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■開業つれづれ:「オカルトか? 奇跡の医療か? ホメオパシー事件と代替医療の正当性」


ホメオパシー騒動。

いろいろな意見があるとは思いますが、

私自身は

まったく信じることができません。





オカルトか? 奇跡の医療か? ホメオパシー事件と代替医療の正当性

サイゾー 2010年12月3日(金)17時37分配信

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101203-00000301-cyzoz-soci


──昨年発生した山口県の女児死亡事件をめぐる報道で、にわかに耳目を集めた“ホメオパシー”。実は、ホメオパシーを含む代替医療への批判は、 2000年代を通じてインターネット上の論戦テーマであり続けてきた。「砂糖玉を飲めば病気が良くなる」という治療法を、なぜ人は信じてしまうのだろうか?女性誌や育児雑誌などでは特に批判もなく各種代替医療が取り上げられている現状で、この問題に対し、社会が取り得る対策を考える。

 2009年10月、山口県で生後2カ月の女児がビタミンK欠乏性出血症に陥り、呼吸不全で亡くなるという事故が発生した。原因は出産を担当した助産師が女児にビタミンKを投与しなかったこと。新生児や乳児はビタミンKを十分に生成できないことがあるため、定期的な投与が必要となる。ところが、助産師は「自然治癒力を促す」という錠剤しか女児に与えていなかった。

 母親は今年7月、乳児死亡の原因は助産師の過失として山口地裁に提訴。これを機にメディアは同事件の報道を開始した。当初は「助産師が女児に自然療法で使用する錠剤を与えて死亡事故を招いた」という報道に留まったが、次第にその錠剤が「レメディ」と呼ばれるホメオパシーで使われる"薬"であることに注目が集まり、「ホメオパシーによる死亡事故」という文脈で報道されるようになった。

 ホメオパシーとは、前述の「レメディ」と呼ばれる砂糖を固めた粒を摂取することで心身の不具合を治療しようとするものだ。一般的には、効果に科学的根拠がないとされる「代替医療」に分類される。生理学的に治療効果があるとは考えにくいことを理由に、メディアの多くはホメオパシーに対して批判的なスタンスを取った。中でもラディカルな報道を展開したのが朝日新聞。7月31日付の朝日新聞東京本社朝刊「be」では「問われる真偽 ホメオパシー療法」と題し、「海外の研究機関から、ホメオパシーは治療効果がないという報告が相次いでいる」と紹介。また8月5日付朝刊では、「ホメオパシーは科学的根拠がない療法であり、山口県の乳児死亡事故のようなトラブルがほかにも起きている」と指摘。さらに編集部のブログで、「効果は疑わしく、国民は医療の選択に注意深くなってほしい」という主旨の記事も展開した。

 この反ホメオパシーキャンペーンに対し、くだんの助産師が所属する「日本ホメオパシー医学協会」は反論声明を出した。しかし、世間の懐疑的な視線はまったく覆らない。それどころか、待っていたのはさらなる追い打ち。8月24日、内閣府の特別機関のひとつである日本学術会議が「ホメオパシーは科学的な根拠はなく荒唐無稽。この療法を続けることで、本来受けるべき治療の遅れを誘発する危険がある」という主旨の会長談話を発表。日本の科学分野における最高機関から"お墨付き"を頂戴し、世間的にホメオパシーは疑似科学という認識で落ち着いてしまった。


■『水からの伝言』を端緒にニセ科学批判は始まった


「克服すべき問題はあるが、統合医療(西洋医学と代替医療の統合による、患者中心の医療)については真剣に検討して、推進していきたい」

 年初の所信表明演説での鳩山由紀夫元首相の発言である。ホメオパシー騒動の余波により不名誉な形でクローズアップされた代替医療だが、今夏までは有用な医療として政府内でも注目されていた。そこで、代替医療という存在をあらためて問い直してみたい。

