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2008.07/23 [Wed]
■「全室個室「理想の介護」のはずが…新型特養軒並み経営難」
当ブログでは
ときどき介護関係の
お話もさせていただきます。
今回は「新型特養」。
国が推し進めて、
そして
”ハシゴをはずす”(笑)
といういつものパターンを
ここでも行っています。
財務省は
このような”介護崩壊”
の状況でも
”2200億円の社会保障費の削減維持”
を声高に訴えています。
全室個室「理想の介護」のはずが…新型特養軒並み経営難
低所得者対策 重荷
2008年7月22日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kaigo_news/20080722-OYT8T00300.htm
居住環境の改善と介護の質の向上を目指し、国が建設を推進している全室個室の「新型特養」が、曲がり角を迎えている。度重なる制度変更で、経営悪化に苦しむ施設が増えているためだ。自治体の中には、「新設は新型で」という国の方針に反して、相部屋の従来型の建設を認めるところも出始めている。(社会保障部 猪熊律子、小山孝)
上限6万円
「いい介護を提供したいと新型特養を始めたのに、経営が回らない。これでは何のためにやっているのかわからない」
神奈川県秦野市にある特別養護老人ホーム「はだの松寿苑」(定員100人)を運営する社会福祉法人「寿徳会」の久保谷勤理事長は頭を抱える。
市と建設協議を始めた2003年当時、国は新型特養を大々的に推進していた。従来の4人部屋と違い、全室個室のためプライバシーが守られ、職員数も手厚くして一人一人に合ったケアができる。約12億円の借入金は負ったが、理想に燃えてのスタートだった。
開設2か月前の05年10月、政府の社会保障費抑制策を受け、介護報酬が大幅に削減された。介護報酬に含まれていた居住費などは施設が入居者から受け取る仕組みに変わった。それでも、入居者から1人月約8万円の居住費を徴収できれば、赤字にならず、借入金も返済できる計画だった。
ところが、同時に導入された低所得者対策で、計算が狂った。施設が受け取る低所得者分の居住費に、月6万円(本人負担と公費補てん)という上限額が設けられたためだ。この結果、「居住費は、建設費用をもとに、入居者との契約で自由に設定できる」という当初の国の方針に沿って月6万円以上の料金を設定した施設では、軒並み経営が苦しくなった。
松寿苑の場合、入居者に占める低所得者の割合は約6割。光熱水費などの実績をもとに算出した現在の居住費は月10万5000円で、差額の4万5000円を施設がかぶっている。食費にも同様の上限額がある。「本来より月の収入が300万円ほど少ないが、介護・看護職などの人件費を削るわけにもいかない」と、久保谷理事長。職員のボーナスを自腹で払ってしのいでいる状態だという。
危機感
経営が苦しいのは、松寿苑に限った話ではない。
05年10月の介護報酬改定を前に、同年8月、大幅な減収予想に危機感を募らせた新型特養経営者らが結成した「全国新型特養推進協議会」には、全国の約100施設が結集した。参加施設はその後も増え、今では全国の新型特養約700施設のうち約220施設に上る。
同協議会によると、新型特養は建設コストがかかるため、大半が月6万円を超える居住費を設定しているという。一方、厚生労働省の調査(06年)によると、低所得者の割合は、入居者全体の約8割にも上る。
最近では、自己負担を減らすために、収入がある家族の扶養から外れ、自分だけの世帯となることで低所得者になるケースも増えているといい、新型特養の経営環境は年々厳しくなっている。
相部屋認める
国は、「特養を新設する場合は新型で」との姿勢を変えておらず、14年度までに個室の割合を7割以上に増やしたいとしている。
だが、自治体の中には、国の方針に反して、相部屋の従来型を認めるところも出てきている。
埼玉県では現在、施設が希望すれば、4人部屋の新設を認めている。「基本は新型だが、経営の大変さを指摘する声が強い。個室代を負担できないという利用者や家族の声にも配慮した」と担当者は話す。同様の動きは、川崎市や群馬県などでも広がっており、ある自治体の担当者は、「7割達成は難しいのでは」と漏らす。
質の高さ目指したのに…国に改善要望
