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■開業つれづれ:百日咳アウトブレイク 「続 アメリカ医療の光と影  第185回 アウトブレイク(1)」

世界の三流といわれる日本のワクチン行政。




いま静かに起こっている

百日咳のアウトブレイク

に対しても

実地医療はワクチンなしの丸腰で

対応しなくてはいけません。



百日咳における、

>「大人から感染する」「重症化しやすい」という新生児感染の二大ポイント

そして

新生児は症状に乏しいという

特徴をぜひ覚えておいてください。







〔連載〕続 アメリカ医療の光と影  第185回

アウトブレイク(1)

李 啓充 医師/作家(在ボストン)

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02901_06



(2899号よりつづく)

 2010年8月23日,サンフランシスコ・ジャイアンツのホーム球場AT&Tパークで,試合前,あるイベントが催された。その際,グラウンド内に招かれたのは,看護師マライア・ビアンキの一家だったが,フィールドに立ったビアンキは,満員の観客とともに,アナウンサーが語る「物語」に聞き入った。 5年前,生後17日で亡くなった,次男ディランの「物語」を。

健康な新生児の急変

 咳が始まったのはディランが生まれる数週前のことだった。熱は微熱程度だったので「風邪」として様子を見るだけにしていたのだが,咳はしつこく続いた。

 予定日より2週早く生まれたディランは,健康そのものだった。しかし,自分の咳が新生児に悪影響を与えることを心配したビアンキは,退院前に主治医の診察を仰いだ。その際,ディランの新生児検診をした小児科医が言及していたことを思い出し,自分が百日咳である可能性を尋ねたが,主治医は「もう過去の病気」と取り合わなかった。

 「いま,風邪が流行っていますし,恐らくウイルス性のものでしょう」という主治医の言葉を信じて,帰宅後,ビアンキは手洗いを励行するともに,母乳が息子の抵抗力を高めることを願いながら,授乳を続けた。

 息子を病院に連れて行ったのは「授乳の際に乳を吸い続けなくなった」ことに気がついたからだった。咳や高い熱があればもっと早くに受診させていたのだろうが,「乳を吸い続けない」という現象が起こるようになるまで,症状らしい症状は一切なかったのだった。

 「肺炎の可能性を除外するために」と胸部写真が撮られた後すぐ入院となったが,入院後,ディランの状態は急速に悪化した。人工呼吸器につながれた後,腎不全・心不全も併発。45分に及ぶCPRが中止された後,死亡が宣告されたのは入院翌日のことだった。


悲劇はなぜ起きたか

 2010年,カリフォルニア州では百日咳の「アウトブレイク」が大問題となっている。同州公衆衛生局によると,9月21日時点で疑い例も含めて4223例が報告され,1955年に4949例が報告されて以来の大流行となっている(以下,数字は9月21日現在)。

 上に記したビアンキの「物語」は,2005年に同州で百日咳が流行した際のものであるが,新生児感染の「典型例」といってよい症例なので,以下,ポイントを押さえよう。

 まず,何よりも強調されなければならないのは,ビアンキの次男が不幸な転帰をたどったことでもわかるように,「新生児では百日咳が重症化しやすい」という事実である。

 実際,2010年の流行でも,死亡例9例はいずれも新生児である。また,入院したかどうかの情報が明らかな約2000例に限った場合,入院は202例(11%)であったが,うち151例(75%)が6か月未満の新生児であった。

 では,なぜ新生児に重症例が多いかだが,まず第一の理由は,百日咳に対し,まったく「無防備な」状態で感染する事例がほとんどを占めることにある。死亡例9例のうち,発症前にDTaP初回接種(生後2か月)を受けていたのはわずかに1例。いわば「丸腰」の状態で百日咳菌の銃火を浴びせられたのである。しかも,ビアンキの事例でも明らかなように,新生児の場合,症状が著しく乏しい。診断された時点ではすでに「手遅れ」となるケースが跡を絶たないのである。

 次に押さえなければならないポイントは,新生児例のほとんどは,家族,それも大人から感染する事実である。ビアンキの場合,「百日咳」の可能性を主治医に尋ねたにもかかわらず,「過去の病気」と取り合ってもらえなかったが,

「大人から感染する」「重症化しやすい」という新生児感染の二大ポイント

が医療関係者にさえも知られていないために,悲劇を招く結果となったのである。さらに百日咳の場合,終生免疫を獲得することは困難であるのだが,「子どものときに予防接種を済ませているから大丈夫」と安心しきっている大人がほとんどであるために,新生児に感染させて重症化させる事例が増えているのである。

