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■開業つれづれ:「<東日本大震災>「全額負担させられた」保険証紛失で被災者」



国は医療機関には全く金も払わずに

過大な負荷をかけ続けているようです。




厚労省:保険は病院が確認しろ。簡単だろ。

 ↓

患者の長蛇の列

 ↓
 
病院:一人一人、電話で保険の確認なんてとても無理。事務処理できない

 ↓

病院:後で返金してもらってください。払える人は全額出して。

 ↓

患者:金取られた!

 ↓

厚労省:患者は金払う必要ないんだから、ゴリを押せ!!



という

ばかげた状況になっているわけです。




>厚労省医療課は「医療機関の手間にはならないという前提で通知を出した。被災者の復興支援が趣旨なので、きちんと処理してほしい。

>被災者自身は免除される立場にあることをしっかり主張してほしい」と話している。

厚労省は簡単だ、

というのなら、

簡単だそうですから

厚労省の職員自身が

保険の確認補助のお手伝いに

現場に行ってみたらどうでしょう?





きっと簡単ですよ。

人気も上がりますし、

自分で言うように”簡単な仕事”ですから

ぜひ現場派遣で保険の確認を

厚労省が自らやってほしいものです。








<東日本大震災>「全額負担させられた」保険証紛失で被災者

毎日新聞 2011年4月15日(金)11時33分配信
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110415dde041040030000c.html

 東日本大震災の被災地では保険医療にも混乱が及んでいる。被災者は保険証を失って窓口負担なしで受診できる措置が取られているが「全額負担させられた」との苦情が続出。一方、医療現場からは「事務処理能力を超えている」との反発が出ている。

 「ただでさえ現金が大事な時期に、つらいですよ」。福島県いわき市の自営業、折笠修さん(52)は表情を曇らせた。保険証は津波で自宅ごと流された。被災後、頭痛が続き、市内の病院で診療を受けると、保険証がないとして全額の支払いを求められ7000円を払った。「これでは病院に行くのもためらってしまう」

 厚生労働省は今回の震災で、地震や津波で自宅が全半壊した人、福島第1原子力発電所の事故で避難を余儀なくされた人などを対象に、窓口負担の猶予を認めるよう都道府県などに通知した。最終的には保険者(健康保険組合など)に全額負担を求め、被災者の支払いは免除する方針だ。

 しかし、福島県国民健康保険課によると「全額負担させられた」との苦情や問い合わせが1日10~20件寄せられている。同じ被災地の宮城、岩手両県でも苦情が多いという。同課は「免除の措置があることを知らない医療機関が多いのではないか」とみる。

 これに対し、医療機関からは反論の声が上がる。いわき市にある公立病院の事務担当者は「免除の措置は知っているが、震災の混乱で事務処理能力を完全にオーバーしている」と語気を強める。

 保険証をなくした被災者が窓口負担の猶予を求める時は、自身の入っている保険の種類などを自己申告する。医療機関側は、それに基づいて保険者に問い合わせ、裏付けを取る必要がある。

 だが、この担当者によると、窓口には避難生活で体調を崩した人などで常に長い行列ができており、確認作業に時間を割く余裕はないという。「払える人にはいったん払ってもらうしかない」のが現状だと説明する。

 厚労省医療課は「医療機関の手間にはならないという前提で通知を出した。被災者の復興支援が趣旨なので、きちんと処理してほしい。被災者自身は免除される立場にあることをしっかり主張してほしい」と話している。【渡辺暢】






そんなに簡単だ、

というのなら

1.厚労省の職員が実際に”簡単な仕事を手伝う”

2.国の職員が現金を持って、横で病院に渡していく

というのはどうでしょう。



”簡単だからやれ”

と、実際にはとんでもないことを

押しつけている厚労省。




そして、震災対策として

医療機関には一切金を出さない、

という国の補正予算と復興計画。



厚労省自ら、

ダメージを受けている医療機関に

何らの手当もせずに、

>被災者自身は免除される立場にあることをしっかり主張してほしい




イコール 被災者は病院にゴリを押せ!!


という発表をするという

狂った状況です。




医療機関は

死ぬまでタダでこき使ってやれ、

支援物資が届かなくて

心臓発作おこしても

現場を立ち去れば医師は罵倒され、

「いままでの先生、ありがとう」

なんて言葉は一言もなく

「はやく代わりの医師をよこせ。でないと不便だ」

という国民や厚労省の態度がありありと

出ています。





いいですか、

震災現場で働いている

医療関係者の皆さん。




失ったうろ覚えの保険確認という

狂った作業を現場に負わせています。




国は一切、医療関係者に金銭的予算を立てず、

医療機関はタダでこき使え、

という方針なのです。




これが

この国の被災地の

医療政策なのです。





なぜ、被害に遭っている医療機関が

このような状況で

悪者にならなくてはいけないのでしょうか。




これ以上、医療機関の限界を超えて

過重業務を

要求されるのなら

医療機関は過労で倒れる人が

続出することでしょう。






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コメント

やれやれ・・・

>厚労省医療課:医療機関の手間にはならないという前提で通知を出した

一体何を根拠にこんなたわけたことを言っているのか、ぜひお役人様にご説明いただきたいものです。

毎日新聞ですからねぇ

震災関連での役所からの通達によれば、「医療機関側は、それに基づいて保険者に問い合わせ、裏付けを取る必要がある。」ということはないんですけどねえ。「とりあえず、性善説に基づいて処理しろ」と読めるのですが。
それにしても、気になるのは厚労省医療課の答え。

