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■徹底抗戦 「産科医宿直賃金訴訟:医師側も控訴」


前回の裁判では、

医師の宅直は「自主的な労働」ということで

「宅直=サービス、無料奉仕」

という結論になりました。






一方、奈良県側は

「救急患者さん診ていて当直じゃなくて夜勤でしょ、これ」

という結論に反発して、

「え~、少なくとも待機時間は当直だろ」

ということですでに控訴済み。





結局、

双方からの控訴となっております。

産科の先生、がんばってください。









産科医宿直賃金訴訟:医師側も控訴

毎日新聞 2009年5月8日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090508ddm041040025000c.html

 奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医2人の宿日直勤務に対し、奈良県に時間外割増賃金など約1540万円の支払いを命じた先月22日の奈良地裁判決について、原告の産婦人科医側が大阪高裁に控訴した。

 控訴は2日付。原告側弁護士は、自宅待機する「宅直」が時間外労働と認められなかったためとしている。
県側は既に控訴している。
【高瀬浩平】






医療崩壊が着々と進む奈良では

こんな”労使関係”が

構築されております。






こんな奈良県で働いている方が

いまだにいるなんて信じられません。







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コメント

医師側控訴ですか

>自宅待機する「宅直」が時間外労働と認められなかった

業務命令が下ってない以上、この判断は当然と思ってました。一人当直(実質夜勤)では業務が成り立たないなら、現場が無理するのではなく、使用者側の責任だよといえるようになるからです。(勝手に働いて過労死した、との主張ができなくなる)
医師側の控訴は私的には意外です。

宅直が「めったに呼ばれない念のため」のものなら、地裁の判断も正当だと思いますが、以前の話では、かなりの高頻度で呼び出されているようで、しかもいなければ時間外診療が成立しない以上、直接命令がないとしてもオンコールも立派な業務命令と考えてもいいかと思います。

被告側が既に控訴しているのに、あえて原告側も控訴したのには、原告側としては、控訴しなければ、「オンコールは支払いなし」という事実が確定してしまう、という点もあったんでしょうね。

労働契約

奈良のこの件は、宅直という表現ですが、実態は勤務でした。
だからこそ、これからは正式な「労働契約」が結ばれるべきだと考えます。
現場「一人では無理なので、自宅待機制度を取ってください」
使用者「そんなのに出す金は無い。お前らの自己犠牲でなんとかしろ」
現場「無理なのでやめます」

原告側の控訴には、最高裁までいったろか!という気合もあるとは思うんですが。

産科医がんばれ

>医師側の控訴は私的には意外です。
へぇ、私は当然かと考えますが。

文書による命令がなければ認めない原審こそ異常。原告主張の実質夜勤労働は拘束時間を全て労働時間に算入すべきです。その結果、日本医療や奈良県がどうなるかなどということは当該裁判で争う筋合いのものではありますまい。

原告側の控訴には、最高裁までいったろか!という気合
⇒ 甲子園、じゃなかった、最高裁まで連れてって状態?
  及ばずながら、応援します!

  知人が、奈良で産婦人科になると言っていました。 『気は確かか?』の言葉が喉まで出掛かりましたが、グッと堪えました。 今は私が言っても、聞く耳を持ちますまい。 私自身、逃散医に覚醒する際にかなり犠牲を払うハメになりました。 奈良で産婦人科をするのも、ショック療法で早めに気が付く為に、長い眼で見ると却って本人のためカモ。 でも、やっぱり知人が過労死したりすると偽善心が痛みそうなので、なんとか生存して欲しいです。

もし仮に、上級審で奈良県の主張が認められたとしても、奈良県に医療は残らないでしょう。その意味で奈良の負けは決定しています。
県の控訴には、医師の当直問題をうやむやにしてきた[太字]厚生[/太字ろ]労働省の意向があるという憶測もありますが、県と厚生省がすべきは地裁判決を元に、待遇の改善に必要な医療費の増額を訴えることでしたね。
奈良県は他の自治体が医師を集めるための狩猟場になるかもね。

控訴は妥当じゃないかな。

控訴は妥当と思う一人です。

現場では、もはや労働的には完全に「当直」=「夜勤」。
これで給料もらえない労働なんて、狂ってる。
(個人的には、金よりもはるかに休暇が欲しいね)

きちんと24時間体制とるなら、せめて2交代制じゃん。
国は、少ない産科をすべて集約し、
2交代勤務体制を築くべき。

ま、完全に医療は崩壊しますけど。

現時点でも実は崩壊しているのに、
奴隷医師が、身を削って踏ん張っているから、
国も国民も分かってくれない。
働いてるのは、人間だよ。機械ではない。

こんな現場を見た若手は、産科なんて避けてゆく。
後が続かない。
あたりまえ。

しっかりせめて2交代制が取れて、
人間らしく、自分の時間が取れれば、
救急や小児科や産科だって、
継いでくれる若手だっていると思う。


と、司法が誘導してくれるきっかけになればと期待して、
控訴は妥当と、思いますがね。

文書による命令をもらって働け、と言われてるような気がする私はまだまだ甘いのでしょうか…

あまいですw

今後の流れは医師給与引き上げではなく、医師労働時間短縮、すなわち制度的な交代勤務以外にあり得ないと思います。当然ながら医師数は絶対的に足りませんから、診療科や地域によっては消滅する医療分野がかなりできることが明らかです。それを目指して頑張りますw
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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