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■開業つれづれ:「高知医療センター「経営見通し甘かった」」






PFIで先頭を切っていた高知。

非人道的な労働が

注目されておりましたが(1)、

PFIでも思いっきり

大ゴケ。



















高知医療センター「経営見通し甘かった」


asahi.com 2010年02月19日
http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000001002190005


 高知市池の高知医療センターを運営する県・高知市病院企業団の議員協議会が18日、同センターであった。病院の建設や運営に民間企業のノウハウを採り入れるPFI方式から3月末で撤退することについて、企業団側が検証結果を報告。病院直営方式になる4月以降の展望をまとめた「中期経営改善計画」を示し、

2011年度に単年度黒字をめざす

ことを明らかにした。


 検証の中で同企業団は、05年の開院から続く赤字の最大要因として、医業収益に対する医薬品などの材料費の割合が当初目標の23・4%から約30%に膨らんだことを挙げた。運営を委託されたSPC(特別目的会社)とコストを削減させたい企業団の交渉が難航し、「材料費の割合が実現可能な数値かどうかの検証が十分でなかった」と指摘。「経営の効率化の面で、期待した効果は現れなかった」とし、「両者とも病院経営に対して甘い見通しがあった」と分析した。


 さらに「SPCだけでなく協力企業も、長期契約で保障されているという安心からか、積極的に業務を改善する姿勢が希薄だった」と述べた。


 これに対し、議員からは

「PFIの導入を選択したのは行政側。検証は民間に責任転嫁しすぎではないか」

などの厳しい指摘が相次いだ。


 中期経営改善計画では、13年度までの5年間の方針が示された。総務省が示す公立病院改革ガイドラインに従い、赤字解消をめざすことを明記。改善策として、11年度までに医業収益に占める職員給与の割合を、同規模の公立病院の平均値の48%にすることや、他の医療機関からの紹介で来院する患者の割合を60%以上に増やすことを盛り込んだ。





高知医療センター 県「民活期待しすぎた」

2010年2月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20100218-OYT8T01321.htm


 高知医療センター(高知市池)を運営する県・高知市病院企業団は18日、今年3月で契約を解消するPFI事業についての検証結果を明らかにした。病院の建設や運営に民間の資金とノウハウを活用するため、

全国で初めて導入したが、検証では「民に対する過度の期待があった」

と結論づけた。

 一方、報告を受けた同企業団議会の議員からは

「なぜ短期間で契約解消に至ったのか、原因の検証が不十分」

などと意見が出され、企業団側はさらに検証を深めるとした。

 検証では、

PFI事業を行う特定目的会社(SPC)に、

経営ノウハウを活用できる人材が十分に確保されていなかった

と指摘。病院のサービスを向上させようとすれば、SPCなどに費用の負担が生じるといった矛盾もあったとした。医療用消耗品などの「材料費」が収益に占める割合が、契約より高く推移し、企業団とSPCが責任の所在を巡って議論したことの反省として、「確認とリスク分担の協議が結果的に不十分だった」とした。

 さらに、「官民双方にメリットが必要だが、バランスが崩れれば成立しない」「30年の契約期間があまりに長すぎた」と問題点を挙げた。

 報告を受けた議員側は「PFI事業を選んだのは行政。行政の責任という観点が不十分」「経営が圧迫された原因について十分な検証がない」などと指摘。山崎隆章企業長は「行政側の責任も含めて、さらに精査したい」と検証を続ける考えを示した。

 医療センターは2005年3月に開院。09年、SPC側から契約解消が提案され、12月に合意した。同日、企業団が報告した中期経営改善計画(09~13年度)では、医薬品や消耗品の効率的な購入や管理、委託費の見直しなどで、11年度には単年度500万円の黒字化を目指すとしている。








>PFI事業を行う特定目的会社(SPC)に、

>経営ノウハウを活用できる人材が十分に確保されていなかった

ええと?

それまでは”民間の経営ノウハウが医療を救う!”

とか言ってましたが、

結局、ノウハウなかった、

ということなんですか?




