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■ 小松秀樹 「「消費税増収分を活用した新たな基金」の問題」

 




今回の消費税増税と

それに伴う診療報酬改訂については

いろいろと思うところがあります。



ここでは

小松先生の論文を取り上げたいと思います。








Vol.18 「消費税増収分を活用した新たな基金」の問題1

医療ガバナンス学会 (2014年1月24日 18:00)


民から奪い、支配に使う

小松 秀樹
2014年1月24日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
http://medg.jp/mt/2014/01/vol18-1-1.html


●控除対象外消費税問題
医療機関の控除対象外消費税問題が長年議論になってきた。問題を簡略化して説明する。
社会保険診療に消費税は課されていない。しかし、施設設備を含めて、医療機関が購入したものには、消費税が課される。この消費税を医療機関が負担している。日本医師会の調査では、控除対象外消費税は社会保険診療報酬の2.2%になるとされる(1)。
国は、控除対象外消費税分は診療報酬に上乗せされているとしている。消費税導入時に医療費が0.76%、消費税率引き上げ時に0.77%引き上げられた。 これが上乗せ分だとすれば、上乗せ分は、5%の消費税に対し、合計1.53%である。日本医師会は、上乗せが不十分だった上に、マイナス改定、包括化、項 目そのものの廃止などで、上乗せ分が大幅に目減りしている主張している。消費税率が5%から8%に引き上げられることが決まっている中、2014年度改定 で、診療報酬は0.1%の微増に留まった。消費税引き上げが医療機関に重くのしかかる。厚労省は、消費税引き上げ対応分として+1.36%を確保したとし ているが、公正な議論の基礎となる客観的数字は存在しない

「医療保険制度の財政構造表」によると、2010年度の公的医療保険による医療費は総額35兆円だった。高齢化による自然増を年間3.2%とすると、 2014年には総額40兆円になる。消費税率5%での控除対象外消費税の割合を2.2%とすれば、控除対象外消費税は総額9000億円、消費税が10%に 引き上げられると1兆8000億円になる。2.2%が適切かどうかは別にして、巨額であることは間違いない。官僚の裁量に委ねてよい額ではない。
本来、消費税は、個々の医療機関に還付すべきものであって、診療報酬に上乗せすべきものではない。医療機関ごとに支払った消費税が大きく異なる。活発で積 極的な病院ほど、投資額が大きいため負担が重くなる。個々の医療機関の控除対象外消費税は、購入伝票を集計することで正確に算出できる。厚労省は、数字で 正確に扱えるものを、強引にあいまいにしたままにしようとしている。この問題を利用して、支配を強めようとしているとしか思えない。
今後、消費税率が段階的に引き上げられる。病院の利益率は小さいので、民間医療機関の経営が危うくなる。個々の病院は、投資を拡大すると損失が大きくなるので、投資しにくくなる。全体として投資が抑制されると、日本の医療の発展が阻害される。
消費税のデータに基づく還付は、他の業種では実施されている。技術的に無理だということではない。輸出されている製品については、消費税は課されない。このため、輸出業者に対し、仕入れに要した消費税が還付されている。

●「消費税増収分を活用した新たな基金」
医療法と関連法改定のための行政の文書に「消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置」という文言が記載されていた。これは社会保障制度改革国民 会議報告書の中で、「医療・介護サービスの提供体制改革の推進のための財政支援」として言及されていた制度である。以下、分かりやすい率直な表現に書きな おしてみた。

1)財政赤字、高齢者の増加のため、負担増、給付削減、サービスの効率化が必要である。
2)「地域包括ケア」を実現するには、医療・介護サービス提供体制改革を推進しなければならない。
3)将来、診療報酬・介護報酬の体系的見直しを行うので、医療・介護施設が財政的に苦しくなる。改革するには、診療報酬・介護報酬以外の財源が必要である。
4)消費税増収分を使って基金の創設を検討すべきである。

基金を作るとなれば、財源が必要である。財源がなければ、財務省は基金の創設を認めない。当然、医療機関の控除対象外消費税の増収分が財源となる。すなわ ち、この基金は、医療機関から不当に搾取した金を、担当官の裁量で医療機関にばらまき、行政に従わせようとする制度だということになる。

