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■黒滋賀 「勤務医の労働改善に高い壁 時間外勤務の上限“過労死ライン”超」


ネタ元は、

新小児科医のつぶやき
2009-04-10 先例は作られた
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20090410

です。いつも大変お世話になっております。




滋賀県では

”労働者(=医師)は死んでもいいから三六協定結んじゃえ”

みたいなことになっています。

まさにブラック企業の居直りですね。






こんなことがまかり通ってしまったので、

日本中が

”過労死ラインを突破した三六協定締結”に

突き進むことにならないのでしょうか。








勤務医の労働改善に高い壁 時間外勤務の上限“過労死ライン”超


中日新聞 2009年4月9日
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20090409/CK2009040902000011.html


 成人病センター(守山市)など県立3病院の医師らの時間外勤務で労働基準法違反があった問題で、県病院事業庁などは先月末までに労使間の協定を結び、大津労働基準監督署に届け出た。協定内容は現場の実態を考慮して、
厚生労働省が示す過労死の認定基準を超える時間外勤務を労使ともに認めるしかなかった。
人員不足の解消など、勤務医の労働環境の改善が急務となっている。 (林勝)

 「(3病院で6割にあたる)過半数の勤務医が労組に加入すること自体が全国的にも画期的なこと。労働の適正化を求める意識が医療現場で高まっている」。病院側との労使間協議に臨んだ県自治労幹部はこう話す。

 1日8時間の法定労働時間を超えて勤務させる場合、勤務時間の上限を定める労使協定を結び労基署に届け出なければならない。県立3病院は従来、この労基法の規定を守らず、勤務医らの裁量に頼った運営をしてきた。

 この結果、脳神経外科や産婦人科などの診療科目によって違法な長時間勤務が常態化。昨春、内部告発を機に労基署がセンターを立ち入り調査して是正勧告を行った。同庁は自治労など職員団体と協議を開始。3病院の医師の労組加入も相次いで、熱心な議論が続けられた。

 しかし、医療現場と労基法の両立は現実的に不可能とする勤務医は多い。ある医師は「我々は労基法を守る前に、医師法または医師の倫理に従って仕事をせざるを得ない」と強調。医療従事者の長時間労働の上に日本の医療が成り立っている現実を指摘する。こうした状況に慢性的な人員不足が拍車を掛け、勤務医の負担は増える一方になっている。

 今回の労使間協議では現実を踏まえ、時間外勤務の上限を決め、当直を見直した。病院側は厚労省が定める過労死認定ラインを下回るように、勤務医の時間外勤務を月80時間以内とする案を提示した。しかし「最初から破られることが分かっている協定を結ぶべきでない」とする現場の意見があり、成人病センターでは月120時間を上限とすることで決着。これに沿って労働改善に取り組んでいくとした。

 成人病センターの医師は「労基法と診療に対する責任を両立させるため、互いが譲り合った現実的な協定だと思う」と評価する。ただ、協定を継続して守るためには勤務医の負担軽減策が急務だ。病院事業庁は「欠員となっている診療科の医師確保に努め、事務作業などで医師の業務をサポートする方法も考えていく」と話している。





問題としては日本の労働基準を

さらに悪化するような

過労死黙認の三六協定が

民間ではなく、県立病院にて結ばれた、

ということでしょう。






自治労も、

こんな前例を作ってしまって、

全国の他業種でこんな問題が起こっても、

「いや、滋賀の県立病院とおなじ三六協定ですから」

といわれたら、”終了”です。





本来は、

「できないことはやらない」

ということで、

出来る範囲で医業をやり、

それ以上は縮小、というのが

正しい姿でしょう。






厚生労働省が自ら、

「医師は過重労働OK」

と言っているようです(2)。






言いかえると

「国主導の医師過労死 黙認作戦」

に出ているようですから、

歯車にすりつぶされないうちに

滋賀のブラック病院から逃散、

というのが一番正しい作戦かと思います。
















(1)
研修医の4割が「過労死ライン」の80時間を超す時間外労働
http://ameblo.jp/med/entry-10033578130.html

(2)
厚労省医政局長から愛育へのアドバイスの中身
http://lohasmedical.jp/blog/2009/04/post_1695.php







関連記事

コメント

夜間 草津の小児救急医療センター訪ねる

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000904130004

【「昼は混雑」軽症者次々】


 24時間、365日の受け入れ態勢をとる県内唯一の小児救急施設「草津市小児救急医療センター」(同市矢橋町)。夜間や休日でも重症の子どもを救う目的で06年4月、草津総合病院内にオープンした。だが、訪れる年間約2万人の大半は風邪や腹痛など軽症の患者なのが実態で、医師らは予想を超える患者数の治療に追われる。夜のセンターを訪ねた。(安田琢典)


