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■予防接種の疑問にお答え

 


当ブログではいつもは

個人的なご質問について

通常はお答えしません。

ご理解ください。






でも、今回はちょっと特別。






予防接種について

匿名のご質問をいただきましたので

私の分かる範囲で

お答えしたいと思います。






担当の先生とよくお話の上、

方針をご相談ください。

なお、当ブログは一切の責任を負いません。






質問内容はこちら。

■風疹、麻疹、ムンプス(おたふくかぜ)、水痘(みずぼうそう)の医療機関検査
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-2149.html




はじめまして。突然のコメント失礼いたします。
おたふくの抗体検査について疑問に思っていたところ、こちらのブログにたどり着くことができました。
抗体検査等について3点ご質問をさせていただきたいのですが、お答えいただけましたら幸いです。


【質問①】こちらでおたふくの抗体検査のHI法は感度が低いと書かれておられますが、感度が低い=過去に罹患していても抗体がないという結果がでることがある(実際は予防接種が必要でないほどのおたふくの抗体を持っている人も、HI法では抗体がないという結果がでることがある)という認識でよろしいのでしょうか?

【質問②】また実際に罹ってできた抗体と、予防接種でできた抗体は、病気からの防御力は違うのでしょうか?


こういう疑問をもった経緯は下記の通りなのですが。。
私は現在5ヶ月の子供がおり、二人目妊娠を考えております。
5ヶ月の子供とこれから妊娠した時のために、産婦人科でおたふく、麻疹、水疱瘡の抗体検査をしてもらい、おたふくがHI法で抗体がないという結果がでました。
おたふくは小さいときに罹ったと思っていたので驚き(罹ったと言われた時は、周りでおたふくが流行っている時でした)、本当にこの検査方法に有効性があるのかと思いネットで調べてみたところ、HI法は感度が低いとありました。
それを見て私は正確なおたふくの罹患歴を知りたかったため、今度はEIA法での検査を、子供がかかっている小児科でお願いしてみました。
しかし小児科の先生は「HI法で抗体がないとでたならば、過去には罹患していないです。小さいと時におたふくに罹ったと思っていたのは、違う病気と間違われていたのでしょう。」と言い切り、予防接種を薦められ、お医者様がそういうならばと思い、結局EIA法で検査をすることなく、予防接種を受けることにしました。

もう2ヶ月前に予防接種を受けてしまったので今更どうこう思っても仕方ないのですが、、、、私に抗体がなかった=5ヶ月の子供に母親からの抗体がいっていないという状態が少し不安に思ってきました。また妊娠中も、実際に罹ってできた抗体の方が、予防接種でできた抗体よりも強いイメージがあり、より安心できたのだろうなという思いもあり。。
実際の小児科の先生にHI法の検査結果を信じていいと言われたので先生の言葉を信じようと思う反面、私がネットで調べる限りはHI法は不確かだという情報が多くでてくるので混乱しているところに、こちらのブログに出会い、質問させていただこうと思った次第です。


またおたふく以外にも、初めに検査を受けた産婦人科の先生からは、
★麻疹 NT法 16倍
★水疱瘡 CF法 8倍
という結果で麻疹、水疱瘡に関しては予防接種を受けなくていいと言われたのですが、小児科の先生からはこの数値ではまたかかる可能性があるので予防接種を受けた方がいいと言われました。

【質問③】こういった予防接種を受けるかどうかの数値の目安は、医師によって見解はそれぞれ変わるというのが普通なのでしょうか?


長々と質問をしてしまい申し訳ございません。根っからの心配性でいろいろと疑問に思ってしまうのですが、実際かかっている先生には質問しづらく。
またお時間があるときにでも、簡単にでいいのでご回答いただけたら大変嬉しく思います。





では、お答えを。


結論
迷ったら検査なしで予防接種した方が良い



以上。




この記事のコメントで

Seisanさんが言われているように、

「もう、面倒なこといってないで、さっさと打ってしまいなさい」

と言うのが正解です。




抗体検査の必然性
MMRVいずれも生ワクチンで、抗体保持者(非感受性者)に対してワクチン接種を行っても、実害が非常に少ないため、明らかな罹患歴がなければ、抗体検査をせずにワクチン接種をお勧めしております。

適齢女性でも妊娠していないことを確認して、接種可能です。
(妊娠がわからない、なら接種しない。ただしこの時点で検査して陰性だったとしても、どちらにしてもどうしようもない)

そういう意味で、抗体検査を頻用する必要はあまりないと思います。

同じ理由で、風疹ワクチン希望の成人に対しても、入手がいつになるかわからない風疹単独ワクチンよりもMRワクチン接種をお勧めしております。
まあ、今の接種希望者の年齢なら、麻疹罹患歴がなければかなりの確率で麻疹感受性者ですから、麻疹抗体をつけておいて損はないと考えます。

posted by Seisan
URL
2013.04/17 11:22分







若干、個人的な解答をしたいと思います。

あくまで当ブログの管理人の個人的な見解だと思って下さい。

分かりやすくかなり言い切っています。









【質問①】こちらでおたふくの抗体検査のHI法は感度が低いと書かれておられますが、感度が低い=過去に罹患していても抗体がないという結果がでることがある(実際は予防接種が必要でないほどのおたふくの抗体を持っている人も、HI法では抗体がないという結果がでることがある)という認識でよろしいのでしょうか?