オリックス、

おいしく頂きましたね。





ま、知事が

”損してないよ”

と言っているわけですから(2)

ぼったくりだろうと、

詐欺的行為だろうと、

いいんじゃないですか。

8000万円で済んだのなら

手切れ金としては素晴らしく、

信じられないほど

いい条件なんですから(3)。







近江では手切れ金が

20億円でしたから(4)、

タイガーウッズ級です。






PFIのトップランナーも

次々と挫折、

という結果に終わっています。











(1)
■救急現場の現実 高知新聞 「医師が危ない」 1-4
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-4.html


(2)
■開業つれづれ: 高地ではぼったくられて”円満解約” 「病院PFI 「円満解約」の方針確認」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-947.html

■開業つれづれ: ぼったくりバーの中心で”損してない”と叫ぶ 「医療センターPFI解消「損してない」」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-948.html


(3)
高知医療センター 委託会社9.4億円譲歩
高知新聞 2009年11月27日08時19分

http://203.139.202.230/?&nwSrl=252239&nwIW=1&nwVt=knd
 高知医療センター(高知市池)を運営する県・高知市病院企業団は26日の企業団議会で、PFI事業解約に向けた特定目的会社「高知医療ピーエフアイ」(SPC)との条件合意案を報告し、了承された。解約条件でSPC側が約9億4千万円相当の譲歩に応じたとし、実質的に企業団に生じる新たな負担は約8千万円で、構成団体の県、高知市に負担は発生しない見通し。企業団は近くSPCと確認書を交わし、直営化の準備を急ぐ。


(4)
■PFI近江八幡はつぶれたが、福岡はやる気満々 「福岡市の新こども病院「基本構想」 PFIや独法化効果盛る」 
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-552.html
















関連記事

コメント

NoTitle

これ(PFI)って、民間のどんなところを活用したいのか、がはっきりしなければ、うまくいくはずがないです。
たとえば、民営化して職員に能力給を導入する、あるいは、労働量に応じた再評価を行って人員配置をする。そうすることで人件費の最適化を行えるか。
でも、正職員が相変わらず公務員感覚で仕事を続け、それを経営陣も認めてしまったらもう最悪です。

業務の外注化も、ちゃんと評価しないと、「外注した方が結局コストが高かった」なんて話もよくあります。
材料費なんて、「業者のいいなり」になっていた証拠ですよ。
結局民間側の納入業者が一括して仕入れる段階で、しっかりマージンを取っており、それを交渉して安くする、という民間的ノウハウが病院側になかった、要するに無能であった、としか思えません。
私ら開業医でも複数の業者に合見積もりを出させて、安い値段を提示したところに頼む、なんてことを普通にしていますが、PFIなんて、業者が固定しちゃうから、逆にコストが高くなるのは当たり前。

要するに、病院側に経営センスがないから、乗り込んできた民間側にやりたい放題されたのがありありとわかる。
赤字になったところで、結局自治体が補てんするんですから、間のマージンを減らせる分、まだ自治体直接経営のほうがましでしょうし、独立行政法人のほうが経営丸投げにならない分、もうちょっと意識が働いたでしょうねぇ。

PFIは病院側にかなりしっかりした意識を持った人がいないと、民間に美味しいところをごっそり持って行かれ、経営効率的には悪化する、というのは簡単に想像できるんです。

まあ、予想通りということで。

NoTitle

赤字は民間側がかぶる契約にしておけばよかったのにね

いわんこっちゃない

 病院経営の建て直しなんて、誰がやってもうまくいきっこないことが明らかになってしまいましたね。
 →厚生労働省のお役人、オリックスの偉いヒト、経済財政諮問会議の方々

 民間企業なら不採算部門の切捨て、売却は常套手段ですしょう。(それで甘い汁を吸うのも自由ですが)
 でも赤字部門だからといって救急やめます、小児科やめます、とはいえませんから。まあ次の選挙を考えなければ、可能ですけどね。
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フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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