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「モロッコ海軍、「人工妊娠中絶船」の入港阻止」 ついでにオランダ王子安楽死議論について

 





宗教観も含めて

難しい問題です。



でも、「人工妊娠中絶船」て

発想がすごいです。





モロッコ海軍、「人工妊娠中絶船」の入港阻止

CNN 2012.10.05 Fri posted at 12:53 JST
http://www.cnn.co.jp/world/35022702.html


(CNN) 女性に人工妊娠中絶手術を受けさせる目的でモロッコに入港しようとした船が、港への入港を阻まれ、海軍の先導で出航させられた。同船を運航する団体「ウィミン・オン・ウェーブ」の活動家が明らかにした。

モロッコでは人工妊娠中絶が禁止されており、同国厚生相は、同船の入港や、非居住の医師による処置は許可しないとの声明を発表している。

ウィミン・オン・ウェーブはオランダの医師が1999年に設立した団体。中絶が禁止されている国の女性を船に乗せて国際水域に行き、そこで中絶手術を行っている

しかしモロッコでは船内を捜索され、出航を命じられたという。港では激しい抗議活動も展開され、警察も出動した。同船は近海にとどまり、次の戦略を検討するとしている。

同船に乗船している産婦人科医は、モロッコでは不法な妊娠中絶手術のために年間約90人の女性が死亡していると話し、安全な中絶手術を受けられるようにしなければならないと訴えている。

同船はこれまでにもアイルランド、ポーランド、ポルトガル、スペインを訪問しているが、イスラム教国で中絶手術の提供を試みたのは初めてだった。





出張中絶も

すごいですが、

オランダ安楽死も凄い。




オランダでは

安楽死合法化など

過激ともいうべき

一面があります。





一方で、

自国オランダには25歳以上の重症脳損傷患者の

治療機関がないため。、

今年、オランダ王子が雪崩による

重度の脳障害を負った時は

イギリスに搬送されて治療されています(1、英語のみ)。





その王子を

オランダに連れ帰って

安楽死させよう、

という議論まで起きています(2,英語のみ)。







極端だね。






2007年のNEJMを

挙げておきます。


http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/356/356may/xf356-19-1957.htm

より




オランダにおける安楽死法下の終末期医療
End-of-Life Practices in the Netherlands under the Euthanasia Act

A. van der Heide and others

背 景
2002 年,耐えがたい苦痛を有する患者の要請で,医師による終末期介入の規制に関する法令がオランダで発効した.2005 年に,安楽死,医師による自殺幇助,およびその他の終末期医療に関する追跡調査を実施した.

方 法
死亡診断書で同定した死亡 6,860 件に立ち会った医師に質問票を郵送した.回答率は 77.8%であった.

結 果
2005 年のオランダにおける全死亡のうち,1.7%は安楽死によるものであり,0.1%は医師による自殺幇助によるものであった.これらの割合は,2001 年と比較して有意に低かった(2001 年の安楽死による死亡は全死亡の 2.6%,医師による自殺幇助による死亡は 0.2%).全死亡の 0.4%は,患者の明確な要請のない状態で死に介入したことによるものであった.持続的な深いセデーションは,2005 年の全死亡の 7.1%で,死期を早める可能性のある方法と併用して用いられた(2001 年の 5.6%から有意に増加).2005 年における安楽死または医師による自殺幇助の全症例のうち,73.9%は神経筋弛緩薬やバルビツール酸の使用により死を迎えた.オピオイドが使用されたのは症例の 16.2%であった.また,2005 年には,安楽死または医師による自殺幇助の全症例のうち,80.2%が報告された.医師が終末期医療を報告する可能性は,自身がそうした行為を安楽死や自殺幇助と見なした場合にもっとも高かった.ただし,オピオイドが使用された場合に医師がそのように見なすことはほとんどなかった.

結 論
オランダ安楽死法の施行により,安楽死や医師による自殺幇助の割合が若干減少した.こうした減少は,緩和的鎮静のような他の終末期医療の適用が増加したことによる可能性がある.

(N Engl J Med 2007; 356 : 1957 - 65 : Special Article.)








その王子の奥さんが

かなりなビッチだということは

検索かけてみてください。




ご参考になりましたら幸いです。



(1)
Questions asked about euthanasia for brain-damaged Dutch prince
by Michael Cook | 3 Mar 2012
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9958

(2)
Dutch coma prince 'should leave UK so he can die' in Netherlands

The Evening Standard 31 August 2012
http://www.standard.co.uk/news/london/dutch-coma-prince-should-leave-uk-so-he-can-die-in-netherlands-8099209.html

A Dutch politician has reopened the “right to die” debate by calling for the country’s prince to be brought home from the London hospital where he is in a coma so his life support machine can be switched off.

Prince Friso, 43, has been in a coma for six months after he was caught in an avalanche while skiing in the Austrian resort of Lech. His wife Princess Mabel has been keeping a vigil at his bedside at the Wellington Hospital in St John’s Wood with his mother Queen Beatrice flying to London almost every weekend to be at his bedside.

Netherlands senator Heleen Dupuis said: “It’s questionable whether the prince will ever have a normal life again. Had the prince been sent to a Dutch hospital, doctors would probably have turned off the life support systems because there is such a slim possibility that he will ever recover.”

The Netherlands has had a “euthanasia law” since 2002 allowing doctors to end treatment if a victim’s suffering is deemed to be “interminable and unbearable”. But there are many restrictions to the legislation and the country has been embroiled in a debate over the issue similar to that in Britain.

The most recent case involved locked-in-syndrome sufferer Tony Nicklinson, who lost his legal battle to allow assisted suicide but died last week.

Prince Friso and Princess Mabel live in Kew with their daughters Luana and Zaria. He is a former Goldman Sachs banker and was working for a uranium enrichment company at the time of his accident.

It is believed the royal family want to bring the prince home. If doctors switch off his life support he would become the highest-profile patient to die under the euthanasia reforms.

Dutch royal watcher Ary van der Waay said: “If the prince dies you can expect emotional scenes in the Netherlands of the kind that followed the death of Princess Diana in the UK.”






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