推進協議会は、今のままでは経営が立ちゆかないと主張。建設費も人手もかかる新型の経営実態をよく見たうえで、低所得者向けの上限額の引き上げや報酬アップなどを実現するよう国に要望している。
赤枝雄一会長は、「これからは特養も、質の高いハード、ソフトを目指せという国の方針に沿って整備したのに、はしごを外された気分。国はもっと配慮してしかるべきだ」と訴える。
これに対して、厚労省の担当課では、「来春の報酬改定に向けて現在行っている介護事業者の経営実態調査の結果を見て、見直しを検討したい」としている。
東京都は今年6月、経営難に悩む施設は都市部に多いことを受け、「低所得者対策の上限額は全国一律でなく、自治体が独自に決められるようにすべきだ」とする国への緊急提言をまとめた。都によると、直近に整備された都内の新型特養の平均的な居住費は月約7万6000円だという。
上限額を設定したこと自体に対する疑問の声もある。堤修三・大阪大学教授(社会保障政策論)は、「上限を設けたことで、結果的に、施設の経営の自由を奪ってしまった。こうした制度は、有料老人ホームやグループホームにはない。低所得者対策には別の方法もあったのではないか」と指摘している。
新型特養 全室個室で、10人程度のユニット(単位)ごとに食堂兼居間を設け、専属の職員が個別ケアを行い、生活環境も家庭に近づけた特別養護老人ホーム。厚生労働省が推進し、03年度の介護報酬改定で正式に導入された。居住費(家賃や光熱水費など)は、介護報酬に含まれず、施設が入居者から直接徴収する。
これが全国で大量の
”特養待ち”
がでている原因の一つです。
療養型病床の削減が
すでに今年4月から始まっています(1)。
「療養型老健」が
まったく進んでいない状態で、
「新型特養」も
このありさま。
介護業界は
上から下まで
どうしようもない状況が続いてます。
日本では
「後期高齢者医療制度」といい、
(首相は長寿医療制度と
いいなおしましたがどうなったんでしょう(笑)?)
まるで
「年をとるのが罪」
といった政策をどんどん出しています。
日本で
生きながらえるとき、
その尊厳や誇りを
保つことは
容易ではありません。
(1)
療養病床の再編…受け皿不足 削減難航
2008年4月1日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/security/20080401-OYT8T00385.htm
高齢者が長期入院する療養病床の削減が4月から本格化する。政府は全国にある約35万床を半分に減らす方針で、代替施設の介護報酬も先月決まった。しかし、医療関係者の反発は強く、病床削減計画を作る都道府県の足並みもそろっていない。(社会保障部 阿部文彦、内田健司、小山孝)
低い新報酬
「この報酬では、必要なサービスが提供できない。今のままでは施設への転換はできない」
京都市内で高齢者向け病院を経営する財団法人仁風会の清水紘理事長は、3月に決まった新しい介護施設「介護療養型老人保健施設(療養型老健)」の介護報酬に不満をぶつけた。
同法人は、市内に嵯峨野病院(180床)、京都南西病院(135床)を持ち、その95%は介護保険が適用される療養病床だ。患者の要介護度の平均は4・78と高いが、国の基準に従えば、約半数の患者は医療の必要度が低く、介護施設で対応できると見なされる。
療養病床を持つ病院は、かつて「老人病院」とも呼ばれ、介護施設や自宅などで暮らせる多くの人が入院していた。介護施設や在宅介護サービスが不足していたためで、「社会的入院」として問題とされた。2000年の介護保険創設時にも根本的な解決は見送られ、医療保険が適用される医療療養病床と、費用を抑えた介護保険適用の介護療養病床が並立することになった。
「本来ならば2000年に、病院なのか、福祉施設なのかを明確に分けるべきだったのに、国や市町村は費用のかかる福祉施設の新設に消極的で、問題を積み残しにした」と、特定医療法人財団「石心会」の石井暎禧(えいき)理事長は指摘する。
様子見
政府は06年、12万床ある介護療養病床を11年度末に廃止し、23万床ある医療療養病床も12年度末には15万床に減らす大胆な削減策を打ち出した。
廃止される療養病床の転換先になると同時に、患者の最大の受け皿となるのが療養型老健だ。新施設といっても、既存の病棟の簡単な改修でも対応できるよう、部屋面積も通常の老健より基準が緩い。しかし、医師数を減らしたことなどから、療養病床に比べ介護報酬は2割低く抑えられた。
