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■医療的雪かき(笑) 「密着ルポ 医療崩壊の波、精神科にも」

医療が疲弊しています。

一番恐ろしいのは、

出口がないことです。





毎日、毎日、

猛ダッシュをするような毎日。

高速回転しているエンジンのような

日々。





そして、

その中で一つでもミスがあれば、

その後一生、

医師人生すら無くしてしまうかもしれない

医療裁判への大きな暗闇が開きます。





やってもやっても

なくならない仕事。





ただ、現状が悪くなるだけの

出口のない医療。





村上春樹氏は

”文化的雪かき”という

言葉を使いましたが、

”精神的雪かき”

というか、

もう

”医療的雪かき”

です(笑)。





誰からも感謝されず、

ただ、自分の身をすり減らしていく

努力、努力、努力…。


まるで終わることのない

”雪かき”です。

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密着ルポ 医療崩壊の波、精神科にも

更新:2008/04/18 12:40 キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15637.html;jsessionid=EF818C4A3133C759B7378CB516B6E536

 産科、小児科や救急医療の医師不足が叫ばれる中、これまで比較的安定しているとされてきた精神科にも、医療崩壊の波が押し寄せつつある。

 長野赤十字病院(長野市)の高橋武久副院長は毎週木曜日、午前7時半には精神科外来の診察室に入る。8時半に診察が始まると、それから夕方までぶっ通しで診察室にこもる。開業に伴う退職などによって、常勤の精神科医は4月から高橋さん1人に。きょうも長い一日が始まった。(兼松昭夫)

■「眠れない」
「夜中の1時とか2時ごろに目が覚めて、そのまま眠れないんです」
 3月のある木曜日の午前8時38分。この日最初に精神科外来の診察室に入ったのは、40歳代の女性と7歳の女児の二人連れだ。

 女性はしきりに不眠を訴えた。
「睡眠時間はあまり気にしなくてもいいですよ」。高橋さんのアドバイスにも、女性の表情は晴れなかった。
「お母さんはおっかない?」。高橋さんが声を掛けると、女児は無言で首を振った。

 午前10時半、統合失調症の50歳代の男性と40歳代の女性の二人連れがやって来た。
 男性は以前、雪深い山間部で独居していた。自殺が懸念された時期もあったが、今では共同作業所に通えるまでに回復した。最近、その作業所で知り合った女性と同居を始めた。

 男性は作業所の同僚から嫌がらせを受けていると訴えた。「この人はすぐ気にするから」と女性が言うと、男性は「2人で仲良くしているから、やっかみがあるんじゃないでしょうか」。
「この人にありがとうって言ってみましょう」と高橋さんが促すと、男性は恥ずかしそうに「ありがとうね」と女性に言葉を掛けた。

 午後1時48分、60歳代の男性が義姉に付き添われてやって来た。義姉は、男性が独り笑いしておかしいので「何とかしてほしい」と言う。
「いいじゃないですか。にこにこしてて」と高橋さん。

 この男性は、知的障害を抱える上に統合失調症を患いながら定年まで働き通した。高橋さんが「偉い」と褒めると、うれしそうにほほ笑んだ。

 午後5時19分、市内で公務員として勤務する男性が、妻と一緒に来院した。男性はそううつの症状に悩まされてきた。昨年秋に職場復帰したが、正式な辞令は出ていない。いわば様子見の段階で、療養の状況をリポートにまとめて職場に毎月提出している。

「5月に大学の仲間に会いに東京へ行きたいんです」
「それまで安定していて日帰りであれば、試してみる時期だと思います。ただ、大切な時期だから、そこは慎重にしないと」とアドバイスした。

■常勤医、4月から1人に

 長野赤十字病院は県内全域の重症患者を収容する三次救急医療機関。県北部全域から搬送されてくる自殺未遂患者もフォローする必要があるため、精神科の守備範囲はおのずと広くなる。
 数日前には、焼身自殺を図った女性が搬送されてきた。この日は観察記録を確認しに、早朝と夕方の2回、ICUに足を運んだ。

 同病院では、常勤の精神科医2人が開業などを理由に、3月末に退職した。精神科の常勤医は4月から高橋さん1人になった。

 高橋さん自身が宿直することはないが、それでも土日返上で働き続けなければならない。現在は火曜日に初診、木曜日に再診の患者をそれぞれ集中させ、非常勤医と分担して診療をこなしている。それでもすべてはカバーし切れず、がんや肺炎、悪性症候群などの合併症があり、他の病院では対応できない患者だけに受け入れを限定している。

 常勤医獲得のめどは立っていない。「9月まで頑張れば、何とかなると思うんだけど…」。

■時間が足りない

 外来診療がすべて終わったのは午後6時10分すぎ。昼食を取る時間はなかった。そのまま診察室で、午後7時5分すぎまで非常勤医と今後の方針などについて打ち合わせた。

 その後、院内LANで上がってくる連絡事項の確認を済ませ、診察室から出てきた時には午後7時50分を回っていた。隣の「準備室」で、この日初めての休憩。菓子をつまみながら新聞に目を通す。

