2010/09/15
■開業つれづれ:「新生児のホメオパシー ビタミンK2を与えず、独自の療法を…」
助産師の1割が
ホメオパシーを信じて
ビタミンKの代わりに砂糖玉を
飲ませていた、
ということです。
宗教みたいなもので、
医学的には
完全に落第点です。
そんなことを1割の助産師が
実践しているんですから
周産期の安全を
守れていない以上、
”助産師”という
資格自体、意味があるのでしょうか。
>助産師は毎日新聞の取材に「レメディーにはVK2と同じ効用があると思っていた」
>と語り、
>請求棄却を求めて争っている。
本気でそう主張しているのなら、
助産師の教育自体に
大きな問題があるのではないでしょうか。
医療ナビ:新生児のホメオパシー ビタミンK2を与えず、独自の療法を…
毎日新聞 2010年9月15日 東京朝刊
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20100915ddm013100170000c.html
◆新生児のホメオパシー ビタミンK2を与えず、独自の療法を施していた助産所が1割近くあることがわかりました。
◇脳出血起こす恐れ 死亡で訴訟も/「科学的根拠、重視して」
助産師の間で「ホメオパシー」という独自の思想に基づき、
新生児の頭蓋(ずがい)内出血を予防する
ビタミンK2(VK2)シロップを与えないケースが広まっていた
ことが、日本助産師会の調査で分かった。
産科医らは医学的根拠のない療法がお産の現場に広まる現状を懸念、
改めてVK2投与の必要性を訴えている。
山口市の女性(33)は今年5月、「VK2を与えなかったのが原因で生後2カ月の長女が死亡した」として助産師を相手取り約5640万円の損害賠償を求めて山口地裁に提訴した。
厚生労働省の指針では、VK2シロップは1カ月健診までに3回投与することになっているが、訴状によると、助産師はVK2ではなく、ホメオパシーに基づき薬効のない砂糖粒(レメディー)を与え、母子手帳には虚偽の記載をした。長女は脳出血を起こし、昨年10月に死亡した。
母親は陳述書に「1、2回目は何の説明もなく、3回目は『VK2シロップの代わりのレメディーをあげたら大丈夫』と言われた。お産のプロの言葉なので間違いないだろうと信じてしまった」と記した。
助産師は毎日新聞の取材に「レメディーにはVK2と同じ効用があると思っていた」
と語り、
請求棄却を求めて争っている。
この訴訟などを受け、日本助産師会は加盟助産所のうち分娩(ぶんべん)を扱っている施設414カ所にアンケート調査を実施。
理事の所属する助産所を含め36カ所が
「VK2シロップを与えず、代わりにレメディーを与えたことがある」と回答
した。
「まさか1割近くもあったとは。VK2の必要性は、産科の医療関係者なら誰でも知っていることなのに」。東京都練馬区の「桜台マタニティクリニック」の伊藤茂院長は調査結果に驚く。同クリニックでは、生後2日目、4日目と1カ月健診で、注射器のような器具でVK2シロップ1ミリリットルを乳児全員に飲ませている。
VK2は血液を固まりやすくするが、新生児は自分では作り出せない。母乳にはVK2が少なく、母乳だけで育てられている乳児は欠乏しやすい。
80年代前半は新生児の数千人に1人がVK欠乏性出血症を発症していたが、
今ではVK2シロップでほぼ防げる。
助産師にホメオパシーが広がっている背景について、代替医療に詳しい大野智・埼玉医科大講師は「医学の進歩で周産期の死亡率が下がる中、助産師には安全な出産だけでないプラスアルファの価値を求める心理が働く一方、妊婦には
『自然なお産』に対するファッションに近い願望が広がっている
ためではないか」と指摘する。
伊藤院長は「『自然なお産』を求める気持ちも分かるが、科学的な根拠がまずベースにあるべきだ。これまで積み上げられた医学を無視し、赤ちゃんを死なせるようなことがあってはならない」と強調した。【斎藤広子、西川拓、井川加菜美】
◇善意の「砂糖玉」に思い複雑
約2年前に長女を出産後、助産院に入院していたときのことだ。疲労困憊(こんぱい)していた私に、助産師が「ホメオパシーって知っていますか?」と話しかけた。「あまり詳しくは」と答えると、彼女は「砂糖玉です」とほほ笑み、丸い粒を私の口に入れた。粒は舌の上ですぐに溶けた。善意でしてくれたと分かっていても、ホメオパシーを信じていない私は複雑な気持ちになった。
助産師は妊産婦にとって、心身の状態を把握し、ケアをしてくれる心強い存在だ。信頼する助産師にホメオパシーを勧められたら、興味を持つ人も多いだろう。その結果、VK2に限らず、子どもが長期的に必要な医療から遠ざけられてしまう事態も起こりかねない。日本助産師会がこれまで、一部の助産師による業務中の使用を放置してきた責任は大きい。【須田桃子】
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◇ホメオパシー
「ある病気を引き起こす物質にはその病気を治す働きがある」と考え、動植物や鉱物などの抽出物を水で極端に希釈し、砂糖粒にしみ込ませた「レメディー」を飲むことで人間の持つ治癒力を高めると主張する。日本学術会議は8月、「科学的根拠は明確に否定されており、医療関係者が治療に用いることは厳に慎むべき行為」と批判した。
いやはや
>『自然なお産』に対するファッションに近い願望が広がっている
自然に近いお産を希望されるなら
先進国ではない国で産めば
すぐにその環境を得られます。
なんなら『北』でもどこでも行けば
すぐにお望み達成です。
日本国内なら
狂った24時間テレビが
助産師も呼ばない無介助分娩放送をやろうとして
ネットで問題になって放送が中止になりましたが(1)、
これから、無介助分娩ファッションも
大きな問題になることでしょう。
これって医療側からしたら
単なる道産子状態です。
日本は分娩ファッションとして道産子へ向かう、
としたらこれまた縄文弥生時代みたいなものですから、
トラブルが激増すると思いますが、
信じている以上、何があっても
医療機関に駆け込まないでほしいものです。
野生状態の無介助分娩に、
医学が通じない助産師と、
暗黒時代の到来です。
日本は
世界一の周産期死亡率に
なれたのか、
飽きたのか、
分娩ファッションで自らの赤ちゃんを
死の危険にさらすのが
はやりのようです。
(1)
新小児科医のつぶやき
2010-08-25 24時間テレビの暴走を考える
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20100825
いつも大変お世話になっております。