2009/03/27
■続報 「愛育病院、一転して総合周産期センター継続を検討へ」
ブラックな業種である産婦人科に労働基準監督署の是正勧告があり、
病院側は
「労基法違反になるので違反はできません」
といいました。
今度は都が
「いやいや、変なこと言わないでください」
厚労省側も
>「労使協定に特別条項を作れば、基準を超えて勤務させることができる」
なんてウルトラブラックなことを言い始める始末。
愛育病院、一転して総合周産期センター継続を検討へ
asahi.com 2009年3月26日20時23分
http://www.asahi.com/health/news/TKY200903260318.html
リスクの高いお産を診る「総合周産期母子医療センター」の指定返上を東京都に申し出た愛育病院(港区)は26日、再考を求める都の意向を受け入れ、総合センターの継続を検討することを決めた。
同病院は、医師の勤務条件に関する労働基準監督署の是正勧告を受け、総合センターとして望ましいとされる産科医の当直2人以上の態勢を常勤医だけでは維持できないと判断し、返上を申し出た。
同病院によると、26日に病院を訪れた都の担当者から、周産期医療の提供体制を守るために必要だとして継続を要請された。都側は非常勤の医師だけの当直を認める姿勢を示したという。
一方、厚生労働省の担当者からは25日、労働基準法に関する告示で時間外勤務時間の上限と定められた年360時間について、「労使協定に特別条項を作れば、基準を超えて勤務させることができる」と説明されたという。
中林正雄院長は26日の記者会見で、「非常勤医2人の当直という日があってもいいのか。特別条項で基準を超える時間外労働をさせても法違反にならないのか。都や厚労省に文書で保証してもらいたい」と話した。
中林院長は、非常勤医だけで当直をすることの是非について、周産期医療の関係機関でつくる協議会に検討を求めたことも明らかにした。
「寝ている間は労働時間じゃないよ」
とかいう都の話(2)は
どこに消えたんでしょうか?
適当な言い逃れで、
結局現場に責任を押し付け
「言った」「言わない」の
なすりあいにするのでしょう。
国、自治体をあげての”法律違反”を
現場に押し付けています。
やっぱりブラックなことばかりの
産婦人科労働条件。
自由診療の出産においても
このような状況です。
わたしはこの医師不足と
恒常的な労基法違反状況ですから、
出産費用の急激な上昇を
予想していたのですが、
あまり出産費用は変わっていないようです。
産科の先生方はお人がよろしいようで…。
これほど”出産はブラック業種”で
”値上げ不可避”だと
国民のコンセンサスが得られている時期は
無いと思います。
関連記事
(1)
■「<愛育病院>「総合周産期指定を返上」 東京都に申し入れ」 いよいよ日本から産科医療が消滅します
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-727.html
(2)
■「愛育病院が総合周産期センター返上申し出 当直維持困難」 産科医師は寝ている時間を測れ
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-728.html
コメント
2009/03/27 08:42 by 暇人28号 URL 編集
「産科医の分際で労働法で守ってもらおうなんておこがましい」
って (-人-)南無~
2009/03/27 08:47 by こんた URL 編集
今後、全国の周産期センター、そして救急医療の現場にこの労働問題はあっというまに延焼していくことでしょう。
さて、国はどう有効な手を打ってくるのでしょう。
ありえるのが、「労働基準法の特別例外」とかの法律を無理やり創造すること。
医師は労働基準法の労働時間制限を適用しない、とかね。
ま、そうなってまで現場にしがみつく医師はいないと思いますが。
2009/03/27 09:11 by Seisan URL 編集
5年前の私
産科医が当直をしています。今日は手術が遅れてもう21時です。陣痛室には今二人います。一人は予定日超過の妊婦さん。もう一人は前期破水で陣痛が微弱なようです。経過みることにして、仮眠することにしました。しかし、すぐにMWよりコールがありました。「予定日超過の妊婦さん、少し胎児心拍が怪しいのでみてもらえませんか?」行くと、一過性の徐脈が1回のみ出ているようです。続けて出るようなら、早く赤ちゃんを出さなければなりません。寝ている場合でなくなりました。破水の妊婦さんは陣痛が強くなってきました。「先生、羊水が濁っています」また、心配事が増えました。そうするうちに先輩の開業医から電話です。「いや。ちょっと早産になりそうな患者がいるんだけれど、何かあったら搬送していいかな?」・・・
あれ、もっと勉強したいことがあったような気がする。あの文献を読もうと思っていたのに、いつの間にか机に上に置いているだけだ。いつも寝不足、全然読む気がなくなってしまった。・・・
毎日いつもの仕事をしているだけで何となく落ち着くみたいだ。あまり遠くに旅行には行けないけど、それでもいいかな。食事も服装も最近あまり気にしなくなった。・・・
2009/03/27 09:41 by URL 編集
それなんてホワイトカラー・エクゼンブション?
>特別条項で基準を超える時間外労働をさせても法違反にならないのか。都や厚労省に文書で保証してもらいたい
違法じゃないから過労死させても病院に責任はないってことですね、あなたの考えはよ~く分かりました。
5694名無し様
当直中に何か(論文とか)やろうとすると、荒れませんでしたか?
2009/03/27 09:49 by REX URL 編集
ついに究極のセレブ病院でも死亡フラグ成立ですね。
ちなみに、センター指定返上の撤回は今のところ表立ってはしてないようですね。
2009/03/27 11:05 by Seisan URL 編集
今回の騒動によってクビが飛ぶのはどの部署の人でしょう?