 高橋さんがこの日診た患者は55人。このほか、診察の合間を縫って入院患者の薬の処方もこなした。せん妄や自殺願望にとりつかれた患者が多いため、気が抜けない。記者が同席を許された中では、診察時間が16分超に及ぶケースもあった。

 最初の患者を診察してからの約10時間に診察室から出たのは、トイレに行った2回と、「準備室」に駆け込み麦茶を飲んだ2回のみ。

 1年前の同じ時期には、常勤医3人体制で精神科をカバーしていたが、それでも悲鳴を上げていた。「こんな状態は初めて」と不安がるスタッフもいる。「高橋先生1人でどこまで持ちこたえられるのか。これからどうなるのか分からない」。

 ただ、当の高橋さんは「これほどやりがいのある仕事はない」。時間が足りず、患者の訴えに十分耳を傾けられないことが悩みだ。

■消灯直前に病棟回診

 午後8時すぎ、8階の精神科病棟のナースステーションへ。入院患者一人ひとりの診療録を確認。看護師から日中の状況について報告を受け、今後の方針を話し合った。

「夜分恐れ入ります。長野赤十字病院の高橋ですが…」
 入院中の男性患者に付き添っていた高齢の女性の様子が気になったため、高橋さんはナースステーションから家族に電話を入れた。
「とにかく疲れ果てている感じで。認知症やうつ病の前段階かもしれないので、一度、一緒に来ていただいて…」。家族同伴での来院を勧めて電話を切った。

「こんばんは。調子はどうですか」
 病棟回診を始めたのは、午後9時の少し前。もう眠っている患者もいる。「寝ているところを起こして話を聞くのもどうかと思うけど」と高橋さん。

「9時になりました。消灯時間です。皆さん、お休みなさい」―。回診が始まって間もなく、消灯を告げる放送が病棟に響いた。
「あとはあすだね」。回診を一通り終えると、ナースステーションに声を掛けて病棟を後にした。

 午後9時32分、副院長室に。机の上に積み上がった書類を一点ずつ確認し、はんこを押していく。山積みの書類は3人の副院長が確認し、最終的には院長が決裁する仕組みだ。緊急に決裁が必要なものもあるので、先送りするわけにはいかない。

 午後10時10分、書類をすべて確認すると、一日の仕事がようやく終わった。

 翌日には、一緒に暮らしてきた二男が就職のため家を出るという。「だから早めに帰りたかったんだけど」。
 午後10時15分、自宅に電話すると、二男はもう寝ていた。最後の晩も、顔を合わせることができなかった。高橋さんは電話を切ると、「うちで食事を用意してくれているそうです」と言い残し、家路に就いた。

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一言、

”精神科も終了”のようですね…。







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(1)
「文化的雪かき」をしている”僕”は

「いるかホテル」に戻ります。

でも、そこには「いるかホテル」はすでになく…。


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(2004/10)
村上 春樹

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わたし的には

かなりの衝撃を受けた作品。

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コメント

いずこも同じ…

当科の状況も他科とそう変わらないと思います。
まず勤務医をするにしても総合病院精神科から単科の精神科病院へ、その次は勤務医から開業医へ、そして地方から都市へという人の流れが止まりません。
とくに地方では慢性的な人不足に加えてこの数年で勤務医の数が半減したという精神科病院の話をいくつも聞きますし、着実に崩壊は進んでいる印象です。

女性セブン

新われらの時代に/医師の自由が壊したもの
女性セブン [ 2008年05月01日号]
麻酔科医不足で手術ができない、「5時に帰る」と宣言する医師…
「人気は、皮膚科」「大学病院はNo!」
http://josei7.com/topics.html

まだ内容を確認してはいませんが、某掲示板によると、かなり香ばしそうです。

医師の自由が壊したものって

どうせ、24時間いつでも安心して受診できる体制がなくなったとか、安心してお産ができなくなったとか、自分たち(編集者も読者も同罪)の行動が医療を追い詰めることになったのだということをまるで考えてない記事なんでしょうね。はあ

感謝しております

>誰からも感謝されず、
>ただ、自分の身をすり減らしていく

そんな冷酷な人間ばかりではないです。
それだけは少しで良いです、
わかっていてください。

シーシュポスの岩

  ギリシア神話のシーシュポスは、地獄で苦役につかされています。 仕事は、岩を山の上まで運ぶこと。 重い岩を押して、やっと頂上が見えたと思えば、岩は自然と転がり落ちる。 そしてまた、岩を押し始める・・・。(以下繰り返し)
  『道とは、行為の目的化である』 確か『若者は何故3年で辞めるのか』の中で見た言葉です。 努力はスカラー量であって、ベクトルの方向性は持っていないと思います。 努力自体が目的になって、努力している自分に満足するようでは、無事に目的地にたどり着けるのか? 気がついたら、反対方向に行っていないのか?
  私には、行政は言うに及ばず、多くの医療者が方向性を失っているようにおもえてなりません。 仕事をすることが、目的になっていませんか? 今やっていること(当直明けの手術とか)、ホントに患者さんのためになっていますか?

