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■開業つれづれ:「診療明細書 医療内容知る手掛かりに」 ”疑問に感じたことは聞けばいい”から始まる医療崩壊







レセプト並み明細。

フランス料理で

各お皿ごとに明細を出すようなもの。


自動車を購入するときに

各部品、人件費、工場設備、宣伝広告費など

を明細で出すようなもの。



新聞を買う時に

社員の人件費、取材費、接待費など

を明細で出すようなものです。




週刊ジャンプの料金に

執筆者の原稿料や印刷会社の取り分、

通信費や本社ビルの減価償却費などを

書き込むようなもの。





レセプト並み明細を希望されるマスコミの方々、

あれほど賛成されているんですから、

ぜひ、我々にも明細を提示してください!







レセプト並み診療明細は

今回の診療報酬改定で

コンピューターのプログラム変更、

書式の変更、

質問に対する事務員対応

などなど

すべての患者さんから10円とって対応しろ

と言われています。






つまり、100人患者さん見ても1000円。

千人患者さん診ても、

一万円しか

診療明細の費用に充てられません。





しかも、

再診料は1人当たり30円下がっています

から

実質一人当たり20円安くしてさらに極端な明細を発行する

という状況です。







わずかなクレーマーが

10分も20分も

窓口で押し問答をして、

去年より20円割引です

なんて言わなくてはいけないのです。







今までのように、

希望者にのみ

無料あるいは軽微な負担(100円とか)で

レセプト並みの診療明細発行すればいいと思いませんか?









これで

レセコン業界もまた

”診療報酬改定需要”に沸くのでしょう。








診療明細書 医療内容知る手掛かりに

東京新聞 2010年2月25日

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2010022502000059.html

 国は四月から、大半の病院に対し、診療の内容が詳しく分かる診療明細書を原則、すべての患者に無料で発行するよう義務づける。患者にとって、受けた医療の中身を知る重要な手がかりになるが、

専門的で使いこなすのは困難との声もある

明細書をどう生かせばいいのだろうか。 

(佐橋大)

 「こちらですよね」

 名古屋市内の総合病院にかかった記者が、支払窓口で診療明細書を求めると、領収書を手にした職員に確認された。「検査料」など大まかな項目があり、そこに書かれている診療点数(一点十円)から、各項目にいくらかかったかは分かる。しかし、これはあくまで領収書だ。

 診療明細書の内容は、より詳しい。例えば「検査」では、「血液学的検査判断料」「B-V」「生化学的検査」…といった細かい内容が記され、それぞれいくらかかったか分かる=図。

 四百床以上の大規模病院では既に、希望者への明細書発行が義務付けられている。二〇〇九年の厚生労働省の調査では、病院の半数、診療所の三割が希望者か全患者に明細書を出している。無料が多いが、数百~数千円の発行費を請求するケースもある。

 四月からは、ほとんどの病院で、患者が「要らない」と言わない限り、診療明細書を無料で出す。七月には、常勤医の高齢を理由に電子請求が義務づけられていない診療所を除き、約半数の診療所などにも無料発行が義務づけられる。ただ、明細書の発行機能のない機械や、発行のため改修が必要な自動精算機を使っている場合は当面、発行が免除される。

     ◇

 全患者への発行義務化は、薬害エイズや薬害肝炎などの患者団体が、「医療を透明化するため」として強く求めてきた。医療事故情報センター(名古屋市)の松山健弁護士は「医療事故があったときなどに、医療の中身を知る重要な手掛かりになる」とした上で、「医療費の不正請求や請求ミスに気付く可能性も高まる」と指摘する。

 しかし、診療報酬の体系は複雑で、患者が明細書を読みこなし、十分に活用するのは難しい。

 例えば、

八種類の薬が処方されたのに、七種類未満の処方せん料が請求されているケース。

一見すると、請求ミスのようだが、一概にミスとは言えない。

一日あたりの価格が二百五円以下の薬は、何種類出されても、ひとくくりにして「一種類」と数えるルールになっているからだ。

 厚労相が定めた病気に対し、医師が治療計画を立てて患者に必要な指導を行った際に得る「医学管理料」の中には、大規模病院では算定されないが、規模の小さい病院や診療所では算定されるものもある。よほど深い知識がないと、明細書の内容が妥当かどうか、判断は難しそうだ。

 患者の医療費などの相談に乗るNPO法人「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」(大阪市)の山口育子事務局長も「医療費の個別の項目の請求について判断するのは、診療報酬の構造が分かっていないと無理。請求ミスがあっても、気付くのは至難の業」と話す。

 それでも、義務化は「意味がある」と山口さん。「患者が医療の内容や医療制度に関心を持つきっかけになる。見て、

疑問に感じたことは聞けばいい。

それで理解が深まる」と指摘。「それには、気軽に質問できる態勢づくりが必要」と話している。医療関係者からは

「患者の質問が医療機関に殺到し、業務に支障が出るのでは」

との懸念も聞かれている。











はぁ…。


>専門的で使いこなすのは困難との声もある

>明細書をどう生かせばいいのだろうか。 



どう活かす?

