2011/04/15
■開業つれづれ:「石巻の医療、患者対応で今も手探り- 【震災1か月】」
脆弱な医療体制。”医療は赤字の元凶”といって
ガンガン医療費を削ったツケが
医療体制の余力のなさに
つながっています。
そこに
今回の震災。
一気に医療の脆弱性をつかれて
現地の医療はずたずたになっています。
ボランティアもいいけど、
きちんとした金銭的な裏付けがなければ
医療機関は成り立ちません。
石巻の医療、患者対応で今も手探り- 【震災1か月】
2011年04月14日 21:51 キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/33662.html
4月14日午後7時現在の警察庁のまとめによると、東日本大震災による宮城県の死者は8253人で、全体の約6割を占める。同県石巻市では2725人(13日午前8時現在)が命を落とし、これまで判明している死者は県内の市町村で最も多い。津波で建物が損壊したり、浸水で医療機器が使用できなくなったりと、医療機関の被害も甚大だ。震災発生から1か月余り ―。同市内の医療者からは、従来の枠にとらわれない新たな医療連携の構築を求める声もあるが、目の前の患者への対応に追われ、今も手探りの状態が続いている。
石巻消防署によると、震災が発生した3月11日から4月13日までの石巻医療圏(石巻市、東松島市、女川町)内の救急車の搬送件数は2370件。過去最多だった昨年の搬送件数(8048件)の4分の1以上に上っている。
同圏内には8つの二次救急病院があるが、津波で壊滅的な被害を受けた石巻市立病院(夜間急患センターを含む)、同市立雄勝病院、女川町立病院は現在、救急患者を受け入れていない。搬送件数は3月16日の124件をピークに低下し、4月13日には41件にまで減少したものの、その9割以上が石巻赤十字病院に搬送されている。
■通常の検査、手術がストップ
「震災から1か月がたった今も、現状は変わっていません」。地域の災害拠点病院である石巻赤十字病院の飯沼一宇院長はこう話す。
同病院(402床)の入院患者は、3月14日の439人をピークに減少傾向にあるものの、救急車の搬送件数は通常の3倍近くにまで増加。避難所の衛生環境の悪化による呼吸器疾患で入院する患者も多いという。4月4日から一部のかかりつけ患者の診療を再開したが、重症患者以外の通常の検査や手術は今も休止したままだ。
「春は職員の入れ替えがある。体制が整っていない時期に震災が重なった」(飯沼院長)。このため、病院側は対応に苦慮しているという。
一方、東松島市にある仙石病院は震災以降、外来患者が急増している。これは石巻市立病院が閉鎖し、同市内から患者が押し寄せたためだ。仙石病院によると、4月11日をピークに減少しているものの、それでも13日は455人と例年の約1.5倍だったという。
また、木曜日のみ行っている皮膚科の外来診療は、周辺の診療所が被災した影響で患者が増加。さらに、近隣にある透析専門の病院も浸水被害を受け、そこから37人の患者を受け入れた。「大変なのは患者さん。待ち時間も増えている」(医事課の担当者)。
■土日祝日の当番医も「当面は困難」
石巻市医師会などによると、市内にある病院、診療所合わせて110施設のうち、14日までに再開しているのは74施設で、少しずつ復旧の兆しが見えてきている。その一方で、医師が震災で命を落としたり、津波で建物が全壊したりするなどして、既に閉鎖に至った診療所も7施設あるという。
また、浸水で医療機器が損壊し、再開のめどが立たない医療機関も多い。特に、産科と小児科の診療所が不足している。同医師会では当面の間、土日祝日の当番医や特定健康診査などへの協力ができない状態だ。
病院や診療所が手探りの対応に追われる中、市内の在宅患者は県外に避難するなど、各地に点在している。また、震災で家を失ったため、在宅医療に戻れない患者も多いという。
市内で在宅医療専門の診療所を営む佐藤保生所長の元には、57人の登録患者がいるが、「在宅医療を再開できるかどうか分からない患者が多い」(佐藤所長)のが現状だ。このうち3人については、今も安否が確認できていない。
■新たな医療連携、「発想の転換を」
震災発生から1か月余り―。市内の医療者からは、従来の発想にとられない新たな医療連携を求める声も上がっている。
