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教授も爺医も61時間ワクチン接種へ 「新型インフル予防接種、医療者負担に懸念も- 有識者会議」

 



”もうやらないからな!


誰が二度とガンダムになんか乗ってやるものか!”


そんな感じを受けた、

新型インフルエンザ騒動。

あのワクチンの大騒ぎは大変でした。




「地域医療に貢献しよう」

なんて思って新型インフルの予約を始めたとたんに

電話が殺到、スタッフが新型インフルの説明でかかりっきり。



そしてかなり面倒な書類提出をしながら

ワクチンに悩殺され、

年が明けたとたんに、

今度は患者さんがすっかり忘れて

新型インフルのワクチンは全然使用されず。

ワクチン大量に在庫余った、

と言う苦い思い出が蘇ります。




正直、

「もう、新型インフルワクチンで右往左往させられるのは嫌だ」

と言う医療機関も多いのでは無いでしょうか。












新型インフル予防接種、医療者負担に懸念も- 有識者会議
CBニュース 2012年11月12日 19:56


 政府の新型インフルエンザ等対策有識者会議「医療・公衆衛生に関する分科会」の12日の会合で、全国民に対し、新型インフルエンザワクチンを予防接種する際に必要な医療従事者の業務量に関する試算結果を厚生労働省が公表した。それによると、全国の内科や小児科などの医師が1人当たり61時間、看護師や保健師などは1人当たり14時間、接種業務に当たる必要があることが分かった。同省は全国民への接種を3か月程度で完了することが望ましいとしているが、意見交換では、通常の診療業務と併せ、医療従事者の負担の大きさを懸念する声が上がったほか、「現実的でない」といった意見も出た。

 試算では、医師2人、看護師や保健師などの補助者2人と、事務従事者で構成されたチームが、1時間当たり40人に接種すると仮定
 新型インフルエンザワクチンの接種回数を国民1人当たり2回とすると、総接種回数は2億5552万回。医師1人が1時間に20回、接種を実施すると仮定した場合に、総接種回数をこなすためには1277万6000時間が必要になる。この時間を全国の内科系や小児科、外科系、産科婦人科系、救急・麻酔科系の医師と臨床研修医を合わせた21万1121人で割ると、60.52時間となる。例えば、約3か月の接種期間中に、医師1人当たり1日6時間ずつ10日間程度、接種業務に当たる計算になる。

 試算結果に対し、小森貴委員(日本医師会常任理事)は「『国民全員に接種する。しかも3か月以内に』と想定して数字を出すのは構わないが、これはできないという結論しかない」と指摘。
 また、坂元昇委員(川崎市健康福祉局医務監)は「医療従事者の派遣をお願いする医療機関との調整は最も重要。かなりの準備期間や訓練を行う必要がある」と強調。さらに、「患者が発生する中で、医師が予防接種のために診療所を空けられるかどうか。また、長時間、集団接種に拘束した場合に、診療所で患者を診ない分、かなりの損害が生じるが、それをどうするか」などの課題を指摘した。【津川一馬】




パンデミックになったらどうしよう…?





ピコーン!!

計算出た!

1時間40人、

医師一人あたり61時間で

国民全員に打ち終わる!




医師21万人って、

当然ながら、爺医も入っているでしょう。

退役医師も入っているんでしょうし、

麻酔科の先生も

放射線科の先生も入っちゃっているんでしょう。





きっと、

君のとなりの教授も

カウントに入ってるはずだよ。



君のところのボスは

1時間で40人、予防接種できるかな?




どうしようもないな、

厚生労働省は。






さて、用語の問題。

ここでいう新型インフルって、

前に流行った新型インフル(旧)ではなく

本物の新型インフルのことなんでしょう。

…自分で何かいているか分からなくなってきたw




だからあれほど、

マスコミには

新型インフルって書いて、

古くなったらどうするんだ、

と言っていたのに。



2008年に出てきたのがA型H1N1。

これが新型インフル(旧)。



そして多分今回想定されているのが

まだ発生していないH5N1の事でしょう。





医師全員で日本人全員に接種、

61時間拘束って、

物理的に不可能なことを

やれと言われています。




なかなか馬鹿げた作戦です。

本当に、

どうするつもりなんだろう?



ご参考になりましたら幸いです。



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コメント

国民全員に、なんておバカなことを言うからこうなります。

大体、前回のAH1N1pdm(2009)ですら国民全員分のワクチンは用意できませんでした(輸入含む)。そのうえ実際、最終の接種率は4割弱程度と推測されており、輸入ワクチンはあれほど大騒ぎしたのにほとんど使われませんでした。
一部実績作りに当該メーカーのMRさんたちに使われたとか(笑)

幸いにも、日本でも組織培養インフルエンザワクチンへの移行準備が進んでいる(すでにパイロットプラントは稼働済)ので、そうなると鶏卵培養よりかなり早く生産立ち上がりができるとは思いますが。

おまけに1時間40人って、医師一人で診察>接種までするとなるとほとんど不可能で、特に新型のワクチンですから、かなりの確率でICを要求されます。
そうなると医師一人当たり時間15人がせいぜいでしょう(一人4分見当)。
さらに、小児は年齢でDoseも違いますし、準備にも接種にも手間取りますから、時間当たり10人くらいまで落ちる可能性があります(一人5~6分見当)。

もちろん、季節性のインフルエンザなら倍以上のペースで接種できますけど、こういった「新しい病気に対応するもの」はなかなかそういうわけにいきません。

しかもいま準備されているH5N1プレパンデミックワクチンはHAではなく全粒子ワクチンですので、副反応発現率もかなり高いです。
その対応まで要求されるとなると、現場は一瞬で崩壊します。
おまけにH5N1ワクチンが必要とされるということは、その時点で既にH5N1インフルエンザの流行が始まっているということです。その診療も並行して進めていかなければならないわけで、まさに小松左京の「復活の日」のようなパニックになりそうですねぇ。

だから、これに対する対策としては

1)緊急接種時は集団接種を行う(地域・学校・職場単位で)
2)流行時は外出禁止令(とくに学生)を公布する

この2点だと思います。
はっきり言って今の個別接種頼りの接種体制ではまず不可能になるので、集団接種を原則とする。そして、前回のAH1N1pnd(2009)の際は、学校が休みになった途端、学生たちが街にあふれて遊んでいた、なんてことが見られ、それが流行の拡大につながりましたから、強力な外出禁止策、場合によっては補償付きの繁華街の営業停止命令も検討するべきだと思います。

あと、一つの救いとしては、おそらく数年以内に実用化される(であろう)経鼻インフルエンザワクチン。
これなら、小児でも診察込みで時間40人、成人なら時間60人も可能になります。それどころか、やりようによっては、処方して自分で接種、なんてことも可能かもしれません。おまけに原則1回で終了、なんといっても、上気道粘膜のIgA誘導ですから、発病阻止ができます。

組織培養と経鼻接種で一気に医療者の負担が半分以下になります。
早く何とかしてくれー>ワクチンメーカー&厚労省

Seisanさん

いつも大変お世話になっております。
本当におっしゃるとおりです。
医療現場はすでに無力感に襲われており、それでも患者さんが来たらどうにかしたいという気持ちだけで対応しているのが現状です。

本当の意味でのシステムは全く確立していません。パンデミックのときにこんなバカなことをやっているヒマがあるでしょうか。

でもまたきっと、パンデミックが来たら出たとこ勝負になるんでしょう。

今後ともよろしくお願いいたします。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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