(生かす?活かす?どちらが正しいのでしょう)

そんな利点も分からずに

強引に押し切ることがすごすぎ。




こんなことするから

医療システムはがんじがらめで

弱っていくのです。







こんな利点がわからないようなものに

医院は大きな出費をかけ、

きっとA4サイズの大きな明細を提出するのです

(サイズはわかりませんが、現時点でもA5です)。




そんな財布にしまえないようなもの、

毎回もらって

どう活かす?

なんて、愚策もいいところです。






>疑問に感じたことは聞けばいい。

>「患者の質問が医療機関に殺到し、業務に支障が出るのでは」



疑問にはお答えします。

しかし、

あらかじめ言っておきますが、

そのためにかかる時間に対して

人件費など一切なく、

その時間分だけ医院は赤字を背負います。




なにせ、マスコミさんは

窓口20円マイナスで

さらに

車の部品並みの明細を出して、

さらにさらに

疑問は聞け、

すぐに答えろ、

と言っているわけです。





クレーマー1人でも

微妙な質問が出たら

きっと大変です。













医療崩壊といわれているのに

さらに医療機関に負担を強いる

バカなことを続けるのでしょう?





縛ったまま水に放り込まれて(再診料削減)、

重りをさらにつけて(レセプト並み明細)、

医療崩壊といわれている荒波を

”今まで以上にうまく泳げ”

と言われているようなものです。



















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コメント

NoTitle

いやあ、うちもレセプト一体の電子カルテシステムで、請求の電子化も終了していますが、今のところレセプト並み明細領収書の発行機能がなく、改修に費用がかかるので、免除してもらいますよ。診療明細書の発行はできますが、それには領収書はついてませんから。

つか、なぜせめて「希望者には無料で発行」にしないのか不思議。それで必要充分だろうに。
まさに医療機関は悪い事をしているに違いない、という前提で話をしている。
まあ、3割も不正請求している、だなんてとんでもない事を言う連中の要求ですから、当たり前なんですが、ここは一発、厚労省の方から、診療明細説明官とかを全医療機関に派遣してもらえませんかね。でないと日常診療に差し支えそう。

NoTitle

追記:レセプトって、専門家である私らだってよくわからないところがあって、よく間違えて返戻食らいます。
それを避けるために、本来とれるはずの加算を取っていなかったりすることも結構あるんですが、明細書を見て、「この加算が付いてないんじゃ?」てなったときに、ちゃんと申告して加算および追加料金を払ってくれるんですかね?

義務

応召義務
発行義務
説明義務  嫌になってきています。

24時間対応なんかまっぴら

借金終わったら

医師会も辞めて
ワクチン接種頼まれればしてやるけど
高いぞ、、、、
休日当番も返上します。
夜間診療も止めます。

借金あるから頑張ってるだけですね。

意欲削ぐようなことばっかり

どうにでもして下さい。

たしか・・・

ソースが見つからないのですが、どこかでこれまであった電子加算3点がなくなったとありました。

これが正しければ、レセコンで対応していた開業医は再診料+電子加算で5点マイナス、明細書発行で1点プラスで差し引き4点マイナスになります。

ソースが不明なので曖昧情報なのはお断りしておきます。

いつまで、ものわかりのいい、お利口さんでいれるか、自分も自信ないな。


国の方針が変わって、ケアが在宅ベースに変わってからは、できるだけ、医師の立場も考えていたんだけど、自分も何かのきっかけで、たとえば、ナースとかの、悪気はないけど、疲れた心と体を、萎えさせる一言で、頑張って奮い立たせていた、気持ちを、傷つけられるとそれまで白を出していた、オセロの目が全部ひっくり返ってしまうような気持ちになってしまったら、きっと止まらない。


それまで、気軽に話していた研修医達とも、もう戦友みたいに話せなくなってしまうかもしれないしね。


それは寂しいよね。
微妙なお互いの立ち位置は、やっぱり違っているわけで、たったそれが、一つ狂ってしまうと、それまでみたいには、和んでいれなくなるから、チームイケメンズ、Aくん、これまで見たことがないくらいに、真剣にならざるを得なかったんだろうな。。