「大きな問題は、JMAT(日本医師会災害医療チーム)などがいなくなった後、一次救急や夜間急患、休日の外来当番をどうするかだ」
石巻市医師会の舛眞一会長はこう指摘し、医療圏などにとらわれない新たな広域連携の可能性も視野に入れている。一方、飯沼院長は「沿岸部の新たな医療連携も含めて、県全体で協議する必要がある」と話す。
ただ、「今は混乱期なので、もう少し時間が欲しい」(舛会長)、「地域全体を見て、医療体制を構築するには時期尚早。少なくとも5月いっぱいまで時間が欲しい」(飯沼院長)と、当面は事態の収束に集中して取り組む考えだ。
一方、佐藤所長は「発想の転換」を強調する。
「医療連携はとても大事で、みんな一生懸命やってきたが、今回は逆のことが起こって、(唯一機能していた)日赤(石巻赤十字病院)に一気に患者が運ばれた。紹介状も何もなかったが、そんな状態でも医療はできる。発想の転換が必要ではないか」
>医療連携はとても大事で、みんな一生懸命やってきたが、
>今回は逆のことが起こって、(唯一機能していた)日赤(石巻赤十字病院)に一気に患者が運ばれた。
>紹介状も何もなかったが、そんな状態でも医療はできる。発想の転換が必要ではないか
遠回しにいっているので
何を言いたいのか
すっきりしませんが、
暗に”病診連携なんてやめてしまえ”
ということなんでしょうか。
医師の超人的な働きばかり
取り上げられますが、
こんな事続いていたら
どんどん医療関係者は倒れてしまいます。
医療関係者であっても
被災者である方は大勢いらっしゃるんですから。
補正予算を見ても
自衛隊の活動費はあっても
医療支援のお金は全然ありません。
あるのは患者さんの窓口負担分を
国が持って自己負担ゼロにするだけで、
医療を提供している側には
何の手当もありません(2)。
マスコミで報道されている
医療機関の不眠不休の活動
とやらは、金銭的には
震災支援ゼロ状態で、病院の善意だけ
で現在も行われているわけです
(補正予算など、詳細に間違いがありましたら教えてください)。
なにか
間違っていませんか?
(2)をみると
どれもこれも必要に思えますが、
医療機関、医療支援の予算は全くない様子。
これが
日本の震災対策なんだそうです。
テレビに出てくる現場医師は
”医療機関への国の援助はゼロ円”
とか
プラカードを下げて
出たらどうでしょう。
まあ、医師が
心臓発作起こして
現場を離れても
罵倒されるような状況のようですから(1)、
金も援軍もなく
滅私奉公しないと
ダメなんでしょうか。
医療機関が
お金ないよ
なんて言ったら
叩かれまくるんでしょうね、
きっと。
震災であっても、
タダで医療関係者が働いているなら
一銭も手当てしない
というのが国の方針のようです。
本当にこのままなら
医療関係者、みんな倒れてしまいますよ。
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(1)
■開業つれづれ:「医師ら疲労深く 泊まり込みで不眠不休、家族とまだ連絡取れず」
XYさんのコメント
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1826.html#comment13070
(2)生活再建重視、雇用支援に500億円 1次補正予算案
http://www.asahi.com/politics/update/0411/TKY201104110612_01.html
■第1次補正予算案の内訳(円)
●仮設住宅建設、災害援護貸し付け、生活福祉資金貸し付けなど災害救助関係=5千億
●がれきなど災害廃棄物処理=3千億
●道路・港湾・住宅、農地など災害復旧公共事業=1兆3千億
●学校・社会福祉施設など復旧=4千億
●地方交付税交付金=1千億
●雇用支援・自衛隊活動費・医療保険減免など関連経費=1兆台半ば
※上記に含まれる具体策の例
・被災者生活再建支援金への補助=500億
・住宅金融支援機構が被災者に行う融資の金利引き下げ(1万戸)=600億
・仮設住宅設置(1戸500万円で7万戸)=3620億
・医療費の窓口負担軽減=1140億
・学校施設の復旧(2千校)=2千億
・被災児童生徒へ授業料減免、奨学金貸与、カウンセラー派遣などの支援事業=200億
・漁場、漁船、養殖施設の復旧=680億
・被災市町村の仮庁舎復旧=40億
・自衛隊の6カ月分の活動経費=970億