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■「「総合医の確立を」国保中央会が提言」…総合医志望について

最近の医師には

”総合医志望”という傾向が

見え隠れします。



いえ、いい悪いじゃないので、

まったく私が言う筋合いじゃないのですが…。




若手が、

「全身を診れて、僻地の地域生活そのものを支える」

という、まるで昭和初期のような

理想像を追いかけるのが

流行っているようです。




すみません、いいかたがきつくて。





もちろん、

この後ろで

「総合医はいいぞ!」と

旗を振っているのは

厚労省なんですけどね(苦笑)。


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「総合医の確立を」国保中央会が提言

更新:2008/03/18 02:26 キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15135.html;jsessionid=FF8A74E7E30226A49771D7C2CCE6258D

 全国47都道府県の公法人や国保連合会が加盟する国民健康保険中央会(国保中央会)は3月17日、特定の専門分野に偏らず日常的な疾患(コモン・ディジーズ)に対応する「総合医」の確立・普及の提言を盛り込んだ報告書をまとめた。地域住民が期待する総合医像のポイントとして「他の専門的な医療機関等を適切に紹介することができる」などを提示。これらの活動内容に見合った診療報酬の在り方の検討や、へき地などの総合医を支援するためのインフラ整備も求めた。

 報告書では、総合医像のポイントとして

▽日常的な疾患(コモン・ディジーズ)に対応しプライマリケアを実践
▽他の専門的な医療機関等を適切に紹介できる
▽疾病予防や健康相談を含めた健康づくりの取り組み

―など6点=表=を提示した。

 その上で、わが国ではこれらの医療の位置付けが諸外国に比べて弱いため、「総合医を社会的に早急に確立し、全国に普及していくことが求められる」と提言。総合医の普及に向けた課題に、これらの活動を評価する診療報酬の検討や、へき地・離島の総合医を支援できるだけのインフラ整備などを挙げている。

 総合医の担い手については「原則として開業医・診療所を念頭に置いている」とする一方、「地域特性によっては中小病院が担うことも考えられる」と含みを持たせている。

 報告書ではまた、総合医を確立するための道筋として▼これから医師になる人が学部教育や卒後研修を通じて一定の教育・研修を受け、総合医の認定を受ける▼臨床経験のある医師が生涯教育を経て総合医に転換する―の2通りを提示。総合医育成のための学部教育のカリキュラム見直しや、現役医師向けの生涯学習による機会の拡充なども求めた。

 このほか総合医の認定条件については「国や日本医師会、関係学会などが協議していくことが妥当」としている。

■国保中央会「フリーアクセス制限などは今回も踏襲」
 国保中央会は2006年末、後期高齢者が原則としてかかりつけ医以外は受診できないようにし、かかりつけ医への報酬は、登録した後期高齢者の人数に応じて定額を支払う仕組み(人頭払い)を提案。これに対して日本医師会が「フリーアクセスを阻害し、医療の質を低下させる」と猛反発した経緯がある。

 今回の報告書ではこれらの内容には触れていないが、国保中央会では「前回の報告書で示した方向性は今回も踏襲している。今回は、その上でより踏み込んで具体的な総合医のイメージを示した」と話している。

 報告書は、国保中央会の「地域住民が期待するかかりつけ医師像に関する研究会」(水野肇委員長)が地域医療に従事する医師ら266人を対象に昨年実施した調査結果を踏まえてまとめた。

 同研究会は08年度、総合医の育成に必要な学部教育の在り方などについて引き続き検討する方針という。

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こうしてみると、

色々なことが透けて見えてきませんか?



●国は国民の医療への”フリーアクセス”を止めさせたい

●専門医の門前に、全員がくぐらないといけない「総合医」受診を義務付ける

●「総合医」が紹介状を書いたものだけ、専門医を受診できる

●結果的に、自由に受診できる今の制度はなくなる



国が進めているのは、

専門医の露払いをする役目の”総合医”の

育成である可能性が高いのではないでしょうか?



