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■開業つれづれ:「診療報酬改定率:10年ぶり引き上げ 0.19%」二段底とかいうやつ




ダブル・ボトム

ここから反発するのか、

トリプル・ボトムに移行するのか。




いえ、これほど適当に

フィーリングで決められるのなら

もう診療報酬も

株価とおんなじかと。






何の考えもなく

「世論が許すならとことん診療報酬は下げるべき」

ということがまかり通って

はや10年。




診療報酬に関して

いままで何らかの理念が

あったのでしょうか。


「みんないいっていうし、ガンガン下げてみますか」

「あちゃ、崩壊したからちょっとだけプラスね」


ということのようにしか思えません。














診療報酬改定率:10年ぶり引き上げ 0.19%



毎日新聞 2009年12月23日 21時07分(最終更新 12月23日 23時21分)

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091224k0000m010071000c.html



 財務省と厚生労働省は23日、10年度の診療報酬全体の改定率を0.19%引き上げることで合意した。医師不足が目立つ産科や小児科などを充実させるため、医師の技術料にあたる「本体部分」を1.55%引き上げる一方、薬の公定価格「薬価」などを1.36%引き下げた。全体のプラス改定は2000年度以来、10年ぶり。

 患者や公的保険から医療機関に支払われる診療報酬は、「本体」「薬価」を合わせたものだ。0.19%増は医療費ベースで約700億円増となる。厚労省の試算によると、年収374万円の中小企業の平均的な会社員の場合、保険料が年間285円程度、外来の窓口負担(3割)は1カ月当たり7.8円上がるという。

 10年度改定を巡っては、減額を迫る財務省と、増額を求める厚労省との間で調整が難航。平野博文官房長官は23日午前、首相官邸に藤井裕久財務相と長妻昭厚労相を呼んで改定率の素案を示し、両者を納得させた。

 また、両省は中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険財政を再建するため、国庫補助率を13%から16.4%に引き上げることで合意した。大企業の健保組合などと国費からそれぞれ900億円を投入し、平均保険料率(現行8.2%、労使折半)のアップを、想定より0.6ポイント低い9.3%程度に抑える。

 さらに、▽生活保護の母子加算を10年度も継続(180億円)▽児童扶養手当を父子家庭にも拡大(50億円)▽肝炎対策(180億円)▽障害者のサービス利用時の負担軽減(110億円)--でも一致した。【佐藤丈一】


20091224k0000m040077000p_size5[1]

診療報酬改定伸び率の推移 ※01、03、05、07、09年度は改定なし










見てわかるように

診療報酬は地をはっています。

マイナスに次ぐマイナス。












診療報酬は減額して当然、

医療業界は非効率で

もっと効率化すべきだ。

そう主張された方々、

どこにいますか?




…いた(1)。

つい今年の6月にも

>予算の総額確保を優先すれば、
>医療分野などの制度効率化は二の次になる。

とか叫んでいる人が。





じゃあ、大企業に対する

優遇措置も排除したら

効率化するんじゃないですか?







診療報酬をどんどん削減して

どの非効率が改善されましたか?

まだ非効率なら

どこを改善すべきですか?






一番非効率だったのは

地方自治体の公立病院で、

バタバタと雪崩を打って

崩壊していきました。






残存している公立病院も

多額の赤字を抱えて

今にも絶命寸前です。





「非効率な医療を改革する」

ということ自体、

「効率の悪い疾患、地域に医療は不要」

という話になってしまいます。

医療を効率だけで語っていたマスコミの方々、

どう責任を感じているのでしょう?






