2015/08/26
■マイナーエマージェンシー 原著第3版「異物挿入者の受診 医師のマニュアルは「事情を深く聞くな」」
救急外来では
変な患者さんが結構来ます。
自分の経験した異物では
遊んでいた傘の柄が口に引っかかってきた人がいました。
傘を口に引っ掛けている感じですが
あまりにぴったりはまって
舌根から喉頭蓋谷にはまり込んでました。
なんでか、
肛門にものを入れる人って、
「座ったらそこに偶然○○があった」
(○○は自由に記入)
って人が圧倒的。
でも、「座ったイスの上にドライバーが立ってた」
って、どう考えても変ですよね。
夜中の救急外来に若い男性が
肛門にドライバーが丸ごと入って、
指も届かないほど奥まで行ってしまったとのことで
受診されました。
「座ったらそこに偶然立ったドライバーがあった」
とのことで、
私が診察しながらせっかく
「ああ、なるほど」
って、私が言ったのに、
横の看護師が
「逆向きですよ」
ってツッコミはいりました!
こんな夜中にバカな事するな!
そう、言いたい気持ちはよくわかる。すげーわかる。
でも、こっちも職業上、上手くまとめようとしているのに
なんでそういうこと、いっちゃうかな。
そうなんです、グリップの方から肛門に入ってますから
なぜか、とても高度なバランスでイスの上に立っていたんですよね、
たぶん!!
そうなんですよね、患者さん?
そしてパンツをはかずにイスに座ったら、
あろうことかドライバーがたまたま全部肛門に入ってしまって、
取れなくなってしまったんですよね!!
気まずい沈黙が流れました。
その後、
外科の先生と一緒に肛門ドライバーは
取り出しました。
そういえば、あの患者さん、
肛門ドライバーはたしか
「いりません」
と言ったはず。
あのドライバー、どこにいったんだろう……?
異物挿入者の受診 医師のマニュアルは「事情を深く聞くな」
NEWSポストセブン 2015.08.25 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20150825_344643.html
今年の夏は全国的に猛暑が続き、「熱中症により○○人が救急搬送された」というニュースが連日のように報じられた。しかし救急搬送された人の中には、思わず「なぜ?」と尋ねたくなるような人がいるのも事実だ。
一風変わった症例に出くわしたとき、医師はどうやって治療法を決めるのだろうか。実は参考書がある。『マイナーエマージェンシー 原著第3版』(大淹純司監訳、エルゼビア・ジャパン/医歯薬出版刊)は、その名の通り「珍しい急患」にどう対処するかを11領域、184項目にわたって解説している。
同書には「異物―直腸」という項目がある。そこには「肛門に入ったレモンや瓶、バイブレーターが取れなくなった」という場合の取り出し方が、図解入りで掲載されている。
尻に異物が入って取れなくなり、困って病院に駆け込んでくる患者は一定数いるようだ。ほかにもバット、ビール瓶、電動歯ブラシ、キュウリやトウモロコシといった報告もある。救急搬送だけではなく、恥ずかしがりながら自分の足で来院する者も多いそうだ。
肛門の異物挿入は男性が圧倒的に多い。実際に事例を診たことがある医師が話す。
「平日の昼間、スーツ姿のビジネスマンが腹痛で来院したんですが、問診や触診をしても原因がわからない。詳しく検査すると、なんとお尻の穴に電球が入っていたんです。家で入れてきたのか、外回り中に入れたのか、いつから入っていたのか……さまざまな疑問が頭をよぎりましたが、深くは聞かず治療に専念しました」(大学病院勤務の医師・仁科桜子氏)
医師が診るうえでは「問診」が必要となるが、その時に大切なことがある。驚くようなモノが挿入されている場合でも事情を深掘りしてはいけない、ということだ。「どうしました?」という質問はこういう患者にとっては鋭利な刃物のように心に突き刺さる。患者が緊張して筋肉が萎縮してしまうと、異物が摘出しにくくなるのだ。同書にも、
〈患者に正確な話をするよう強要してはいけない。恥ずかしい思いをさせるだけ(後略)〉
〈患者をリラックスさせることが不可欠であり、異物の回収を成功させるためには通常鎮静が必要である〉
と記述されている。
「それにそうなった理由を訊いても、たいていの患者は『風呂場で尻餅をついたところにたまたまレモンが落ちていた』だとか『暑かったので全裸で電球を取り換えていたら、台から足を踏み外して転んで偶然にも電球が尻に刺さった』といった説明をしてきます。だからあんまり参考になりません」(救急病院で働く40代女性看護師)
※週刊ポスト2015年9月4日号
尿道にシャープペンの芯、
なら普通で
膀胱に乾電池
しかも単一
というツワモノもいて
私たちの想像をはるかに越えています。
子供がおもちゃを飲み込んで
呼吸困難感があって
臨時で透視をしたら
ウルトラマン怪獣のようなやつが
胃の中でウガー、ってかんじの
姿勢を取ってました。
でも、子供のピーナッツが肺にはいった
ピーナッツ異物はかなり面倒なので
幼稚園児にピーナッツとか
ヤメた方が良いと思います。
あと、カニ食う時に
殻ごと食うの、ヤメろ。
とげが逆向きで引っかかって
どんどん奥に行きやすくて
サイコーに取れづらいので
入院必至。
そう考えると、
異物の患者さんは結構経験したな
と思う管理人でした。
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コメント
NoTitle
幸か不幸か私は子供の鼻の中の異物くらいしか経験ありません。少しずつちぎって取り出せましたが、それでも何故こんなに大きなものが・・・というのが鼻腔内にありました。(柔らかい樹脂製のおもちゃでした。)
2015/08/27 10:42 by 放置医 URL 編集
NoTitle
タモリ倶楽部でもやっていたんですね。今回の記事書いていて初めて知りました。
鼻の中の異物では、お母さんが半狂乱になって「子どもが鼻におおきなあめ玉を入れてしまったんです!!」と救急外来で大騒ぎしたことがありました。
横で子どもが母親の雰囲気にのまれてギャン鳴きしていると、溶けたあめ玉が子どもの鼻からとろりと流れて落ちてきて、終了。
私たちは何もしなかったのですが、時間外診察をしているのでお金を払う時にまたプリプリ怒ってました。疲れますよね。
今後ともよろしくお願い致します。
皆様、よい当直を!!!
2015/08/31 23:33 by 中間管理職 URL 編集