そうなると、諸外国でそうである様に、

”総合医”は”専門医”の下に位置することに

なるかもしれません。



日本では現時点でも、

専門医の位置すら低いですから、

さらに下の総合医が確立されると、

医師の内部の分断と

医師そのものの更なる地位低下が

おきるかも知れません。





最近、総合医を目指す

(と言っても10年以上のキャリアがある方ですが)

先生とお話をしました。

「総合医って、かっこよく聞えるかもしれませんが、

結局は、何でも屋さんで、専門がないので

都市部では開業は難しいですし、ペイしません」


「…そうですね、本当に山の中に入るか、離島に行くか…

難しいところです」



「総合医」を選ぶことは、

明らかに人生設計が難しくなることと、

もう一つは、現時点でも診療報酬的に

恵まれていない、という事です。






つまりは、

「都市ではペイしないから

対立候補がいない場所でやるしかない」

「その場合も、土地との関係や医師という立場のため、

長時間拘束される可能性がある。」

「『田舎でのんびり』なんて悠々自適には

程遠い生活になる可能性がある」

という事です。




私自身は

スーパースペシャリスト志向で(笑)、

さらにできる範囲で全身も診たい、

という事が災いしまして(笑)、

僻地救急に参入しているわけですが、

マーケティングとしては

明らかに、顧客=患者さんは、救急現場ですら、

とりあえずその場を何とかする”総合医”ではなく

”スペシャリスト=専門医”を望んでいます。





タダでも少ない専門医を減らしてまで

総合医をつくることは

日本の医療を根本からダメにする可能性がある

とすら考えています。




私はオールドタイマーかもしれませんが、

専門医志向です。

総合医志向を持った医師の方々が

国や医療制度、財政状態に左右されず、

幸せになることを望んでいます。




きつい言い方かもしれませんが、

”総合医”は「安い医者」

として扱われています。

今の流れを

どのように考えるか、

非常に難しいところかもしれません。


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コメント

No title

おお、なんか総合医って良い物に思えてきましたよ
専門医、指導医まで取得してしまえば

フリーアクセスが制限された、紹介患者だけを相手にしていればよくなるなんだ

総合医ね

総合医・総合医と念仏の題目のようですが、今までに自治医大卒の総合医もどきがかなりの数いたはず何ですが、皆どこに行ったのでしょうね??
皆総合医していますか?
あれだけ僻地医療に灯をともすなんてお題目ですが、実際総合医としてはやっていけないわけで、それこそ患者からは専門は違うでしょの一言で蹴飛ばされそうです。
今の研修医制度は自治医大卒が先鞭をつけたのは間違いないですが、専門医思考の人間には全く不要のものですし、まして肺ガン手術のできる小児科医なんて考えただけでも噴飯もの、餅は餅屋という言葉の意味を改めてかみしめてしまいます。
せめて自治医大が発足した当時から積極的に認定なり勧めていればこうも無様な姿にならなかっただろうにね、厚労省の先の読めなさが見事にでていると思います。

いっそのこと総合医の診察は保険点数2倍なんて英断すれば総合医も増えるかも??

梯子は外されるもの

>いっそのこと総合医の診察は保険点数2倍なんて英断すれば総合医も増えるかも??

いや、厚労省の梯子外しは露骨すぎますから
今や、誰一人として信用してないでしょう
2年間だけ総合医やって儲けて引退とかできる年齢ならいいかなぁ

No title

今のところ、総合医志望の医学生に会ったことがありません。産婦人科医志望、小児科医志望ならいますが。はっきり言って、何でも診られる医師なんて胡散臭いじゃないですか。そういう胡散臭さを医学生は嗅ぎ取っているのだと思います。

