2009/01/25
■「臨床研修、実質1年に短縮? 「経験不足する」と批判も」
「バカで人気のない病院はつぶれてOK!」
と、大声で叫んでいた方々が、
地方の声を押し切って進めた
”新臨床研修医制度”。
日本医療政策機構の
代表理事の 黒川先生も
強力な推進役でしたが、
あれれ、なんだか立派なポストについているのは
どうしてなのかな?
http://www.healthpolicy-institute.org/ja/
この混乱の責任を取らないのかな?
「研修による成果」も
はっきりしないまま
「研修による医療の悪化」
だけが目立つことになっています。
臨床研修、実質1年に短縮? 「経験不足する」と批判も
asahi.com 2009年1月22日11時4分
http://www.asahi.com/health/news/TKY200901220038.html
新人医師に2年間義務づけられている臨床研修制度について、国が、実質1年に短縮できる見直し案を提示している。医師不足に対応するため、地方の国立大学病院などの要望に応じた。だが、医師の診療能力を高めようと導入された制度の趣旨がゆがみかねないと、批判の声も上がる。(野瀬輝彦、和田公一)
21日午後、東京・永田町であった自民党の議員連盟「医師臨床研修制度を考える会」。厚生労働省の担当者は、臨床研修の必修科目を内科や救急など最も基本的な診療科に限り、現在は必須となっている精神科や小児科などを選択制にする「見直し案」を説明した。この案だと、2年の研修期間のうち後半の1年は、将来専門としたい診療科での研修を主軸にできる。
同省は、この案を文部科学省とともに開く専門家の検討会に「たたき台」として提示。10年度からの実施を目指し、3月末までに最終報告書をまとめたい考えだ。
見直しの狙いは、地方の国立大学病院などに若手医師を確保すること。様々な診療科を回る期間を短くすることで、小児科や産科、外科などの専門医を早く育てたいという要望が寄せられていた。
臨床研修が必修化された04年より前は、新人医師の7割が大学で研修を受けていた。だが開始後は5割以下に。若手が不足した大学は、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げざるをえなくなった。
「医師が行きたがらない地方に若手を派遣してきたのは、大半が国立大学病院。現状では、そうした派遣機能が維持できない」と厚労省幹部は見直しの背景を説明する。
今後、地域別に研修医受け入れ人数の上限を決め、地域偏在を正す方法も検討する。
だが、見直しで医師不足にどこまで対応できるのか。今でも2年間の研修が終わった後、指導体制や給与など待遇への不満を理由に、大学に戻る医師は外科などで年々減る傾向にある。「この見直し案では、かえって医師の偏在を助長するのではないか」と、検討会の委員の一人は懐疑的だ。
また、学会などは「基本的な診療能力を向上させる」という現行制度の目的が損なわれると、案に反対する。
見直しで必修科から外れる可能性が高まっている精神科。臨床医や学者、病院経営者らでつくる「精神科七者懇談会」は見直し反対の要望書をまとめ、検討会の高久史麿座長あてに提出した。日本精神神経学会の小島卓也理事長は「心の問題や自殺予防対策などは、専門外の医師でも精神科医療の基礎知識と診療能力が要る。見直しは時代の流れに逆行している」と厳しく批判する。
全国の6割以上の病院が加入する「四病院団体協議会」も昨年12月の会見で、見直し案に疑問を呈した。日本病院会副会長の堺常雄・聖隷浜松病院長は「地域や診療科ごとの医師の偏在は臨床研修制度の開始前からある。制度自体は医師の質を向上させており、なぜいま見直しをしなければならないのか」と話す。
《臨床研修制度》 医師に基本的な診療能力を身につけてもらおうと04年度から必修化された。原則として医師国家試験合格後の2年間に7科・部門を順番に回り、先輩医師から指導を受ける。研修先は自由に選べるため、症例数が多く経験を積める都市部の民間病院に研修医が集まり、地方の大学病院などで若手が不足する原因となった。
こういうことを
平気な顔で書くこと自体が
私には信じられません。
>見直しの狙いは、地方の国立大学病院などに若手医師を確保すること。
まさに新臨床研修制度は
「大学医局の力を削ぎ、医師の人事権を取り上げる」
ための改革でした。
目的の通り、
大学の医師が減りましたよ?
望みどおりになっているのに、
今度は逆のことをするのですか?
あれほど、崩壊すると言っていたのに?