1.違法労働をさせていた愛育病院
2.違法な勤務体制を強要する東京都
3.ここまで医療崩壊を放置していた国・厚労省
4.余計な是正勧告を出して騒動を引き起こした労基署
もし4ならマジにこの国終わってますね。
2009/03/27 11:17 by 耶馬苦痢陰弔 URL 編集
RE:今回の騒動によってクビが飛ぶのはどの部署の人でしょう?
5. 愛育病院の産科医
さっさと逃散。 逃げ遅れないでー
2009/03/27 11:30 by 浪速の勤務医 URL 編集
内部告発者でしょう
たしか、横市でも、「内部告発者を断罪を」という、のがありましたよね
2009/03/27 12:18 by やまおやじ URL 編集
労働基準法を破壊し、石の奴隷化を企む悪の結社(安っぽいけど、ソノママ)との息詰まる(行き詰る?)闘いを描いた意欲作。 禁断の奥義『特別条項』が、帝都を焼き尽くすか? 今後の戦局を左右する、まさに天王山! 今、桜咲く帝都から目が離せない!
『人の愚かさを甘く見てはいけない』という警句があるそうです。 今回の騒動も、『公共の福祉(病院の維持)の為に、医師の法的な権利を、公的に制限できるか?』という、毎度のフレームがあるように考えています。 いよいよ行政も、恥も外聞もない、なりふりかまわぬ展開ですね。
心筋梗塞訴訟など過去の裁判でも、『そんな判決をやっては医療は出来ん(だから負けるはずはない)』と言う先輩がいました。 ご存知の通り、結果はDQN判決が出て、ヤバクて医療が出来ない体制が出来上がりました。 決して現場の医療者の法的保護や、将来にわたる医療体制の構築を中心に世の中が動いているわけではありません。 今回も、医師の中からも改悪に賛成する○△□×ヤロウ(自主規制)が出てきそうな悪寒(そしてソレを美談化するマスゴミ)。 本当に、何をしてくるか分かったモンじゃない。
いずれにせよ、この様な騒動のたびに、良識のある医師はドンドンと逃散をします。 ・・・そして、特別条例なんか作られる(そして全国に波及する)ならば、『医師をすること自体からの逃散』も本気で検討する必要があるカモ。 行政や奴隷医を、甘く見てはいけません。
2009/03/27 13:04 by おだまき URL 編集
産科医が告発していたら
2009/03/27 15:33 by 元外科医 URL 編集
朗報です
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/medical_malpractice/?1238135198
2009/03/27 17:25 by 南島の管屋 URL 編集
もちろん、内部告発で首にするなんてことをしたらそれこそとんでもない騒ぎになりますから、表面上は円満退職、退職金もちゃんと払われて万々歳ですne.
新しい逃散の手段かもしれません。労基署への内部告発(笑)
2009/03/27 19:21 by Seisan URL 編集
想像して笑ってしまった。まさにジレンマ。
(実際には、その現場で働いている医師の告発だったら首飛ばせないでしょ。院内で連鎖反応が起きるだけでしょうし)
2009/03/27 20:37 by 暴利医 URL 編集
日常業務が シンプルな疑問に 変わる時
世界に影を作り出す 都庁判断横たわる
DQN内容に触れた時に 振り上げた手下ろせなくて
落ちるようにしゃがみこんだ
Prototype boy 医療の理想だけで
語り継ぐような美談にもならないけど
医師生命を失いそうな ギリギリの場所が
哀しいぐらい似合ってる
嘘みたいな要求は 溜まったほころびが弾ける
前触れのようだ 過剰なまでのお仕事が
夜勤明けさえ 逃がそうとしない
医師ならばと強制する ありふれた偽善さえも
献身と熱意の反動 絶えず私心が揺らいでる
今更の感傷ならかぶり振るけれど
使い捨てられる勤務医(プロトタイプ) 次、訴訟自分だろうか?
今は考えない・・考えない・・
Prototype boy ヤル気奪われていく 法律解釈 繰り返す歯痒さで
過労勤務 逝った友の 亡骸が生きた分身に見え始めた
・・・それでも you shelter DQN?
2009/03/30 16:54 by おだまき URL 編集
「カンガルーケア」に注意を
4月9日 16時55分
http://www.nhk.or.jp/news/k10015295491000.html
生まれたばかりの赤ちゃんを母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」というスキンシップの最中に、容態の急変に気づくのが遅れて赤ちゃんが死亡するなどの深刻なケースがあることが、新生児医療の専門医のグループが行った全国調査でわかりました。専門医は、赤ちゃんの状態を管理する十分な態勢の下で行う必要があると指摘しています。
「カンガルーケア」は生まれたばかりの赤ちゃんを裸のまま母親の素肌の胸に抱かせ数十分間、いっしょに過ごすスキンシップです。母乳の分泌が促されたり、赤ちゃんの不安が和らいだりして、母子のきずなを深める効果があるとされ、最近は、規模の大きな病院のほか、産科のクリニックや助産所などにも広がっています。調査は、新生児医療の専門医で作るグループが行ったもので、新生児の集中治療を行う設備のある全国205の病院のうち149の病院から回答を得ました。その結果、分娩室で行われていたカンガルーケアの最中に、容態が急変した赤ちゃんを治療したことがあると答えたのは11病院あり、あわせて16件の症例が報告されました。この中には、母親や看護師が気づいたときには心肺停止状態で、そのまま死亡したケースが1例、脳に重い障害が残ったケースが3例など、深刻なものもありました。調査を行った倉敷中央病院小児科の渡部晋一部長は「生まれて1時間の赤ちゃんは呼吸の状態が変化しやすく、細心の注意を払わなければならないのに、母親と2人きりにするなど安易にカンガルーケアを行っている施設がある」として赤ちゃんの状態を管理する十分な態勢の下で行う必要があると指摘しています。
2009/04/10 09:54 by rose URL 編集