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■開業つれづれ:「「ホメオパシー根拠がない」は世界の共通認識 学術会議副会長インタビュー」


子どもや胎児に対して

ホメオパシーのみの治療は

虐待とおなじ、という認識が

必要です。




医療関係者がホメオパシーを行う

ということは

誤解を生むことにつながり、

絶対に慎まなくてはいけない

という認識が必要ではないでしょうか。











「ホメオパシー根拠がない」は世界の共通認識 学術会議副会長インタビュー

asahi.com 2010年8月28日(アピタル・オリジナル記事)

http://www.asahi.com/health/feature/homoeopathy_0828_01.html


 国内約84万人の科学者を代表する機関である「日本学術会議」が24日、欧州に起源を持つ民間療法の一つ「ホメオパシー」に関する「会長談話」を発表した。ホメオパシーは「科学を無視」したもので、「治療として有効性がないことは科学的に証明されている」とし、「荒唐無稽」と結論づけた。異例とも言える会長談話が出された背景は何か。日本学術会議の副会長を務める唐木英明・東京大名誉教授(毒性学)に聞いた。

唐木英明・日本学術会議副会長唐木英明・日本学術会議副会長

――これほど結論がはっきりした談話が出されたことに、正直言って驚きました。

 私たちの判断の中心にあるのは、「科学的根拠がどれだけ明確か」ということ。その点では、

ホメオパシーは「根拠がない」ということがはっきりしています。

これは日本だけでなく、世界中の科学者の共通認識です。

 彼らが治療効果があると称して使う「レメディー」とは、原料となる物質の濃度を10の60乗倍まで希釈した水を、砂糖玉にしみこませたものだそうです。そうだとすると、もとの物質はまず存在しないと言っていい。存在しない物質が何らかの作用を及ぼす、などということはあり得ないわけです。

 さらに、「物質が存在しなくても、希釈した水が物質の記憶を持っている」という説明に至っては、まさに荒唐無稽と言わざるを得ません。空や海を常に巡回している水が、その時々の記憶を持つことなどあり得ないことは、少し考えればわかります。

――なぜ今、このタイミングで談話を発表したのですか。

 きっかけは、私が友人の外国人研究者から、海外でのホメオパシー事情を聞いたことです。2~3年前だったと思います。ホメオパシーに根拠がないことは、医学も含めた科学の世界では常識になっているのに、現実の社会では「医療」として保険適用がされていた。それが欧州での実態でした。

 発祥の地とされるドイツや、スイスなど、保険適用から外す国も出てきましたが、英国のように今でも保険適用されている国もあります。制度として国が認めているわけだから、国民の間に浸透することを止めることは難しい。科学的に何の根拠もないものが、医療として国民の間に広がってしまっている実態があるわけです。

 友人は科学者として、私に「日本は、そうならないうちに手を打つべきだ」とアドバイスしてくれました。そこで、金沢(一郎・日本学術会議)会長に相談し、関係機関との連携や、取るべきアクションを模索し始めました。これがちょうど1年半ほど前だったと思います。

 今年7月、山口県での事件が報道されたことで、我々は準備を急ぎました。そしてようやく、発表にこぎ着けたのです。

――英国では、議会がホメオパシーを公的医療から外すよう勧告して注目が集まりましたが、結局、政府は継続することを決め、7月末に発表しました。

 勘違いしている方も多いのですが、

英国でもホメオパシーが効く・効かないの議論は既に終わっています。

結論はもちろん、「効かない」です。

政府も、その点は反論していません。

 では、なぜ公的補助を続けるのか。それは先ほども申し上げたように、長い歴史の中でホメオパシーが国民に広く浸透してしまっている、という現状があるからです。街の開業医にかかったときに、ホメオパシーを求める国民も多い。そういう中で公的補助を打ち切ってしまうと、混乱が起きることが予想される。それを政治家が避けたわけです。きわめて政治的な判断と言えるでしょう。

 ただ、そのことと「ホメオパシーが科学的根拠があるか」ということは、まったく別の話です。繰り返しますが、科学の世界ではホメオパシーが「治療としての効果がない」ことは、すでに結論が出ている話なのです。

――とはいえ、ホメオパシーは200年続いてきました。この事実こそが、ホメオパシーが有効であることの証拠だ、と主張する人もいます。

 ホメオパシーが始まったころは、医学もまだ未発達で、現在の視点で見れば治療とは言えないような危険な行為も、医学の名の下で行われていました。

 そういう中では、ただの砂糖玉を飲むという、効きもしない代わりに副作用もないホメオパシーの存在意義も、それなりにあったのだろうと思います。その結果、科学的な根拠のない治療が、一般の人々の間に広まってしまった。たいへん残念なことではありますが、理解できない話ではありません。

 しかしその後、医学の進歩によって、我々は様々な知識を得ました。現代は、根拠のある治療を行うことを原則とする「エビデンス・ベースド・メディシン(EBM)」の時代です。そんな中でホメオパシーを使う合理性はありません。しかも、保険適用となると、大切な国民のお金が効きもしない治療に使われることになり、はっきりマイナスです。