新臨床研修制度のとき、
「大学はいったい何の権限で
医師の人事権を持っているんだ?」
そう言って、厚労省は大学医局の
力をそぐことに躍起になります。
医師の派遣について急に法的な根拠を求められ、
「大学は派遣業務を行っていないから医師を派遣できない。」
とわざわざ確認したり、
いろいろな力の削り取りが行われました。
逆に、こうした「法整備」により
大学はいまでは、
「医師を派遣することは大学にできません。
医師個人の同意があって就職することになります」
といって地域の要請を断っています。
「医師がフリーになれば病院もフリーで医師を選べる」
そう言って新臨床研修を導入した人は、
その改革の評価を受けるべきです。
あれほど、地方病院が
「都会に医師が出ていき、地方の医師はいなくなってもいいのですか」
と訴えた時に、
「各々の病院の努力によって医師を獲得することが重要です。
医師は縛られることなく、フリーになるのですから」
とはっきり厚労省は言っていました。
厚労省の役人の説明を聞いているとき、
「これで地方医療は崩壊だね」
そう呟いた助教授(いまの准教授)
の声が忘れられません。
予定通りに医療現場を破壊して
予定通りに大学医局の力がなくなり
予定通りに医師が自由に動くようになりました。
現場は死屍累々です。
それでも
まだ「現場が悪いんだ!」
とマスコミも、医療政策を推し進めている人も
いうのでしょうか?
■「新研修制度と医師不足の関連が明らかに―日医」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-195.html
■「医師不足で臨床研修見直し」 リスクを恐れない”特攻野郎”、育成しましす(笑)
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-275.html
コメント
ついでに
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090125k0000m040011000c.html
2009/01/25 01:01 by 可愛 URL 編集
>「バカで人気のない病院はつぶれてOK!」
2009/01/25 01:15 by こんた URL 編集
2009/01/25 08:37 by URL 編集
振り回される学生の立場も考えて頂きたい
2009/01/25 11:38 by URL 編集
本音は大学の権力を弱め、病院の独善(?)をおさえ、厚労省が代わりにコントロールしたい、というのが丸見えでしたが、やはり「ごめん、無理でした」とバンザイしたということですね。
本音では「独立行政法人医師派遣機構」みたいな新外郭団体を作って、医師を好き放題に飛ばしまくりたかったんでしょうね。どう考えても無理ですが。
しかし、臨床研修制度で人事権を医局から奪い、病院評価システムと診療報酬削減で大病院の体力と発言力を奪う(うるさいことを言う病院には病院機能評価で実現不可能な無理難題を吹っ掛ける)ことで無理やり厚労省は医療業界を統制しようとしたんですが、やっぱり無理っぽいことがそろそろはっきりしてきたということでしょう。
しかし、精神科も小児科も産婦人科も必要なしっていうんなら、「新臨床研修制度自体必要なし」ってことじゃないのですかねぇ。どうせなら「5年前に戻します」ってすりゃあいいのに。まあ、戻したところでもう元には戻りませんが。
昔のように大学に人が戻ることもあり得ませんしね。
ところで4666の医学部生さま、国試浪人はさけたほうがいいと思います。経歴のキズになります。国試を受かってから研修をせず、「1年間社会勉強をしてました」のほうが体裁がいいです。ただし、出身大学に残ることが前提ですが。
2009/01/25 12:31 by Seisan URL 編集
臨床研修医制度は30年遅れの全共闘運動
臨床研修制度改革は「大学医局=悪」という図式の下、医局解体を狙ったものでしたが、それを主導した厚生労働省担当局長は全共闘運動・東大紛争の頃に学生生活を送りその後入省した世代であり、当時の「刷り込み」に基づいてこうした方針を推進してきたようです。いわば「30年遅れの全共闘運動」ですね。これは実際の実務に関わった課長補佐クラスから聞いた話です。
黒川清先生、どうしちゃったんでしょうねぇ・・東大教授在任中、自分は研修医としてご指導をいただきましたが、もっと光輝いておられました。やはり「本業」というものが大事なんでしょうか。
2009/01/25 14:54 by メタボン URL 編集
>とにかく臨床研修医制度についてはいつもそう思っていたところ、例の六本木の
>シンポジウムで東大の永井教授とこの制度はよくないって僕がいったら彼は
