2009/07/13
■開業つれづれ:「「皮膚科群」は大幅赤字、「眼科群」は黒字-部門別収支調査」
このデータでは
どうしようもないほど
各部門が赤字まみれ
という実態が見えてきます。
これでも
このデータが
”眼科叩き”
のもとにならないことを祈ります。
本当は各部門が
眼科のように利益が出ないと
やっていけないはずです。
「皮膚科群」は大幅赤字、「眼科群」は黒字-部門別収支調査
更新:2009/07/11 01:20 キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/23205.html
中央社会保険医療協議会(中医協)の医療機関のコスト調査分科会(分科会長=田中滋・慶大大学院教授)は7月10日、「2008年度医療機関の部門別収支に関する調査報告案」を了承し、診療報酬基本問題小委員会に近く報告することを決めた。調査報告によると、皮膚科と性病科を含む「皮膚科群」では、入院と外来を合わせた収支が大幅な赤字だったのに対し、
「眼科群」などでは黒字を維持した。
部門別収支に関する調査は、診療報酬体系に医療機関のコストを適切に反映させるのが狙い。厚生労働省では、「医療経済実態調査に近づけるのが究極の目標」と話している。医療機関の「診療科部門別の統一的な計算手法」を開発するため、03年度から研究を重ね、「精度が高まってきた」(同省)ため、今回、初めて試行的な調査に踏み切った。調査結果を来年度の診療報酬改定に活用するかどうかは、報告を受けて小委が判断する。
今回は、調査対象になった190病院のうち127病院の昨年10月分のレセプトデータを集計。127病院は、いずれもDPCの対象病院か準備病院だった。集計では、病院の診療科や部署を「入院部門」「外来部門」「中央診療部門」「補助・管理部門」に分類。このうち「中央診療部門」と「補助・管理部門」の収益・費用を、「階梯式配賦法」と呼ばれる手法を使って「入院部門」と「外来部門」に段階配分した。
また、レセプト電算処理システムに対応する「レセプト診療科」のほか、類似するレセプト診療科をまとめた11の「診療科群」ごとの集計も行った=表=。「診療科群」による集計について、厚労省は「レセプト診療科だと、医療機関ごとの主観がどうしても入る。それをできるだけ排除した上での集計を試みた」と説明した。
集計結果によると、黒字か赤字かを示す「医業収益に対する収支差額の割合」(入院・外来計)は、
「皮膚科群」がマイナス46%と大幅な赤字。
「放射線科群」と「精神科群」の赤字もマイナス22%、マイナス19%と大きかった。
「小児科群」はマイナス7%だった。
これに対し「眼科群」は18%で、黒字幅が最大だった。これ以外では、
「外科群」と「産婦人科群」は共に5%。内科群は0%と収支が均衡した。
また、開設者別では「国立公立」マイナス2%、「医療法人」プラス3%、「その他」0%。病床規模別では、「199床以下」と「500床以上」が1%、「200-499床」が0%だった(いずれも入院・外来計)。
猪口雄二委員(医療法人財団寿康会理事長)は、「入院と外来を合わせた経常収支の段階で、全く利益がないということだ。病院を再生産していけないことを意味している。今の診療報酬では、医療の高度化に対応できないとわたしには見えてしまう」と指摘した。
■外来の赤字を入院でカバーか
調査報告では、入院・外来別の収支状況も集計した。それによると、外来はすべての「診療科群」で赤字だった。特に、「皮膚科群」の赤字幅がマイナス74%と際立った。このほか、「小児科群」「整形外科群」「麻酔科群」はいずれもマイナス48%。赤字が最小だったのは「内科群」(マイナス3%)だった。病床規模別でも、「199床以下」マイナス13%、「200-499床」マイナス18%、「500床以上」マイナス12%とすべて赤字だった。
一方、入院では「精神科群」(マイナス22%)、「麻酔科群」(マイナス7%)を除くといずれの「診療科群」も黒字で、外来による赤字を入院でカバーする状況を示唆する結果になった。入院では、「眼科群」の黒字が46%で最高だった。
西岡清委員(横浜市立みなと赤十字病院長)は、赤字が顕著だった「皮膚科群」の状況について、「入院がそれほど多くなく、主体の外来で赤字が大きくなるので、こうなるのかなと思う」との見方を示した。
ただ、調査チームのメンバーで、オブザーバーとして参加した池上直己・慶大医学部教授は、「部門別調査といった場合、最大の力点は診療科・部門で見ることにある。必ずしも入院と外来を分けることではない」と指摘。松田晋哉委員(産業医科大公衆衛生学教授)は、「レセプトの作成費や事務部門の人件費をレセプト数で案分すると、どうしても外来が重くなる」とし、入院と外来を合わせた収支を用いる方が望ましいと強調した。
DPC病院だけを見て
全体を語ることも
愚かです。
でも、あたかも全体が
”眼科だけ黒字だってよ”
という議論になりそうで怖いです。
眼科におんぶに抱っこ
というのは
各病院同じだと思いますが、
これで収入源の眼科が
叩かれでもしたら
一気に各病院は崩壊することでしょう。
>部門別調査といった場合、最大の力点は診療科・部門で見ることにある。
>レセプトの作成費や事務部門の人件費をレセプト数で案分すると、どうしても外来が重くなる
お偉いさんはそう言いますが、
結局は
赤字が黒字に変わるわけではありません。
とくに赤字を垂れ流す
地方公立病院では、
黒字化とは
ごく限られた”解”しか
持ち合わせていないはずです。
新生GMのように
戦略的経営をするのなら
眼科のみに特化して
”不良資産”である他科は
切り捨てる、
というのが正解です。
…ん?
それじゃ眼科開業医と一緒か。
コメント
No title
本来なら黒字を出した部門は称賛されることはあっても、非難されるいわれはないはずですが…。
2009/07/13 09:04 by 耶馬苦痢陰弔 URL 編集
眼科も終了
どちらにしろ次回改定で叩かれる事は必定でしょうね。コンタクトで外来叩いて、次は入院叩けば眼科も終了と言った所でしょう。
さて、余った先生が流れ着く先は・・・。
2009/07/13 11:04 by トリビューン URL 編集
No title
なんでも、手術のオニで、いくつもの手術室を『準備→手術→後片付け→以下繰り返し回し』で、ひたすら白内障を手術するとか。
何故か、悪い所に配分して全体を改善せずに、良い所を引きずり落として横並びにしようとする。 日本型『悪平等』の暴風の前に、病院希望の星・眼科も沈没間近ですね。
今週の東洋経済誌、病院と診療所の特集ですね。
2009/07/13 14:40 by おだまき URL 編集
No title
現在の診療報酬は医療の実情を反映していない
という結論以外は導き出せないと思うのですが
2009/07/13 18:20 by こんた URL 編集