 幸い日本は、ホメオパシーが国民に広く浸透している、ということはありません。だからこそ、今のうちに「ホメオパシーには科学的根拠がないこと」を広く周知する必要があるのです。

――プラセボ(偽薬)効果とはいえ、ホメオパシーが救いになっていると主張する人もいます。

 まず、ホメオパシーには科学的根拠はなく、医療ではないということを十分に理解することが大切です。その上で、安心感を得るため、といった理由で利用するのであれば、個人が自分の責任において何を選ぼうと、それは確かに自由です。

 ただ、その場合でも、同時に医療機関による治療も受けることが絶対条件になるでしょう。特に、

自ら判断できない子どもや胎児が、

ホメオパシーによって医療機関から遠ざけられることは、

絶対にあってはいけません。

――資格を持った医師がホメオパシーを提供するケースはどうでしょう。

 私はどんなケースであっても、ホメオパシーが「医療」として提供されることには反対です。

医師が治療の現場でホメオパシーを使えば、

いくら言い訳したところで、

患者はそれを「医療」だと受け取ります。

 プラセボ効果を得たいのであれば、方法はいくらでもあります。何もホメオパシーやレメディーを使う必要などありません。「ホメオパシーが効いた」という誤解を招くリスクにつながるような行為は、やめるべきです。

――なぜ、これほど多くの人がホメオパシーにひかれるのでしょう。

 これは、我々科学者の側にも責任があります。

 ホメオパシーを提供する側にも様々な人がいますが、中にはありもしない治療効果を「ある」と信じ込んで、純粋な気持ちで患者のためを思ってホメオパシーを施す人もいるようです。

 こういう人たちは患者に寄り添い、長時間にわたって話を一生懸命に聞いてあげるといいます。一方、医師は正しい治療を行ってはくれるものの、残念ながら患者の話をじっくり聞いてあげられるような時間は、ない場合がほとんどでしょう。

 医学を含む科学の発展は、我々に夢と希望を与えてくれました。しかし、夢と希望がふくらみすぎて、現実の科学や医学のレベルを超えてしまった。それが今の世の中の現状だと思います。

 人類の夢と希望を叶えようとすると、医師はさらに忙しくなり、じっくりと話を聞くといった患者のケアがおろそかになりがちになる。仕方がない面もありますが、この悪循環が近代医学への不満を生み出しているのではないかと思います。

 こういう状況で患者がホメオパシーに傾倒していっても、患者だけの責任とは言えない面があるのも事実です。難しい問題ですが、何としても解決しなければいけないでしょう。

――そういった現実に、日本学術会議はどのように取り組んでいきますか。

 今回の会長談話に対し、「そもそも学術会議がやることなのか」という疑問は常につきまとっています。会長との相談から談話の発表まで、1年半もの年月を要したのもそのあたりが理由です。

 ですが、我々は一歩を踏み出しました。ここから先は、日本医師会や日本医学会、日本獣医学会、日本助産師会、日本薬剤師会などが中心となり、いかに医療現場に意識を浸透させることができるかが重要になってくるでしょう。

――今回のホメオパシーの問題では、多くの人々がその存在を知り、情報を手に入れる場として、インターネットが重要な役割を果たしました。

 今回の会長談話は、1年半前から準備を進めていたものが、山口県の事件をきっかけに加速されたものであり、ネットでの動きが何らかの影響を与えたということはありません。ただ、様々な情報が瞬時に飛び交い、世論のようなものを作り出していったのは事実で、常に注目はしていました。

 とはいえ、世論というものは移ろいやすく、動きが速いネット上の世論はさらにその傾向が強いです。気がついたら、ネット上の世論は「ホメオパシー賛成」一色になっていた、ということもあり得ない話ではありません。

 「科学的に正しい」とはどういうことか。科学者も積極的に情報発信すると同時に、

国民一人ひとりが「科学的な真実」を見抜く目を養うことが、

これからますます重要になってくると思います。







いままであまりに

”個人の自由”という名のものとに

大手を振ってきた

非科学的な医療もどき。






あまりにもひどい

魔術的な手法について

現代科学を知る者は

断固たる態度を取るべきです。

















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コメント

これは良い

的確な内容の良いインタビューだと思います。

まともな意見。海外て認められているからとごり押し長妻大臣に読ませたいです。

医師様へ

長妻厚生労働大臣がこの文章を読んでも、たとえば直接会って話しを聞いたとしても「理解できる」知能が無いと思います。
それくらい知的水準が低い人だと思います。

期待するだけムダだと思います。

水の記憶

水・記憶・短歌 で検索したら
「砂糖細工のやうに 泡となった恋」に 
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●近年ご講演された主な先生方(略歴は、講演会実施時のものです。)
帯津 良一医師······ 日本ホリスティック医学協会会長、日本ホメオパシー医学会理事長
http://www.sundai.ac.jp/yobi/frontier/htm/support2.htm

ゆりあ様

確かにその通りですね。ミンス閣僚はみな知能が低くプライドばかり高いだと思います。
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某大学医学部を卒業
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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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