2009/08/13
■開業つれづれ:「妊婦転送死亡:発生3年 「世の中、動いたと実感」遺族、産科医療改善望む /奈良」
ネタ元は
風はばさん
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1013.html#comment7474
からです。
いつも大変お世話になっております。
毎日新聞です。
妊婦転送死亡:発生3年 「世の中、動いたと実感」遺族、産科医療改善望む /奈良
2009年8月11日15時0分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090811-00000168-mailo-l29
大淀町立大淀病院で06年、五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末に死亡してから、16日で3年になる。この問題をきっかけに、産科医療の充実を求める声が高まり、衆院選でも各党がマニフェストなどで掲げている。夫晋輔さん(27)は「世の中が動いたと実感する。問題を風化させず、産科医療が少しずつ良くなってほしい」と話している。
実香さんは06年8月8日未明、脳内出血のため意識不明となり、転送先の病院で帝王切開で長男奏太ちゃん(3)を出産し、8日後に亡くなった。遺族は「真実を知りたい」と、07年5月に主治医と大淀町を相手に損害賠償を求めて提訴し、大阪地裁で係争中だ。
奏太ちゃんは会話ができるようになり、今春から保育園に通い始めた。晋輔さんは奏太ちゃんに、実香さんの死亡について少しずつ伝えている。いずれは「産科医療が良くなったと伝えたい」と話す。
義父憲治さん(55)は、奏太ちゃんとお風呂に入る時に「私の子どもたちへ」(笠木透作詞・作曲)を一緒に歌っている。豊かな自然を子供たちに残せるかどうかを問う歌だが、憲治さんは「この子たちの世代に何か良い物を残したい」という思いも込める。晋輔さんとともに、大学の講義や市民向けのシンポジウムで体験を語り、医療の改善を訴え続ける。【高瀬浩平】
8月11日朝刊
最終更新:8月11日15時0分
われわれ医療関係者にとっては
今も血があふれるような生傷ですが、
>問題を風化させず、
という
新聞記者の意識が一番
「過去の事件」と
風化してきているんでしょう。
あれから3年。
>世の中が動いたと実感する。問題を風化させず、産科医療が少しずつ良くなってほしい
確かに世の中が動きましたが、
産科医療は果たしていい方向に
動いたのでしょうか?
この報道で
奈良県の南部では
お産ができる場所が
消失しました。
産科医療は
より一層破滅へのスピードを
加速させているのではないでしょうか?
マスコミの
暴力的な破壊のあとで
廃墟にたたずんでいるような
感じを受けるのは私だけでしょうか?
関係者以外、
忘却の彼方に
消え去ろうとしています。
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コメント
No title
こういうニュースやコメントをこのタイミングで流すのにはどういう意図があるんだろう?、私はマスコミの報道に対しては常にそう考えるようになりました。
最近読んだ本の一つに、「日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か:長谷川 幸洋 (著) 」というのがあるのですが、役人とマスコミの関係がかなり赤裸々につづられています。かつて役人側にベッタリだった自分を反省する意味を込めて記者側から書かれた本で、
・記者はなぜ官僚のポチになるのか
・記者は道具にすぎない
・官僚にとっての記者クラブ
などと、なかなか興味深い副題が付いた章もありますので、ご興味がある方はご一読を。いかにマスコミ情報が役人に都合の良いようにコントロールされているかが、具体的に描かれています。どこかで聞いたことのあるような内容が多いものの、当事者からの生々しい話を読むと、納得もするしウンザリもします。
(こう言っちゃなんだが、大した分量じゃないし目新しい内容でもないので、立ち読みで充分かも)
2009/08/13 08:44 by 暴利医 URL 編集
No title
焼け野原にした方は往々にして、すぐに忘れるものです。
された方はそう簡単には忘れませんが。
ジャイアンがのび太をいじめたことなんて、翌日にはけろっと忘れてますが、いじめられたのび太はずっと覚えています。
まあ、そういうことでしょう。
2009/08/13 10:04 by Seisan URL 編集
No title
言いたくもありませんが、この家族は原告の名前に会話もできない子供の名前を連ね訴訟をおこない、裁判の中で父親は「子供よりも母親を助けて欲しいと思っていたし、そのように言った」と述べています。真実を知りたいと損害賠償裁判を起こされたとのことですが、母親の死について少しずつ自分の子供に伝えているという父親は、裁判の中で「子供よりは母親を」と自分が述べた事実も曲げることなく伝えられるのでしょうか。裁判の内容は公開され、ネットに記録も残っていますから、家族が伝えなくともこの件でマスコミに露出しつづければ、いずれ周囲から子供にその事実が伝わることになりましょう。そうなったら子供が不憫ですね。
2009/08/13 18:12 by しろふくろう URL 編集
告訴ないのに医師を送検
医師はリスクが高すぎて、もう引き合わない時代です。
でもこれもアメリカの保険会社の思うつぼ だったりして、、、。
食道静脈瘤の内視鏡治療後に患者が死亡した事故で、近江八幡警察署は6月末、医師2人を書類送検した。だが病院側は過失を否定している上、遺族からの被害届もない。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20090805/172542/
重度の肝硬変の人を治療して、その過程で亡くなってしまったら、すべて医師の罪となる。
医者は万能なんでしょうか?
その時、保険点数で何点なんでしょうかね
2009/08/16 20:59 by 医師ですが URL 編集
日本麻酔科学会
いろいろな疾患別、帝王切開。
その中で、前置胎盤の帝王切開は、発表施設で激増。
大野病院の医師逮捕、裁判の影響とはっきり言われていました。
さらに、癒着胎盤の麻酔では、癒着の程度分類で子宮摘出もやむなし。
医療への影響は大きく、そして、3年でこんなに変わったんだなあと思いました。
2009/08/19 13:12 by 麻酔科医 URL 編集