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■開業つれづれ: 沖縄戦いまだ終わらず 「患者を断らない公立病院と2つの民間病院の連携の現状、直面する危機を取材しました」

なんだか

香ばしすぎ。




沖縄戦は

まだ終わっていないんですね…。




比較的大きな地方都市の典型的な

実情のような気がします。







患者を断らない公立病院と2つの民間病院の連携の現状、直面する危機を取材しました。

FNN 2009/06/30 00:12
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00158117.html

患者を断らない公立病院と2つの民間病院の連携の現状と、直面している危機を取材しました。

激しいぜんそくの発作を起こして搬送されてきた患者は、呼吸困難に陥り、横になることさえできない状態になっていた。
吸入を始めるものの、患者の激しい発作は収まらない。
そこへ意識不明の重体患者が新たに搬送されてきた。
ERは、命の闘いが同時に進行していく。
沖縄県中部地区に位置する中部徳洲会病院は、すべての患者を受け入れるERとして、搬送件数は年間4,000を超える。
2006年から中部徳州会病院は、沖縄で初となるドクターカーの運用を始めている。
消防本部の出動要請を受けて、杉本龍史医師のチームは現場に向かう。
通報では、買い物中に女性が胸の痛みで倒れ、呼吸が安定していないという。
心臓に何らかの問題が起きている可能性があった。
現場に到着すると、女性は呼吸を回復し、意識が戻っていた。
ただし、心臓のトラブルがすぐに再発する可能性があることから、杉本医師が同行して病院に搬送する。
杉本医師は「かかりつけ医がいる。じゃあ中部病院行きましょうね」と話した。
向かう先は、杉本医師が所属する中部徳州会病院ではなく、県立中部病院だった。
杉本医師は、ERのスタッフに状況を伝え、女性は心臓カテーテル検査を受けることになった。
杉本医師は「うちの地域のいいところは、地域のほかの病院とみんながサポートしているっていうのはあって、同じように負担があっても、分け合ってるかなというのがあって」と語った。
沖縄県中部地区では、救急隊の1回目の連絡で搬送先が決まる率が99.3%と、全国平均の84%、東京都の68.2%と比較すると、受け入れを断らないERの特徴が浮かび上がる。
沖縄中部地区で24時間の救急外来を開く中頭病院は、深夜になっても待合室は多くの患者であふれ、300床余りのベッドはすべて埋まっていた。
39度以上の熱とおう吐、下痢が続く1歳半の男の子。中頭病院は、この子のために廊下にベッドを用意した。
母親は「家に帰って1人で見るよりは、ここで周りの医療スタッフにすぐいろいろ聞けるので、その点ではすごく安心です」と話した。
この夜、2組の親子が廊下で一夜を明かした。
こうしてベッドの空きがなくても、患者を中心に考えて、断らないER方式の救急医療を貫いている。
県立中部病院のERに、地元の産科医院から4時間前に出産した女性が緊急搬送されてきた。
出血が止まらず、子宮摘出の可能性もあるという。
産科医長の浜田一志医師は「これ待ってるといいことないので、どんどんどんどん先、進んでいきましょうね」と話した。
患者到着から30分後、緊急手術が開始され、残っていた胎盤の取り出しに成功し、子宮摘出は回避できた。
浜田医師は「出血、結局たぶんトータルは、2,000は出てると思います。何とか取れて良かったですね」と話した。
県立中部病院が受け持つのは、ハイリスクの患者だけではない。
妊娠時期が不明で、検診を一度も受けていないある妊婦は、地元の産科医院から送られてきた。
胎児の管理が難しいうえ、過去に中部病院で出産した際の費用およそ80万円を滞納しているという。
産科医長の井上 格医師は「未受診の方であるとか、経済的に不安定な方であっても、分け隔てなく、こちらは診察にあたっていますので、これは公的病院の役目の1つだと思ってますので」と話した。
地域全体でER方式を実現するため、民間病院が敬遠する患者を受け入れている県立中部病院だが、必然的に不採算部門を抱えて、経営は赤字が続いている。
2009年、沖縄県は、3年以内に経営改善できなければ、独立行政法人にして県から切り離す方針を固めた。
「最後のとりで」は、存亡の危機に立っている。






野良妊婦も出没したりして、

>これは公的病院の役目の1つだと思ってますので」と話した。



大変ご苦労されているようですが、



独立行政法人にして県から切り離す方針を固めた。



ある意味、

公的病院ですらなくなるかもしれませんね。




公的な組織は

病院なんて不採算部門、

切り離して病院の責任にすればいい、

と言っているわけです。





多くの病院が黒字の時は

「公的な組織」といって

利益を分捕られました。




赤字になったら

公務員の姥捨て山として

退職間際の人をどんどん送りこまれて

退職金を「病院赤字」として算定され、

最後には切り捨てられるのです。





医療関係者の

奉仕の精神を

地方自治体は

上手く利用しているだけです。





「最後のとりで」は、存亡の危機に立っている。


…沖縄で社離島も切り離して、

医師をどんどん使い捨てにして、

一体どうしようというのでしょう(1)?




