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■各地の医師会が批判-後期高齢者医療制度

さて、後期高齢者医療制度が

4月に発足してまだ3週間。




世の”後期高齢者”だけでなく

多くの方々の大反対に

あっております。




まあ、当然と言えば当然です。




各医師会の反応を

取上げている記事がありましたので

取上げさせてもらいました。




(本文中のURLは

管理人が付け足しました。

通常このようなことはしないのですが、

今回は引用がいくつかあり、

本文に添付させていただきました)

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各地の医師会が批判-後期高齢者医療制度

更新:2008/04/22 19:07 キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15689.html

 4月に始まった「後期高齢者(長寿)医療制度」について、各地の医師会が批判的な見解を示している。反対や撤回に加え、新たな診療報酬として設定された「後期高齢者診療料」の届け出や算定の自粛を呼び掛ける動きも出ており、同制度は施行から1か月もたたないうちに見直しを求められる事態になっている。

 茨城県医師会は「高齢者の生活は、社会が支えなければなりません!」と題した会長の声明をホームページ(HP)に掲載。同制度について「医療費抑制のため、年齢により人間の価値を差別する制限医療を目的にしていることが明白」などと厳しく批判している。
http://www.ibaraki.med.or.jp/?act=Topics&mode=Details&topics_no=134
 「同制度に反対であり、撤回を求めて運動する」として、同医師会では「こんな高齢者いじめの制度が許せますか!」と訴えるポスターを作成するとともに、署名活動を展開している。

 また、宮崎県医師会は「後期高齢者診療料の算定について」という文書をHPに掲載している。同診療料は、▽「主病」に対する一医療機関での管理▽年間診療計画の作成▽医師の4日間の研修-を要件として、月6,000円(600点)に設定されているが、同医師会では「一患者に一主病のみ、そして一人の主治医のみが治療する、という厚生労働省の考えが明瞭(めいりょう)に表れている」と指摘。
http://www.miyazaki.med.or.jp/ken-ishikai/kouhou/koukikourei/koukikourei.html
 これは、一つの医療機関が同診療料を算定すれば、他の医療機関では同診療料だけでなく、主病は一つとの理由で他の医学管理料も算定できないことを意味しており、同医師会では「医療制度を根本的に揺るがしかねない大きな問題点をはらんでいる」として、会員に同診療料の届け出や算定の自粛を要望している。

 さらに、大阪府、宮城県の両医師会も、「後期高齢者診療料」の算定についての見解を発表している。
 大阪府医師会は23日の「府医ニュース」で、「75歳を区切りに医療内容が変わることはあってはならず、同診療料の算定については慎重に対処してほしい」と呼び掛けた。宮城県医師会も「制度には多くの検討すべき点が指摘されており、算定に当たっては慎重な姿勢が必要」としている。

 このほか、兵庫県医師会は「『長寿』とは片腹痛し。医療の現場では、むしろ命を縮める制度であると、かなり批判が多い」との「会長所感」をHPに掲載している。
http://www.hyogo.med.or.jp/presi/presi1.htm

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厚労省が

”死ぬしかない後期高齢者”

と断言し、

”なるべく金がかからないように”

”かかりつけを一つに決め、

複数の検査をすると赤字になるように設定”し、

”入院日数も制限する”

という制度ですから、

反対がないのがおかしいぐらいです。




世界に類を見ない、

”年齢によって医療制度が変わる”

という方策をとっていること自体、

「姥捨て山制度」と

言われる由縁です。




多分、

反感を買っている一番のポイントは

”年金天引き”だとは思いますが(笑)。




いずれにせよ

医療政策が間違った方向にすすんでいる事を

一般の方も感じていただけましたら、

実際に医療現場で働くものが

どれだけ厳しい医療制度の中で

がんばっているか分かってもらえるかもしれません。





後期高齢者医療制度が

”愚策”

として、医療制度の見直しの

呼び水になることを期待します。




…きっと無理なんでしょうけどね(笑)。



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コメント

個人的な解釈および感覚としては、「保険制度を別建てにする」ことよりも、「受けられる医療が制限される」ほうがはるかに問題が大きいと思います。
マスコミの皆様は、年金天引きで生活が苦しくなる事例ばかりを集めておられますが、確かにKY総理が堂々とのたまったように、負担が苦しくなる対象者は割合としてはそんなに多くない(だからと言って許されるわけではないですが)はずで、問題は「負担が増えたにもかかわらず受けられる医療サービスの質が低下し、社会的に必要なものが得られるかどうかに不安がある」点だと思っています。そして、それに対する不満はむしろ医療従事者に対してぶちまけられる可能性が高い、ということを危惧しています。そしてそうなることを見越して官僚がこのような制度設計および広報をしている(つまり「医療が制限されてしまうことはない」と口先で言いながら、実際には入院できない、受け入れ先がないとなれば、不満は医療機関に向かいますからね)ことが根源にあると考えます。

少なくとも、国は「長寿医療制度に伴って、国策として医療費の増大を抑制するため入院期間の制限や、ベッド数の削減を行っております。ご不便をおかけしますが、ご理解をお願いします」とチャンと言うべきなのに、全く逆のことを言っている確信犯であることを、少なくともマスコミはもっと取り上げるべきでしょうね(ま、絶対あり得ないと思いますが)。

姥捨て山制度で厚労相の無能ぶりが更に明らかになっていますが、勤務医に対するお粗末な労働行政にもようやく目が向けられつつあるようです。

「名ばかり管理職と是正勧告 滋賀県立病院に労基署」

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080423/lcl0804230859001-n1.htm

これが全国的な流れになると医療崩壊は更に加速されますね。20年8月15日まで持たないかもしれません。

批判しているのは医師会だけではありません

賛成しているのは、お役人とKY政治家でしょうか
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008042001000348.html?ref=rank
主な争点をめぐる有権者の反応を見ると、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)には78・0%が「見直す必要がある」と回答。「見直す必要はない」は16・6%にとどまった

徳島市医師会が後期高齢者医療制度廃止決議

連投スマソ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news/20080421-OYT8T00827.htm
「医療費抑制だけ目的」
徳島市医師会(豊崎纒(まとめ)会長)は21日、今年度から始まった75歳以上対象の後期高齢者医療制度について廃止を求める決議を採択した。同日、県医師会に、日本医師会が厚生労働省と同制度の廃止に向けて交渉を始めるよう求める要望書を提出した。

後期高齢者医療制度で診療広がらず

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-131483-storytopic-117.html

>後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で、診療報酬に新設された「後期高齢者診療料」の導入を届け出締め切りの14日までに県社会保険事務局に届け出た医療機関は、県内832カ所(病院93、診療所739)のうち、わずか9カ所にとどまっていることが24日、分かった。1日から始まった新制度での診療は県内ではほとんど行われていない実態が明らかになった。
>担当医研修を受けていないので、導入できないという可能性もある

沖縄県医師会は態度を明確にしていませんが、届け出なければ今までと変わらないんなら、こんな制度にわざわざ乗っかる必要なし、と皆様判断なされたようで。担当医研修なるものが、いつ、どこで行われていたのか、私の周辺には知る者なし。

「制度廃止まで戦う」 茨城県医師会、福田政権に反乱

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