 上述したように,ビアンキは看護師である。母親として子供を失った悲しみに耐えなければならなかっただけでなく,「自分が百日咳についての『常識』を知っていたら,息子を死なせずに済んだのに……」と,「プロ」として,自らを責め苛まなければならなかったのである。


見過ごされる「大人への予防接種の必要性」

 ビアンキはいま,カリフォルニア大学サンフランシスコ校で医療政策を学んでいる。研究テーマは「予防接種を受けることを妨げる要因」であるという。さらに,百日咳,特に大人への予防接種の必要性についての啓蒙活動にも取り組むようになったが,「自分と同じ悲しみ・苦しみを他の母親には味わわせたくないから」にほかならない。このビアンキの活動をサンフランシスコ・ジャイアンツが支援,8月23日のイベントが催されたのだった。

 同日のイベントに,カリフォルニア州公衆衛生局も協力した。「大人も百日咳のブースター接種が必要です。子ども,特に,新生児と接触する大人は必ず予防接種を受けてください」と呼びかけただけでなく,AT&Tパークを訪れた観客に対し,無料の予防接種をオファーしたのである。

 ところで,日本でも最近,百日咳の流行が問題になっているようだが,大人への予防接種を呼びかけるまでには至っていないと聞いている。そもそも,思春期・成人用のワクチン(Tdap)が認可されていないそうだが,国家的「手遅れ」とならないことを祈ってやまない。





ワクチン行政は

いろいろな部分で

国家的な「手遅れ」

出しております。







政府はワクチンについて熱く語る無名の若手医師を投入(1)、

実は上昌広教授の門下生だった(2)

というオチまでついていますが

感染症専門ではない血液内科の開業の院長先生に

何を求めているのでしょう?






知らないところで

静かにアウトブレイクは進んでいます。










(1)
■開業つれづれ:またコンビニか また連邦か 「10月15日付・コンビニ診療」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1605.html




10月15日付・コンビニ診療

四国新聞社 2010/10/15 09:18

http://news.shikoku-np.co.jp/kagawa/column/201010/20101015000078.htm

 政府が昨年発足させた行政刷新会議。「規制・制度改革に関する分科会」の作業部会に37歳の医師が起用されることになった。部会には医学界の大御所など、そうそうたる委員が名を連ねる。そこにほぼ無名の若手医師が選ばれた理由は、「コンビニ診療」だった。

 東京都内のJR立川駅改札からわずか30秒の「ナビタスクリニック立川」の院長、久住英二医師。2008年にJR東日本の要望で駅舎内にクリニックを開設、平日の夜10時まで営業しており、通勤帰りのサラリーマンなどがコンビニ感覚で利用できる。

 06年に仲間と新宿駅西口の雑居ビルで実験的に、夜間まで診療を行う小規模な診療所を開設。平日夕方6時から夜間3時間の利用者が1日平均20人にも上ったことから、「コンビニ診療」のニーズを実感したという。

 今年2月、同クリニックを行政刷新担当相就任前の蓮舫氏が視察。日本のワクチン治療が欧米より遅れており、硬直的な医療行政の問題点を指摘する久住医師に蓮舫氏が熱心に耳を傾け、作業部会入りにつながった。

 医師不足が深刻化する一方、市民の生活スタイルの多様化に伴い、医療サービスへのニーズが変容する現代社会。「医療資源の適正配分が不可欠」と訴える久住医師は「夜間でも待ち時間が少なく、嫌な顔ひとつされずに受診できるコンビニ診療」の重要性を力説する。

 ただコスト負担などの問題も絡み、前途は不透明。「消費者中心型社会」実現の試金石として、しばし注目したい。(K)





(2)
スタッフ 先端医療社会コミュニケーションシステム 社会連携研究部門
http://plaza.umin.ac.jp/expres/staff/index.html#p8



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コメント

オレなら主治医を訴えるけどなw

>ビアンキはいま,カリフォルニア大学サンフランシスコ校で医療政策を学んでいる。研究テーマは「予防接種を受けることを妨げる要因」であるという。さらに,百日咳,特に大人への予防接種の必要性についての啓蒙活動にも取り組むようになったが,「自分と同じ悲しみ・苦しみを他の母親には味わわせたくないから」にほかならない。