【私の考え】

「HI法は感度が低い」→ ◯ 当てにならない

という意味。


少し前の論文ですが、このような論文があります。

麻疹,風 疹,水 痘,ム ンプスに対する抗体 測定方法と陽性率の比較
http://journal.kansensho.or.jp/kansensho/backnumber/fulltext/74/670-674.pdf

Fig 3がムンプス(=おたふくかぜ)の

HIとEIAの比較です。

EIAが高くてもHIの値はバラバラです。

つまりはHIの値では感染しているかしていないか

あまりはっきりしたことを言えない、

ということです。





【質問②】また実際に罹ってできた抗体と、予防接種でできた抗体は、病気からの防御力は違うのでしょうか?

【私の考え】

違いはない




「基本的に一般の方にとっては」、

と本当はつけたいのですが、

いろいろ勘違いする方が多いので

言い切ってしまいましょう。






特に、自然に感染した方が良いという方々がやっていて、

欧米とかではやっている、

「はしかパーティー」とか「みずぼうそうパーティー」などの

感染パーティーは絶対に止めましょう。





理由は予防接種の方が副作用が少ないから。




おたふく風邪は潜伏期間が長いため

そういうことはあまりやられませんが、

おたふくかぜ、はしか、みずぼうそうは

実際にかかるのと予防接種との

重症度があまりに違いすぎます。

場合によっては死に至ることもあります。


おたふく風邪の場合には、

実際にかかると難聴を引き起こす可能性が高いのですが、

予防接種ではほとんど難聴は起こりません。



>私に抗体がなかった=5ヶ月の子供に母親からの抗体がいっていないという状態が少し不安に思ってきました。

こちらについてもコメント。

おたふくかぜは0歳は少なく、年齢とともに増加し、4歳が最も多い。

続いて5歳、3歳の順に多く、3~6歳で約60%を占めています。





お母さんからの胎盤経由の免疫は

約半年ぐらいですので、

おたふくかぜとお母さんの免疫はあまり関係ない、

おたふくかぜになる頃にはお母さんからの免疫は

子供の中ではすでに切れている、

ということになります。

つまり

「お母さんがおたふくかぜに未感染でも、既感染でも、ワクチンでも、子供には関係ない」

ということです。








【質問③】こういった予防接種を受けるかどうかの数値の目安は、医師によって見解はそれぞれ変わるというのが普通なのでしょうか?

【私の考え】

変わる可能性があります


まず、検査は日進月歩の状態ですので、

車の制限速度のように一律で「正常」と「異常」が

決まっているわけではありません。



さらには

検査会社によっても基準値が違うことが

多くあります。




つまり、

各先生の検査会社の基準値と今までの経験、

医学的知識、流行の程度などから

総合的にお話しされているのだと思います。





あとは、

私のように「患者さんに聞かれたら理屈や根拠をいえなきゃまずい」、

という先生と、

「正解は一つ。『迷ったら予防接種』これで十分」

という先生がいるということです。




例えば、小学校で算数を教えるのに

中学か高校まで十分に理解していたら良い人と

素数論やオイラー公式、リーマン解析までやった人が

教えるのと、どうおもいますか?





個人的には

どちらでも良い、と思ったりします。

だって、オイラーもリーマンも大変面白いです。





でも、そんなこと言っていたら

誰も小学生に算数教えられません。





繰り返しますが、

結論
迷ったら検査なしで予防接種した方が良い


で良いと思います。

それ以外の今回の長々とした話は

単なるマニアックな知識だと思って下さい。






患者さんがいっぱい待っている外来で、

長々とマニアックな知識を語って

予防接種するかどうか決めるのと、

いろいろあるけど

結局は予防接種した方が良いですよ、

とさっくり結論をお話しするのと

どちらがいいでしょう?