●基金は民間病院の経営判断を奪い、日本の医療を危うくする
私は、「社会保障制度改革国民会議報告書を読む(3)医療・介護分野(下)」(2)で、基金について批判した。

「医療提供体制整備のために、基金による補助金を活用することが提案されている。税金の投入、すなわち、補助金や負担金、交付金に安易に頼ることが公的病 院の退廃の原因である。2013年8月29日の朝日新聞の報道によれば、銚子市は2017年度に財政再建団体に転落する可能性があるという。市立病院の破 綻が原因とされる。
病院への安易な税金の投入が銚子市の危機を招いた。病院の施設や設備の整備はできるだけ診療報酬で賄うようにするのが望ましい。現代の病院運営は多額の費 用を要する。大規模基幹病院の予算規模は中規模の市に匹敵する。地方公共団体には、病院を経営する能力を期待できない。補助金の安易な投入で、経営の不在 を補うようなことを続けていくと、地方公共団体の存続を脅かしかねない。補助金については、できるだけ縮小し、官民格差をなくす必要がある。財政支援を行 うとすれば、診療報酬が使いにくい人材養成に限定すべきである」。

この文章を書いたときには、医療機関に還付すべき消費税を使って基金を作る制度だということまで頭の中に描き切れていなかった。
基幹病院は黒字だったとしても、利益率は極めてわずかである。わずかな利益をどう上手に再投資に使うのかが、経営判断になる。基金は、再投資の判断を経営者から都道府県の役人が奪い取るものである。
亀田総合病院を経営する医療法人鉄蕉会は、看護師養成のために、資金をグループの学校法人が運営する専門学校と大学に寄付している(3)。自前で看護師を 養成しているのは、以下の3つの理由による。1)千葉県は極端な看護師不足の状態にある 2)千葉県の単位人口当たりの看護師養成数は日本最低水準である  3)看護師を確保できなければ亀田総合病院は存続できない。
2011年11月の「千葉県地域医療再生計画」は、課題の筆頭に医療人材の不足を挙げている。「今後の急速な高齢化に伴って増大する医療需要に対し、単な る現場での努力や現状の医療人材提供体制では、対応が困難であることが予想される」と高齢化への対応の見通しが立っていないことが示されている。こうした 状況があるにもかかわらず、2009年、千葉県は、県立教育機関による看護師養成数を、それまでの1学年240人から80人に削減した。2009年当時、 千葉県は看護師不足を正しく認識していたとは思えない。明らかな行政のミスである。
行政は認識能力を欠くだけではない。行政が直接サービスを提供すると、サービス向上が望めないばかりか、費用がかさむ。権力を持つが故に、自らを甘やかす からである。千葉県の平成24年度病院事業会計の決算見込みによると、病院事業全体で、収益440億円、費用427億円で13億円の黒字だとしている (http://www.pref.chiba.lg.jp/byouin/press/2013/24jigyoukessan.html)。しかし、 収益の内106億円は負担金・交付金すなわち税金であり、民間と同じ言語を使うとすれば、93億円の赤字となる。民間病院なら1年持たずに倒産する。これ を黒字と説明している限り、事実の認識に基づいて改善努力を続けるなどできるはずがない。
日本の医療は私的セクターの関与が大きいが故に、比較的小さい費用でサービスが供給されている。行政が病院を経営すると、膨大な赤字を生む。医療機関の再投資の判断を、私的セクターの経営者に代わって、都道府県の役人が下すことになれば、医療を壊しかねない。