どこぞの国の誰かさんとは大違いですねえ…。

NoTitle

ちなみに、TdaPは現在日本でも治験が行われています。
アメリカでもTdaPになったのはそう昔の話でもありません。
いま検討されているのは、2期にTdaPで接種>更に20歳前後でaP単独接種を10年おきというプランまであります。
定期化には例によってだいぶ紆余曲折があると思いますが、少なくとも、今、厚労省はワクチンギャップに関しては結構真剣に取り組んでますね(言いたいことは山ほどありますが)。

それにしても、コンビニ診療の先生、ワクチンの領域にあまりお詳しくないっしょ?内科医でしょうし。

まあ、ワクチン&ワクチン行政に詳しくて、しっかり提言できるような人は逆にこんなところに入れてもらえないようになってるようですから、ある意味適任かもしれませんが。

NoTitle

小児科的には、ここ1年以上、「咳」を主訴としてくる患者に、喘息既往&家族歴とともに、かならず夜間の咳の家族歴があるかどうかを聞いています。

小学生くらいになると、ワクチンをうっていても発症する子供がいますから。

医師不足対策 計画配置する仕組みが必要だ(10月25日付・読売社説)

 救急や産科などを中心に医師不足が深刻化している中、厚生労働省が初めて医師への求人状況に着目し、全国の病院などを調査した。

 回答した約8700施設には、計16万7000人の勤務医がいるが、1万8000人足りないとして募集している。十分な診療体制をとるためには、さらに6000人が必要だという。

 今回の調査は、医師不足の本質を「勤務医不足」ととらえ、地域や診療科ごとに深刻さの度合いを測るという意味では、実態把握の第一歩になろう。

 例えば、東京都は医師を現状より8%増やせば病院が求める人数を満たせる。対して、岩手県では40%もの増員が必要だ。全国の診療科別で見ると、リハビリ科や救急科などでは30%近く増やさねばならず、不足感が最も強い。

 医療の人材をどのように配分すべきか、ある程度の優先順位は浮かんでくる。

 ただし、医師を増やせば勤務医不足が解消する、といった単純な話ではない。

 医師国家試験の合格者は毎年約8000人おり、引退する医師を差し引いても、年に約4000人のペースで増えている。

 さらに、医学部の入学定員は今年度に360人、来年度も約90人増員される。人数だけの問題ならば、いずれ充足するだろう。

 今回の調査はあくまで、現在ある病院に状況を聞いたものだ。だが、無計画に病院が設置されていること自体が、勤務医不足の要因でもある。

 近隣の自治体が競い合って、同じような総合病院を作っているケースが少なくない。

 産科や小児科など昼夜を問わず診療を求められる部門も、民間病院や自治体病院に、広く薄く医師が配置されている。このため診療体制に余裕がなく、医療事故のリスクも高い。耐えかねた勤務医は開業医に転身していく。

 この状況をそのままにして医師の養成数を増やしても、勤務医不足は解消されず、地域や診療科による偏在は進んでしまう。

 地域の病院が役割を分担し、救急や産科などを集約する。開業医も連携して病院を助ける。研修医など若手医師を計画的に配置していく。そうした対策を、強い権限をもって進める仕組みが要る。

 都道府県ごとに、大学医学部や基幹病院、自治体、医師会が協力し、利害を超えて医療機関と人材の計画配置に取り組むべきだ。調査だけでは事態は改善しない。

(2010年10月25日01時01分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101024-OYT1T00685.htm

>研修医など若手医師を計画的に配置していく。そうした対策を、強い権限をもって進める仕組みが要る。

それは要するに医局だったのではないですかね。かつて若手医師が医局命令に従ったのは、その見返りに研究や学位や留学やポストで世話してもらえたからであって、何の見返りもなく「計画配置」を命令されるようでは、若手医師は反発するだけでしょう。なぜに国は医局を潰したかったのか、さっぱり分かりません。

demian様

私の想像ですが、
権限を医局から役所に移し、それを管轄する天下り先を役人は作りたいのだと思います。
医師の入職を強制管理する強力な権限を持つ団体が出来れば、全国の病院をそこに従わせることができ、巨額の予算と人事権かつ影響力を持ち得ますから。
病院評価機構なんか目ではないです。ここも天下りで腐り果て、病院に寄生し生き血すする団体だけど。
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フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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