ウイルス抗体価と予防接種の基準値として

こちらを参考にして下さい。

日本環境感染学会. 院内感染対策としてのワクチンガイドライン.
第 1 版. 日本環境感染学会.
http://www.kankyokansen.org/modules/publication/index.php?content_id=4

tabel1.png



ただし、これは医療従事者のガイドですので

多少きつめの設定になっています。










で、最後にSeisanさん、

やっぱりこういう方が

いらっしゃるので

私としては理論武装が医師には必要だと思うのですよ。





詰め将棋のように

すべての疑問に答え切る知識も

時には必要だと思います。

ごく稀ですけどね。








ご参考になりましたら幸いです。








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コメント

NoTitle

およびいただいたので、参上いたしました(笑)

ワクチン学というもの自体、日本ではかなり停滞していた時期が長かったため、対応する医師の中でも、かなりの知識のムラがあると考えています。

 なにせ1990年代からおよそ15年以上、新しいワクチンが導入されることがなく(A型肝炎だけですね)、しかもその原因が「ワクチンは危険かもしれない」という、今となってはほぼ学術的に否定された理由によるものですから。
 いまだにその時代の感覚をベースに話をしておられる医師にあたると、「定期接種以外は必要ない。おたふくも水痘も自然感染でいい」とおっしゃいます。
まあ、確かに、ワクチンを接種して何か起こると医者のせいですが(法的には、医者のせいではありません・笑)、自然感染で後遺障害が残ろうと、医者のせいにはなりませんからね。運が悪かったの一言でおしまい。

今の考え方は、「ワクチンで何か起こる運の悪さと、自然感染で何か起こる運の悪さ」を比べると、自然感染で何か起こる運の悪さの方がはるかに可能性が高い、ということなんです。

たとえばB型肝炎、最近任意接種を積極的におススメしていますが、これなんかでも、ワクチンで何か起こるリスクは非常に低いですが、B型肝炎に感染してしまうと、肝炎>劇症肝炎で死亡、や、慢性肝炎>肝硬変>肝がん、なんて確率が跳ね上がります。
だから「B型肝炎も自然にかかって免疫ができればいい」なんてだれも言いませんよね。

水痘でも、最近は2回接種を積極的に勧めていますが、1回だと数か月でCF値が明らかに下がり、IgGも低下傾向になります。そこで2回目でブースターをかけることにより、かなり安定した抗体獲得が可能になります。
で、自然感染の水痘は、神経節に残存し、免疫力の低下に伴い帯状疱疹となって発症します。
これ、ちゃんとワクチンをした人にはあまりおこりません。
(実は、臓器および造血幹細胞移植の現場で、最近話題になってました)

ワクチン自体が、複数回接種により、より長期安定した免疫獲得を図れる、というのがミソであり、子供のワクチン接種の現場において、いちいち抗体化をチェックしながら接種をしていくなんてことはしていません。

だから「迷ったら接種しておけばいい」なんです。

NoTitle

あと、確かに「迷ったら打て」が基本方針ではありますが、当院でも「それでも検査」を希望される方はそこそこいらっしゃいますし、実際に検査もしております。

抗体検査ですが、私は検査希望の方には全てIgG(EIA)をお勧め・実施しています。
HI、CFはいずれも簡易検査であり、どうしても感度と評価が信用できません。
NTならそれなりですが…
その上で、もし抗体があっても接種はできるんですよ、というのが私の説明です。
特に水痘は抗体を高めておくことが、帯状疱疹の予防にもなりますから。

そういう点で、私も理論武装はちゃんとしています(笑)。
一般の方にわかりやすく「迷ったら打て、という方針です」としているだけですからねっ(www

失礼いたしました

Seisanさん

いつも大変お世話になっております。

>そういう点で、私も理論武装はちゃんとしています(笑)。

あはは。
Seisanさんが分かっているのは前提で書いてます。
Seisanさんのキャラが立ってたので、管理人のカウンターとしての雰囲気で書かせてもらいました。

特に、ブログで訪問されている方々はいろいろと勉強熱心な方が多い印象です(良くも悪くもですが)。
ただ、一般の医師の中には不勉強の方も少なからずいます。

結論は一緒なんだけど、正直不安、という方々にも対応できるような深い知識が必要だと思います。
本当は診療報酬が十分で、じっくり時間をかけることが出来たらもっと良いのですけどね。

今後ともよろしくお願いいたします。

ありがとうございました

予防接種の質問をさせていただいたものです。
お盆で帰省していたため、お礼のお返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
また、個人からの質問を受け付けられていないことを知らず、質問をしてしまい申し訳ございませんでした。
特別にお答えいただいたこと、とても感謝しております。
しかも、論文や表までつけていただいたり、こんなに丁寧でわかりやすいご回答をいただき、感動してしまいました!

『予防接種でできた抗体より、実際にかかってできた抗体の方が強いのでは』という、素人の勝手な思い込みにより、自分が過去に罹患したことがあるかどうか知りたいと思っていたのですが、こだわる必要がないことがわかり、また5か月の子供に対する不安もとっていただき、今回の予防接種や抗体検査に対する疑問や不安がすべてなくなりました。
ありがとうございます。

私は、かなりの心配性のため、中間管理職様の言われる「結論は一緒なんだけど、正直不安、という方々」にあたるタイプなので(お医者様には厄介な患者だとは思うのですが(涙))、中間管理職様のように不安なときは、根拠もきちんと説明していただける先生はとてもとてもありがたいです。

本当に本当にありがとうございました。
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中間管理職: このブログの管理人。
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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

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