fc2ブログ

■最後のレセプト、誰がチェック(笑)? 「銚子市の市立総合病院390床、財政難で休止」

最後のレセは

だれがチェックするのでしょう(笑)?





銚子市立総合病院、本日休止です。






銚子市の市立総合病院390床、財政難で休止

2008年9月30日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080930-OYT8T00330.htm

 千葉県銚子市の市立総合病院(393床)が財政難のため、30日を最後に休止する。これだけの規模の自治体病院が行き詰まったケースはあまり例がない。市は医師不足を招いた国の施策を非難するが、市の経営姿勢こそ問題との指摘も出ている。

 再建の見通しが立たない中、転院を強いられた患者から不満の声が噴出している。(社会部 小林直貴、千葉支局 木村勇、赤津良太)

医師激減「万策尽きた」

 「頼りにしていたのに、転院先探しに困った人は多い。再就職が決まらない職員もいる。患者も職員も放り出された」。病院存続を求め、4万人以上の署名を集めた市民団体代表の金秋陸夫さん(62)は怒りを隠さない。

 同病院では、7月初めに166人いた入院患者については、今月25日までに市内外の病院に転院してもらった。きょう30日には、16診療科のうち、外来診療を続けている小児科、眼科、精神神経科、脳神経外科の予約患者に「最後の診療」を行う。

 大きな懸案として残ったのは、外来1000人を抱える精神神経科の患者の行き先だ。地域の受け皿が足りず、多くの患者に、医療機関名が空白のままの紹介状を渡す事態になっていた。「このままでは大量の医療難民が発生する」という患者の家族たちの声を受け、市は急きょ、県などの支援で10月から、精神科の民営診療所を病院内に暫定的に設置することにした。

 同病院元職員の竹内龍雄さん(80)は脳神経外科に入院していた妻(78)を市内の民間病院に転院させた。「慣れた病院にいたかった。市はもっと早く手を打てなかったのか」と首をひねる。

 95歳の母親が入院していた野口ひろ江さん(60)は納得いく転院先が見つけられず、今月13日から自宅で母親に付きっきりで介護している。「朝夕にチューブで入れる食事に6時間かかる」と野口さんは苦労を口にする。

 市は今後、医療法人などに経営を代行させる「公設民営」や、民間譲渡での再開を目指すが、道のりは険しいとの見方が大勢だ。

市側主張 日大が医師引き揚げた 大学側反論 希望者がいない

 「万策尽きた」。岡野俊昭市長は休止を発表した7月7日の記者会見でそう語り、日大の医師引き揚げが大きな要因と主張した。

 同病院は日大医学部の関連病院で、2006年4月時点で常勤医35人中28人が日大出身だった。今年4月は13人中7人。日大出身者が2年で4分の1に減ったことが常勤医減に直結した。医師減少で患者も減り、収益は03年度の約37億円から07年度は約20億円に。

 とどめを刺したのが「医師引き揚げ」と言う市は、04年に国が導入し、地方の医師不足を加速したとされる新臨床研修制度にも批判の矛先を向ける。

 しかし日大の片山容一・医学部長は「引き揚げたのではなく、派遣期間を終えた医師の後任を補充できなかった。銚子に行きたい人が見つからなかった」と反論する。50以上ある関連病院への医師派遣は1~2年単位で、本人の希望を優先するといい、「将来展望がない、との評判が立てば誰も希望しなくなる。市の責任こそ問われるべきだ」と指摘した。

 市も、医師の手当引き上げや全国自治体病院協議会の紹介などの新ルート開拓を試みたが、休止への流れは止められなかった。協議会の紹介で昨秋着任した松井稔医師(44)は「経営努力を感じなかった。健康診断を重視するなど地域病院としての方向性を示す手もあった」と語る。

 全国に約1000か所ある自治体病院の75%は赤字。伊関友伸・城西大准教授(行政学)は「自治体病院の崩壊が一気に進むとは思わないが、大学病院に頼ればいい時代でなくなった今、将来展望がなく、医師の待遇改善に消極的な病院から徐々に傾いていくのでは」と予測する。

 新臨床研修制度
 導入前は新卒研修医の多くが大学病院に残ったが、導入後は原則自由に研修先を選べるようになり、都市部の一般病院を選ぶケースが増えた。03年度は研修医の72・5%が大学病院に在籍していたが、05年度以降は40%台。人手不足となった大学病院が各地の病院に派遣していた医師を引き揚げ、地方の病院の医師不足を加速させたとされる。






新臨床研修制度が悪い、

というのは簡単ですが、

それだけではありません。



いままで積もり積もっていた

日本医療のゆがみが

ここで爆発しただけです。




マスコミも国民もあれほど

「大学は白い巨塔で廃止すべき。

医局人事なんてもってのほか」

といって医局を叩き潰していきました。






厚労省も

医師の人事権を

大学から引きはがそうと躍起でした。





現場の医師は、

「本当にこんなことして

大丈夫なのか?

地域医療は崩壊しますけどいいのですか?」

と直接、

厚労省の方に聞きましたが、

「医師本人の希望しない病院へは

派遣を強要しないでください」

とのことでした。







その結果がこれです。







まあ、

みんなで寄ってたかって

つぶしたんですから、

しょうがないですよね。






またもや

地元の方の署名は

何万人集まっても

効果がないのが

証明されてしまったのも

印象的です。








最後のレセプト、ご苦労様です。












関連記事

コメント

NoTitle

もう病院は存在しないのですから、いくら切られようとも「たいした問題ではない」のかも知れません。
ここは一発パタリ○に「だーれが殺した(ry」とおどってもらいましょう。

NoTitle

慣れた病院にいたかった?
95歳の母親が入院していた??