存続の危機?

当たり前です。

医療を切り捨てようとしてるのですから。






そもそも消防や警察は

「存続の危機」

になるのでしょうか?





なぜ医療だけが利益を追求しなくては

いけないのでしょう?





それなのに病院が

利益を追求したら

なぜ批難されるのでしょう?




医療は

警察や消防とおなじように

必要とされているものだと

思いますが、

「そうではない、赤字の病院が悪い」

という方がいっぱいいますので、

どこもつぶれるしかないと思います。




そのうち、警察や消防も

「不採算部門」

として切るようになるんでしょうか?










(1)
■沖縄戦 いよいよ離島撤収命令(笑) 「県病院事業局、医師手当など全廃」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-474.html

(2)
沖縄戦、いまだ終了せず。 医師は、使い捨て、過労死がデフォ
http://ameblo.jp/med/entry-10023955062.html

戦史検討 「県総務部、医師手当廃止を通告 」 沖縄戦 保健所終了宣言
http://ameblo.jp/med/entry-10033286314.html





関連記事

コメント

No title

で、これらの切り捨て御免される予定の病院で働いている先生方の勤務状況はどうなってるんでしょうね。
もちろん、3交代で、時間外もちゃんと付いてるんですよね。
まさかこれだけの医療を「医師の善意」につけこんで「当直料のみ・時間外はサービス残業」なんてことはないですよね。
その辺の確認検証がマスコミの大事なお仕事だと思うんですが、例によって華麗にスルーですね。

TV見ちゃいました

野良妊婦でも断らず、廊下にベッドを置いて寝かせるのも美徳のような印象でVTRが流れていました。まあマスコミ君達にはおいしい光景だったんでしょうがね…。

まさか日本中これを見習えなんて言うのではとヒヤヒヤしていましたが、最後に「使命感だけで激務に耐える医師や看護師」「採算性と両立できるのか」というナレーションがあって少しは安心しました。

しかし・・・その後のキャスター(滝クリ)が発した台本通り?の、歯の浮く様なコメントに唖然としました(怒りのあまりうろ覚え)。

「救急医療がどうあるべきか、ここにその原点を見た思いがします」ですって。

はあ?野良妊婦が原点?激務でも赤字になるのが原点?
お前何を見て、何を知ってるんじゃい!!

まあそもそも、この特集のタイトルが「時代のカルテ」って時点でアウトですが。

No title

取りあえず、(今んとこ)独法化はしないと知事が表明しておりますです。FNNのこの特集先日観ましたけど、中部病院の研修制度を絶賛してましたね。中部病院の貢献度が非常に高いのは否定しようもありませんが、昔から研修医が過労でぶっ倒れて入院するなんてことが日常茶飯事の病院ですぜ(しかも退院したら箔がついたみたいなヤ○○な病院だったりする)。実際に過労死した医師もいるし。実は自前で専門医揃えられなくて科によっては琉球大学からの出向に頼っているわけですが、それらは全て華麗にスルーされてました。前々院長がエラソーにコメントたれてましたが、アメリカ方式とかいっても、精神性は完全に日本式で、いつ何時でも突っ込む特攻隊員養成所ですわ。

古き良き時代の...

アメリカ式臨床研修って1960年代のアメリカですよねぇ...留学した先生方は皆目から鱗、洗脳が解けると伺っていますがw

真のアメリカ方式

本当のアメリカ式ならば、お金踏み倒した妊婦は診察しない。
保険が無いといって断る。
時間が終わったら、患者が死のうが生きようが関係なくとっとと帰る。
赤字を出すなんてとんでもない、そんなセクションは即閉鎖が真のアメリカ方式。

先日のテレビも、中部病院の働きぶりは誰も否定しないが、全然本当の問題点と出していませんね

あんだけ働いても、赤字で切り捨てる地方(痴呆)と国の行政がおかしんだよ

質問!

>沖縄中部地区で24時間の救急外来を開く中頭病院は、深夜になっても待合室は多くの患者であふれ、300床余りのベッドはすべて埋まっていた。
39度以上の熱とおう吐、下痢が続く1歳半の男の子。中頭病院は、この子のために廊下にベッドを用意した。母親は「家に帰って1人で見るよりは、ここで周りの医療スタッフにすぐいろいろ聞けるので、その点ではすごく安心です」と話した。
この夜、2組の親子が廊下で一夜を明かした。

病院のキャパシティを超える患者を収容することは、法的に問題はないんですか?
また、診療報酬はどうなるんですか?

