2010/03/09
■開業つれづれ:「診療所が11か月ぶりに減少-12月末概数」 診療所が無くなる日
再診料の削減、
初診料の電子加算廃止と、
診療所撲滅運動を行っているミンス。
病院のベット数が減り、
クリニックは有床、無床ともに減り、
療養病床も減る。
つまり国は
医療の余力をどんどん削り、
”国民が簡単には入院できないようなシステム”
を作ろうとしています。
それにより
入院できないことで医療費を削減する、
という狂ったことを
本気で押し進めています。
簡単な図式です。
病院、クリニックをつぶす
↓
提供される医療が減る
↓
医療費が減る
これが国の狙いです。
国民の側からすると、
病院、クリニックが減る
↓
受診、入院しづらくなる
↓
窓口支払いも増え、重症になっても病院に行かない
というアメリカ型医療崩壊に近い
形になります。
”医療の提供を減らしてはいけません”
そんな医療関係者の意見は
本来、国民の意見でもあるはずなのに、
マスコミによる
医師は暴走している、
とか
既得権にしがみついている
というダークな報道で、
”だから病院をつぶすのはしょうがない”
”クリニックには泣いてもらうのがいい”
という雰囲気を作ってしまっています。
率直な疑問として、
みなさん、このまま
医療の提供を減らしていってもいいのですか?
診療所が11か月ぶりに減少-12月末概数
更新:2010/03/08 11:54 キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/26670.html
厚生労働省の医療施設動態調査(昨年12月末概数)によると、同月末現在の一般診療所の施設数は9万9643施設で、前月より91施設減った。一般診療所の減少は11か月ぶり。同省の大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課の担当者によると、これまでは無床診療所の増加が全体を底上げしてきたが、今回の調査では
無床診療所も減少
に転じた。
調査結果によると、
有床診療所は前月から39施設減の1万970施設、
無床診療所は52施設減の8万8673施設
だった。病床数は417床減り、14万773床となった。
歯科診療所は10施設減の6万8155施設。病床数は前月と同じ122床。
■病院の療養病床、13か月連続で減少
病院の病床数は、前月から649床減の160万387床で、7か月連続で減った。
療養病床は327床減の33万5589床で、13か月連続の減少。
このほか結核病床が80床減の8802床、一般病床が315床減の90万6101床で、感染症病床が2床増の1765床、精神病床が71床増の34万8130床だった。
全国の病院の施設数は5施設減の8728施設。精神科病院が1086施設で2施設増えたが、一般病院は7641施設で7施設減った。結核療養所は前月と同じ1施設。
クリニック経営として新規がマイナスというのは、
新規開業がすでに
”新規で一件建ったら、近くのクリニックを一件つぶす”
あるいは
”つぶれるとこがないと新しく建てられない”
ということを意味します。
すでに座席はいっぱいで
誰かが席を立つか、
無理やり座って追い出すかしか
ありません。
日本政府の異常なまでの
低医療価格の設定で
大量の患者さんを診なければ
クリニックはやっていけない環境にあります。
ミンスの再診料削減、初診電子加算廃止など
さらにクリニックを追い込んでいきます。
多くの医療関係者が
病院勤務時代に感じた無力感が
またクリニック経営者にも
襲いかかっています。
すでに産婦人科のように
産科になった時点で負け、
という領域がさらに増えることでしょう。
病院の次はクリニックと、
医療を提供する人々の
やる気を次々に摘んでゆく
医療行政には呆れます。
それを大本営発表にならって
まったく勉強せずに報道し続ける
マスコミにも呆れます。
実際にベット数はどんどん減り、
クリニックは減り、
療養病床は減っています。
目の前の医療の急速な縮小が
皆さんの望むものなら、
我々医療関係者も
静かに舞台から姿を消すしかありません。