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■開業つれづれ:「沖縄の救急医療:病院「患者を廊下に」 軽症受診、救急車“タクシー”」「救急受け入れ拒否急増 今月すでに245件」

ネタ元は

Hekichinさんです。

http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1743.html#comment12710

いつもお世話になっております。





沖縄医療は

他に病院がないから断れない、

という事情で

救急搬入を受け入れていたということです。




すでに医療的な余裕は使い果たして

いつか爆発する状況だったはずですから、

住民自身が沖縄医療に

最後のとどめを

さしつつある、

ということです。






救急受け入れ拒否急増 今月すでに245件

琉球新報 2011年1月26日


http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-172803-storytopic-1.html



 年末からの冷え込みで体調を崩して入院する高齢者の増加による救急病院の満床で、消防からの救急搬送受け入れ要請を拒否せざるを得ない例が本島中南部で今月1日から25日までに少なくとも245件あったことが25日、琉球新報の調査で分かった。2009年は年間で27件にとどまっており、今年は既にその9倍強に上っている。特に南部で深刻で、受け入れまでに7回要請をした例もあり、県内の救急医療はパンク状態となっている。背景には季節的な患者増だけでなく、緊急でないのに救急を受診する患者の多さなどがある。事態を重く見た県は関係者の連携強化に取り組むと同時に、日ごろの健康管理の徹底やかかりつけ医の受診、救急車の適正利用を県民に呼び掛けている。
 琉球新報は25日、本島中南部の11消防本部、主要救急病院11院に患者受け入れ拒否の状況などについて調査。受け入れ要請拒否件数は那覇市消防本部が最も多く93件。島尻消防・清掃組合消防本部が45件など本島南部地区で深刻。中部地区は少なかった。
 患者が受け入れられるまでの要請回数は最大7回。患者を受け入れられない主な理由は「病床満床」「処置困難」だった。事前に消防本部に救急車の受け入れ制限を通知した病院もあった。
 県内の救急医療は患者の搬送受け入れが困難となる「たらい回し」がないことで全国的に知られている。県防災危機管理課によると、09年に救急搬送された5万4535件のうち、1回目の要請で受け入れられなかった例は27件(0・05%)あったが、2回目の要請ではすべての搬送患者が受け入れられていた。
 病床利用率100%に近い状況が続く各病院は患者増について「脳卒中や循環器系の患者が増え、高齢者が比較的多い」「冷え込んだため患者が多い」「インフルエンザの流行も重なっている」などと説明している。どの病院も重症患者は受け入れているが、腰痛やしびれなど軽症の患者の受け入れを断わることがあるという。(玉城江梨子)





患者を廊下に、

といいますが、

以前勤務していた病院で

満床を超えて患者さんを受け入れると

がっつり査定されて

病院は大赤字になっていました。




そこまでがんばって

能力を超えても患者さんを診て、

その挙句に

大赤字になるのなら

誰だってそんなことはしなくなります。




「ベットがなければソファーでも」

とかいう患者さんのコメントを馬鹿なマスコミは載せますが

そういう問題ではなく

現実的にソファーをフォローするスタッフがいない、

ソファーに患者さんを入れたら大赤字、

何かあったら病院の責任が問われる、

ということです。












沖縄の救急医療:病院「患者を廊下に」 軽症受診、救急車“タクシー”



琉球新報 2011年1月26日

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-172819-storytopic-1.html

 「非常事態」「災害時と同じだ」。これまでほとんどなかった消防からの救急搬送受け入れ要請拒否が大幅に増加し、「断らない救急」を誇ってきた県内の医療体制に赤信号が点滅し始めている。病床が足りず、「患者を廊下に寝かさざるを得ない」と窮状を訴える病院も。軽症にもかかわらず救急病院に頼る患者も多く、関係者からは県民に対して昼間の受診やかかりつけ医の受診、救急車の適正利用を求める意見が相次いだ。

 患者数の増加で、救急搬送の受け入れが困難となる状況は急激に冷え込んだ昨年末から起きている。沖縄気象台によると昨年12月下旬の平均気温は16・1度で例年の17・7度を1・6度下回った。今月に入ってからも例年の平均気温を1・5~2・3度下回る状態が続いている。

 患者は主に高齢者。肺炎や脳卒中などが増加している。通常でも満床に近い状態を退院調整でやりくりしている現場に、患者数の急増があり「災害のような状態」(県医務課)という。病院側は「夜間救急は待ち時間が長くなる。自覚症状がある場合は昼間に受診してほしい」と一様に要望した。

