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■開業つれづれ:和歌山医大は違法運用を続ける ”直ちに運用を変えると経営が立ちゆかなくなる” 「和歌山県立医大病院が残業割増分6000万円未払い」

大学附属病院では

どこでも見かける風景。



残業代どころか

お金がまったくでないこともしばしば。




労基から是正が来るだけマシ

というものです。





和歌山医大の担当者も

思い切ったことを言うものです。





>担当者は

>「直ちに運用を変えると経営が立ちゆかなくなる。

>今後の対応は決まっていない」






(苦笑)

違法状態はわかっているけど

このままでいきます、

という発言ですが

これは労基的にOKなんでしょうか。




是正されても訂正する気がない

ブラック企業が

ここにあります。







和歌山県立医大病院が残業割増分6000万円未払い

asahi.com 2010年12月6日


http://www.asahi.com/job/news/OSK201012060123.html


 和歌山県立医科大学付属病院(和歌山市)が、当直の医師や職員に超過勤務手当(残業の割増賃金)を支払っていなかったとして、和歌山労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが病院への取材でわかった。病院は指摘に基づいて計約6千万円を医師らに支払った。

 大学総務課などによると、2009年6~8月、医師や職員の超勤手当を払っていなかったとして同年10月に是正勧告を受け、283人に計5617万円を支給した。紀北分院(同県かつらぎ町)も08年11月に是正勧告を受け、82人に計414万円を払った。

 同病院では、外来患者への対応や緊急手術などの際は超勤手当を支払っているが、それ以外の時間は当直手当のみとしている。現在も運用は変えていないといい、担当者は「直ちに運用を変えると経営が立ちゆかなくなる。今後の対応は決まっていない」と話している。(上田真美)







いままで医師は

24時間拘束状態でした

(いまでもそうですが)。



とくに大学病院や

地方基幹病院では

休みであっても駆けつけられる範囲でしか

行動できません。




それでも患者さんのため、

という大義のために

昼夜を惜しんで、

家族サービスを犠牲にして、

医療を提供してきました。





そこにマスコミと行政と一般市民による

”日本医療は悪だ”

という医療叩きが起こりました。







医師の献身が

逆に行政、マスコミ、一般市民を

付け上がらせ、

「もっとただ働きしろ」

という狂った要求につながったわけです。









”医療は一般市民が安く消耗する当たり前のもの”

に成り下がり、

悪人になってまで医師が献身を捧げることは

少なくなってしまいました。





一時期、盛んに取り上げられた

社会人枠による医師育成も、

逆に

社会を経験している人が医師になったら

過酷な医療現場に行くことなく

効率の良い稼ぎ口を探すことがメインになり

医学部卒業とともに大学を離れ

楽でおいしい就職を求め

医療業界の中に消えていきます。





最近、医師の社会人枠という話が

極端に少なくなったのは

社会人枠を増やせば医療は本当に医療が

成り立たなくなることに気付いたからではないでしょうか。









徐々に変わりつつある

医療現場。

そのなかでも大学病院の労働環境は

劣悪を極めます。






あろうことか、

和歌山医大ではマスコミに向かって

「違法と労基から是背勧告されてもなおす気なんかない」

と宣言するんですから

目も当てられません。



和歌山医大にマッチングされた方、

医師の方々、

ご愁傷様です。







追記:和歌山大→和歌山医大

訂正いたしました。



























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コメント

NoTitle

要するに今の診療報酬体系では、過労死するくらい働かせてもそれを支えるだけの収入が得れない、ということなんですよね。

まあ、次に来るのは簡単です。

「石の基本給を下げろ」

そうすれば、それをベースにした時間外手当も出せますよ、ということではないでしょうか。
医師給与を半額にして、その分、時間外は全て手当をつける。そうすれば負担も増えずに、労基署の勧告もクリアできますよ。

まあ、それで石が集まるかどうかは別の話ですが。

NoTitle

> 楽でおいしい就職を求め

この表現不愉快です

NoTitle

>> 楽でおいしい就職を求め

>この表現不愉快です

いやいや同じ待遇なら楽な職場を選び、同じ労働強度ならいい待遇を求めることは当たり前では?技術を学ぶために一時的に両方眼をつぶるってことはあるかもしれませんが。

和歌山大と和歌山県立医科大学とは別組織

和歌山大とは一般に国立大学法人和歌山大学を指す。国立大学法人和歌山大学と和歌山県立医科大学とは全く別の組織である。誹謗中傷をするときは、固有名詞を間違わないようにすべきである。間違った場合は、すぐに訂正し、関係者に直接丁寧にお詫びをすることが大事である。記述者の責任感が問われる。

