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■開業つれづれ:「東京消防庁が救急搬送ミス 5カ所断られた男性死亡」









>救急隊員が搬送先の医療機関と連絡を取らずに搬送し、受け入れを断れていた

アポなしで、

いきなり救急車来たら

びっくりしますね。




しかも患者さんが

解離性大動脈瘤では

どうしようもありません。






そんな話。









東京消防庁が救急搬送ミス 5カ所断られた男性死亡


産経ニュース 2010.1.28 14:45

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100128/crm1001281447018-n1.htm



 東京消防庁が昨年12月下旬、東京都目黒区の男性(73)を救急搬送した際、

救急隊員が搬送先の医療機関と連絡を取らずに搬送し、受け入れを断れていた

ことが28日、都などへの取材で分かった。男性は同病院を含む計5病院で受け入れを断られ、死亡した。第3者の医師らで作る「都メディカルコントロール協議会」がミスと死亡との因果関係を調べている。

 都救急災害医療課によると、昨年12月24日午後3時25分ごろ、男性の搬送を求める119番通報があり、救急隊が出動。救急隊員は搬送先に決めた東邦大大橋病院(目黒区)の連絡先を間違え、目黒病院(同)に受け入れを要請した。

 救急隊員はミスに気付かないまま大橋病院に搬送したが、大橋病院は他の救急患者の治療があったため、受け入れを断ったという。

 その後、目黒病院に向かったが、病状から医師の判断で転院を勧められるなど、計5病院で搬送を断られた。男性は119番通報してから約1時間45分後に6か所目の病院(同)に搬送されたが、大動脈解離で死亡した。

 東京消防庁は「救急搬送時に救急隊員がPHSの操作を誤り、病院連絡にミスがあったことは事実。遺族に説明し、謝罪した」としている。










地方では、

「受け入れの電話でうそを言ってとにかく受け入れさせる」

ということも

まれにあります

(まれ、じゃないのかな?)。



足の打撲です、

と言って受け入れたら

”足の開放骨折だった”

(骨が足から飛び出している)

ということもあったりして、

なんだかなー、

と思うこともあるのが

事実です。






消防庁は搬送しなくちゃいけないので

患者さんを搬送できなくてトラブルになる場合、

結局、悪者は現時点では消防庁。





それを、

「病院が受け入れないのが悪い」

「病院はすべからく受け入れるべきだ」

「病院が受け入れを拒否してはいけない」

という狂った三段論法が

消防庁の責任回避とともに

強まっています。






医療の場合、

本当に働いた分の給与(=診療報酬)が激安なので、

地方は補助金という首輪というかシャブで

病院を言いなりにしています。





救急病院を止める?

それじゃあ、今までの補助金を

過去にさかのぼって返還してください、

なんて雰囲気をチラチラと出せば、

赤字でどうしようもない病院は

泣く泣く救急を続けるしかありません。




そうして

看護師3交代制、

検査技師不在、

事務不在、

医師だけは交代なしのぶっ続け32-48時間労働

という

ふざけた環境で働き続けて

夜勤ですらないのが現状です。




さらに、

消防が

”救急を受け入れるのが病院の義務”

なんて言い出したら

きっと救急はとどめを刺されることでしょう。







そうなったら、

間違う病院も少なくなるはずです。

救急の病院自体が大幅に減るでしょうから。


















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コメント

NoTitle

大動脈解離の死亡率を考えれば、この患者はどちらにしても死んでいた可能性はかなり高いのではないでしょうか?もちろん、スタンフォードAやBでの違いはあるので一概に言えないかもしれませんが、大動脈解離の緊急手術のできる施設なんて限られているし、仕方が無いのではないかと思います。
でもマスゴミは舞い上がってまた叩くんでしょうね。。。
マスコミの心が佐沼だから。
ちなみに米だったら救急でこんな疾患をみてくれなんていったら、受診料○億払える人以外すべてお断りではないでしょうか?

はまぐり

救急隊は意図的に軽症と偽って搬送してくることもあります。
能力がなくて間違っているのかもしれませんが、断られないためにそうしているとしか思えないようなひどい例もあります。
どちらにせよ、まったく信用できません。

NoTitle

読む政治:診療報酬増を「偽装」 「長妻氏主導」空回り
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100131ddm001010042000c.html

一体どうしちゃったんでしょう、毎日新聞。
こんなまともな記事を載せるなんてw
何かヘンなものでも食ったんでしょうか?

1500円の弁当

>空前の歳入不足の中、10年度予算編成を終えた長妻氏は昨年12月28日、全局長を集め慰労の昼食会を開いた。

 1500円の折り詰め弁当代は出席者の自腹、領収書も渡す「長妻流」ではあった


 LW大臣、、、そんないけずなことをしているんだ。
1500円の弁当を押し売りされるなんてかわいそうだな。
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日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
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田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

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