2013/01/06
「春はあけぼの 月もなう 空もなお」サメマチオ 枕草子 清少納言
「ただ過ぎに過ぐるもの
帆かけたる舟
人の齢
春、夏、秋、冬」
枕草子 第二四三段より
独特の世界観があるマンガです。
なんとなく、
寒い季節に読みたくなる感じ。
枕草子を
ほぼ原文そのままで使っていますが、
違和感はありません。
もちろん、意味が分かった方がもっといいと思いますが
全然、気にならなくても
雰囲気さえ分かれば大丈夫。
クリックするとAmazonに飛びます。
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ぜひ、最終話まで読んでもらいたいです。
じーんと来ます。
そして、きっと最初から読み直してしまいます。
テレビで箱根駅伝を眺めていて、
駅伝の回を思い出しました。
個人的な話です。
医学部は1学年100人しかいない閉鎖空間で6年間過ごすので、
大変濃密な時間を過ごしたように思います。
そんな医学部の学生の頃、
読書の話になったことがありました。
ある女の子が岩波文庫を読んでいました。
何を読んでいるのか聞くと、
ちょっと視線をそらしながら恥ずかしそうに表紙を見せてくれました。
「枕草子」でした。
岩波文庫なので、注釈はありますが
現代語訳はありません。
私は読書は好きでしたが、
古文が凄く苦手でした。
古文を原文で読んでいるなんて
当時の私には考えられなかったのですが、
その子が言うには
「日本語だから少しずつ読んでいると、慣れて分かってくるものだよ」
と優しく言ってくれました。
それ以来、少しずつですが
古典を読むようになりました。
その一言がなければ、
きっと私はまったく古文を読まなかったと思います。
ちなみにその子は努力家で、
素晴らしく立派な臨床内科医になっております。
私の手元には、3種類の枕草子があります。
原文の岩波文庫。
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現代語訳がないので、要注意です。
結構気に入っているビギナーズ・クラシックスシリーズ。
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こちらは抜粋になりますが、
現代語訳、原文、解説と
コンパクトにまとまっていて
手軽に手に取って読むことが出来ます。
大学受験でも使えるような内容です(多分)。
そして、橋本治の桃尻語訳です。
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「ただ過ぎに過ぐるもの」は
コミックでは第二四三段ですが、
岩波版では第二六〇段、
角川ソフィア文庫では第二四五段となっています。
桃尻語訳の橋本治さんは本当にいろいろな意味で
刺激的な方です。
いつかブログでも記事にしてみたいものです。
枕草子の桃尻語訳は1987年に出版されております。
20年以上前に、このようにフリースタイルの訳を
出す事自体が挑戦だったと思います。
そして破天荒なイメージと違い、
かなり考え抜かれた逐語訳になっています。
興味がある方は上中下3巻ですが、
ぜひ一読をお勧め致します。
唯一の欠点は、
桃尻語訳には原文が載ってない!
ということです。
これだけ詳しい解説があるのですから、
ぜひ原文もあった方がさらに楽しめます。
私は岩波文庫を横において眺めながら
桃尻語訳を読みました。
そして、本当は一番に読んでもらいたいのは
田辺聖子さんの小説版枕草子。
でも、下巻が売り切れ中の様子。
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私は高校生の時に
田辺聖子さんの「新源氏」を徹夜で読んだことがあって、
それ以来、気になる古典は田辺聖子さんのを
探すことにしています。
ぜひおすすめ。
いま、手元にとって読んでみたいのですが、
実家にあるのでもだえ苦しんでいます。
ああ、下巻がなければAmazonでも買えないし!!
ここまで書いて
ふと気がついた。
枕草子の話って
なんで尽きないのでしょう?
これでも
清少納言の話も
枕草子の内容自体の話もしないようにして
かなりセーブしているのですが
どうにも書きたい分量が多すぎるのかもしれません。
ええと、
何の話でしたっけ?
そうそう、マンガのサメマチオさん
サメマチオさんは
これから注目の人です。
日常系のマンガなのですが、
どうも気になってしまいます。
お正月のことを思い出したり、
学生時代の古文に触れた最初の日のことを思い出したり。
なんだか優しく記憶に触れるような感じ、
といったらいいのでしょうか。
見開きだけの「猫は」も好きだ。
ご参考になりましたら幸いです。
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