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■開業つれづれ:「「皮膚科群」は大幅赤字、「眼科群」は黒字-部門別収支調査」







このデータでは

どうしようもないほど

各部門が赤字まみれ

という実態が見えてきます。






これでも

このデータが

”眼科叩き”

のもとにならないことを祈ります。




本当は各部門が

眼科のように利益が出ないと

やっていけないはずです。










「皮膚科群」は大幅赤字、「眼科群」は黒字-部門別収支調査


更新:2009/07/11 01:20   キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/23205.html


 中央社会保険医療協議会(中医協)の医療機関のコスト調査分科会(分科会長=田中滋・慶大大学院教授)は7月10日、「2008年度医療機関の部門別収支に関する調査報告案」を了承し、診療報酬基本問題小委員会に近く報告することを決めた。調査報告によると、皮膚科と性病科を含む「皮膚科群」では、入院と外来を合わせた収支が大幅な赤字だったのに対し、
「眼科群」などでは黒字を維持した。


 部門別収支に関する調査は、診療報酬体系に医療機関のコストを適切に反映させるのが狙い。厚生労働省では、「医療経済実態調査に近づけるのが究極の目標」と話している。医療機関の「診療科部門別の統一的な計算手法」を開発するため、03年度から研究を重ね、「精度が高まってきた」(同省)ため、今回、初めて試行的な調査に踏み切った。調査結果を来年度の診療報酬改定に活用するかどうかは、報告を受けて小委が判断する。

 今回は、調査対象になった190病院のうち127病院の昨年10月分のレセプトデータを集計。127病院は、いずれもDPCの対象病院か準備病院だった。集計では、病院の診療科や部署を「入院部門」「外来部門」「中央診療部門」「補助・管理部門」に分類。このうち「中央診療部門」と「補助・管理部門」の収益・費用を、「階梯式配賦法」と呼ばれる手法を使って「入院部門」と「外来部門」に段階配分した。

 また、レセプト電算処理システムに対応する「レセプト診療科」のほか、類似するレセプト診療科をまとめた11の「診療科群」ごとの集計も行った=表=。「診療科群」による集計について、厚労省は「レセプト診療科だと、医療機関ごとの主観がどうしても入る。それをできるだけ排除した上での集計を試みた」と説明した。

 集計結果によると、黒字か赤字かを示す「医業収益に対する収支差額の割合」(入院・外来計)は、
「皮膚科群」がマイナス46%と大幅な赤字
「放射線科群」と「精神科群」の赤字もマイナス22%、マイナス19%と大きかった。
「小児科群」はマイナス7%だった。
 これに対し「眼科群」は18%で、黒字幅が最大だった。これ以外では、
「外科群」と「産婦人科群」は共に5%。内科群は0%と収支が均衡した。

 また、開設者別では「国立公立」マイナス2%、「医療法人」プラス3%、「その他」0%。病床規模別では、「199床以下」と「500床以上」が1%、「200-499床」が0%だった(いずれも入院・外来計)。

 猪口雄二委員(医療法人財団寿康会理事長)は、「入院と外来を合わせた経常収支の段階で、全く利益がないということだ。病院を再生産していけないことを意味している。今の診療報酬では、医療の高度化に対応できないとわたしには見えてしまう」と指摘した。

■外来の赤字を入院でカバーか

 調査報告では、入院・外来別の収支状況も集計した。それによると、外来はすべての「診療科群」で赤字だった。特に、「皮膚科群」の赤字幅がマイナス74%と際立った。このほか、「小児科群」「整形外科群」「麻酔科群」はいずれもマイナス48%。赤字が最小だったのは「内科群」(マイナス3%)だった。病床規模別でも、「199床以下」マイナス13%、「200-499床」マイナス18%、「500床以上」マイナス12%とすべて赤字だった。
 一方、入院では「精神科群」(マイナス22%)、「麻酔科群」(マイナス7%)を除くといずれの「診療科群」も黒字で、外来による赤字を入院でカバーする状況を示唆する結果になった。入院では、「眼科群」の黒字が46%で最高だった。

 西岡清委員(横浜市立みなと赤十字病院長)は、赤字が顕著だった「皮膚科群」の状況について、「入院がそれほど多くなく、主体の外来で赤字が大きくなるので、こうなるのかなと思う」との見方を示した。

 ただ、調査チームのメンバーで、オブザーバーとして参加した池上直己・慶大医学部教授は、「部門別調査といった場合、最大の力点は診療科・部門で見ることにある。必ずしも入院と外来を分けることではない」と指摘。松田晋哉委員(産業医科大公衆衛生学教授)は、「レセプトの作成費や事務部門の人件費をレセプト数で案分すると、どうしても外来が重くなる」とし、入院と外来を合わせた収支を用いる方が望ましいと強調した。






DPC病院だけを見て

全体を語ることも

愚かです。



でも、あたかも全体が

”眼科だけ黒字だってよ”

という議論になりそうで怖いです。





眼科におんぶに抱っこ

というのは

各病院同じだと思いますが、

これで収入源の眼科が

叩かれでもしたら

一気に各病院は崩壊することでしょう。




>部門別調査といった場合、最大の力点は診療科・部門で見ることにある。
>レセプトの作成費や事務部門の人件費をレセプト数で案分すると、どうしても外来が重くなる


お偉いさんはそう言いますが、

結局は

赤字が黒字に変わるわけではありません。





とくに赤字を垂れ流す

地方公立病院では、

黒字化とは

ごく限られた”解”しか

持ち合わせていないはずです。




新生GMのように

戦略的経営をするのなら

眼科のみに特化して

”不良資産”である他科は

切り捨てる

というのが正解です。










…ん?

それじゃ眼科開業医と一緒か。








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コメント

No title

このデータは先生がご懸念されるとおり、間違いなく眼科たたきに利用されますね。
本来なら黒字を出した部門は称賛されることはあっても、非難されるいわれはないはずですが…。

眼科も終了

眼科の入院の黒字幅が突出していますが、白内障手術数の劇変はなさそうですので、PDTなどの加齢黄斑変性やDMの新生血管がらみでしょうか。

どちらにしろ次回改定で叩かれる事は必定でしょうね。コンタクトで外来叩いて、次は入院叩けば眼科も終了と言った所でしょう。

さて、余った先生が流れ着く先は・・・。

No title

  以前勤めていた病院の近く、地域ではかなり名の通った大病院。 そこでも、黒字の半分を眼科の先生がたたき出していると聞いたことがあります。
  なんでも、手術のオニで、いくつもの手術室を『準備→手術→後片付け→以下繰り返し回し』で、ひたすら白内障を手術するとか。
  何故か、悪い所に配分して全体を改善せずに、良い所を引きずり落として横並びにしようとする。 日本型『悪平等』の暴風の前に、病院希望の星・眼科も沈没間近ですね。

  今週の東洋経済誌、病院と診療所の特集ですね。

No title

この報告案からは

現在の診療報酬は医療の実情を反映していない

という結論以外は導き出せないと思うのですが
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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