2010/06/29
■開業つれづれ:「医療事故対策:厚労省モデル事業、死因究明は目標の1割--05年度開始からの5年」
どうなるんだか
全く不明の医療事故調。
医師の責任問題も含めて、
きちんとした行政、法整備が
されなければ
いったんトラブルがなにかあれば
基準ははっきりしないけど
医師個人が徹底的に攻められて終了、
という雰囲気はかわらないでしょう。
医療に従事する医師の安心感を
得られるような制度設計に
なっているようには思えません。
医療事故対策:厚労省モデル事業、死因究明は目標の1割--05年度開始からの5年
毎日新聞 2010年6月28日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100628dde041040023000c.html
◇解剖同意、周知不足が壁に
診療行為に関連して死亡した患者の死因を究明し、再発防止を図る厚生労働省のモデル事業の受付件数が、年間200件とした当初の目標を大幅に下回り、05年度の事業開始からの5年間で105件にとどまったことが分かった。遺族から解剖の同意が得られないことや、医療機関や警察に対する事業の周知不足などが理由とみられる。こうした事態を受け、運営主体の日本医療安全調査機構は、事業の見直しを始めた。
モデル事業は、医療事故の原因究明と再発防止を担う第三者機関の創設を視野に、東京や大阪など10カ所で実施。入院中や診療直後の急死事案があった場合、医療機関は遺族の承諾を得て各地の事務局に連絡し、機構に登録した解剖担当医らが解剖を行うとともにカルテを調査する。弁護士らも交えた評価委員会が報告書をまとめる。
機構によると、目標件数は行政解剖件数などを参考に決められたが、05年度(7カ月)は13件、06年度は36件と低迷。3年目の07年度からは目標を年間80件に下げたが、年10~20件台で推移し、
5年間では当初目標の10分の1
にとどまった。
事務局に相談があったものの、対象にならなかった事例も196件あった。内訳は「解剖の同意が得られなかった」が最多で60件。遺族の中には遺体を傷つけたくないと考えたり、大学病院に遺体を移動することへの抵抗感があるという。
そのほか、「医師法21条(異状死体の届け出義務)に基づき警察にも届けられ、
司法解剖や行政解剖の対象になった」が33件、
「遺族の相談を受けたが、調査の前提となる医療機関からの依頼がなかった」が30件--などとなっている。
機構は今月、見直しに向けた会議の初会合を開催。解剖の同意を得やすい環境整備のため、解剖担当医などを派遣し、依頼があった医療機関でも解剖を行う方向で調整することを決めた。さらに、司法、行政解剖の対象にならなかった事例はモデル事業に委ねてもらうよう、警察庁へ働きかけることを厚労省に要請する方針だ。
第三者機関の創設を巡っては、各病院での事故調査を優先すべきだとする民主党が政権を握り、論議は止まっている。【佐々木洋】
モデル事業の問題点は
1.医師法21条に代わる制度として期待されながら、
異状死体の場合には警察署に届け出るべきだとされている
2.医療施設、遺族、民間保険会社、医師会、裁判所の判断を
拘束できないので、医療トラブルの抜本的な解決にはならない
3.対象地域や受付時間が限られている、
などがあげられています((1)より抜粋)。
なによりも
法的な位置が不安定であり、
警察を含めた関係機関との
位置が微妙過ぎる気がします。
医療事故、医療トラブルに関しては
何らかの対策が絶対に必要ですが、
医師の権利についての保護もなければ
第一線の医師は怖くて医療ができなくなってしまいます。
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コメント
奴隷医ドモにはそれがわからんのですよ!
>医師の権利についての保護もなければ
第一線の医師は怖くて医療ができなくなってしまいます。
うん、だから第一線で医療なんかしたらいかんですねw。
こんな状況で頑張っちゃったらエライ人に「これでいける!」って誤った情報を与えてしまいますしww。
2010/06/29 09:41 by 10年前にドロッポしました。 URL 編集
お役所仕事だから・・・
問題はこのスキームを全国で実際にやったらどんだけお金がかかるのか?そのために必要なマンパワーとかそういう視点で見ると、まったく実現性がゼロなんですけどね。
いずれにせよ、「役所主導」でろくなもんじゃありません。それに乗っかって、研究班だとかで御用学者をお勤めされている偉い先生方も日本医師会の爺医たちもまた無責任ですな
2010/06/30 03:37 by skyteam URL 編集
あくまでも(大綱案による)早期設立を目指す
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100618-00000011-cbn-soci
2010/06/30 10:46 by うろうろドクター URL 編集