10年間、息継ぎすることもできずに

水面下を這っていた

診療報酬。

高齢化や医療技術の進歩を考えても

診療報酬を削減していくことは

おかしいとだれもが思うはず。




ちょっとだけ飛び出た0.19%プラスが

わずかな息継ぎの最後のチャンスかもしれません。















(1)
■開業つれづれ: 日経社説 「改革も財政規律も後退した「骨太方針」」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-916.html




関連記事

コメント

NoTitle

噂では、指名制で診療に従事した医師に直接お金が入るようなシステムを考える、なんてバカなことまで言ってます。

いま、現場の医師に必要なのは、収入のアップではなく(そりゃ上がるにこしたことはないですが)労働環境の改善のはず。
まあ、とことん「現場の声」なんて聞いていないんですよね。

忙しい、体が限界だ>じゃあ楽してる(はずの)開業医の報酬を回してやるから今のペースで頑張れ、ですから、労働基準法がある法治国家とは思えません。

まあ、今回の改定で勤務医の給与が増えるだなんて思っている超お人よしなんて、さすがに情弱ぞろいの日本の医師にもいないでしょうが。

トリプルボトム形成

セカンドボトムがファーストボトムを割り込んでるしww
トリプルボトムに行くと考えるだろ、チャート上。
売り方は戻しで売り浴びせますから、この戻しは絶好の売り場。あなおそろしや。

5回移動平均・13回移動平均はどうなってる?
見たかないけど。

さすが聖地福島

2chからの拾いネタですが

各市長”地域医療に配慮を”
http://megalodon.jp/2009-1225-1806-13/www.nhk.or.jp/fukushima/lnews/05.html
>また、いわき市の渡辺敬夫市長は「県内で68人いる助手を120人程度に増やすことができれば、効率よく、お金をかけずに医師確保ができるのではないか」と述べました。

県内で68人いる助手を120人程度に増やすことができれば、効率よく、お金をかけずに医師確保ができるのではないか
県内で68人いる助手を120人程度に増やすことができれば、効率よく、お金をかけずに医師確保ができるのではないか
県内で68人いる助手を120人程度に増やすことができれば、効率よく、お金をかけずに医師確保ができるのではないか

発想がすごいですねwww
一体増やした助手をどういう待遇で働かせる気でしょうか?
いわき市の渡辺敬夫市長、今後注目の人物です。

助手とは?

原文を読みましたが、さっぱり意味不明です。

>県内で68人いる助手
福島県立医大の助教の事ですか?
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-6531.html

それとも助産師の事?

対価ない職業

子供にこんな苦労はさせたくないです。子供は国会議員にさせようっと。 だって たった2日で! たった2日で! 百三十万円貰えるんですもの。10年ぶりのアップって 10年間下げに下げられた報酬を思えばアップにはなりません! 全くさ なんで 経営がたちゆかなくなるほど下げるかな。で 次は開業医の倒産をねらっているわけで。医療崩壊は止まず。

NoTitle

>ちょっとだけ飛び出た0.19%プラスが
>わずかな息継ぎの最後のチャンスかもしれません。

足の小趾あたりだけ水面上に出して、「さあ息継ぎ汁!」と言ってる状態ですか? で、肝心の頭はもうプールの底に激突しているとw

週刊ポスト 酒井法子 衝撃19秒 性愛口唇動画

週刊ポスト 酒井法子 衝撃19秒 性愛口唇動画

週刊ポストが「問題映像を独占入手!のりピー?カメラ目線で…性愛口唇動画の衝撃19秒」という衝撃的な記事を報じている。

介護の道へと進もうとするのりピー。彼女の更正の道に水を差すような衝撃の「オーラル ○ックス動画」が発見された。

http://norikoosin.blogspot.com/

トリプルボトムをトリプルドムと読んだ人は多数

トリプルドム

踏み台にされるんですね、わかります

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ちょっと早い初夢

税収が少なくて社会保障にかける金がないのではなくて、予算が社会保障関連以外に偏在しているのが問題です。今後、段階的に社会保障への予算配分を拡大し、診療報酬を今後毎年2200億円づつ増額します。介護施設や有床の医療機関は、入院治療に専念できるよう入所、入院関連の介護/診療報酬を3倍に増やします。患者自己負担もゼロとします。健康保険料額の所得上限を大幅に増額するとともに累進課税率を増加させます。消費税は現状税率を維持しますが、高額の消費については税率を減免します。また、医療機関の購入する医薬品、物品、機器については消費税を戻し税とします。

こんなマニフェストを実現してくれる政府の出現を待っています。

NoTitle

北海道では出向制度を始めるようですよ。
福島みたいな非現実的な数字ではなく8人から。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/207367.html

