2010/03/02
■開業つれづれ:「「救急は名ばかり」大阪地裁言及 妊婦の遺族訴えは棄却」
なんだか、
現場のものとしては
当たり前の意見。
>「救急医療とは名ばかり」と批判。
それを、
”出来るだろ!!”
と現場に責任を押し付けて
やってきたのが救急医療。
あはは。
>「救急医療の整備・確保は国や地方自治体の最も基本的な責務」
そう、
責任は国と地方自治体にあるんです。
個人の責任なんか追及しても
どうしようもない無理筋、
って言っているんですが、
分かっているのかな…。
「救急は名ばかり」大阪地裁言及 妊婦の遺族訴えは棄却
asahi.com 2010年3月1日15時5分
http://www.asahi.com/national/update/0301/OSK201003010134.html
奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中に意識を失った高崎実香さん(当時32)が19病院から受け入れを拒否された末に脳内出血で死亡したことをめぐり、夫の晋輔さん(27)=奈良県三郷町=ら遺族が大淀町と当時の担当医師(62)に慰謝料など約8800万円の賠償を求めた訴訟で、大阪地裁の大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は1日、
医師の過失を認めず、遺族の請求を棄却
する判決を言い渡した。
しかし判決は、判決理由を述べた後に
「付言」として異例の意見
を述べ、妊婦らの救急搬送先が決まらず、30分以上待機した例が08年に全国で約1千件あったなどとする消防庁発表の調査を挙げ、
「救急医療とは名ばかり」と批判。
「救急医療の整備・確保は国や地方自治体の最も基本的な責務」
と言及した。
判決によると、実香さんは入院中の06年8月8日午前0時すぎ、頭痛を訴え、意識を失った。担当医は、午前1時37分ごろにけいれんが起きると、妊婦がけいれんを起こす「子癇(しかん)」と診断。午前1時50分ごろ、奈良県立医大病院に受け入れを依頼したが「満床」で受け入れられず、同病院などを介して病院を探した。搬送先が決まったのは午前4時半ごろで、午前6時前に国立循環器病センター(大阪府吹田市)へ搬送された。
実香さんは同センターでCT検査を受け、脳内出血が判明し、帝王切開で長男を出産したが、8日後に死亡した。
判決は、脳外科医の鑑定などをもとに、脳内出血は午前0時ごろに起き、午前2時すぎには救命困難だったと認定した。そのうえで、担当医の過失の有無を検討。午前0時すぎは血圧などに問題なく、経過観察をしたのは不適切と言えず、1時半すぎにけいれんが起きた時点で脳の異常を疑うことができたとした。
しかし、これまでの担当医の経験から1時間程度で搬送先が決まると判断して高次医療機関への搬送を優先させ、その妨げとなり得るCT検査をしなかったことは不適切と言えないとした。そのうえで、病院側が最善の策をとったとしても、助かる可能性は極めて低かったと指摘した。
判決は付言で、大淀病院のように常勤の産科医が病院に1人しかいない「一人医長」の問題にも触れ、実情を放置しておくことは勤務医だけでなく患者の立場からも許されないとした。
>「付言」として異例の意見
span style="font-size:x-large;">>「救急医療の整備・確保は国や地方自治体の最も基本的な責務」
まあ、その通りなんです。
特に奈良県ではやる気なしで、
「ど根性でやれ」
とか
>判決は付言で、大淀病院のように常勤の産科医が病院に1人しかいない
>「一人医長」
>の問題にも触れ、実情を放置しておくことは勤務医だけでなく
>患者の立場からも許されないとした。
産科の一人医長だけでなく
他の科も一人医長で激務、って
いっぱいありますけど。
それを許されない、
と言われると
地方の病院の半分以上が
崩壊しますが、
どういう高尚なシステムを
希望しているのでしょう。
異例の「付言」とやらは、
結局、
責任を問うところが違いますよ、
と裁判所がやんわりと言っているのに
気づいているのかな?
【奈良・妊婦死亡事件 目次】
http://ameblo.jp/med/entry-10019702050.html