2010/11/19
■開業つれづれ:奈良はさらに上告検討 「産科医の当直、時間外支払い命じた一審支持 大阪高裁」
ネタ元はdemianさん
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1648.html#comment12340
です。いつもお世話になっております。
奈良県は上告を検討。
つまりは最高裁に行くつもり満々なわけです。
”奈良県は、医師に対してこれ以上改善するつもりはない”
と明言しているわけです。
…ここまで言われて
奈良で医師として頑張っている意味
あるんですか?
産科医の当直、時間外支払い命じた一審支持 大阪高裁
asahi.com 2010年11月16日
http://www.asahi.com/health/news/OSK201011160074.html
産婦人科医の夜間や休日の当直勤務が労働基準法で定められた「時間外手当」の支給対象になるかが争われた訴訟で、大阪高裁の紙浦健二裁判長は16日、対象になると判断して奈良県に計約1540万円の支払いを命じた一審・奈良地裁判決を支持し、原告・被告双方の控訴を棄却した。
原告は奈良市の同県立奈良病院に勤める産婦人科医の男性2人。各地の病院の産婦人科医の多くも同じ問題を抱えているといい、代理人の藤本卓司弁護士は「高裁レベルで支給対象と認められたのは初めてで、産婦人科医療に影響を与える可能性がある。問題の背景には産婦人科医の絶対的な不足があり、数を増やすための国の対応が求められている」と話している。
高裁判決によると、2人は04~05年に210回と213回の当直をこなし、1人は計56時間連続して勤務したケースもあった。これに対し県は「当直は待機時間があり、勤務内容も軽い」として時間外手当の対象外と判断。当直1回につき2万円を支給した。
紙浦裁判長は、産婦人科医不足で県立奈良病院には県内外から救急患者が集中的に運ばれ、分娩(ぶんべん)件数の6割以上が当直時間帯だったと指摘。当直勤務について「通常業務そのもので、待機時間も病院側の指揮命令下にあった」と判断した。緊急時に備えて自宅待機する「宅直勤務」は時間外手当の支給対象と認めなかったが、「繁忙な業務実態からすると過重な負担で、適正な手当の支給などが考慮されるべきだ」と述べた。
武末文男・同県医療政策部長は判決後に県庁で記者会見し、「判決に従えば夜間や休日の診療が困難になる。国に労働環境改善と救急医療の両立を図れる体制作りを要請したい」と述べ、上告についても検討するとした。県側は2人の提訴後の07年6月以降、県立病院の医師が当直中に治療や手術をした場合、その時間に限って時間外手当を支給する制度を導入している。(平賀拓哉、赤木基宏)
毎日はまた意地悪なタイトルです。
>産科医 割増賃金 訴訟
っていったい何?
たんなる時間外労働の訴訟に
このネーミング。
なんて
悪意に満ちたタイトルでしょう。
県も悪意に満ちています。
>軽微な作業を前提とした労働基準法の宿日直を明確化することを国に求めたい
奈良県は
法律を明文化してでも
医師を奴隷として働かせたい、
としているわけです。
こんなところ(=奈良)で
産科医師として働いているのは
自ら奴隷として
働いているのを望んでいるわけです。
産科医割増賃金訴訟:「時間外労働」認定判決 県「直ちに実施、不可能」 /奈良
毎日新聞 2010年11月17日 地方版
http://mainichi.jp/area/nara/news/20101117ddlk29040455000c.html
◇産科医師1.5倍必要 国に対策要請へ
県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医2人が、夜間や土曜休日の宿日直勤務に対し、割増賃金などの支払いを求めた訴訟の控訴審判決は、昨年4月の1審・奈良地裁判決と同様、勤務を割増賃金の対象となる「時間外労働」と認めた。判決を受けて、県庁で記者会見した武末文男・県医療政策部長は「直ちに(判決内容を)実施することは不可能」とし、国に労働環境の改善と救急医療の継続・維持への対策を要請する意向を明らかにした。【阿部亮介】
現在、同病院には7人の産科医が勤務し、24時間体制で妊婦を受け入れている。県と同病院は今年7月に労使協定を締結。医師の時間外労働は年間1440時間を上限とし、特別な事情があれば協議のうえさらに360時間延長できるとした。
判決によると、2人は1カ月平均9回弱の宿日直勤務をしているが、1回2万円の手当が支給されるだけだった。
同病院はこの宿日直手当と時間外労働手当の併給方式を採用。すべて時間外労働とすると、法定労働時間や労使協定の上限を上回り、武末部長は「(昼夜の)交代制勤務が必要になるが、交代制には現在の医師が1・5倍必要。医師を増やすには10年かかる」と説明した。
県は時間外労働の縮減に努めているが、深刻な医師不足の中で改善の見通しは立っていない。武末部長は「24時間365日急患への対応を求める医療法の宿直と、軽微な作業を前提とした労働基準法の宿日直を明確化することを国に求めたい」と話した。
奈良で働いている方々は
こんなお役所の理論で
すりつぶされて
体を壊していくわけです。
現場のことを考えているように
思えますか?
もう戦争は終わったんです。
医療崩壊後の
スタンスをみな模索しています。
奈良にとどまるのが
得策かどうか
よく考える必要があるのではないでしょうか。
…だんだん、
投降を呼びかける
連合軍のような気分になってきました。
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コメント
NoTitle
分娩料を高額に設定。
でOKなのでは?
産科医の流れとしては、とにかく分娩料を労働とリスクに
見合ったレベルまで早急に引き上げるのが本流かと思います。
立てよ!奈良の産科医!
2010/11/19 20:48 by 温泉天国 URL 編集
そのままワクテカでお待ち下さい。
奈良県が上告してから、最高裁判決が確定して医療精索部長やら県知事やらが憤死しそうになっている抱腹絶倒間違いなしな姿を見られるまで、どの位かかりますか?
2010/11/20 00:58 by ててれけ URL 編集
NoTitle
実際、過払い請求も最高裁判決が出てから請求バブルが発生しました。
私としては、逆に上告してくれることを願います。
医師側勝訴であれば割り増し給与を文句なく貰え、
県側勝訴であれば撤収する大義名分が成り立ちます。
どちらにしてもwktkですねw
2010/11/22 09:26 by URL 編集
上告したそうです
2010/11/30 20:48 by 子持ちししゃも URL 編集