それは潰れて当たり前では??
この診療報酬の厳しい状態でどんだけ長く入院なさってたんでしょ?

新臨床研修制度はとどめかもしれませんが、やっぱ福祉の貧困のしわよせですよね。

銚子老人病院

どーせなら、銚子市立老人病院に変換すればよかった。
銚子周辺の、家で介護できないお年寄り、引き受けてのないお年寄りを、ぜーんぶ銚子市立病院改め市立老人病院が引き取っていけばよい。
年寄りのケアにはコストがかかるからって、市長が議会で堂々と説明して、銚子市民の健康保険料を大幅アップ、ついでに老人ケア特別税金も徴収して財源にして、市民を強引に納得させればよい。
医者なんて一人か二人で充分。入院時にDNRの同意書を取って、仕事は死亡診断書を書くだけの医療機関なら医者も看護師も少なくても足りる。

だいたい、危機に瀕している全国の公立病院は、ぜーんぶ、公立老人病院化しちゃえば良い。
ケアのコストは、その地域住民への高い健康保険料と老人介護特別税金の設立で財源を確保。
入院に当たっては、”必ず”DNRの確約書を取る。
PEGなんて、つくらない。食べられなったら、末梢ラインからの維持輸液だけ。
医者の仕事は、死亡診断書を書くことと、他には少しだけで、人が足らなくても充分にやっていける。
なんで、誰も言い出さないんだろう。

全国の公立病院を税金で公立老人病院化、なんて優しく暖かい国なのだろう、日本って。

無題

>年寄りのケアにはコストがかかるからって、市長が議会で堂々と説明して、銚子市民
>の健康保険料を大幅アップ、ついでに老人ケア特別税金も徴収して財源にして、
これが議会をとおり、次の選挙でも自分が支持されると市長が考えれば、というかそう考えさせることが出来るレベルの市民だったら
病院を残せたかも知れませんね

NoTitle

確かに病院の老健・介護施設化は有効かもしれませんね。

家でみれない年寄りの面倒は市の施設でみます。その代り税金が高くなります、という流れにしていけば、厚労省や財務省、そして財界が主張するところの「日本はベッドが多すぎる。ベッドを減らすべき」という「老健・介護施設の代わりに病院を使いつぶしてきた」という現実を見ない主張に対しても対抗できますし、新規に老健・介護施設を作るハコモノ行政をする必要もない。
老健・介護施設を病院にはできないが、病院を老健・介護施設に切り替えるのは設備面でも充実しており、簡単でしょう。

ところで、日大が引き揚げたのは、戦力不足となってきた大学にとってわざわざ人を派遣する魅力がなくなっている、言い換えれば「医師にとって働きやすい、キャリアにプラスになる」病院づくりを怠ってきたという証明ですね。
全国的にそういう意味では淘汰が進んできているようです。
キャリアにプラスになる病院なら多少給与は安くても人は集まります。キャリアにプラスにならないなら、せめて給与だけでも高ければまだ勤務を続けるインセンティブにはなります。どちらもなければ…まあ、わかりますよね。

某掲示板より

>またもや地元の方の署名は何万人集まっても効果がないのが証明されてしまったのも印象的です。

愚民の一覧表を持ってこられても、普通の医者は行かないよな、そんなところ。

愚民の一覧表

おっと、住民数万人の署名があるなら、
赴任するかわり数年後に銚子市議の椅子が手に入る条件があれば考えられたりされませんか…?
非公開コメント

最近の記事

最近のコメント

カテゴリー

ブログ内検索

プロフィール




中間管理職: このブログの管理人。
ID上、ブログではmedさんとも呼ばれてます。

某大学医学部を卒業
 ↓
医師免許取得: 医師にはなったけど、医療カーストの一番下でした。
 ↓
大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
 ↓
さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
 ↓
日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
 ↓
大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

よろしくお願いいたします。


中間管理職 

Author:中間管理職 
↑「勤務医 開業つれづれ日記・2携帯版」はこちらから。

おすすめ開業関連本

クリックするとAmazonに飛びます。

クエスチョン・バンク 医師国家試験問題解説 2017 vol.7: 必修問題


クエスチョン・バンク CBT 2017 vol.5: 最新復元問題


医師国家試験のためのレビューブック 小児科 2017-2018


小児がん診療ガイドライン 2016年版


もっともっとねころんで読める抗菌薬: やさしい抗菌薬入門書3


ねころんで読める抗菌薬: やさしい抗菌薬入門書


診療所経営の教科書〈院長が知っておくべき数値と事例〉


感染症レジデントマニュアル 第2版


40のしまった! 事例に学ぶ 診療所開業ガイドブック (NHCスタートアップシリーズ)


開業医・医療法人のための医療税務と節税対策Q&A


開業医・医療法人…すべてのドクターのための節税対策パーフェクトマニュアル


開業医・医療法人…すべてのドクターのための税務調査対策パーフェクト・マニュアル


医院の財産 承継&相続パーフェクト・マニュアル


よくわかり、すぐ使える成功するための「医院開業」ハンドブック―コンサルタントが教える「My Clinic」のつくり方


トラブルにならない 社員の正しい辞めさせ方・給料の下げ方


ねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書


もっとねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書2


もっともっとねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書3

おすすめ医学書

FC2カウンター

いつもご訪問、ありがとうございます。2009年5月7日からの累計アクセス数です。

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数:
いつもありがとうございます。現在、アクセスしている方の数です。

Amazon人気商品

月別アーカイブ

カレンダー

11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -