2015/04/29
■川上未映子新訳 たけくらべ 「樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外」 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集13)
池澤夏樹=個人編集 日本文学全集
「たけくらべ」。
読みましたか?
きっと書く事になるんだろうな、
と思いながら、
ここ最近では書くことを
一番ためらっていた本。
正直、勧めていいかどうか分かりませんが、
私は感動。
樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集13)
とにかく、川上未映子の新訳
樋口一葉 「たけくらべ」
が悩ましい。
本当に、
どうしたらいいのだろう?
原文は青空文庫で
無料でゲットしてください。
たけくらべ
かなりの確率で挫折しますよね。
……はい。
私も挫折組です。
たけくらべ、ガラスの仮面なら第3巻ですよね。
ガラスの仮面 (第3巻) (花とゆめCOMICS)
「たけくらべ」で
挫折した人はガラスの仮面を
読んでみてください。
(2巻が若草物語で、3巻の
表紙がこれですから、
「たけくらべ」で間違っていないと思いますが
本が手元にいま無いので、
かなり昔の記憶で書いてます。
勘違いしてましたら教えてください。すみません)
私が他に手元にあるのはこいつ。
たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)
実は、私はこれも読めませんでした。
なんだか作品の色気が分からん。
カチンカチンに凍った魚みたい。
というか、「ガラスの仮面」で
満足しちゃった自分がいて
どうしても世界に入れませんでした。
で、川上未映子の新訳。
一気に読み終わって、
「ああ、ここにいたんだ」
という感じでした。
信如と美登利の
世界が動いている。
樋口一葉が書きたかった
空気の流れが見える感じです。
切ないラストを
ラスト、と書いて違和感ないのが
川上未映子の新訳。
私みたいな不良読者ほど
川上未映子にやられてしまうのかもしれません。
原文を読める人には
違和感が強いかもしれません。
悩ましいですね。
でも、このままどんどん原文で
樋口一葉を読める人が少なくなって、
集中治療室の患者さんの点滴のように
大量の注釈を巻末につけながら
歴史に埋もれる位なら
いっその事、生まれ変わった方がいい。
原文
”廻れば大門(おおもん)の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝(どぶ)に…”
川上未映子新訳
”廻ってゆけば、吉原のたったひとつしかない大門の、
見返り柳までの道のりはかなりな長さになるけれど、
そのぐるりを囲むお歯黒どぶ、
そう、遊女が厭になっても何があっても逃げられないようにと掘られたどぶには、…”
この新訳は
まるで同じ原作で映画を取り直したように
新鮮です。
プロデューサーとしての
川上未映子は
なかなかの凄腕だとおもいます。
真面目に原文を読むひとほど
ダメかもしれません。
でも、
樋口一葉や森鴎外の「舞姫」など
擬古典主義に興味があるんだけど
ちょっと読むのは敷居が高い、
という人にはすごいお勧めです。
夏目漱石の「三四郎」と
森鴎外の「青年」は
もう定番ですから
存分に読んでください。
ちなみに、
私は森鴎外は「鴎外近代小説集」と
「鴎外歴史文学集」がオススメ。
再読には最高です。
きちんとした装丁で、
文字も大きくとっても読みやすいです。
第4巻 青年 (鴎外近代小説集)
他の森鴎外全集はとんでもない量になりますが、
「鴎外近代小説集」と
「鴎外歴史文学集」ならまだ許容範囲かも、
……どうですか?
やっぱりでかいかな?
ではみなさま、よいGWを!!
ご参考になりましたら幸いです。
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