記者:病院では手間がかかるからと、被災者に全額負担を求めているようですが、コメントは?
と聞かれたから
役人:医療機関の手間にはならないという前提で通知を出した・・・・・
ということではないのかな。

記者:被災者の申告に基づいて保険者に問い合わせ、裏付けを取る手間が膨大だと言っているが・・
と問われれば
役人:保険者に問い合わせ、裏付けを取る必要はない
と答えたかもしれません。

もっとも、役人がとぼけている可能性はゼロではありませんけどね。更に付け加えると、架空の住所氏名で受診した者の医療費を誰が払うのか定かではありません(役所は答えていない)から、医療機関が慎重になるのも当然です。

なんという太っ腹

変態新聞の言いたいことが私のような末端小児科医には良く分からないのでエロイ人に教えて欲しいのですが

保険証なくしたどころか、そもそも最初から保険なんて加入していないという貴方!心配ご無用です!「震災被災者です。保険証なくしました」という呪文を唱えると、今ならなんと医療費無料!もちろん入院費もお食事代も、一切頂きません!費用は全額、病院が負担します!さあ、今すぐお近くの病院へ!!(以上、ジャパネットタカタ社長風)

という事でつか

NoTitle

被災者医療として、保険証の有無に関係なく、外来受診者一人当たり1万円を医療費として支払う、くらいのことをしなければ行けないのではないでしょうかね。
被災地の医療機関では、保険の確認作業どころか、レセプト請求すらできるかどうか怪しい状態なんですから。
(レセコンすら動いていない診療所も多いでしょうし)

とくに、診療所が被災して、別のところで診療を行っている開業医なんて、まず殆どがタダ働きで業務をしておられるはずです。
こんなときにこそ、どんぶり勘定でとにかくお金をだします、くらいのことをしなければ、医療従事者の善意にのみ寄りかかったシステムではどうしようもありません。

ところで、窓口での免除&保険証を医療機関側で確認、ということですが、社保ならともかく、国保に関しては、保険証データベースすら失った自治体も多いはずなんですけど、そういった場合はどうするんでしょねぇ。

ま、「簡単な作業だ」と言いきってるわけですから、どっかに「すぐに確認できる」便利なデータベースとそれを操作する人員的余裕があるんでしょうなぁ。

ちょっと待て!!

>最終的には保険者(健康保険組合など)に全額負担を求め、被災者の支払いは免除する方針だ。

保険者サイドは全額負担することをちゃんと了承しているんでしょうね!?
万一、保険者が支払いを拒否した場合、今のままだと医療機関が全部負担を被る事になるんですが・・・

それにしても、自分たち(国)はビタ一文も出そうとせず、他人の財布を当てにしながら、「被災者の皆さん、医療費はタダですよ、しっかりアピールしてくださいね♪」などとエエカッコしいなことを言ってのける厚労省の役人の感覚が信じられません。


もっとも、あの毎日新聞ですから、この記事自体が事実かどうか疑わしいところではありますが・・・

NoTitle

「実は保険証は病院が勝手に発行してよいものだった」というのでなければ、保険者が患者の再発行の申告に対して保険証を速やかに再発行するというのが正論なのではないですか。

別に厚生労働省が暫定的に代わりになる保険証を発行してもいいですけど、虚偽申告で膨大な医療費となったときに、後でいい加減な発行の責任をとらされるのをいやがって絶対にしないでしょうね。

復興破壊増税

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110419-00000001-jij-pol

現状のままこれが実行されたら、消費税を患者に転嫁できない医療機関は倒産が続出です。そうなると特に困るのは被災地域の患者さんでしょうに・・・ホントにこれでいいのか?

NoTitle

v-12ふ~。そもそも、その国民が自分の入っている保険の種類自体を、把握しているかどうかが問題ね。サラリーマンか、自営業者ですかというところから、話を始めていると長蛇の列はとてもじゃないけれどさばけないわね。


ててれけさん、それをいうなら。
「保険証をなくした、震災被災者の皆さん!」

保険に、加入していない、あなたも!!
今なら、なーんと、医療費が無料です!!

入院と、お食事もサービスでおつけしました。
(♪拍手~)
さあ、今すぐお近くの病院へ!

お電話番号は、○○○・△△△△

というのが、一般的なダイレクトレスポンス広告でつ。


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医師免許取得: 医師にはなったけど、医療カーストの一番下でした。
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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

よろしくお願いいたします。


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