【当直医32時間勤務/「重症救う」理解を】


 「酸素吸入、ステロイド投与。急いで」。当直態勢に入って約2時間後の午後7時過ぎ、近藤雅典・小児科部長の声がセンターに響いた。患者は救急車で運ばれて来た男児(8)。食物アレルギーがひどく、食べてはいけない卵を誤って口にし、激しいぜんそくの発作で呼吸困難の状態に陥っていた。


 3人の看護師が近藤部長をサポートする迅速な治療が功を奏し、男児は2時間後に回復。近藤部長は「症状が重い食物アレルギーで、血圧低下を誘発していた。治療が遅れれば、最悪、死に至るケースだった」と話す。こうした命の危険にさらされた患者は年20人程度と、まれなケースという。


 センターは設立前、年間の来院者を8千人と見込んでいた。しかし、08年度のセンター利用者は予想の2倍以上の1万8714人。1日平均50人ほど、日曜や祝日は200人を超えることもある。症状が重く入院した患者は478人と全体の2.6%。軽症の患者が大半を占める。


 栗東市の主婦(30)は、2日前に39度近い熱を出したという5カ月の次男を連れて来た。回復傾向にあったが、念のためにと来院し、軽い風邪と診断された。「ここは24時間開いているので便利。夜は患者が少なくてすぐにみてもらえる」と話す。2歳の男児を連れて来た大津市の30代の主婦は「風邪だと思ったが、自宅に薬がなかったので」。


 翌朝9時までの当直時間にセンターを訪れた患者は32人。このうち、入院を必要とした患者は4人だった。


 ベテランの看護師は「昔なら、自宅で様子を見ていた症状でも、親は心配で病院に連れてくる。少子化と核家族化で、子育ての経験が不足している」と話す。


 センターでは、常勤の医師6人と、滋賀医大の派遣される医師15人が交代で診察にあたる。予想を大幅に上回る患者数により、当直する医師が仮眠できるのは平均2時間程度。32時間連続で勤務することもある。「このままでは、小児科医がパンクしてしまう」と近藤部長は心配する。


 センターは、当直時間に訪れた軽症の子どもの保護者に対し、できるだけ昼間の時間帯か近所の開業医にかかるように勧めている。それでも、センターの患者数が減る兆候は見えない。


 県医療政策室も、こうした状況を憂慮する。県内では、地域内の総合病院が輪番で小児救急医療を担う。無休の同センターは利便性が高く、どうしても患者が集中すると分析する。


 利用者の思いと医療機関の理想――。双方の認識を共有させようと、同室は各地で保護者と医師の懇話会を定期的に開いている。勤務医の労働実態を調べ、その結果を地域に公表する試みも検討している。「救急と一般医療の違いを利用者に理解してもらうしか、地域医療を守る方法はない。利用者が正しい情報を知るのはもちろん、医療機関側も利用者のニーズに敏感になってほしい」。同室の考えだ。

こんな非常識な協定を結ぶ奴の自業自得ではありますが、こんな協定を結んじゃったブラック病院に就職希望医師が出てくるとは思えません。
人を増やさなければ労働は軽減されないのに、労働が軽減されるための道をふさいでいるという間抜けぶりには頭が下がります。

ところでdemianさまの投稿内容ですが、小児救急センターなんて、作っちゃダメです。
ハードルを下げれば下げるほど、患者の質は下がります。

「医療機関側も患者のニーズに敏感になってほしい」
敏感になればなるほど、時間外診療はできませんよね。

追記:小児救急センターを成立させるためには、
1)二次転送先を確保する
2)投薬は必要最小限。出すとしても1日あるいは1回分(翌診療日まで)
3)検査はしない(インフルエンザなどの迅速検査を含む)。Xpや検血が必要そうなら二次に転送する
4)名目はどうあれ、ある程度の時間外自己負担金を課する

