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■「腹腔鏡手術、5病院で高い死亡率…10例に問題」「死亡率8%超2病院、「高難度」認定更新認めず」

 
「腹腔鏡手術、5病院で高い死亡率…10例に問題」

「死亡率8%超2病院、「高難度」認定更新認めず」

これって実は問題をはらんでいます。

日本の医療機関は真面目だから

大部分の医療機関は、

「きちんと患者さんに対応して、

その上で治療成績を上げていこう」

と考えるはずです。


でも、

「頑張って難易度が高い手術しても

患者さんが死んで

病院の施設認定問題が起きるなら、

安全な患者さんだけ手術で成績かせいで、

手術する患者さんの基準をちょっとだけ厳しめにしようか」

という病院が出てきてもおかしくないです。






腹腔鏡手術、5病院で高い死亡率…10例に問題
読売新聞 2015年11月28日 06時23分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151127-OYT1T50201.html

 群馬大学病院で肝臓の腹腔鏡手術後に患者の死亡が相次いだ問題を受け、日本肝胆膵外科学会が、全国の主な病院で行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の成績を調べたところ、死亡率が4%以上と高率の病院が五つあることが27日、わかった。

 5病院の死亡例10例の診療経過にいずれも何らかの問題があったことから、同学会は各症例をさらに精査し必要があれば指導を行う方針で、年内に結論を出す。

 群馬大の問題発覚後、同学会は昨年11月~今年1月、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院として学会が認定している全国約210病院を対象にアンケートを実施した。2011年から4年間に行われた肝臓と膵臓の腹腔鏡手術の死亡率などを調査。死亡率が5%前後と群馬大の死亡率(8・7%)に近い高率と考えられる5病院に対し、死亡例の診療経過に関する詳細な報告を求めた。





腹腔鏡手術

群馬大の死亡率(8・7%)

ということらしいです。



死亡率8%超2病院、「高難度」認定更新認めず
読売新聞 2015年11月28日 06時27分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151127-OYT1T50202.html

 日本肝胆膵(かんたんすい)外科学会が、開腹も含めた肝臓と膵臓の高難度手術で死亡率が8%を超える2病院に対し、肝胆膵分野の高度な手術を担う病院としての認定更新を認めなかったことがわかった。

 この2病院ほどではないものの、死亡率が5%を超えた病院も6病院あり、今後、指導を検討する。うち2病院は、腹腔鏡手術の死亡率が4%以上と高率の5病院にも含まれていた。

 同学会の認定病院は毎年度、開腹か腹腔鏡かといった手術方法を問わず高難度手術の成績を学会に報告しているが、群馬大の問題を受け、同学会は、改めて12~14年度の各病院の報告を調査していた。その結果、2病院は死亡率が8%を超え、死亡例の診療内容にも問題があった。

 群馬大での開腹及び腹腔鏡による手術の死亡率は10%を超えていた。問題を受け、群馬大と、同様の問題が起きた千葉県がんセンターは認定が取り消されている。





開腹手術を含めると、

群馬大での開腹及び腹腔鏡による手術の死亡率は10%を超えていた。

ということです。



これはかなりまずい感じだと思います。






肝臓がん手術などで認定の2機関 死亡率4倍
NHK 2015年11月28日 5時00分
www3.nhk.or.jp/news/html/20151128/k10010322331000.html
肝臓がんやすい臓がんの難しい手術を安全に行えるとして専門の学会から認定を受けていた大学病院など2つの医療機関が、実際には死亡率が平均の4倍にのぼり、手術の技量などが十分ではなかったとして日本肝胆膵外科学会から認定を取り消されていたことが分かりました。

肝臓がんやすい臓がんなどが専門の医師でつくる日本肝胆膵外科学会は、難易度の高い手術を安全に行える施設として、全国210余りの医療機関を認定していて、専門外の医師らが、患者をどこに紹介すべきか判断する際の重要な材料となっています。ところが、認定施設だった群馬大学附属病院千葉県がんセンターで手術直後に患者が死亡するケースが相次ぎ、手術の技量不足が指摘されるなど大きな問題となりました。

このため学会が改めて調査したところ関東地方の大学病院東海地方の市民病院で過去3年間の手術の死亡率が8%以上と認定施設の平均の4倍にのぼり、手術中の出血量が多いなど技量も十分ではなかったなどとして認定を取り消していたことが分かりました。学会は、これらの医療機関の名前を明らかにしていませんが、このほかにも死亡率が5%以上と平均の2倍以上になっている医療機関が6つあり手術に問題がなかったか、認定の取り消しも含めて検討を進めています。

日本肝胆膵外科学会の宮崎勝理事長は「認定施設は患者が病院を選ぶ基準にもなるために、厳しく調査した。肝臓やすい臓の手術は難しいものが多いため、質の担保につとめたい」と話しています。



NHKの報道では、

手術中の出血量が多いなど技量も十分ではなかった

単純な死亡率だけではなく、

出血量なども加味されているようで

ある程度妥当な判断だと思います。



ただ、

なにごとも過ぎたるはなお及ばざるがごとしで、

やり過ぎると萎縮医療につながりかねません。

患者さんのデメリットが大きくなりすぎては

本末転倒になってしまいます。


なかなかに難しい問題です。









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