2010/09/19
自分じゃ1割の助産所が
ホメオパシーをやって
ビタミンKの投与を行っていなかった
日本助産師会(1)。
自分のことは棚に上げまくって、
無介助分娩に警告を出しています。
無介助分娩は
道産子分娩です。
それこそ戦前の
「死んで当然」
という出産方法です。
産婆さんすらいない状況での
自然分娩ですから。
出産10万件当たりの妊婦死亡が、
日本 5人以下
アフリカ 820人
アジア 350人
となっています。
無介助分娩が
どれほど高い危険性があるか
わかるデータです。
育児文化研究所をはじめとする
無介助分娩は過去にも
トラブルを起こしており(1)、
なぜ日本において
無介助分娩などという
暗黒時代の魔術にちかい
考えが広まっているのか
不思議でなりません。
無介助分娩は危険 日本助産師会が警告 中日新聞 2010年9月18日
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2010091802000075.html 日本助産師会(東京)が先月二十六日、「無介助分娩(ぶんべん)」の危険性を訴える警告を一般向けに出した。「妊婦主体の自然なお産」を考える人が増える中で、医師や助産師が立ち会わない無介助分娩までも肯定的にとらえるムードが出てきたためだ。同会や専門医に、お産のリスクを聞いた。 (稲熊美樹、安藤明夫)
日本助産師会は「医師や助産師の介助なしに、夫婦だけで出産する無介助分娩が、あたかも自然な出産であるかのように吹聴されるケースが見受けられる」と、事故の危険性を強調している。
同会によると、無介助分娩の問題が出てきたのは一九九九年。大阪府の
育児文化研究所が、
医師や助産師の関与を排除した家庭出産を奨励し、同研究所の勧める
「二十四時間ぶろ」で生まれた赤ちゃんがレジオネラ菌に感染死する事故があり、社会問題になった。その後も無介助分娩を勧める動きはしばしば見られ、本も出版された。
今年八月末、民放局の人気チャリティー番組で、無介助の自宅出産が紹介されるという情報が同会に寄せられたため、テレビ局に配慮を求めるとともに、一般向けの警告を出したという。
同会の岡本喜代子専務理事は「番組ではテロップを流して危険性を呼び掛けるなどの配慮はしてくれたが、影響力が大きいので、こうした放送は今後やめてほしいと申し入れた」と話す。番組で紹介された女性は八人目の出産で、これまでも自宅で産んできたという。「出産回数の多い人は、出血が多くて母体に危険が及ぶ場合もある」と岡本専務理事。テレビ局は「番組の内容については答えられない」とコメントしている。
◇
「妊婦自身が積極的に出産に取り組む『アクティブバース』の考え方は尊重したい。しかし、助産師や医師の介助があってのアクティブバースだ」と指摘するのは、岐阜市の国立病院機構長良医療センター周産期診療部長、川鰭(かわばた)市郎医師(55)。
妊娠中の経過が順調な人でも、分娩中に急変する可能性はある。産後の大量出血や、胎盤早期剥離(はくり)は突然に起きる。こうした場合に、すぐに対処できる施設で出産することが必要だ。
「
六十年前、出産に伴うトラブルで亡くなる妊婦は、年間四千人以上いた。
今は数十人。
医療によってお産が安全になってきたことを分かってほしい」と川鰭医師は訴える。
全体の90%の人は何ごともなく出産を終えるが、残り10%の人には何らかのトラブルが起こる。かつては出血による死亡例が多く、輸血や出血を抑える対処法など、医療技術の進歩によって命を救えるようになった。「いざというときには、助産所や診療所から病院へ搬送する体制が整ったこと、妊婦健診で小さなリスクも見つけられるようになったことが大きい」
出産十万件当たりの妊産婦死亡率は日本が四・八人(二〇〇九年)。国連児童基金の〇五年調査では、
アフリカ平均で八百二十人、アジアの平均は三百五十人に達しており、
日本は飛び抜けて少ない。 ただ、安全を追求するあまり、帝王切開が増えたのも事実。「自然なお産」志向は、それに反発する形で広まってきた。川鰭医師は「分娩のあり方は多様化していいが、あくまでリスクと隣り合わせだと忘れないでほしい」とくぎを刺す。
>医療によってお産が安全になってきたことを分かってほしいあまりに基本的すぎて、
こんな基本的なことを言わなくてはいけないことに
びっくりしてしまいます。
日本の医学は素晴らしい、
そういうことすら
理解できない人は
最後まで
日本の医療機関にかからないでほしいものです。
中途半端に無介助分娩とかやって、
トラブルになったら病院に駆け込んで
ぐちゃぐちゃになって
自分のことは棚に上げて
病院と医師に対して訴訟を起こす、
というクレイジーな展開が
あると聞いております。
ホメオパシーという砂糖玉治療を
行っている助産所が1割もあった
助産師会。
理事まで砂糖玉を処方して