最低でもこれくらいはしなければ、「いつでもかかれる便利な病院」でしかありません。

馬鹿労使

協定ですわね せめて79時間ぐらいにしておけばいいのにw
現状追認が見え見えです。120時間/30日で毎日4時間の時間外ですよ。常軌を逸してるとは思いませんか。何人過労死させればいいのでしょう。

願わくはこういう悪徳病院が早期に消滅することを。



人がいないから仕方がないと言ってる時点で馬鹿なのです。当然にベッド減とか外来日減らすとか業務縮小以外無いでしょ。

『自縄自縛』 を地で逝っている方々ですね。

自縄自爆
⇒ 自分で作った縄で、自分のみならず全国の同業者をも縛り付けるような、新手の自爆テロ。 今後『滋賀基準』を前例にした労働条件が、全国で行われかねません。 ただでさえ劣悪な自分の労働環境を、ワザワザ自分からお墨付きを与える聖地クオリティーに、ひたすらため息。 地獄に至る道を敷き詰めるのは善意ではなく、無知とカンチガイと想像力の欠如です。

なに言っちゃってんの?

>ある医師は「我々は労基法を守る前に、医師法または医師の倫理に従って仕事をせざるを得ない」と強調。

こいつ、ほんっとに馬鹿だよ。
ほんとに、馬鹿。馬鹿過ぎる。

それじゃ、将来に続く医療はなくなるんだよ。
こんな現場で、後継者が育つの?
こんな現実見れば、結局は皆去っていくのに。
体が持つわけ無いじゃん。


こうやって医療は、崩壊の道へまっしぐら。

Seisan様

大多数の患者にとっては、時間外の外来というのは、24時間営業のコンビニエンスストアと同じで、24時間いつでも同じ「サービス」を受けられるべきで、そうでないなら「サービスが悪い」ということになります。医師が睡眠時間を削って労働していようが、そんなことは患者にとっては関係ないのです。いくら行政や病院が「時間外は救急患者のみ」と言ったところで効果がないことは、現状を見れば明らかです。

安易なコンビニ受診を、小児・児童の医療費無料化という最近流行りの政策が後押ししていることも見逃してはなりません。タダで24時間良い「サービス」を享受できて当たり前、医師はそのために自己を犠牲にして寝ないで奉仕せよ、というのが一般の患者の考え方です。こういう話を実際に患者から聴くと、驚き呆れて、力が抜けます。

ただ、どういう症状のときに時間外の外来を受診すべきかは、一般の人は判断しにくいというのも確かで、中学・高校で疾患教育をすればそれはある程度解決できると思いますが、縦割り行政において文部科学省がそんなことをするわけがありません。

結局、現実的な政策としては、時間外加算(1回の受診で3000円とか)、救急車の有料化(1回3000円とか)が挙げられますが、有権者の反発を買いたくない政権与党としては、実行しづらい政策といえるでしょう。しかし、少しでも早く時間外加算と救急車有料化は実行されるべきと考えます。

36協定

仮に36協定を月45時間までと決めても、45時間を超過した分は時間外勤務として認められなかったりして…

権利ばかり主張するのが当たり前になったこの時代には美しすぎます。
しかし、こういった状態が標準化されてしまうのが心配です。
滋賀の県立病院が医師不足に陥った場合には
残念ながらこの先生方が責められても仕方ありません。

すこしは自分たちの権利だって主張しろよ!!!!!

以前から主張していることなのですが、小児科において、不要不急の受診を減らすためには、「時間外受診は乳児医療を適用しない」とするべきなのです。しかし、それでは反発を食らいますから、その代りに全国的に「中学生以下に乳児医療を拡大」すればいい。
その方が、医療費公費負担も下がりますし、医療機関も楽になります。
特に慢性疾患(ぜんそくやアトピー、慢性腎炎など)の親にとっては必ず大きなメリットになりますし、乳児医療を持っていない年代の子供の親にしてみれば、結局時間外受信にかかるコストは一緒ですから。

> 仮に36協定を月45時間までと決めても、
> 45時間を超過した分は時間外勤務として認められなかったりして…
120 時間として、全額認められるのかにも興味津々です
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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