NoTitle

愚民 様
記事拝見しました。
2年間僻地勤務の後、大学勤務を保証って・・・
究極の罰ゲーム以外の何物でもありませんね。

NoTitle

国民全体の平均給与は下がり、中小企業から順にバタバタ倒産している現状があります。そのような背景の中、上げ幅が不十分なのは、高度な医療を支えるだけの産業が不足しているためのように思えてなりません。逆に言うと、今の産業規模にとって、医療が高度すぎるのではないでしょうか。増え続ける高齢者が高度な医療を受けるため、今の若い世代により多くの負担を強いるのは酷ではないでしょうか。

ここ数年、自分も含めて給与カットなどをぐっと堪えている人がたくさんいる中、「下がり続けていたものがプラスに転じた」ことに、少しは希望を持てないものなのかなと思いました。

Upしたと言われましてもねえ

製造業 さん
おっしゃる事ごもっともです。

医療が高度になるほど医療費はかさみ、それを支えるだけの産業に元気が無いので高度医療が支えきれなくなってる。
本当にそうですね。

では、どうすればよいのですかね。
増えつづける老人医療を老人にも負担してもらう。→その理念で導入された後期高齢者医療制度は見事に潰されようとしています。
多額の医療費が生涯に渡って掛かる障害者にも負担してもらう。→結局、1割負担も無料に戻されようとしています。
救急など高コストの高度な医療をやめようとすると住民の署名や市長のリコールが発生する。

結局、総論賛成で各論反対なわけですね。

こういうのを間近に見ていて、数年に渡って7%以上減らされたものが0.19%だけ上がっただけで、「少しは希望を持てないものなのか」と言われましてもねえ。
上昇分は1000円に換算して2円ですか。
これなら0.19%下げて、「下がった下がった」と言っている方が元気が出そうな数字ですね。

NoTitle

トリビューンさま
返信ありがとうございます。

どうすればよいか、正直なところ方法はわかりかねます。

ただ悪いニュースばかりを強調して社会不安を煽ってきたことが、不景気の要因のひとつだと考えています。ですので、少しでも良いことがあったら、無理しても元気に振舞ってマインドを上げていくことが、我々にできる最も簡単な景気対策ではないでしょうか。

栴檀の木と難延草

もっと人を雇いたいのに雇えない現実がある。悲しいかな、カネがない。

巷では医師不足で大変だそうだが、医師がしなくてもできる仕事はたくさんあり、足りないはずの医師が雑務で忙殺されていている。聞けば、医師の仕事を医師以外に代行できるような職種を作るんだとか。医師の仕事は医師がすれば良いではないか。

医療費をもっと上げなさい。いくらでも雇用は創出される。

医師が高給取りになるのが気に入らないなら、累進課税率を上げればいい。自分は高給取りになりたいけど医師が高給取りだと気に入らないですか?別に特別扱いはいらないから、高給取りからはたくさん税金とればいいじゃないか。

手前味噌な考えだけど、たとえ診療報酬が上がっても実際のところ自分の仕事につぎ込むばかりで、自分の取り分増やしたりしない医師の方がおおいんじゃないだろうか。そもそも金持ちの定義は年収1億らしいので、取り分増やしたところで、そんな医師何人にいます?その上日本で医師をしている限り、村上ファンドみたいにカネがあったからって海外に逃げようがないし。たとえ小金持ちになっても税収面では心配ない職種です。

栴檀の木がおおいに栄えてこそ難莚草に露が落ち、難莚草はまた、栴檀の肥やしになる。医療に金をかけて国内でカネをまわすことを考えた方が良い。

残念ながら、物はあまっている。もう何を作っても買う必要があるものはない。たとえば腕時計は一つで十分。なのに、時計はファッションであるようなごまかしでしか成り立たない経済に将来はありますか?

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NoTitle

こっちの掲示板には、キ○○イの人がいなくて安心して読めますわ
まともですっわー

NoTitle

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某大学医学部を卒業
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医師免許取得: 医師にはなったけど、医療カーストの一番下でした。
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大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
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さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
 ↓
日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
 ↓
大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

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