 代替医療の解釈はさまざまあるが、基本的には前述した通り、「生理学的に治療効果があるとは考えにくいとされる医療」を指す。具体例を挙げると、伝統医療、ヒーリング、マッサージ、食事療法、エネルギー療法などがそれに当たる。現在、日本をはじめ世界の多くの国では西洋医学を通常医療とし、こうした独自の理論体系を持つ医療を代替医療と呼ぶ。両者の違いは次の点。西洋医学はいわゆる「エヴィデンス」と呼ばれる、特定の臨床実験で出た効果を科学的根拠としているのに対し、代替医療は独自の実験においては治療効果を示しているものの、西洋医学的な科学的根拠には裏付けられていない。そのことから、代替医療は疑似科学の一種といわれるが、あくまで西洋医学的な裏付けがないだけで、完全に効果のない医療であるかどうかは意見が分かれる。だが、今回のホメオパシーについては、西洋医学的見地から効果がないことが批判の寄りどころとなった。特にネット上の批判は辛辣で、朝日新聞などより厳しい意見が当たり前のように飛び交っていたりする。これはある種ネット特有の文化であり、ネット上では以前から代替医療、ひいては疑似科学全般に対するバッシングが継続的に行われていた。

 そうした風土ができるきっかけのひとつとなったのが、江本勝の著作『水からの伝言』(波動教育社)へのバッシングだ。1999年発売の同作は、水に感謝の言葉をかけるときれいな結晶ができ、罵声を浴びせると汚い結晶になるというスピリチュアルな写真集で、国内外で大ベストセラーとなり、一部小学校では教材として導入された。しかし、水が音楽や言葉の内容に反応するという科学的な根拠がまったくないことから、ネット上では疑似科学やオカルト本のたぐいとして徹底的に叩かれたのだ。これを契機に、00年以降、「ゲーム脳」「マイナスイオン」「海洋深層水」など、さまざまな疑似科学がネット上でターゲットになった。そんな中で、代替医療も批判の的となってきたのだった。

 ネット上に集まる代替医療批判の端緒は、試したものの効果がないといった不満や病気が悪化したなどの被害報告。これらの単発記事が点々とあるうちは批判的ムーブメントとしての規模は比較的小さい。しかしひとたび、学者をはじめ疑似科学に懐疑的な専門家が主張を始めると、批判ムードが一気に拡大することがある。例えば大阪大教授の物理学者・菊池誠氏はホメオパシー批判の急先鋒として、数年前から自身のブログ「kikulog」にて「ホメオパシーは由緒正しいニセ科学」といった発言を繰り返していた。すると、一連のエントリーには賛同コメントが多く集まるだけでなく、菊池氏の主張に共鳴したネットユーザーがそれらのエントリーを引用して、個人ブログで代替医療、疑似科学を懐疑的に取り上げ、批判的視点が拡散。さらにネット上で代替医療の批判ムードが強まると、肯定派はその良さを伝えようと過剰に宣伝するあまり、それぞれのサイトがどんどん胡散臭くなっていった。

 昨今、一部の代替医療は健康雑誌やファッション誌で取り上げられることも増えているが、愛好家の生の意見が最も反映されるのはネット上。そこが極端な肯定と否定ばかりになっていれば、代替医療を試そうかと考え、調べてみた人が興味を失ってしまう可能性は高いように思われる。だが、実際は代替医療にハマってしまう人が後を絶たない。一体なぜだろう? ホメオパシー医である板村論子氏は、次のように説明する。

「代替医療を求める人の多くは、現代医療で症状が治らなかった人。一般の病院に通院しても、短い時間で精密な診療が受けられないことが多い上、処方される薬で病状が改善しないこともある。このような状況にある人が代替医療を試して、実際に効果が出たとなれば、当然続けようと思いますよね」

 効果に科学的根拠がないと批判される代替医療だが、患者にしてみれば現代医療で治せないものが代替医療で治ったのが何よりの証拠。自身の経験により、代替医療への信仰心を篤くしているようだ。

