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■突き飛ばされた医師の方が悪者?「医師がブラジル人患者家族に「クソ、死ね」? 病院側は不適切な言動認め厳重注意」

 

(1)の続報です。


 
医学的に正しい事が

必ずしも臨床的に正しい訳ではなく、

いつでも患者さんを納得できる訳はない、

ということ。




でもこの問題、

立場が変われば、

ほんとうに医師の方が悪いのでしょうか?






医師がブラジル人患者家族に「クソ、死ね」? 病院側は不適切な言動認め厳重注意
2015/1/27 19:32
http://www.j-cast.com/2015/01/27226360.html

静岡県内の総合病院の男性医師が、ブラジル人患者の家族に「クソ、死ね」などと罵倒したと、この家族がフェイスブックで訴え、騒ぎになっている。病院側は不適切な言動があったことを認め、病院長が男性医師を厳重注意した。

騒ぎのきっかけは、6歳の在日ブラジル人少女の父親が2015年1月22日、フェイスブックで2つの動画をアップしたことだった。

ポケットに手を突っ込み、「じゃあ、訴えて下さい」

その説明などによると、少女は、太ももなどに赤い腫れものがたくさんできており、夜間に県内の総合病院の救急外来で診療を受けた。動画は、そのとき少女に付き添った家族が撮ったものらしい。

診療後の病院医師らとのやり取りが記録されており、最初の動画では、少女の父親が、たどたどしい日本語で若い男性医師を問い詰めるシーンで始まっている。

父親がこのまま帰ってもいいのかとただすと、医師は、両手をズボンのポケットに突っ込みながら、「で、小児科に行け! 小児科に」と声を張り上げた。父親が別の病院への紹介状を書けるかと聞くと、医師は、ルールがあって書けないと説明した。

これに対し、父親が「酷い問題だったら、どうする?」と問い詰めると、今度は、こう言い放った。

「じゃあ、訴えて下さい。そのときは、裁判で訴えて」

さらに、「救急外来ですべての診療を行うのは不可能なんです」「それを、現実をまず受け止めて下さい」と理解を求めた。それでも、父親が紹介状を求めると、医師は同僚を呼び、その同僚は、少女の病状に心配がないと判断したから、入院の措置も取らなかったと説明した。その間も、医師は両手をポケットに入れて、イライラした様子だった。

「父親ご本人も誤解しているところがあります」

もう一方の動画は、父親らの家族が病院の医師ら数人と話し合いをしているシーンから始まる。男性医師が言ったという「クソ、死ね」は、その前に出たという。

この動画では、家族からその発言を聞いた父親が「ダメ、先生」「裁判所行く、警察呼びます」と医師を叱り、「外国人でも、誰がでも、気をつけて下さい。バカなこと言ったんだよ」と嘆いた。これに対し、医師は頭を下げただけだったが、前出とは別の同僚から「きちんと謝ろう」と言われて、「すみませんでした」と初めて謝罪の言葉を述べた。

その後、父親は、ウイルスが原因と分かっても、どのウイルスか分からなければ心配だとして、再び紹介状を書くように迫った。その理由について、もっと検査したいからだとしたが、別の男性医師は腕を組みながら、「はっきり検査しているみたい」と突っぱね、夜間の対応としては最善を尽くしたと強調していた。

ブラジル人少女はその後、静岡県内の別の病院で診療を受け、3週間入院したという。事実関係ははっきりしないが、少女は、強いウイルスに感染して内出血しており、手当が遅ければ命の危険もあったとこの病院から説明を受けたとしている。

父親のフェイスブックは、ネット上で話題になり、父親が面倒なクレームをつけているのではといった指摘もあったが、医師の対応が酷すぎないかと批判の声も相次いだ。父親の投稿については、理由は分からないが、その後削除されている。

男性医師が勤務する病院では、医事課長が1月27日にJ-CASTニュースの取材に対応し、「父親ご本人も誤解しているところがありますが、ドクターも不適切な言動があったと思います」と話した。

ただ、「クソ、死ね」発言などの事実関係については調査中で、関係機関と対応を協議していると説明した。少女の父親らに直接その結果を報告したうえで、一両日中にホームページ上で経過説明をしたいとしている。

静岡県は、在日ブラジル人が多いことで知られているが、言葉や文化の違いなどでのトラブルは聞いていないという。父親はフェイスブックで差別があったと訴えていたが、医事課長は「それは絶対にありません」と否定した。

なお、昼間は、ポルトガル語の通訳を雇っているというが、夜間は不在になっているという。

(2015年1月27日20時40分追記)

病院は1月27日夜、書面で改めて経緯を説明した。それによると、2人の医師の判断で緊急に治療する必要がない旨の説明をした。その後、以下のような経過をたどったという。

(1)この説明に対し患者の父親は納得せず、入院希望、症状の原因特定、更には急変時の責任の所在や診断書の作成等を執拗に迫ってきた。
(2)診断書は正確を期すため、実施できる検査に限りがある夜間救急では、書かないルールとなっていることを説明するが納得しなかった。
(3)万全を期すため小児科医を呼び出し、専門医からも病状と対処について説明するも、耳を貸さず、大声で自己主張を繰り返すのみ。自分の大声や言葉に更に興奮し、医師に食ってかかる態度を繰り返した。
(4)その後一人の医師が父親に対し、不適切な言葉をつぶやいた。
(5)その言葉に反応し、患者の父親は当該医師の胸ぐらをつかみ、両手で突き飛ばした。
(6)この後から患者様のご家族は、スマホとタブレット計2台で動画の撮影を始めた。
(7)これについて、当該医師は不適切な発言を反省し、謝罪した。






患者の父親は当該医師の胸ぐらをつかみ、両手で突き飛ばした。

野球ならこれで退場ですし、

警官にこれをやったなら公務執行妨害で逮捕です。





医師が「クソ、死ね」と言ったので

患者の家族が

胸ぐらつかんで突き飛ばしたのはOKで、

医師がダメ、って事なんですね。




逆ならいいのかな?

