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■70歳以上、年1回も通院しなかった人には10万円あげる「仰天麻生提案で医療費3兆円削減!? 似た制度導入の市は全国平均より2割低い数値」

 


大変おもしろい提案だと思います。




ただ、

上手くいくといいのですが、

問題も出てきそうです。




その一つは

医療へのフリーアクセスへの

弊害です。






仰天麻生提案で医療費3兆円削減!? 似た制度導入の市は全国平均より2割低い数値

2013.04.26
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130426/plt1304261212003-n1.htm


麻生太郎副総理兼財務相(72)がブチ上げた、高齢者医療費の抑制案が波紋を広げている。「70歳以上で、年に1回も通院しなかった人には10万円あげる」という仰天プランだが、専門家によると、うまく機能すれば、なんと3兆2000億円も抑制できる可能性があるという。

 厚労省によると、2010年度の70歳以上の医療費は計約16兆円。1人あたりでは、70~74歳が年間約62万円、75歳以上が同約87万円だった。自己負担1割、税金約3割、残りの大部分を若年層が支払った健康保険料から賄っている。医療費が増えるほど、税金や現役世代の保険料負担も増える仕組みだ。

 麻生氏は24日の会合で、増大する医療費負担に関して、「『10万円あげる』と言ったら、ちょっと病院に行こうかな、という人が行かなくなって医療費が下がる」と秘策を披露したが、実際の医療現場はどうなのか。

 新渡戸文化短期大学の学長で医学博士の中原英臣氏は「肌感覚では、医療費のうち1~2割は減らせる余地があると思う」と話す。16兆円の2割は3兆2000億円になる。

 「高齢者が病院をサロンにしていることが社会問題になっている。『今日は○○さんが来ていないけど、病気かしら?』というジョークもある。病院が混雑して受診に時間がかかる原因にもなっている。麻生案は興味深い。ほかにも、薬を2週間分ではなく1カ月分渡したり、自治体が高齢者が集まるサロンを作っても効果があるだろう」

 過去に似たような制度として、長野県佐久市が1979年度から2007年度まで、1年で1度も通院しなかった70歳以上の人を表彰していた。同市国保医療課によると、07年度では70歳以上の1万4207人のうち、2・8%にあたる397人が表彰を受けた。

 制度と関連性があるかは不明だが、同市の高齢者1人あたりの医療費は、全国平均よりも2割ほど低い傾向が続いている。

 担当者は「表彰制度があったころは、風邪などの軽い症状では『賞状をもらうために頑張る』と、病院に行かないお年寄りも多かったと聞いています」と話した。

 麻生氏は10万円作戦について、「最もカネがかからない方法だ」と胸を張ったが、費用はどのくらいになりそうか。

 政府が発表している4月1日時点での70歳以上の人口は2291万人。通院しない人が07年度の佐久市と同じ2・8%として計算すると、64万1480人となり、計約641億円が必要になる。確かに、うまくいくなら費用対効果は高い。

 少子高齢化で、政府の社会保障費は毎年度1兆円超の自然増を続け、サラリーマンが納める健康保険料も右肩上がり。10万円作戦が、事態を打開する切り札となるのか。





日本の医療費が先進国と比べて

劇的に少ないのは

外来で早期に治療が行われる点にあります。



あまりに病院へ

受診しづらくなってしまうと

重病になるまでこじれてしまうからです。




初期段階での医療へのハードルが上がると、

その分、重症化してからの受診になり

結果として医療費全体が上がってしまいます。

これが今のアメリカ型医療です。




勤務医で、

総合病院勤務で、

経営会議などに出る部長クラスの方なら

分かると思いますが、

外来部門に比べて

入院部門の医療費は半端ありません。




最初の入り口を狭めると、

逆に、患者さんが必要以上に我慢をして

こじれてから入院して

結果として大変医療費がかかってしまう、

という可能性があるということです。




早めに外来に来れば

内服で抑えられていたはずが、

我慢して結局よくならずに

入院して点滴、改善がなく手術、

ということになれば

本末転倒ということです。




個々の事例では無く、

これらのトータルで

医療費がどのように動くかが問題なのです。





さらに

ここで取り上げられている長野佐久市は

色々な意味で医療最先端地域ですから

単純比較は難しいと思います。






全国が佐久市ではありませんし、

佐久市にはなれません。






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(2012/07/31)
NHK「プロジェクトX」制作班

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高度成長に向かう日本の中で、農村医療は取り残され、過酷な暮らしで脳卒中や結核が絶えなかった。しかし、現金収入のない農民たちは「病気は恥だ」と我慢した。農民たちを救うために立ち上がった一人の医師がいた。佐久病院院長・若月俊一。信州の赤ひげと呼ばれた男だった。



麻生案が上手い点は、

後期高齢者医療制度のように

むち打って

強制的にやろうとしているのでは無く、

上手に医療費抑制出来たら10万円上げる、と

アメを差し出していることです。




「やってもやらなくてもいいけど、

やれたら10万円上げますよ。

国はそれで80万円の抑制になります」

これはいい話。





でも、

「10万円あげたけど、

その後、体調が悪くなって入院手術で

医療費が1000万円かかりました」

という人が小数出ただけで

メリットが吹き飛んでしまいます。





難しいですね。





ご参考になりましたら幸いです。




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フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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