●補助金は有効に使えない
還付される金は病院の正当な収入なので自由に使えるが、補助金は行政から目的を指定されて与えられるものなので自由には使えない。使い方のルールの基本原 理は、資金を効率的に使うこと、すなわち、医療サービスの向上ではなく、官僚の責任回避と権限強化にある。しばしば用途が細かく指定される。建築費だけに しか使えなかったり、建築費には使えず物しか購入できなかったりする。物品は購入できるが、人件費には使えなかったりする。このため、使いにくく、無駄が 多くなる。「坊や、100円の豆腐1丁買ってきて」という子どものお使い方式が、補助金による金の使い方である。使う側の状況判断が許されず、有効な使い 方ができない。こうした原始的な金の使い方は、民間の経済活動で見られることはほとんどない。投資ファンドは、契約で相応の自由度を得て、資金を動かす。 株の売買を、複雑な数式によってコンピューターが管理している。企業の経営判断は、将来の見通しが大きな判断要素になる。常に状況を再評価し、状況が変化 すれば、金の使い方も変更される。
補助金の実態を見るために、千葉県の2009年度の地域医療再生臨時特例交付金事業の中間報告に対する論評を紹介する。

「中間報告には、2011年度までの事業実績が記載されている。そこから分かるのは、事業費の多くは、病院の施設・備品代、情報システム整備代、イベント 代、講座代にあてられたということである。補助がなくても診療報酬で対応できるものや、切実性の低いものばかりであった。開設準備中の東千葉メディカルセ ンターに対する補助が目立ったが、極度の医師・看護師不足の中で本当に開設できるのか、開設しても維持できるのか危ぶまれているところである。また、医 師・看護師の確保事業は、公費を使って他から連れてこようというもの、あるいはキャリアアップを支援しようというものであり、医師・看護師を養成しようと いうものではなかった。結局、50億円もの交付金は、医師・看護師の養成にはまったく使われなかった。
 千葉県における医療供給の阻害要因は、極度の医師・看護師不足である。事態を改善するには、医師・看護師の養成数を増やすしかない。養成数を増やさず に、公費を使って無理に特定の病院で医師・看護師を確保しようとすれば、他の病院の医師・看護師が奪われ、あるいは他の病院の医師・看護師を確保するため の費用が押し上げられる。結果として病院の経営環境が悪化し、医療崩壊が進むことになる。現行制度上、医師の養成数を増やすのが難しいとすれば、交付金 50億円は、看護師の養成に振り向けられるべきであった」(4)。

無駄使いは、担当者の能力の問題ではなく、行政の仕組みに由来する。行政は、壊れたロボットのようなぎこちない的外れの乱暴な動きしかできない。企業な ら、すぐに倒産してしまうような金の使い方しかできない。基金への搾取が増加すると、亀田総合病院は、看護師養成に資金を投入できなくなる。そうなれば、 学校も病院も存続できない。

<文献>
1.日本医師会:今こそ考えよう 医療のおける消費税問題 -第2版-. 2012年12月.
2.小松秀樹:社会保障制度改革国民会議報告書を読む, (3)医療介護分野(下)・完. 厚生福祉, 6024号, 2-6, 2013年12月27日.
3.小松秀樹:病床規制の問題3:誘発された看護師引き抜き合戦. MRIC by 医療ガバナンス学会. メールマガジン; Vol.566, 2012年8月9日. http://medg.jp/mt/2012/08/vol5663.html#more
4.小松俊平:看護師養成の背景、意義および主体-千葉県の状況から考える(下). 厚生福祉, 5957, 2-5, 2012年12月28日




続きです。



Vol.25 「消費税増収分を活用した新たな基金」の問題2

医療ガバナンス学会 (2014年2月 1日 06:00)
http://medg.jp/mt/2014/02/vol25-2.html#more

「私権論」の現代的意義

小松 秀樹
2014年2月1日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


●控除対象外消費税を支配の原資に使うことが許されるのか
税は公平でなければならない。特に、消費税のような一般性の高いものでは、公平性が強く求められる。消費税を最終消費者に転嫁できない業種で、既に支払っ た消費税の扱いが不公平になっている。例えば、輸出した自動車については既に支払った消費税は還付されている。しかし、公的保険診療では、医療機関が支 払った消費税は、診療報酬に上乗せされているという理由で還付されていない。診療報酬に正しく反映されているかどうか、議論の基礎となる客観的数字は存在 しない。財政赤字が続く中で、あいまいさを残しておくと、裁量による診療報酬抑制幅が大きくなる。今後、消費税率が段階的に引き上げられると、医療機関の 経営が脅かされかねない。
加えて、厚労省は、医療関連法の改正により、医療機関に支払うべき消費税を利用して基金を作り、医療機関への財政支援の制度を創設しようとしている (1)。再投資の経営判断の一部を医療機関の経営者から、都道府県が恒久的に奪うことになる。そもそも、埼玉、千葉、茨城などの極端な医療人材不足、公的 病院の膨大な赤字(税金の投入)は、国、都道府県の政策ミス、行政システムに内在する欠陥、行政官の能力不足に起因する。本来、民間に還付すべき金を行政 に委ねると、事態はさらに悪くなる。医療提供体制の適正化のためには、官の権限を明確にし、かつ、限定するべきである。基金は、医療機関から不当に搾取し た税を、国民のためではなく、官の権力強化のために使おうとするものであり、到底、容認できるものではない。