仁風会の試算では、新報酬では年間3億円の減収になる。この結果、必要な医師や職員を十分に配置できず、「夜間に容体が急変しても対応できない。入浴の回数も減るのではないか」(清水理事長)という。
日本療養病床協会の木下毅前会長は「現状では療養型老健は選択肢にはならない。各病院は当面は様子見だろう」と見る。医療か介護か、療養型老健のあいまいな位置づけも方向性を見えにくくしている。
「介護難民」
問題を複雑にしているのが、療養型老健以外の受け皿の不足だ。
療養病床の入院患者や家族にとっては、特別養護老人ホームや自宅での療養も選択肢となるが、
特養の入所待機者は全国で約38万5000人。在宅医療も、在宅療養支援診療所での看取(みと)りが過去1年間で約2万7000人にとどまる。
療養病床と在宅をつなぐ退院支援の取り組みも遅れている。「受け皿が不足した状態で療養病床を廃止すれば、介護難民が出る」といった医療関係者や患者家族の不安は大きい。
国は、療養病床の再編により、医療・介護費が約3000億円削減されると見込む。だが、与党内には、「財政の論理で療養病床の削減を進めて失敗すれば、政治の責任になる」といった慎重論がいまだに渦巻き、介護報酬の早期引き上げを求める声も出ている。
こうした状況が療養型老健への移行に消極的な医療機関の思惑と絡み、国が掲げる12年度末までの「療養病床半減」という目標が実現するかは不透明だ。
療養病床の削減には、75歳以上人口の大幅増を前に、医師などの人材を有効活用する狙いもある。
「急性期医療などでは人材難が深刻で、医師、看護師は今後、大事に使わなければならない。家族にとって預け先がなくなるという問題は大きいが、長期的に見ると、必要以上の療養病床が残ることは国民のためにならない」と、藤井賢一郎・日本社会事業大准教授は指摘している。
東京は7000床増目標…地域事情で計画に温度差
介護療養病床の廃止を踏まえ、都道府県による再編計画の策定が大詰めを迎えている。2012年度以降も存続する医療療養病床の数をどう見込むかなどは、地域事情によって様々だ。
65歳以上人口10万人当たりの療養病床数が突出して多い高知県では、07年8月時点で6793床あった療養病床を、12年度には3082床と半数以下に削減する計画だ。
県の担当者は「患者の視点から、医療や介護の必要性に応じた施設へ転換してほしい」と話すが、医療機関との具体的な調整はこれからだ。新年度予算では、住民の声を反映させ、住み慣れた地域で高齢者を支援する体制を作ろうと、「地域ケア体制整備推進費補助金」を創設した。
療養病床数が最も多い北海道は、昨年4月時点の医療療養病床1万8737床を12年度の目標値にした。現状よりは減るが、厚生労働省の示した標準を約3700床上回る。広大なうえ、積雪などで冬季の入院先が必要になるといった地域事情から判断した。
東京都は、現状より約7000床も多い2万8077床を12年度の目標値とした。後期高齢者が今後急速に増えることに加え、都民約5200人が都外の療養病床に入院していることなども踏まえた。計画では、療養病床の意義を「住み慣れた地域で生活する高齢者の容体が悪化した場合のセーフティーネット」「地域ケア体制における重要な社会資源」などと強調し、国の削減姿勢と一線を画す。
厚労省は、全国の計画値を集計し、国としての計画を策定する。だが、目標とする15万床の上方修正は必至だ。
[プラスα] 利用者の負担は減少
介護療養病床を療養型老健に転換した場合、介護報酬が最大で2割減り、利用者の自己負担は減ると見られる。
厚生労働省の試算によると、介護療養病床の4人部屋に要介護5の高齢者が入院した場合、1割自己負担分と食費、居住費を含めて月額9万2800円が必要だ。
同じ人が療養型老健に入所すると、約8%安い月額8万5100円。実際には、これにリハビリテーションや個別の病状に応じた金額が上乗せされる。
ちなみに、従来からある老健に入居した場合の自己負担は月額8万2500円なので、療養型老健の方がやや割高になる。
一方、医療療養病床の場合、病状や年齢によって自己負担額が大きく変わるため一律に比較できないが、療養型老健に入居した場合、それまで負担していた紙おむつ代は払う必要がなくなる。
自分の子孫に金を残すなら、それを自分の医療に使う形にして全部巻き上げて、なくなった人から死んでいってください。
そう言っている制度なのだと思います。