以前同じ様なことをやった病院が、行政から厳重に指導され、かつ収容人数を超過した日の入院報酬を全てカットされたという話を聞いたことがありますが…

テレビで公開ス○トロプレイとな。

>あんだけ働いても、赤字で切り捨てる地方(痴呆)と国の行政がおかしんだよ

違います。地方と国の行政が赤字で切り捨ててるのにあんだけ働くのがおかしいんです。
それにしてもテレビで公開ス○トロお○にぃとは、さすがに産科医の変態っぷりは筋金入りでつね。

No title

『身を以って苦を為して、後に民を化するは、堯舜も難しとする所なり』(韓非子 難篇)
(自ら苦しい仕事を引き受けて、その姿勢によって人を感化する。 ソレは、古代の伝説的帝王でも不可能だったことだ。)

  必死に真面目にやっていれば、その姿勢はいつか万人が認めてくれる? そんな風に考えているのならば、・・・アマイ、アマ杉。
  『さんざん使い倒して、ボロ雑巾のように捨ててやる!』をされるダケですね。

No title

おだまき様
そうです。韓非子。
その言葉を探していました。胸のつかえがおりました。ありがとうございます!v-290

No title

雪の夜道 サマ
 『身を以って苦を為して、後に民を化するは、堯舜も難しとする所なり』
⇒ 『身を以って苦を為し、而して後に民を化するは、堯舜も難しとする所なり』
  見直してみて、ちょっと間違いを発見。 スミマセン。

その言葉を探していました。胸のつかえがおりました。
⇒ 私も、『ソレソレ、その感じ!』と思うことが多かったです! 深いです、ホントに。

ありがとうございます!
⇒ こちらこそ、今後ともどうぞよろしゅうに!

肝心なことは言わないマスコミ

商品(診療報酬)の価格は国が決めているのに、
そんな商売で赤字を無くせというのが矛盾しているんですよね。
もっとも、公的病院の赤字は無駄な設備投資、患者の不払いと
非医師の厚遇に起因していると思いますが。

沖縄がらみで

あの産経新聞から燃料投下です。
【書評】『西表やまねこ診療所』岡田豊著
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090704/bks0907040754004-n1.htm

さすがは産経新聞。
医師が人間らしさなんてまるで無視の24時間労働を強いられている様子を礼賛し、しかも
>この診療所のように、住民の命を「平等に」支えている地方の医療機関の役割は、コストだけで評価されるべきものなのだろうか?
と、コスト的に評価する気ナッシングw
「医者は24時間働いて当然。報酬は金ではなく地域医療を支えるというやりがいだ。ありがたく思え。」と、今話題の「蟹工船」もびっくり。

ちなみに私ならこの書評を、

>>現在、(地方の)医療機関はこれ以上ないほどまで追い込まれている。こうした状況を医師の善意のみに依存するのはもはや限界である。
本書は、○○医師の診療体験を通じて「地域医療のありかた」や「本当に必要な医療とは何か」を問いかけるノンフィクション。実態を知らない全ての人々、知っててわざと目をそむけているマスコミ関係者にぜひ読んでほしい一冊だ。

と締めくくりますが、いかがでしょうか?

耶馬苦痢陰弔 さま

>医師や看護師をめざす若者にぜひ読んでほしい一冊だ。
こういう生活に憧れる奴以外は来るんじゃねえ、って言いたいんでしょう。

国民幻想辞書

(あ)
アメリカ→いざ戦争になったら、身をもって日本を守る
アメリカ医療→素晴らしく日本なんか目では無いくらいレベルが高い
(い)
医者→あらゆる場合にすべての医療技術を持ち合わせいる人種。
24時間働く人たち、もしくは働かせてよい 国民の下僕
中略
(か)
患者→病院ではもっとも弱者 もっとも世の中で大事にされるべき人たち。その最たる例は生活保護者であり、ベンツを陰で乗り回していても医療費も一円も払わなくて良い。

【結論】
こんな国のこんな医療体制がいつまでも保てると思うことが一番の幻想。

西表やまねこ診療所

「西表やまねこ診療所」、興味があったので買ってすぐ読みました。
「人間らしさなんてまるで無視」というどころか、人間らしさ満載の本でしたよ。医療の大切さがわかる本でした。
書評にしても、地域医療の切り捨てに反対する内容に私は思えましたが。
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某大学医学部を卒業
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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
 ↓
日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
 ↓
大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

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