●「悪法も法」は正しいか
形式的法治主義とは、法の内容がどのようなものであれ、法制定の手続き、法の形式が整っていれば、それを尊重しなければならないという考え方である。
これに対し、実質的法治主義では、法の内容や運用に正義が要求される。英米法の基本原理である「法の支配」とほぼ同義である。「『法の支配』の下において は、たとえ『法律(立法)』の手続を経てなされるとしても、法律の内容は適正でなければならず、権利・自由の保障こそ本質的であるとする」(ウィキペディ ア「法の支配」より)。
「ドイツでは、市民階級の成熟が遅れ議会が力をもつに至らず、『法律に基づく行政』の原理が法律の内容・実質を問わないものと理解されるようになり、たと え権利を制約するような法律でも、行政がそれに従ってなされる限り、『法治国家』(Rechtsstaat)が存在するとされた」(高橋和之『立憲主義と 日本国憲法』東大出版会)。ヒトラーは、正規の法手続きを経て独裁権力を得た。法に基づいて、ユダヤ人や障害者を多数殺害した。ナチスドイツに対する反省 から、「現在では、ドイツでは、法律の内容の適正が要求される『実質的法治主義』の考え方が主流となっている」(ウィキペディア「法の支配」より)。

●福沢諭吉の私権論
日本人は権利意識が弱い。津田左右吉によると、江戸時代の270年間で、「社会的秩序に順応し社会的権威に服従することは道徳的に善である」(村上淳一 『法の歴史』東大出版会)という考え方が、日本人に刷り込まれた。個人的体験として常々実感するところであるが、今でも、権利を主張すると、しばしば、権 利を侵害した者より異議申し立てをした者が悪者にされる。以下、村上淳一の意見を紹介する(『法の歴史』東大出版会)。

「社会における対立・抗争がノーマルな事態と考えられ、これを法/不法のコードに乗せて処理してゆくことによってはじめて社会秩序が保たれる西洋(とくに その近代)においては、各自の規範的主張も、法/不法のコードに乗る限りでのみ、『権利』と考えられるのであり、逆に、その『権利』の主張によって法/不 法のコードの内容が満たされてゆくことになる」。「これに対して、対立・抗争がアブノーマルな事態とされた日本の伝統社会においては、法/不法のコードが 独立の枠組みとして成り立つに至らず、『世間と人間についての知識』に基づく漠然たる『理非』によって紛争の解決が図られる。各自の規範的主張の対立(ど ちらに『理』があるか)は、客観的なルールによって判定されるのではなく、人間と世間の機微に通じた『上位の第三者』の判断に委ねられる。その判断を予め 読むことが難しいとすれば(大岡裁きは意外性をもつ)、どんな主張でも、とにかく理屈をつけて訴え出ようということになり、自己の主張の実現によって社会 秩序を形成しようという責任感が醸成されない」。

村上は同書で、1887年の福沢諭吉の私権論を引用した。国会開設を3年後にひかえ、知識人、学者、政治家など多くが、政治への参加を求めて沸き立ってい た。彼らは、日常的に、自分の権利が侵害されていたにもかかわらず、異議申し立てをするどころか、自ら権利を放棄し、身を屈してこれを受け入れた。一方 で、政権参与にならないかと誘われると嬉々として応じた。福沢は、彼らの不甲斐ない態度を痛烈に批判した。今に通じる議論である。