>なんて言ったと思います?「研修医制度は医局から若いDRを引っぺがすという
>目的はきっちり果たした」って言ってました。ね?東大のこの制度の目的などに
>深く関わっていた人の意見ですよ。ちゃんとした医師をつくろうなんて目的で
>考えられたものではないんです。
2009/01/25 22:15 by 彼らの本音 URL 編集
三重・松阪市長に33歳山中氏初当選確実 最年少首長に
三重県松阪市長選は25日投開票され、新顔で前県議の山中光茂氏(33)が、再選をめざした現職の下村猛氏(68)を破り、初当選を確実にした。山中氏は2月6日の就任時に33歳1カ月で、大阪府箕面市の倉田哲郎市長(34)を抜いて現職では全国最年少の首長となる。
選挙戦では「『まっさか(松阪)』を変えなあかん」と変革を強調。小学6年生までの医療費無料化などを訴え、支持を広げた。
山中氏は、群馬大医学部卒。松下政経塾生、衆院議員秘書などを経て、07年4月の県議選で初当選。1期目の昨年11月、民主党を離党し、無所属で市長選に立候補した。政党や業界団体の支援はなく、市民団体や組織に属さない草の根市民らが主体となって選挙戦を戦った。
(引用終わり)
医療費無料化は安易なコンビニ受診を増やし、ただでさえ忙しい医療現場をさらに混乱させます。この山中光茂という方は医師だそうですが、医療費を無料にするのはいいことだという素人くさい安易な発想が、医師とは思えません。そこで経歴を調べてみました(下記のリンク)。
http://www.yamanaka-mitsushige.com/profile.html
慶應義塾大学法学部卒業、群馬大学医学部医学科卒業、医師国家試験合格。しかし、どうやら臨床医として研修を行うことなく、松下政経塾に入塾。松下政経塾在籍中にケニアで「医療担当専門員」をやっていたということですが、「医師」をやっていたわけではないのですね・・・。
2009/01/25 23:14 by demian URL 編集
松阪市長
2009/01/25 23:41 by 回送電車 URL 編集
本当に行き当たりばったりですね
医師を増やしたいなら、その科の保険点数や夜間診療の保険点数を増やし、勤務者収入を割り増しとすること。また裁判では、故意でない場合は医師の支払い負担を無くすという条件にすれば良いのです。
そもそも、全国いつでも・どこでも高度医療や安定した救急医療が受けられるという国民の妄想を取り除くことが必要ですが、マスコミやトンデモ裁判が散々国民をミスリード(?)し続けてますので(ry
2009/01/26 07:57 by いなかでないかい URL 編集
特に松坂なんて、すでに小児医療が崩壊しつつあるのに、こんな公約ぶったててどうするんでしょうね。
2009/01/26 08:44 by Seisan URL 編集
無策が最高の策だった?
【○○○○を守る会】は訴えないのだろうか?
それにしても初めから結果が見えていたおかしな制度に
厚労省の内部に反対意見が無かったとは
とても考えられないのだが・・。
まあそれほどまでにも、大学病院憎し!教授憎し!
だったってことなんでしょうかね。
今に見ておれ。
ホントに偉いのは誰だか見せてくれるワイ!!
医局なんぞおれたちがぶっ潰してくれるワイワイ!!!
なんちゅうくだらない理由だけで
始まった研修医制度でしたから。
それにしても自由を知ってしまった若い先生たちが
籠の中の鳥に自ら入ってくることはありません。
2009/01/26 10:06 by saki URL 編集
看護師が執刀する韓国の病院(上・下)
http://news.livedoor.com/article/detail/3990273/
http://news.livedoor.com/article/detail/3990274/
彼はメスを手に取り、肋骨の開閉作業など心臓手術を補助する。本来ならば胸部外科の研修医、つまり医師がすべきことだ。しかし同病院では胸部外科に若い医師が志願しなかったことから、看護師が代わりにこの仕事を行っている。
(略)
医療法上、医者がすべきことを代行しているPAは現在、国立大病院など全国の総合病院に500人ほどいる。学界によると、胸部外科に約320人、外科に約 120人、産婦人科に約100人、神経外科に約40人いるとのこと。主に若い医師が志願しなかった外科系の診療科に多い。
(略)
しかしこれらの医療行為は明らかに違法だ。医療専門のキム・ソンウク弁護士は「最高裁判所の判例によると、医師が監督したとしても医師ではない人が患者にメスを入れるのは無免許医療行為。現在の医療界における慣行はすべて法的根拠がない」と指摘した。
2009/01/26 17:28 by 暴利医 URL 編集