Dr.オーラ全開で、ビシーッと手技決めてくれたの本当にかっこよかった。



某携帯会社のように

「WEB de 請求書」にしましょうよ。
http://cs.kddi.com/support/info/web_seikyu_onegai.html

エコのためにも…

専門用語が多いのですが

他科の特殊な検査名や処置名は、わかりかねることが多いのが実情です。もし忙しいときに「細隙灯顕微鏡検査ってな~に?」って訊ねられたらブチ切れるかも。

健康保険やめて

もう健康保険やめましょう
それしか方法がないです
自由診療で行きましょう
武見太郎を思い出しましょう
患者側の私でさえそう思います

赤字じゃ事業の継続が不可能なんですよ
あなたの命はトイレの詰りより安いんですよ
わかっていますか?
と声を大きくして叫びたい

自由診療医になりましょう。

私は、医療機関に受診するごとに、どれだけの人件費や原価償却費がかかっているのか知りたいと思いませんが、レセプトの明細書は欲しいです。
だって、以前、金額が間違っていて、追加分を支払いに行ったことがあるから。

支払いの段階で医療機関が明細を出していたら、患者の方がミスに気付き、面倒なことにならなくて済む場合もあります。

また、私の場合は、同性同名がやたらと多いので、他人の分を支払いそうになったことも、1回や2回ではありません。
明細書があれば、こんな間違いも少なくなると思います。

ブログ主さんも、こんなことぐらいでストレスをためるくらいなら、自由診療医になることをお勧めします。

素人ですが。

真ん中の線の左の、処置、投薬の流れを理解していないと、右側のことも、理解できないから、あまり意味ないとおもうんだけどね。

あくまでも、右側は、左側の内容の算定表の結果。
右だけを知っても意味がない。

同姓同名なら、健保の番号記号、住所電話番号で照会すればいい。仕事ができる、事務かクラークならちゃんと、意識できるはず。

1日、何回をどう投薬の組み合わせるか、それのrp1,rp2とか話が入り組んでくると、右の数だけ見ても理解不能。

涙。

土木工事の見積もり金額はいくらで、と素人が聞いても

ざっくりした感覚で高いか安いかとかまでは、判断できても、

その中にある、それぞれの工程ごとに、規定の計算式があって、どういう工程で、どんな建設機械を使用し、素材あたりの単価を、どう規定の基準値と掛けて単価出しするときに割るか。出た単価をどれくらいの仕事量なのか、数値と掛けて、やっと一工程の金額がでる。

それに、
それぞれ工事を担当した資格を持った技術者、作業員の単価、それをどういう基準値で、掛け合わせたか、総工費の合計と、諸経費はどう取るか、

とかそういうことまでは、理解できないでしょう。
(ええ、私はこの作業をやって以来すっかり理系脳化しましたから。)


嗚呼。何のための電子カルテ化か。
紙が無駄遣いだってばよ。





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疑問が。

どのみちレセプト請求するわけじゃないですか?
それなら、レセプトと同じものを患者さんに渡すほうが、レセプトと異なるものをわざわざ作って渡すよりも、手間が省けて良いと思ったのですが…。

診療明細書

診療明細書をもらったおかげで病院側の入力ミス?が
分かりました。
左膝を裂傷し、病院で縫ってもらって初回の診察(消毒・包帯の交換)で、
ソフラチュール貼付剤10cm×10cmを25枚使用
ゲンタシン軟膏0.1% 1mgを10g
以上で160点でした。
計算はあっているでしょうけど、25枚も使ったら足全体が覆われてしまうんじゃないですが?

診療明細書が発行されていたからわかることがあると思います。

一患者 さん

コメントありがとうございます!
2010年に記事にしてようやく、初めて診療明細書のポジティブな意見に触れることが出来ました。

このような事例にお会いできるまでに、医療関係者はどれほどの時間と費用をかけているかご存じないと思います。診療所ですら診療明細書の用紙がじゃんじゃん箱単位で消費されています。

それなのに、診療明細書があって良かったという人がほとんどいません。
自然に優しいのかな、これ?マスコミが大騒ぎした割に、導入されても医療側の負担が増えるばかりでメリットが感じられません。サービスとしてはコストパフォーマンスが悪すぎますがどうでしょう。

今後ともよろしくお願いいたします。


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某大学医学部を卒業
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
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