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■「救急受け入れ問題FAQ」

なかなか面白い記事を

Yahoo!でみつけました。





マスコミの皆さん、

きちんと読んでくださいね(笑)。





救急受け入れ問題FAQ

10月30日17時40分配信 ツカサネット新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081030-00000011-tsuka-soci

「ベッドが無ければ、廊下で治療すればいいんじゃないの?」などなど、現在起きている「救急受け入れ問題」に関して、よくある質問に対する回答集。

現在起きている問題を、「医療従事者の怠慢だ!」と思っている方は、是非、下のFAQを読んで欲しい。

◇◇◇

●なんで急患の受け入れを断るの?
・(人員・設備が足りない…などの)物理的問題で、(受け入れると犯罪になってしまうケースがある…などの)法的問題で、断らざるを得ない状態にあり、これは「受け入れ拒否」ではなく「受け入れ不能」なんです。

●なんで「専門外だから」が断る理由になるの?
・「専門外の患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(奈良心タンポナーデ事件)があるからなんです。

●ベッドが無いなら、廊下で治療すればいいんじゃないの?
・「設備不十分な状態で患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(加古川心筋梗塞事件)があるんです。
・そもそも、「ベッド」「ベッド」って言われてますけど、病院でいうところの「ベッド」は、心電図とか、酸素マスクとか、呼び出し用ボタンとか、それを管理する人員とか、それら全て「込み」ですからね。もはや「ベッド」というより「設備」と言ったほうが適当かもしれません。

●応急処置してから、他の病院に移すのは駄目なの?
・「応急処置の後、他病院に転送するのは犯罪」という司法の判例(上に同じく、加古川心筋梗塞事件)があるんです。

●なんで、一度断った病院が、後になって受け入れるなんて事があるの?
・救命中であった患者が「落ち着く」か「亡くなる」かのどちらかで、病院側に「空き」が出来たからです。

●有名人や金持ちだったら嬉々として受け入れるんじゃないの?
・西村真悟議員の息子の飛び降り自殺…アレも、重度のうつ状態で入院の必要があるとされながらも、「ベッドが無い」という理由で入院できませんでしたよね。もはや、コネやカネではどうにも出来ない程に、患者の受け入れが困難な状況なんです。

●ぶっちゃけ、人の命より金儲けのほうが大事なんでしょ?
・金儲けのほうが大事だったら、そもそも、不採算部門である救急なんて、最初からやりません。

●医師が足りないなら、海外から医師を呼んだらいいんじゃない?
・本国より遥かに待遇の悪い日本に来る理由が見当たりません。…というのも、実は、日本の医師の待遇は、諸外国のソレよりも遥かに悪いんです。

●ドクターヘリを導入したら?空からなら直通でしょ?
・ヘリを導入するにも、周囲の建物が邪魔で安全に飛べなかったり(ビルに激突、民家に墜落…の危険性あり)、ヘリポートのある(作れる)病院が少なかったり、騒音問題で導入を反対する住民がいたり…など、色々と問題が山積みなんです…。
・あと、ドクターヘリを必要とするほどの重症患者を扱う「3次救急」自体の数が減っていることも問題の一つとなっています。

●リアルタイムでベッドの空き情報の分かるネットワーク、システムを作ったらいいんじゃない?
・いくら良いシステム、良いネットワークを作っても、医師の手術スピードが上がる訳でもなく、患者を診るための設備が増える訳ではないため、根本的な解決とはなり得ません。
・また、それに近いシステムが既にあるのですが、現在、病院側にそのシステムを操作するマンパワーが足りないために、空き情報をリアルタイムに更新出来ない…という問題が発生しています。

●救急病院が急患を受け入れられないなら、救急病院を辞めちゃえば?
・現実に次々と辞め…ていうか、潰れていってるんです…。過去5年で430件以上…。
・特に、重症患者を扱う「2次救急」、救急最後の砦である「3次救急」が減っていることが深刻な問題となっています。
・また、一つの病院が救急を撤退してしまうと、その病院が受け入れていた患者が他の病院に流れ込み、その病院のキャパシティをオーバーして受け入れ不能…という、「受け入れ不能のドミノ状態」に陥ってしまう…という危険性があります。

●1次・2次・3次って何?どれも救急病院じゃないの?
・救急病院は、患者の緊急度の度合いによって、「1次救急」「2次救急」「3次救急」…と種別されています。
・「1次救急」は、入院や手術の必要が無い患者が対象で、「2次救急」は、入院や手術が必要な患者が対象、「3次救急」は、1次・2次では対応できないレベルの重症患者が対象となっています。
・ここ数年、救急医療が不要なレベルの「軽症患者」が、夜間救急…特に「2次救急」「3次救急」に駆け込み、夜間救急がパンク状態になっている事が、深刻な問題となっています。

●2~30件も断わられる事なんてあるの?
・大多数の救急が、マンパワー不足・キャパシティ不足のために、常にパンク寸前(or 本当にパンク)の状態に陥っており、2~30件、いや、それ以上断られる可能性は、大いにありえます。
・また、過重労働で医師が倒れる、燃え尽きて退職…などで、救急を辞める病院も出ており、今後は「受け入れ不能」状態が加速、最悪、「たらい回せる病院」すら無くなり立ち往生…という事態もあり得ます。

◇◇◇

患者を受け入れられない医療従事者を責めても、この問題は解決しない。

何が原因でこのような事態が起きているのか、どうすればこの問題が改善されるのか、よく調べて、考えて欲しい。

(記者:都筑てんが)





ここまでシンプルでも、

一般の方にどれだけ

理解されているかどうか

不明ですね。



それ以前に、

まず


読売新聞さん、朝日新聞さん、NHKさんはじめとする

マスコミさんにこの文章を

理解してもらいたいものです。






えっ?

毎日新聞さん?




いやあ、

あそこはあきらめました(笑)。






えっ、

産経ニュースさんも

抜けている?







産経さんに

理解してもらおうということ自体、

間違っていると

最近気づきました(笑)。






まず、熟読してください(笑)。





関連記事

コメント

防衛医大がお逃げになるようです
http://k.nhk.jp/knews/t10015082231000.html

よく産経の下請け広告会社が、医院の広告を出してくれと電話をかけてくる。

えーかげんにせえよ。

ぷにぃ

えーっと、このFAQは、下のエントリのが元ネタです。
http://punigo.jugem.jp/?eid=447
医療事情に詳しい方、ぜひお力を下さいm(_ _)m

あちこちのブログにコピペしまくったせいで、自分が製作主だって事に気づいてもらえない(涙)

ツカサネットの方で、「満床だったら廊下でもいいから治療してくれ!」とかいう脊髄反射的で○○○な記事があって、ソレがYahoo!に載ったのを見て、「コレがYahoo!に載るんなら、ウチのFAQとかも載るんじゃね?」とばかりに投稿したら…案の定でした(笑)

しかし、結びの

>何が原因でこのような事態が起きているのか、
>どうすればこの問題が改善されるのか、
>よく調べて、考えて欲しい。

「お前が言うな」と突っ込まれそうで怖いです(笑)

重要

こういった医療を知らない・理解していない司法判断(トンデモ裁判)の問題をもっとひろく知って貰う必要があると思います。
あちこちの医療系ブログのトップ記事にしてもらいましょう!

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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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