脳出血予防のビタミンKの投与をしていなかった
助産師会。
学会でホメオパシーホメオパシーの
ランチョンセミナーまで
やっていたまるで宗教団体に近い助産師会。
そのホメオパシー助産師会にすら
非難されている無介助分娩。
日本の出産事情は
医師の涙ぐましい努力で
世界最高の成績を誇っています。
それなのに
ファッションのような気軽さで
暗黒時代のような黒魔術が流行り、
助かる赤ちゃんの命を
みすみす危険にさらしています。
無介助分娩でも
ホメオパシーでも
助産師でも宗教家でも
一向にかまいませんが、
最後まで責任を取って、
100倍もの危険性を自覚して
取り組んでもらいたいものです。
最後まで自己責任で
お願いいたします。
(1)
失敗百選 ~24時間風呂で水中出産の女児死亡~
http://www.sydrose.com/case100/123/ 【事例発生日付】1999年6月下旬
【事例発生場所】愛知県名古屋市
【事例概要】
民家の24時間風呂の浴槽で水中出産された女児が生後8日目で死亡した。風呂で繁殖したレジオネラ菌感染が原因であった。
【事象】
母親が自宅の24時間風呂の浴槽で、女児を水中出産したが、生後8日目に死亡した。 【経過】
1997年頃、名古屋市内の母親が、知人に勧められ、24時間風呂を使った水中出産を勧める民間団体「育児文化研究所」 のセミナーに参加していた。セミナーでは、病院での出産は陣痛促進剤の使用や会陰切開が不必要に行なわれていると 批判。医療関係者の立会いを排除し、夫婦や家族だけでの出産を奨励していた。当時、研究所で推薦された湯を循環さ せて使う「24時間風呂」を購入し使用していた。
1999年6月下旬、名古屋市内の自宅で、「24時間風呂」を使用し、夫婦だけで女児を水中出産した。
生後8日目に女児がぐったりしているのに母親が気づき、名古屋第二赤十字病院に救急車で運びこんだが、すでに心臓が 止まっていた。
24時間風呂のレジオネラ菌が原因とみられる新生児の死亡は国内で初めてであった。
【原因】
1.「24時間風呂」でのレジオネラ菌繁殖・・・・・誤認知
レジオネラ菌が繁殖していると気づいていなかった。
2夫婦だけでの分娩・・・・・事前検討不足
分娩がどれだけ正常と思われても、急に赤ちゃんが危険な状態になったり、出血が起きる可能性はゼロでない。 医師や助産婦などが立ち会わない分娩のリスクである。
3水中出産に24時間風呂を使用・・・・・安全意識不良
水中出産では、風呂に湯を沸かす必要があるが、夫婦だけで自宅出産する際、急に陣痛が来たときでも湯を沸かす 手間が省けるとして、「育児文化研究所」は24時間風呂の購入を勧めていた。
【対処】
1.病院が自宅の風呂の水を民間の検査センターで調べた。水100cc中に約1万4600個の菌が発見された。
2.名古屋市が東京の国立感染症研究所で女児の病理組織を調査した。
レジオネラ菌の一種が発見された。
3.愛知県周産期医療協議会が臨時会合を開催した。
医学的根拠の薄い育児文化研究所の出産指導などに、重大な問題があると重視して、出産や治療にかかわった 医師や助産婦を招き調査検討した。また、「家庭用の24時間風呂では、完全な殺菌消毒はできない」との理由から、 出産の際の使用禁止を求めた。
【対策】
厚生省は、感染防護策などを示している「レジオネラ症防止指針」を全面的に改めることにした。当時の防止指針 は1994年作られており、新たに24時間風呂対策を織り込む他、病院や特別養護老人ホームなどの施設については感 染の危険度を数値化、それに応じた検査や除菌を求めるのが柱となった。
【背景】
対処療法的な西洋医学に対して、人間の自然治癒力や免疫力を重視すべきという考えが起こり、東洋医学をはじめと する様々な療法が広まっている。本事例もそのながれの一つであろう。
24時間風呂でのレジオネラ菌については、1997年12月、24時間風呂でレジオネラ菌が高濃度で検出された事例につい て学術報告され、広く話題になり、これを受けて1997年1月25日、 住宅設備機器メーカー8社が24時間風呂の販売を一時中止したこともあった。
【知識化】
① 新しい方法を鵜呑みにしない。今回も本事件以前に水中出産による死亡事故が発生していた。
② 新しい方法にはリスク回避を図ることが大切である。
③ 事故は要因の複合で容易に発生する。24時間風呂で繁殖したレジオネラ菌と抵抗力が弱い新生児であったので事故が発生した。
【総括】
水中出産という新しい出産方法を採用していた。しかし、同研究所の会員では、
過去に少なくとも3件の自宅出産での 死亡例があり、日本助産婦会は助産婦らに「研究所の会員から出産直後に急な連絡があったときは法的トラブルに巻き 込まれないよう、嘱託医に連絡を」と注意を呼び掛けていた。助産婦なしの自宅での出産だったことから、この勧告は 届いていなかった。
以上