「今の日本国人は政権の事を喋々して参政云々の論に熱するよりも、近く一身の私権を衛(まも)るの工夫こそ肝要なる可し。我輩固(もと)より参政の権を抹 殺する者にあらず。凡そ政府を立てゝ少数の人に全権を任ずるときは、必ず其権力を誤用して、知らず識らずの際に腐敗を催し、時として恐る可(べ)き形勢に 陥るの例は、古今人間世界に普通なることなれば、其誤用を止めて腐敗を防ぐの法は、之を代議政体に求(もとむ)るの外なかる可し。我輩も此説に賛成を表す と雖(いえ)ども、私権未だ固からずして之を犯す者も犯さるゝも平気なるが如き漠然たる社会に、唯(ただ)熱して政権のみの事を講ずるは、或は事の前後緩 急を倒(さかしま)にするの譏(そしり)を免れざる可し。私権は直に身に附し家に属して須臾(しゅゆ)も等閑にす可(べか)らざるものなり。政権は社会公 共の為めにして戸外の事に属するものなり。私権は内なり。政権は外なり。我輩は先ず内の自衛を堅固にして、然る後に外を勤めんと欲する者なり。----西 洋諸国の人民は、既に已(すで)に自身の位の重きを知り、其身に属する私権の大切なるを悟り、其自衛の為に遂に政権の部内に入らんことを求めたるものなれ ども、我日本国に於いては未だ私権論の発達を見ずして、俄に政権論の盛なるを得たり。無数の小民は勿論(もちろん)、大人、君子、学者、政治家と称する輩 に至るまでも、日々夜々その私権を犯さるゝのみならず、自ら之を放棄して身を屈し志を枉(ま)げながら、政権参与など云えば騒々しく唱えて悦ばしく応ずる 者少なからず。之を文明の歴史に照らして例外の事相なりと云はざるを得ず。一見甚だ奇なるがごとし」。

●現代の専制
控除対象外消費税問題は、法の下の平等、財産権、租税の公正が問われており、憲法に関わる問題である。この問題で、ある憲法学者が病院の代理人となって、 損害賠償を求めて国を提訴したことがある。2012年、1審で病院側が敗訴したが、控訴しなかった。病院が厚労省と対峙するのは危険である。行政は、嫌が らせのためのさまざまなツールを持っている。それを行使するかどうかわからないが、医療行政の実態からみて、心配するのは当然である。
とはいえ、この問題は将来への影響が大きすぎる。医療界として、衆知を集めて抵抗しなければならない。力ではなく知恵が有効である。医療機関に還付すべき 資金を国が取り上げて、医療機関に対する財政支援の基金を作るのは卑劣である。厚労省医政局の民度が問われる。原徳壽医政局長は将来にわたって責任を負う ことになる。
近代憲法はアメリカ独立戦争、フランス革命の成果物である。アメリカ独立のさきがけとなったボストン茶会事件は、茶に課税するのと並行してイギリス東イン ド会社に茶の独占販売権を与えたことがきっかけだった。公正を欠くと見なされたことが、運動を大きくした。近代憲法は、不公正な課税に対する抵抗から生ま れたのである。「消費税増税分を活用した新たな基金」も、当時のイギリスの植民地政策に劣らぬ卑劣さを内包しており、大きな抵抗を生みだす力を持ってい る。
専制政治とは、身分的に統治者と非統治者が分けられている状況で、統治者が恣意的に統治権を行使することである。厚労省医政局は、現代日本で専制政治を推 し進めようとしている。専制のための常套手段、「分割して統治せよ」を実行しようとしている。医療機関を他の国民から分断して、不公正に扱おうとしてい る。
権力は自らの権力を拡大したがる性癖を持つ。これを防ぐために権力分立が必要なのである。下記、トマス・ジェファソンの警告は現代でも大きな意味を持つ。

