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■開業つれづれ:読売分裂 「混合診療禁止「妥当」判決 「部分解禁」広がる 迅速な保険適用必要」


1日の社説(1)では

”混合診療を強く推し進めるべきだ!!”

とか言いきってましたが、

いきなりトーンダウン?











[解説]混合診療禁止「妥当」判決 「部分解禁」広がる 迅速な保険適用必要

2009年10月2日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20091002-OYT8T00927.htm



 保険診療と、保険のきかない医療行為を併用する「混合診療」の禁止は妥当だとする判断を、東京高裁が示した。(医療情報部 山崎光祥)

 ◆要約 

 ◇先進的な医療技術などについて、混合診療は実質的に拡大している。

 ◇必要な医療を国民が平等に受けられるよう、迅速な保険適用が望まれる。

 裁判では、併用していた保険外治療を「混合診療の禁止」を理由に受けられなくなったがん患者が原告となり、禁止の現状は不当だとして国を訴えた。1審・東京地裁は「禁止に法的根拠はない」と原告の主張を認めたのに対し、9月29日の2審判決はこれを全面的に覆し、混合診療を禁止している国の方針を支持した。

 保険で認められている治療は、安全性や有効性が認められていることが基本だ。健康保険法に基づき保険診療のルールを定めた療養担当規則では、特殊な療法などは「行ってはならない」としている。

 仮に混合診療が認められれば、何が安全性や有効性が確認された治療なのか、専門的な医療情報が乏しい患者側にとって、的確な治療法の判断は極めて難しい。予期せぬ副作用の心配などに加え、金銭的な負担も増える恐れがある。

 とは言え、混合診療禁止のルールの下では、ひとつでも保険適用外の治療が含まれれば、検査や入院料など全額が自己負担となってしまう。このため、未承認の新しい治療に望みを託したい患者にとっては、費用負担が極めて大きくなる問題が生じる。

 たとえば、2005年に承認された大腸がん治療薬「オキサリプラチン」は欧米より承認が約10年遅かった。承認されるまでの間にこの薬を使用した患者は入院費なども含めすべて自費負担で、月100万円以上を払ったケースもあった。

 国は1984年から、高度先進医療や差額ベッド代など一部に保険外負担の併用を認め、徐々に範囲を拡大。2006年には「保険外併用療養費制度」として整理し、未承認薬の治験や先進医療の研究など、通常の保険医療と併用して保険外の料金を徴収してよいものとして、現在17種類の医療行為が指定されている。

 このように現状では、混合診療は実質的に解禁されていると言える。

ただし全面的な自由化となれば、問題のある治療などが横行する懸念が大きく、

あくまで個別に認定する方策が望ましい。日本福祉大の二木立教授(医療経済学)も

「一定の条件の下で部分解禁した現在の制度は良い」

と評価する。

 一方、新薬の承認の遅れについても、審査にかかる時間は、05年の24か月から08年の19か月へとやや短縮。また国は07年、日本での治療適用は認められていなくても海外では標準的に使われている薬について、保険適用の弾力的な運用を行うことを認める処方例を具体的に明示し、今年9月には約80例まで拡大している。

 皆保険制度の下で、国民が必要な医療を平等に受けられる保険適用の推進を怠ってはならないことは、言うまでもない。難病患者らでつくる「日本難病・疾病団体協議会」(東京)の坂本秀夫・常務理事は「必要な医療は保険診療で受けられるのが原則で、国は、保険適用までの期間の短縮に一層努力してほしい」と話している。

保険外併用療養費制度で認められているもの
 【評価療養】(いずれ保険適用になる可能性があるもの)

 1 先進医療・高度医療(前立腺がんなどのロボット手術、がんの重粒子線治療など)

 2 薬事法に基づく医薬品の治験

 3 薬事法に基づく医療機器の治験

 4 医薬品の承認から保険適用までの間の使用

 5 医療機器の承認から保険適用までの間の使用

 6 適応拡大を申請中の医薬品

 7 適応拡大を申請中の医療機器

 【選定療養】(医療上、必ずしも必要ではないが、患者の希望に応じて提供されるもの)

 8 差額ベッド代

 9 高価な金・白金の合金を前歯にかぶせた場合の差額材料費

 10 高価な金属床を使って総入れ歯を作った場合の差額材料費

 11 予約診療

 12 時間外や休日の追加料金

 13 紹介状を持たない患者への初診料(200床以上の病院)

 14 小児の虫歯予防のフッ素塗布など

 15 診療所や小規模病院を紹介されたのに200床以上の病院を再診する場合の追加料金

 16 通算180日を超える入院(保険の15%)

 17 制限回数を超える医療行為




>ただし全面的な自由化となれば、問題のある治療などが横行する懸念が大きく、

>あくまで個別に認定する方策が望ましい。日本福祉大の二木立教授(医療経済学)も

>「一定の条件の下で部分解禁した現在の制度は良い」

>と評価する。






あはははは。

この文章は

イコール

「混合診療をむやみに押し広げる

1日の自社の社説はどうかと思うよ」

という記事なわけです。




ま、今後どちらの路線で話を進めていくか

読売さんの動向が気になりますが、

まず、良心的な今回の[解説]は握りつぶされ、

企業広告的な”混合診療の全面解禁を進めよう”

(=保険業界、大儲け、患者の自己負担増)

という方向で進むに違いありません。







なんせ、

「よく考えよう、お金は大事だよ」

と”保険会社”がいう時代ですから。




ちなみに”お金”とは

個人のお金ではなく

企業の収益のことです。




新聞社を使って、

混合診療にすることは

お金が大事な保険会社にとって

とてつもなくおいしいことになるはずです。






(1)
■開業つれづれ:「混合診療 適用拡大の流れを変えるな(10月1日付・読売社説)」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1101.html











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今は田舎で開業して院長になりました。
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