 県防災危機管理課は「救急車の適正利用をお願いしたい」と呼び掛ける。2009年に病気で救急搬送された例のうち、53%は入院に至らない軽症患者だった。琉球新報の取材に対して各消防本部からは救急車をタクシーのように利用する“常連”の存在や、病気でないのに救急車を呼ぶ人がいる実態を明らかにした。

 一方、搬送受け入れ拒否がほとんどなかった中部地区も病床に余裕があるわけではない。ある病院は「救急室の廊下に患者があふれ、入院できずに廊下で寝かさざるを得ない状況。断っていないが限界に近づいている」と現状を説明。「中部は病床数が足りていない。後方施設も患者がいっぱい。一つの病院で対応できる問題ではなく、地域の問題として医療行政が何とかしてほしい。救急病院や連携する後方施設を中心に病床数を増やしてほしい」と要望した。


 ◇<解説>高齢者長期入院も背景

 救急搬送患者の受け入れが難しくなっている背景には、緊急でないのに救急車を利用したり、救急病院を受診する人の多さに加え、高齢者を中心とした救急病院の長期入院患者が多いことがある。

 国は入院医療から在宅医療への転換を進めるが、県民所得が全国一低く、共働きが多い県内は家族の介護力は低い。訪問診療をしている医師も少なく、訪問看護も充足しているとは言えない。在宅医療、介護は難しく、現状は施設や病院頼みだ。

 医療機関は緊急性が高く症状が安定しない「急性期」、状態の安定した「慢性期」で機能を分担しているが、近年は国の療養病床の削減もあり、慢性期を担う病床が不足している。急性期病院が状態の落ち着いた患者を慢性期病院に転院させようにもできない事態が発生している。県内の救急病院の中には30日以上入院している長期入院患者が全入院患者の3~4割を占める病院もある。

 救急病院に働く医師からは老人保健施設などでみとりができないため、終末期の高齢者が救急搬送され、延命治療をしているという指摘もある。ただ施設側も本人や家族の明確な意思表示がなければ、救急搬送せざるを得ない。高齢社会の中で限りある医療資源をどう有効活用するか、老いをどう支えていくかが問われている。(玉城江梨子)






これも

どうしようもありません。

医師手当、

離島手当、

医師のボーナスなどを

どんどん削っていく沖縄の医療行政は

きっと沖縄の医療をつぶしたいから

そうしているのでしょう。





こんな状況で国と県は

”沖縄も観光医療だ!”

と推進してみるといいです。





さらに

観光がてらの外国人に

医療資源が取られる結果になるでしょう。





日本中、

こんな状況なんですが、

沖縄から潰れていくのは

歴史は繰り返される、

ということでしょうか。













沖縄関連記事

■開業つれづれ:沖縄戦 ぜいたくは敵だ 「医師ボーナス削減検討 県が提案 組合、人材流出を懸念」
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コメント

別に簡単に解決できるじゃん

もうさ、沖縄の救急は全部ここに運べばいいんだよ。

http://www.nantoku.org/medical/outline/greeting/index.html
 救急医療の分野では、早くも開院翌年の昭和55年、沖縄県の民間病院第一号の救急指定病院に指定されました。その後も、「絶対に救急を断らない病院」を合言葉に職員一丸となって努めています。
 また、昭和54年の開設当初から研修医を受け入れ、「救急を断らない、何でも診ることのできる医者」をモットーに、実践方式で実力を身につける密度の濃い研修教育を行っています。
当院は、沖縄本島南部にあります。この南部地域は、60数年前、太平洋戦争の激戦地となりました。この沖縄戦では多くの県民が犠牲になりました。その数12万~15万人と言われ、当時の県の人口の4人に一人が亡くなったと推定されています。次の時代を創り発展させたであろう多くの若い命も失われました。その中には、医療従事者になって患者さんのために尽くそうという真摯な志を持った人もいたことでしょう。日々の診療に追われ疲れた時、つらくてもういいと思った時、彼らは問いかけてきます。「もうやれないの」、「それで終わりなの」、「それなら代わりに私がやるから私を生き返らせて」、と。私達には彼らの遺志を背負う義務があります。彼らが果たせなかった志を引き継ぐことです。患者さんのために医療を全力で尽くすという強い使命感と情熱を、私達は持ち続けたいと思います。このように、南部徳洲会病院がこの地にあるのは意味があることなのです。

