2013/05/10
■はぁ?「医療機関って、けっこう倒産している」朝日新聞って…
朝日新聞の方ですけれども、
「医療機関って、けっこう倒産している」
って、素人の方が言うのならいいのですが
こんな程度の感覚で記事を書いているとは
ちょっと困ったものです。
医療機関って、けっこう倒産している
岩﨑賢一 (いわさき・けんいち)
朝日新聞社 医療サイト アピタル 2013年5月 9日
http://apital.asahi.com/article/kochiapi/2013050900008.html
「病院の倒産、2012年は3件で過去最少」
こんな見出しの倒産動向調査を、帝国データバンクが発表している。
2012年の全国の調査データをとりまとめたものだ。
とはいえ、この見出しの3件は、病院の倒産数。診療所や歯科診療所を含めた医療機関でみると、37件倒産し、お年寄り向けのサービスを提供している老人福祉事業者も29件の倒産があった。
同社が調査データの分析を始めた00年から12年までの累計は、病院、診療所、歯科医院を合わせた医療機関の倒産が437件。内訳は、病院が100件、診療所が202件、歯科医院が135件だ。老人福祉事業者の倒産は164件あった。
分析に携わる同社東京支社情報部の阿部成伸さんによると、診療所や歯科医院は今、「駅近」「夜遅くまで診療」がキーワードだ。特に住宅街というわけではなく、昼間人口が多い職場の近くだ。
特に、過去最高の倒産件数となった歯科診療所については、「人通りが少ない立地や院長の高齢化、設備投資の停滞などの問題を抱える医院を中心に、今後、さらに淘汰が進むと予想される」とみている。
「20~30年前のように仕事が休みのときに通院するのが主流」という時代ではなくなった。郊外の住宅街は厳しいようだ。こんな状況を、レストランの出店戦略と同じような感じだ、とみている。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(市区町村別)をみれば、私たちが暮らす街や仕事をする街の将来像がみえてくる。人口減、高齢化が進み、できるだけ近い場所で医療や介護を受けたいと思う人が増える。
とはいえ、病院の病床数は、入院医療満たせる2次医療圏ごとに基準病床数があり、簡単に病院の新設や増床はできない。一方、診療所は保健所に届け出ればどこでもできる自由開業制だ。看板に出す標榜科も、基本的に自由。大都市の都心部では、異業種による医療モールやショッピングセンター、大型商業ビルなどでの開業掘り起こしも盛んだ。
もちろん、東京都内など大都市の都心で供給が需要を上回っていると断言できる訳ではない。ただ一つ言えるのは、開業にも市場の論理が働くということだ。医師であると同時に、経営者でもあるからだ。
ベッドタウンのような郊外の住宅地は今、高齢化が一気に進み在宅医療など新たな需要がある。それでも、人口がどんどん減っていく地域への開業は、都心部が飽和状態になってからだとみる、開業医もいる。そのような地域で開業してきた診療所の転換も簡単にはいかない。1人医師の診療所では、外来診療との並立は簡単ではない。在宅医療の診療報酬がいいとはいえ、一気に転換するには医療機関としての経営リスクが気になる。
老人福祉事業者の倒産も、同社によると、開設間もない中小のデイサービスが多いという。本業は他にあり、規制緩和によって新規参入してきたケースだ。
こうした医療機関や老人福祉事業者の倒産の数字は、あくまでも同社が把握した数だ。廃業、転売、金融機関による負債の減免はこれには含まれていない。
「今時の若い医師」「自分の時間がほしい」といった医師の世代やライフスタイル、労働環境の点から開業志向について語られやすいが、今回取り上げたように別の切り口でみることもできる。
健康なときから、どこに住むのがいいのか(家を持てばいいのか)、考えてしまうデータだった。
岩﨑賢一 (いわさき・けんいち)
埼玉県出身。1990年に入社。静岡、千葉を経て東京勤務。BSEや9.11が起きたころの2001年、厚生労働省を担当。その後は、暮らしと政策をつなぐというコンセプトで設けられた「くらし編集部」での医療取材の経験をベースに現場を歩いています。3.11直後から福島県をベースに被災地の医療や介護の現場を歩いています。プロメテウスの罠「病院、奮戦す」(「Web新書」はこちら)を執筆。
「開業医を締め上げたら勤務医増えるんじゃない?」
とか新聞はほざいていますが、
これ以上締め上げたら
医療機関の倒産は倍増するでしょう。
まず、今後消費税が上がった場合、
すでに診療報酬は損税状態なので
消費税の増税分だけ医療機関が赤字になります。
これだけでも大打撃。
そして、
開業条件が厳しくなればなるほど
金融機関への返済が長期化します。
それは歯科医師のように
若いときに開業しないといけないことになります。
総合病院で十分に研修を積んで、
10年、20年患者さんを診てから開業、
というパターンから、
歯科医師ののように20代で開業しないと銀行が融資しない、
ということになってしまいます。
そうなると、
24歳で医学部卒業、
26歳で初期臨床研修終了、
4年間総合病院で働いて30歳、
→すぐに開業
という恐るべき促成栽培開業医が
出て来ることになります。
いまは、そんな先生は少数派ですが、
昨今の金融機関の融資状況をみると
すぐにでもそうなりそうな予感です。
総合病院は開業タイミングを逃した医師で
あふれかえり、
能力では無く政治力でポスト争いをし、
開業医は20歳代の超若手医師が
ゾクゾク参入、
これは冗談では無く、
歯科医師では10年以上前から
現実の状況です。
医療記事を書いている方が、
>「医療機関って、けっこう倒産している」
という程度の認識で
勤務医や開業医のことについて
新聞を使って意見を言うことに
疑問を感じるのは私だけでしょうか。
医療叩きの本質を見たような気がして
絶望的な感覚に襲われます。
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コメント
病院倒産
経営的に行き詰ったらしいです。
すごく熱心で良心的な方なのに・・・・・
歯医者以外の仲間がしっかりしているから、借金は残らなかったらしいのですが、残念です。
一方で、消えてほしい病院もあります。
公の場ではかけないのですが、私にひどいことをして、
保健所に相談したら私をモンスター患者だと言ったという
病院もあります。
メールのやりとりを提出したら保健所の方もあきれていました。
なぜかこの病院、補助を受けたりして
経営もいいらしいのですよね。
2013/05/13 16:35 by ある人 URL 編集
管理人のみ閲覧できます
2013/05/14 01:20 by 編集