先物買い

 新ブログ初の書き込みです。 今後とも、宜しくお願いします。

  私自身、総合医志向グループから離脱し、学会にもしばらく行っていませんでした。
  最近久々に除きに行ったら、今だに『総合医の定義とは?』とか、大真面目に禅問答をしていました。 総合診療学会、家庭医療学会、プライマリーケア学会が統合され、専門資格が作られるそうですが、マダマダもめている最中のようです。 ・・・よっぽど、根拠のなさを指摘やろうかと思いましたが、流石に自粛しました。 言っても分からなそうだし・・・。
  そりゃ、全ての科を診られれば、スバラシイでしょう。 でも、日本の偉大なる先輩アメリカでは専門医資格が医師の医療訴訟賠償保険での加入資格になっているとも聞きます。 今後、日本でもそうなるでしょう。 総合医の賠償保険のカバー範囲は、どうなるか?? なんの保障もしてくれなさそう。
  そもそも、日本が沈没する過程で、地域の瓦解が急速進行中です。 今から地域志向に飛び込むのは、将来の展望を考えるとアマリにリスキーでしょう。

  『総合医』は市場規模と需要が未知数で、養成自体が黎明期です。 また、市場の将来性に乏しく、役割が不明確で、責任と保障のバランスが見えません。
  非常に危険な『先物買い』である、それが今の私の結論です。
  先進的に取り組む先生方が、明確な根拠に基づいて明るい将来像を見せてくれることを、願って止みません。

No title

だいたいが総合医、総合医といいますが、その定義はどうなってるんでしょう。
「なんでも診れる」?「初期診療」?
そんなもの最初に診た患者がどういう系統の疾患を抱えているかなんて、よほどしっかりした専門医の勉強をした人でないと無理でしょう。
小児科ですら、「内科・小児科」の開業医の先生方のトンデモ診療に時々びっくりしますから。「ちょっと風邪気味」で喘息大発作を1週間ほっとかれたり。
「その科の医師」にとっては常識でも「他の科の医師」にとっては非常識という事態は山ほどあります。そういう状況下で、総合医なんて言っても、結局は「何もできずにとにかく専門医へ無差別に丸投げする(しかも送るべき専門を誤りまくる)」だけの存在になるだけかと思います。
そんなものに、「医師」という人種がなりたがるとは思えないんですがね。
「とりあえずはなんでも診ますよ。でも専門は○○です」という現状が精いっぱいでしょう。

No title

>”総合医志望”という傾向が
”総合医死亡”という傾向が と読んでしまった(w ぇねぇ

でも、5年以内にそうなる予感 その前に日本が潰れてるかな。

専門医アクセス制限が先

現在、ちょっと胸が痛かったとか、胃のところがムカムカするという程度でそれぞれの専門医師が診察する状況で総合医は全くお呼びではないです。
専門医が一見さん断固お断り、もしくは絶滅危惧種となり強烈なアクセス制限が達成されてはじめて、総合医の出番です。

ですから、専門医の先生方、さっさと最前線から撤退、保険医返上、お金の切れ目が命の切れ目を実現してくださ~い。

「総合医」では自尊心が満足しない医師たち

この「総合医」というのは、昭和の終わりに雨後のたけのこのように生えてきた新設医大(特に私大卒)の連中がやればいいこととずっと言われ続けてきたレベルの低い医療そのものですね。
(余談ながら新設私大卒の連中が引き合いに出されてきたのは、偏差値が低い馬鹿というニュアンスよりも、開業医の跡継ぎというニュアンスの方が強いですが。開業医の跡継ぎで、旧設医大に入れなかった連中の受け皿なので。)

そのイメージが払拭されていないのにいったい誰が身を入れてやりますかね?
実際に「総合医」に要求されるレベルがどうかは関係ない。
多分、そんなに低くはありませんね。
新設医大の連中など、この分野でも質の低い医療しか提供できないでしょう。
本当に必要に思うのなら思い切り厚遇すればよいでしょう。
それならば、鉄門、芝蘭であってもきっとやる者がいるはずです。

ブランド

>日本では現時点でも、専門医の位置すら低いですから、
>さらに下の総合医が確立されると、
>医師の内部の分断と医師そのものの更なる地位低下が
>おきるかも知れません

専門医への受診に対して総合医の先生がゲートキーパーをされる(専門医の受診制限が行われる)と、専門医の先生の地位の向上になると思います。患者さんは医師の実力を見るよりブランドを見ますから。制限されるとありがたみが沸きます。
照会先の大学病院の若い医師がありがたがられるのも、同じことだと思います。。
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
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