NoTitle

社会人としての経験は、医師をやっていく上で利点があるのかもしれないが、その分年齢も上がり、若さにまかせて無理ができない。当然、労働時間に無理がなく、体力も必要でないような職場にいきやすい。
いま、必要とされている過労状態が当たり前で慢性的人手不足の職場には行きづらいし、医療供給という観点からは、あまり効果的ではなかった。

というような表現なら、素直に受け入れられますが、
楽でおいしいとか楽して儲かるという表現の言外に込められた意味に抵抗を感じます。もちろん、筆者はそういうつもりで書いたのではないと思いますが、、

すべてはトレードオフだと思います。医療は社会主義的統制経済ですが、少なくとも好きな分野を自由に選べるわけですから。

あくまでも個人的な感想です。すみません。

> 楽でおいしい就職を求め

> 楽でおいしい就職を求め
> 楽でおいしい就職を求め
> 楽でおいしい就職を求め

…ええと、どこがいけないんだ?管理人さん?そんな奴らばかりだからうまく使われるし、医師は奴隷から抜け出せないんじゃないのか?

早くやめろ、こんなブログ。

大学ごと不合格者割当

あちこちに書いていることですが、医師国家試験の不合格者割当は、いままで底辺私立大学医学部に割り当てられていました。しかし、ここ数年の地方枠という不合格者割当の地方大学割り振りが行き渡る先には、いっそ、一地方大学ごと不合格者担当大学にしてしまえ、、という方向はどうでしょうか?
労働環境を破壊すれば、簡単にまともな医者が逃散します。麻酔科だと、上手な術者がいなくなって、長くて出血量が多くて、リオペばっかりになったら、麻酔技術なんて1-2年やったら、あとは、お金貰えるところに行っちゃうような気がします。教える医者がいなくなった大学に研修医も学生も残らず、、、、。医学部に入っても、借金だけしょわされて、医師国家試験不合格ばっかりだと受験生にも見捨てられ、、、、結局、
公立大学が公立病院の医師供給源になっているのは元からたたれて今の奴隷制度消滅。
医学部の民営化完了ってな感じでしょうか?

楽でおいしい就職を求めます

> 楽でおいしい就職を求め

職業選択基準では、あたりまえじゃん。

①36時間連続勤務で、自給計算1000円以下。
②8時間勤務で、自給計算4000円。

皆が職業としてどちらを取るか。


NoTitle

あまり被害者意識丸出しだと、どうかと。
最近は、大学の雰囲気もだいぶかわりましたよ。
昔と同じじゃ、人集まりませんもの。

今回の和医大事務方の姿勢はどうかと思いますが。
非現業公務員の皆さまにとっては、仕事量に応じ柔軟に
人件費を増やす、といった発想はなさそうなので、
こういった発言につながるのでしょう。

逃散か否か?の分岐点は、そこに属する学問的なメリット
とか、将来の展望、その他諸々によるのでしょう。
いろんな意味で上の先生方の力量が問われる時代です。
まさしく田舎公的医科大学には苦難の時代です。

あと、非現業公務員と思しき方の書き込み、興味深いですねぇ。固有名詞にこだわる方とか。
まあ、ご健闘を祈りますわ。

NoTitle

公務員は予算内でしか働かないからこういう発想になるんです。
年度末に金がなくなったら、病人が居ても翌年度回しねw

私は自分で逃げ出しましたが

大学もピンキリだし、科によってもまったく違います。
だから「大学」というくくりはむずかしと思います

地方大学は人が集まりにくくそれでさらに悪循環に陥っている典型と思います。

だから本当はきちんと労働に見合うだけの金は払う 
その代り病院黒字化計画をきっちり施行する
(専属医師の作成 看護師の体制づくり 無駄の削除 事務員の削除と必要な人員配置、黒字部門の強化 赤字部門の削除か立て直し)
を行えば、大学病院だってまだまだ延びる余地はあるとは思いますがね 

ムリムリムリのカタツムリ

>(専属医師の作成 看護師の体制づくり 無駄の削除 事務員の削除と必要な人員配置、黒字部門の強化 赤字部門の削除か立て直し) を行えば、

つまりムリって事ですねわかりますw

NoTitle

10年前にドロッポしました様

その通りです

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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

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