医師の自由が壊したものって
⇒ 医者の不自由は、カクジツに医者の人生を壊します。

さて、また貼っとくか。

患者A様、

http://blogs.yahoo.co.jp/born2be/4620786.html
ペリュリュー島に対する米軍の空襲が始まり総攻撃が予想されたとき、ある原住民の若者が意を決して日本軍守備隊に嘆願に出かけた。
「島を一緒に守りたい。どうか自分も部隊に入れて欲しい。」
 それを聞くなり対応した士官は激昂し罵倒した。
「帝国軍人が、貴様ら土人と一緒に戦えるか!」
 住民退去命令が発動された。日本軍に侮辱され追われた話は原住民に広まった。裏切られたと思い悔し涙を流した。それ以来毎日空襲の止んだ深夜、原住民達は船に押し込められ本島であるコロールへ送還された。
 本島へ向けた最後の船が桟橋を離れたとき、暗闇の中から沢山の日本兵が現れた。皆が手を振っていた。原住民達はそのとき初めて日本軍の本当の心を理解した。引き返そうとするものを年長者が止めた。皆が声をあげて泣いた。伝聞される逸話である。

…実は貴殿のような患者が大部分だからこそ、医師が逃げ損ねて死ぬまで戦ってしまい、結果医療は崩壊するのですよ。生き残るのは私のようなヒトデナシだけです。

再診だけなら

 再診だけなら55人は少ないかも。でも、再診日と言いつつ新患も来たら厳しいなぁ。来週のある日は予約だけで70人近くいるけど。

泣けました。。

ぺリュリュー島のお話とドロッポせんせの文章に、つい涙が・・。。
こういうお話にはめちゃ弱いんですよね。
これ以上医療が崩壊しないように願っています。
本当は先生も心優しい患者思いの方なんだと思います。

壷とか多宝塔とか買わされちゃわないようにねw

ひろみ様、
>本当は先生も心優しい患者思いの方なんだと思います。
私がドロッポした時、ある患者さんは私の手を握り、涙を浮かべながら「先生にお会い出来て、本当によかった」とおっしゃいました。
…世の中にはなんとまあ、人を見る眼がない人がいるもんだ、と感心したものですが。

まあマジレスすると医師とて元々は崇高な使命感等持ち合わせない皆様と同様の常人です。しかし、現場に入り、病と闘う患者さんを目の当たりにする事で豹変します。「薄給で、夜も寝ず、休みも取らずにこの人達を助けなければ」と。人を救う、という行為はそれだけの魔力を秘めているのです。今でこそ「奴隷」だの「特攻隊」だの「イラクに自分探し」だの「DVでわけわかんなくなってる妻」だの無茶苦茶言ってますが、私ですらそう思い込んでいたのですから常人には抗いがたいでしょう。

にもかかわらず医師が逃げ始めている現状が以下に過酷であるか、ご理解頂きたく存じます。本気で感謝しているのであれば、この期に及んでもまだ踏ん張ってる医師には、上記日本軍のような対応を切にお願い致します。彼らを救えるのは貴方方だけです。

今程医療崩壊が顕著でない10年も前に、上記のような方がおられたのに逃げた私は間違いなくヒトデナシです。別に恥じる気はありませんが。そして現状では、ヒトデナシでなければ医療は担えません。甘っちょろい常人は戦死してしまうからです。

一つ目族の村で

  『一つ目族』(あくまでたとえ話で、含意はありません)がいるという噂を聞いて、ある男が考えました。 『一つ目族を捕まえて、見世物にすると、大もうけできるゾ』 男は旅に出ました。
  首尾よく男は、一つ目族の村を見つけました。 一つ目族は男を見てビックリして言いました。 『おお、二つ目族とは珍しい。 捕まえて見世物にしたら、大もうけできるゾ。』 哀れ男は捕まって、見世物にされました。
  毎日大勢の一つ目族が男を見物にやってきました。『二つ目だナンテはじめて見た。』と口々に言いました。 あるとき男は思いました。 『ミンナ一つ目族だ。 ひょっとして、二つ目の俺のほうが、おかしいンジャないだろうか?』
  男は、自分の片目を潰してしまいました。
  滅私、献身を当たり前と押し付けられる集団で、洗脳されないことは難しい・・・。 自分がおかしいと思わされて、周囲に疑問を持つ能力を磨耗させてしまいます。 私も滅私奉公とプロフェッショナリズムを混同していました・・・。

  急進的なカルトの成立過程で、集団の方針が狂信的になるにつれて、良識的な人間は距離をとっていきます。 そして、残った連中の沈殿濃度がドンドンとたかくなり、ますます狂信的になっていく・・・。
  社会情勢や法律に明るい者から現場を離れていく、今の病院の状態に似ているのでは?
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フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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