やる気満々ですな。頼もしいじゃないですか。
がんばってここに搬送してください、沖縄の救急の人。下線の文

沖縄タイムス記事です

沖縄は琉球新報と沖縄タイムスが地元紙です。もう一方の記事はこちら
~~
急患拒否急増175件 県まとめ 「ベッド満床」で
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-27_13989/

救急病院がベッド満床などを理由に、消防からの救急搬送受け入れ要請を拒否するケースが今年に入って急増していることが26日、県防災危機管理課のまとめで分かった。同課が今月20日までの県内11消防本部の状況を調べた結果、消防が医療機関に2回以上要請したケースは175件に上った。特に那覇・南部地区で多かった。主な理由は「ベッド満床」「処置中」「専門外」などだった。
~~
同課の調べによると、医療機関に2回以上要請した件数は、那覇市消防が93件。島尻消防は19件で、このうち要請が7回にわたったケースもあった。
 宜野湾市消防が16件、東部消防12件、豊見城市消防10件だった。搬送されたのは60~90代の高齢者が多かった。
 搬送要請元には老健施設も多かったことから、関係機関からみとり医療の体制のあり方を指摘する意見も出ている。
~~
「要請が7回にわたった」な~んてまだまだカワイイものですねぇ。東京とか大阪とか奈良県は10回以上が当たり前ですので。

>老健施設
老健は一応、形だけでも医者がいるんだから搬送しないで看取れよと思うんですが...

最近は

中小の民間病院が以前のようには救急車や救急外来を受け付けなくなっただけのことです。初診の時間外はもちろん、通院患者さん以外お断りと。

南部徳洲会病院が上の方で出てますが、中徳も負けていません。
「臨床研修病院プロジェクト 群星(むりぶし)沖縄管理型病院」
http://muribushi-okinawa.com/map/kanri.html
中部徳洲会病院
医師数が比較的少ない割りに患者数が多いのがひとつの特徴です。したがって、医師ひとりあたりの患者数が非常に多く、多忙な病院です。救急患者も多く、総動員でやっていますのでオールラウンド的な臨床力が身につきます。」

老健でお看取れって

あれぐらい辛いものはなかったっす。

喉頭鏡もなけりゃ挿管も不可能。レスピレーターもないし、ECGモニターのみ。

家族はいつ死ぬんじゃー 葬儀屋の手配が遅れるんじゃーと四六時中電話がかかってきて医者が応対させられるし、結局当直室には戻れませんでしたよ。強心剤もないので、延命できないんです。家族が間に合わなけりゃ廊下で怒鳴り散らされるし。

こんないつ死んでもおかしくない予備軍がごろごろいるし、さっきまで元気だった年寄りが喉をつまらせればあっという間です。

ちょっとでもおかしくなったら搬送しなきゃやってられなかったです。助産施設の気持ちがちょびっとだけ理解できました。

「医療は限られた資源」という認識がないから

「医療は限られた資源」という認識がないから、コンビニ受診が絶えないし、タクシー代わりの救急車利用が絶えないし、救急受け入れ不能による死者が出た時に「患者を受け入れないなら医者辞めちまえ!病院も潰しちまえ!」とかいう後先を考えない事が平然と言える。

http://www.crazarl.net/kasu1/tarai.txt

本来なら「患者を受け入れられないなら、受け入れられるように労働環境を良くしよう、医療従事者に負担のかからないようにしよう」と働きかけるべきなのに、国もマスコミも国民も真逆の事をしてる。

医療崩壊は国民の自業自得でしょうね。

自分や家族が必要な医療を受けられなくて死んでも(奈良の医療をぶっ潰した毎日新聞を始めとした)マスコミと、医療バッシングで医療を叩き潰した国民が悪いと思って諦めるしかない。

うつです

2006年に会社業務関連が原因でうつになり退職を強要されました
幸いにうつでも自殺していません
運が良かったです
でもこのまま私のような貧困層が医療を受け続けられるとは思いません
出来る限り、薬を減らせるように努力しています
スポーツクラブへ行く時4kmの道のりを片道一時間、往復二時間かけて歩いたり、毎日45分間は泳ぐようにしたり
努力しています
努力して薬を必要としない健康状態に持って行きたいです
奈良・福島・沖縄ですか
出来る限り関わり合いにならないようにします
まだ、死にたくないですから
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沖縄の救急記事のデータ解析

題材は1/26付琉球新報です。メインの解析部分は  県内の救急医療は患者の搬送受け入れが困難となる「たらい回し」がないことで全国的に知られている。県防災危機管理課によると、09年に救急搬送された5万4535件のうち、1回目の要請で受け入れられなかった例は27

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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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