2015/01/17
■勤務医、デスマーチへ 「年収1075万円以上が対象 「残業代ゼロ」厚労省骨子案」
![53c8bcaeb26822673c96-1024[1]](https://blog-imgs-76-origin.fc2.com/m/e/d/med2008/20150122225016137.jpg)
通称、「残業代ゼロ」制度の正式名称は、
>「高度プロフェッショナル労働制」
らしいです。
あれ?
誤植発見?
「高度プロフェッショナル奴隷制」でしょ?
医療側のリアクションが
あまりありませんが
関係あるよね?
以下は管理人が勝手に想像で
書いてみます。
不十分な戦力しかない現段階で
医療現場に「残業代ゼロ」制度が導入されると
頑張っている医師の救いが全く無くなります。
医療現場の現状は、多分こんな感じ。
人が足りない
↓
労働条件が悪い
↓
管理者の責任
↓
地域や施設が、医師確保をどうにかしようとする
ところが、「残業代ゼロ」が導入されるとこうなるかもしれません。
人が足りない
↓
労働条件が悪い
↓
でも、契約した仕事はしてね。
↓
出来ないのは個人の能力のせいだよ。
↓
少ない戦力の過重労働
現場改善の上層部の責任はない
↓
戦力不足のまま放置状態
手術の延長も、
病棟からの時間外コールも、
当直も、
急患での呼び出しも、
ぜーんぶサービス、サービス。
しかも、
経営者ではなく
医師個人が
自分自身で管理責任をとるのです。
「そういう契約しているでしょ。
残業が多いのは医師の能力不足。
過労で死んだら自分のせい」
「患者さんがいっぱい来る?
それをこなせないのは病院ではなく君のせいだよ」
ということです。
兵站を無視した
第二次世界大戦の日本軍のようになってきました。
インパール作戦で
指揮官は悪くなくて、
行軍している連中が悪い、
という制度なわけです。
こりゃ
デスマーチってやつですね。
あっ、
今の大都市の勤務医だと
給料をこんなにもらえないのかも。
医師のみなさん、
該当すらしなければすみません……。
医師はすでに
高度プロフェッショナル奴隷
ではなく、
中程度プロフェッショナル奴隷
であって、
「残業代ゼロ」にすら引っかからない存在なのかも知れません。
年収1075万円以上が対象 「残業代ゼロ」厚労省骨子案
東京新聞 2015年1月17日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015011702000118.html
厚生労働省は十六日、労働時間ではなく成果で評価する「残業代ゼロ」制度の報告書骨子案を労働政策審議会分科会に示した。新制度の対象者を年収千七十五万円以上の専門職と規定。長時間労働防止策と働く人の健康を守る対策も盛り込んだが、長時間労働を助長するとの立場を取る労働側は反発。年収や対策の要件をめぐり、経営側と対立する場面もあった。厚労省は今月中に分科会の了承を得て報告書を決定し、次期通常国会に関連法案を提出する考えだが、調整が難航する可能性もある。 (鈴木穣)
骨子案によると、制度の名称は「高度プロフェッショナル労働制」。対象は高度な専門職で「金融商品の開発」など銀行、証券、情報通信、製薬などの業界を想定する。働き過ぎを防ぐため、経営側が労働時間を把握し(1)終業から始業まで一定の休息時間を設ける(2)会社にいる時間の上限を規制(3)年百四日以上の休日取得-のいずれかの対策導入を条件とした。
(以下略)
下手をすると、
この制度が出てくると
勤務している医師は
今後、二極化するかもしれません。
(1)自己防衛のためになるべく人数の多い病院で働く大病院指向
もともと大都市の有名病院で
がんがんやりたい、
という医師は多いのですが、
環境の中途半端なところは敬遠され、
十分に医師がいるところにさらに医師が集中する。
(2)仏の心で激務に身を捧げる
こういう先生が意外と多いです。
現段階でも「労働基準法?なにそれ」
という医師が多数ですが、
どんなにひどい状況でもやってしまう。
当然、過労死もしやすい。
現時点で「残業代ゼロ」をやってしまうと
激務の地域医療におもむく医師は
自ら管理責任をかぶり、鉄砲玉として
突っ込む状況になります。
あまりにひどい状況が起きてしまうと、
「立ち去り型サボタージュ」が
起きるでしょう。
医療崩壊の第二章の幕開けかもしれません。
今回はきわめて静かに
舞台の上から登場人物が減って行く事でしょう。
前回のようにマスコミが医師を叩きまくる、
という事にはならないでしょう。
「残業代ゼロ」で、労働条件の劣悪さについての
経営者の責任は無くなる訳ですから
現場を良くするインセンティブが働きません。
現場を良くしようという
気が付いたら
ごく少数の聖人クラスの医師が
最悪の現場で
ボロボロになりながら地域医療を守り、
大多数の医師は給与額と
過重労働を天秤にかけて
より望みがある現場を見つけて
一歩下がった位置で頑張る事になるでしょう。
きっと開業も増えるんでしょうね。
それも仕方ありません。
ただ一つ、
これだけは覚えておいてください。
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