「われわれの選良を信頼して、われわれの権利の安全に対する懸念を忘れるようなことがあれば、それは危険な考え違いである。信頼はいつも専制の親である。 自由な政府は、信頼ではなく、猜疑にもとづいて建設せられる。われわれが権力を信託するを要する人々を、制限政体によって拘束するのは、信頼ではなく猜疑 に由来するのである。わが連邦憲法は、したがって、われわれの信頼の限界を確定したものにすぎない。権力に関する場合は、それゆえ、人に対する信頼に耳を かさず、憲法の鎖によって、非行を行わぬように拘束する必要がある」(清宮四郎『憲法1』第3版、法律学全集 有斐閣)。

ジェファソンは、近代憲法の生みの親の一人である。アメリカ独立宣言を起草し、アメリカ合衆国の保守本流の考え方を形として示した。J.F.ケネディが最も尊敬した先輩大統領としても知られる。
ジェファソンが述べたように、近代憲法は、権力の暴走阻止のために、国家を縛るものとして成立した。このため、憲法尊重擁護義務を負うのは公務員であっ て、国民ではない。日本国憲法第99条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定 している。
主権者たる国民の負託を受けた政治が、厚労省医政局の行動を制禦すべきところだが、政権政党たる自由民主党は行政の言うままになって為すところがない。か つて盛んだった自由民主党内部の議論が見えない。所属議員が何かを恐れて口ごもっている。1955年の自由民主党の立党宣言では、立党の政治理念を「第一 に、ひたすら議会民主政治の大道を歩むにある」「第二に、個人の自由と人格の尊厳を社会秩序の基本的条件となす。故に、権力による専制と階級主義に反対す る」と表現している。自由民主党の国会議員には、あらためて立党の理念を思い出してほしい。

●集団訴訟
私は、控除対象外消費税問題を解決するために、複数の医療機関が集団で国を訴えることを提案したい。この訴訟を個人と様々な組織が支援する形が望ましい。 憲法問題である以上、大組織より多くの小さな組織、組織より多くの個人の支援がふさわしい。法廷だけでなく、法廷外でも大論争をして、国民に広くこの問題 を訴えていく必要がある。注目を集めることが、提訴した病院の安全を守ることにもなる。正しい社会秩序の形成のために、異議申し立てをするのは、市民とし ての義務である。たとえ認められなくても、行政が不正義を強引に押し付けていることを社会の記憶にとどめなければならない。歴史が終わるわけではない。主 張を続けて、行政との緊張関係を維持していれば、いずれ認められる日も来よう。

引用
1.「消費税増収分を活用した新たな基金」の問題1:民から奪い、支配に使う http://medg.jp/mt/2014/01/vol18-1-1.html#more






正しい、正しいよ、小松先生。

でも、多くの人々は

正しいだけでは

ついてきません。




そこに人の感情がついてきて

初めて大きな流れが出来ます。

なんだか

医療関係者は医療崩壊の問題で

大きく動きましたが、

そこであきらめも生まれてしまったのでは

ないでしょうか。



行政に対するあきらめ、

医師会に対するあきらめ、

大学に対するあきらめ、

そんなものに取り囲まれてしまっています。




消費税の損税問題など

異常であるはずのことを当たり前に感じてしまう。

これでは行政の思うつぼです。




医療機関の存続がかかっている問題です。



医療機関だけ、

モノを買っても消費税を支払うだけで

価格に転嫁出来ません。



大きく活動している医療機関ほど

売買が大きいはずです。



他業種のように伝票で還付が出来るはずなのに

それをやらずに

不十分な診療報酬改定(0.1%だけ上がった)と

行政の臭い息がかかりまくった補助金で対応する。



100万円のモノを買って

5万円の消費税が8万円になります。

医療機関は

100万円で千円だけ診療報酬が上がりました。



「これなら買った経費を伝票で消費税分還付しても良いのでは?」

「いやいや、行政に従う病院だけ補助金出します。

「補助金の原資?それは消費税です」

「では、本当は病院にまっすぐ戻るお金ですよね?」

「いやいや。悪法も法ですから」





これが医療関係者が

やられていることです。








多くの医療関係者や国民に

この問題を知ってもらい、

当たり前のことを

当たり前にしてもらいたいと思います。








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コメント

変換放置

それに伴う診療報酬海底については→
診療報酬改定については

あああ!

名無しさん、コメントありがとうございます。
訂正しました。

今後ともよろしくお願いいたします。

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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

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