2012/12/30
この1冊で極める不明熱の診断学
不明熱で困った患者さんがいて、
総合病院へ紹介しました。
色々と悩んで、検索したりしましたが
意外な病気でした。
これを機会に何冊か不明熱の本を買いましたが、
こちらの本が質量共に充実していると思います。
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第I章 不明熱とは何か(総論)
1 不明熱の定義
2 外来患者の「不明熱」〜入院させるべきか,帰してもよいか?〜
3 入院患者の「不明熱」
4 海外渡航者の「不明熱」
5 HIV 感染症と発熱
6 発熱性好中球減少症
第II章 「不明熱」の鑑別診断学(診断推論)〜疾患リストをみてみよう〜
1 「不明熱」の診断推論〜ある程度あたりをつけて検査すべし〜
2 考える材料をリストアップ!
3 「不明熱」診断の概略マップ
4 これが不明熱の正体!(よく出合う,見逃してはいけない,気になる疾患20)
5 そんなの知らないよー 〜uncommon? まさかの不明熱〜
第III章 「不明熱」診断の病歴学(発熱+αのαを探すための問診テクニック)
1 現病歴で押さえるポイント
2 家族歴で押さえるポイント
3 既往歴で押さえるポイント
4 生活歴で押さえるポイント
5 服薬歴で押さえるポイント
6 ROS で押さえるポイント
第IV章 「不明熱」診断の身体所見学 〜診るポイントは?〜
1 総論〜身体所見のストラテジー〜
2 バイタルサイン
3 頭部のどこに気をつけて診ていくか?(眼・鼻・耳,側頭動脈,副鼻腔など)
4 頸部のどこに気をつけて診ていくか?(咽喉頭部,甲状腺,リンパ節など)
5 胸部のどこに気をつけて診ていくか?(心臓,肺,乳房など)
6 腹部・骨盤部のどこに気をつけて診ていくか?(腹部触診,Murphy 徴候,直腸診など)
7 背部のどこに気をつけて診ていくか?
8 四肢・手指・足指のどこに気をつけて診ていくか?
9 皮疹のどこに気をつけて診ていくか?(紫斑,紅斑,皮下結節,結節性紅斑など)
第V章 「不明熱」診断における検査学〜どんな検査をしていくか〜
1 ある程度あたりをつけて検査しないと…「どうしてこの検査やってない」症候群
2 血液検査の何に注目するか?
3 生化学検査の何に注目するか?
4 CRP をどう使う?
5 血液培養はどう読むか?
6 ウイルスマーカーをどう使いこなす?
7 腫瘍マーカーをどう使いこなす?
8 尿検査の何に着目するか?
9 胸部単純X 線写真はどう読むか?
10 CT はどう読むか?
11 生検はどのような場合に行うか?
第VI章 empiric therapy から根治的治療へ
1 「 不明熱」の診療における抗菌薬の選択・使用の考え方
2 ステロイドの使用量・使用方法と注意点
第VII章 ケーススタディで学ぼう〜症例・エピソード解説〜
付録 不明熱診断マトリックス
索引
私が診た患者さんは
頚部痛、疼痛、微熱の継続を認め、
総合病院を紹介しました。
そしてCTで環軸椎歯突起周囲に石灰化を伴っており、
偽痛風の診断となりました(P.85)。
この症例には大変勉強させてもらいました。
他にも、
本文のP.4とP.125に挙げられている
「習慣性高体温」
という考え方があるかないかで
外来の診断と治療は
大きく変わってくると思います。
「私は平熱が35度と低いので、36度後半あるとつらいです」(本文P.4)
そういう方多いですよね。
本書は不明熱の鑑別診断ですので
必然的に外来よりも入院患者さんを
念頭に置いています。
一開業医としては
第III章 「不明熱」診断の病歴学
が参考になるかと思います。
開業医としてはいささかディープな内容ですが、
いろいろと勉強になりました。
入院患者さんを診ていれば
ほぼ必ず出会うはずの不明熱。
本書は不明熱の詳細について
かなり網羅されていると思います。
ご参考になりましたら幸いです。
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