 そして一度でも奇跡的な体験をすると、その良さを布教したくなる。沢尻エリカもホメオパシーについて、ファッション誌「グラマラス」(講談社)5 月号のインタビューで「本当にいいものだから、みんなに知って欲しいんですよ」と語っていた。そのほか有名なところでは、サンプラザ中野くんが傾倒しており、ホメオパスの民間資格を取得して“サンプラザ・ホメオパス・中野”名義で『平和なカラダ』(ユビキタスタジオ)なる本まで出している。

 しかし、先のホメオパシー騒動以降、あまりの批判の強さに、彼女たち愛好者の心境にも変化が訪れつつあるのかもしれない。実は今回、市井のホメオパシー利用者数名に、利用するに至った経緯を伺う取材を申し込んだのだが、「ホメオパシーの良さは伝えたいが、今は曲解されてしまう危険がある」と言われ、実現しなかった。

 今回は事件化したためホメオパシーが批判の対象となったが、このような状況に陥る可能性はその他の代替医療すべてが抱えている。今年に入り、政府主導で代替医療推進を目指していたが、これも騒動後は無形化している。果たして代替医療と社会はどのようにかかわっていくべきなのか? 我々国民のほうでも一度じっくり考えてみたい。
(取材・文/下元 陽 BLOCKBUSTER)









ホメオパシー。

実際に死亡に関連している可能性もあり、

それについてどのように説明するというのでしょう?


















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コメント

ベッドに押し倒して~♪唇奪っちゃえ~♪♪

サンプラザ中野くんって爆風スランプのサンプラザ中野ですよね?
…遠いところに逝っちゃったんだなあ。

NoTitle

元々医療が万能であると思いこんで、それがうまくいかなかった人がそっちに逝っちゃうことが多いようで。

医療でなんでもよくなるんなら、誰も苦労しませんがね。

ま、ちゃんとした代替医療(ものによってはちゃんとエビデンスが出つつある)と「怪しげで魔術的な医療もどき」を一緒にしないようにしてくださいねぇ。

NoTitle

>サンプラザ中野くんって爆風スランプのサンプラザ中野ですよね?

そうなんですよ。何か見ないなと思ってたら「鬱でした」って、えらく老け込んで現れたと思ったら、菜食だのなんだのかんだの・・・で、ホメ信者になってますた。
こいつよかショックだったのは田村翔子、清楚な美人モデルでキョンキョンのお友達だった・・・宇宙の果てに逝ってくれたら良かったのに。今はこんなことに・・。
http://www.mylohas.net/homoeopathy_blog/

http://www.asajikan.jp/asabijin/shoko_tamura/archives/category/homeopathy

医師の端くれ

上述の田村翔子さんのページより

>ホメオパシーとは、動物、植物、鉱物などを物質がなくなるくらいまで薄め、叩くことによってエネルギーを高めたレメディーを使って、

つまり水を叩くいてエネルギーを??

アニメでもここまで荒唐無稽な話はないぞ

更にこんなこと書いてます
>火傷した場合、通常は即座に水で冷やすべきだと言われていますが、本当は火傷したときには、それとは逆に、もう一度、ガスコンロに手をかざすなどして、患部に熱を加えるといいのだそうです。熱は熱で押し出すという。。。

ドラえもんに出てきそう。

テルトウリアヌス
「荒唐無稽なるゆえに、われ信ず」
ですか

騙されたと思って…

注意:騙されるw
>ま、ちゃんとした代替医療(ものによってはちゃんとエビデンスが出つつある)

ごく一部の例外を以下ry
代替医療は全部糞、と認識しておいた方が無難だと思います。特に素人は。

>火傷した場合、通常は即座に水で冷やすべきだと言われていますが、本当は火傷したときには、それとは逆に、もう一度、ガスコンロに手をかざすなどして、患部に熱を加えるといいのだそうです。熱は熱で押し出すという。。。

奴隷医の頃、灯油かぶった自殺企図の重症熱傷患者に対してすら「なんでガソリンをかぶらんか!?」と内心で呟くに留めた自制心溢れる私ですが、リアルでこんなのの担当になったら殴っちゃう自信満々っす…。
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ID上、ブログではmedさんとも呼ばれてます。

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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

よろしくお願いいたします。


中間管理職 

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