。
また、早期に発見した医療機関。ましてや「院内感染」させた医療機関への「風評被害」が怖いです。
どうしてそんなに官僚やマスコミのみなさんは医療機関に対して憎しみをもっているんでしょうね。
不思議です。

インフルエンザ延期学会

5月のインフル騒ぎで延期された日本麻酔科学会が2週間後に開催されますが、ちっともおさまっていなくて、かえって、感染爆発期にぶちあたっている気が、、、、、、、、。

せめて、神戸が冷夏であることを祈るばかりです。

もう、タッチ&ゴーで帰ってくるしかなさそうです。

ゆりあさんへ

官僚の失敗を国民に指摘されると困るので、スケープゴートとして医療機関を使っている訳です。中国と同じです。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

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