患者さんの家族が「クソ、死ね」と言って、

医師がその胸ぐらつかんで突き飛ばしたなら

患者さんの家族がダメで

医師はOK?




単純に医師が悪い、と考えすぎてませんか?

立場を入れ替えたら

どちらが悪いでしょう?





当直医師の皆さん、

ジェントルマン過ぎです。

これは逆に患者さんの家族が通報されるべき

事案かもしれません。



私は2回、夜間当直中に警察を呼んだ事があります。

詳しい話は書けませんが、

自分ルールはこう決めていました。

1) 自分は徹底的に丁寧に対応

2) 相手が自分やスタッフ、備品などに直接被害が出たらすぐ警察に通報

3) 自分を守るために医師の方が録音する


録画や録音されて困る内容なら

言わないにこした事がありません。



にっこり笑って、

ルールを丁寧に

繰り返すことです。

たとえそれが事務的であったとしても、

患者さんや家族に納得させる事が出来なくても、

ルールはルールですから。





そして、相手が

そこを逸脱してきたら、

ルール違反があったら

それなりに対応するしかありません。

ルール通りにね。




最終的には自分とスタッフを守る事が

優先されます。

胸ぐらつかまれて突き飛ばされたら

身の危険を感じませんか?





すぐに診察室から退去してもらって

警察を呼びましょう。




もしも、

国会議員の胸ぐらつかんで突き飛ばしたら

警察を呼ばれませんか?

もしも、

ホテルのフロントでスタッフの胸ぐらつかんで

突き飛ばしたら

警察を呼ばれませんか?

もしも、

コンビニでスタッフの胸ぐらをつかんだら

警察を呼ばれませんか?

もしも、

銀行の窓口で受付の人の胸ぐらつかんで突き飛ばしたら

警察を呼ばれませんか?

なぜ、

医師は「くそっ、氏ね」と言って

相手に胸ぐらをつかまれて突き飛ばされて、

医師の方が全国的な問題になるのでしょうか?





一方的に医師が悪いと言われるのは

本当なのでしょうか?

同じ事を別の場所、別の人間がやられたら

同じ結果になるのでしょうか?





医師の方もおばかです。

実際に訴えられたら

小さくなって裁判所に行くはめになります。

私は友人や知人に弁護士がいますが、

それだって

「じゃあ好きに訴えろよ!」

なんて、口が裂けても言えません。



「氏ね」なんて言ったのも軽卒です。

先に「氏ね」なんて言って、

共感して擁護してくれる人は

ほとんどいないでしょう。


医師が自分で失点を重ねているから

なかなか医療関係者も

全面的に擁護できないのです。




にっこり笑って、

困った顔で、

「ごめんなさい、今ここで出来るのはここまでなんです」

「小児科の専門医にも来て診てもらったし、今の時間、これ以上検査は出来ませんから」

「今は帰っていいと思います。でも、改善なければ明日にでも小児科に行ってくださいね」

「診断書は決まりで書けないのです。明日書いてもらってください」

とか、言いましょうよ、ねえ。

ルール通りの返答で、無限ループ。





何か不穏な状況になったら、

「じゃあ、別の部屋でご相談しましょう」

とか言って、まずは部屋を出てもらう。

相手にもクールダウンしてもらってから、

上司や後輩に相談。

守衛さんや看護スタッフ、

自分の味方の呼べる人をみんな来てもらう。

だめなら警察に来てもらっちゃう。

もう、人数負けしたらダメです。




あと録音、録画されているときには

自分が熱くなったら負けです。

こっちが録音、録画しましょう。

「あ、じゃあ言った言わないになるので録音させてもらいますね。いいですよね?」

「録音ダメなんですか?なぜ?」

結構、録音されると緊張しますが、

録音すると気持ちが落ち着きます。

同じ事なのにね。



勝つためには

クールに、

相手の問題点を的確につき、

自分は失点をしない。



野球だって狙って完全試合は出来ないけど、

自分のエラーを少なく、

相手のミスを待つのが大事。



今回みたいに両者の乱打戦になったら

印象操作されてしまうのがオチですから、

にっこり笑って公務員的な公式対応で

行きましょう。




もちろん、

医学的なミスをしないのが

大事ですが、

救急外来には100%はありません。

精進するしかありません。





みなさま、良い当直を!!





(1)関連記事
■「搬送女児のブラジル人父に医師が「くそ、死ね」」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-2385.html

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コメント

最近は

時間外に変に戦って時間や体力を無駄にした上、後からクレームまで入れられるよりも、無抵抗主義となっている今日この頃。

NoTitle

匿名さん、コメントありがとうございます。

素晴らしいですね。業務を最短距離でこなせるのは有能な証拠です。
私は人間が出来ていないので、疲れる方が来たらもうぐったりです。白衣のままサンダルで裏口から逃げ出したいです。

うるさい患者さんで、「俺は山○組と関係があるんだからな」とか言われた事があります。会話を録音していたので、思わず心の中で「ラッキー!」と叫んでしまいました。

こんな楽な(バカな)患者さんばかりじゃないですし、開業したら毎日外来ですから、セルフコントロールって大事ですよね。

読んでくださる皆様のお陰で当ブログも続けていられます。今後ともよろしくお願いいたします。


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某大学医学部を卒業
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医師免許取得: 医師にはなったけど、医療カーストの一番下でした。
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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