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■開業つれづれ:「東京消防庁が救急搬送ミス 5カ所断られた男性死亡」









>救急隊員が搬送先の医療機関と連絡を取らずに搬送し、受け入れを断れていた

アポなしで、

いきなり救急車来たら

びっくりしますね。




しかも患者さんが

解離性大動脈瘤では

どうしようもありません。






そんな話。









東京消防庁が救急搬送ミス 5カ所断られた男性死亡


産経ニュース 2010.1.28 14:45

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100128/crm1001281447018-n1.htm



 東京消防庁が昨年12月下旬、東京都目黒区の男性(73)を救急搬送した際、

救急隊員が搬送先の医療機関と連絡を取らずに搬送し、受け入れを断れていた

ことが28日、都などへの取材で分かった。男性は同病院を含む計5病院で受け入れを断られ、死亡した。第3者の医師らで作る「都メディカルコントロール協議会」がミスと死亡との因果関係を調べている。

 都救急災害医療課によると、昨年12月24日午後3時25分ごろ、男性の搬送を求める119番通報があり、救急隊が出動。救急隊員は搬送先に決めた東邦大大橋病院(目黒区)の連絡先を間違え、目黒病院(同)に受け入れを要請した。

 救急隊員はミスに気付かないまま大橋病院に搬送したが、大橋病院は他の救急患者の治療があったため、受け入れを断ったという。

 その後、目黒病院に向かったが、病状から医師の判断で転院を勧められるなど、計5病院で搬送を断られた。男性は119番通報してから約1時間45分後に6か所目の病院(同)に搬送されたが、大動脈解離で死亡した。

 東京消防庁は「救急搬送時に救急隊員がPHSの操作を誤り、病院連絡にミスがあったことは事実。遺族に説明し、謝罪した」としている。










地方では、

「受け入れの電話でうそを言ってとにかく受け入れさせる」

ということも

まれにあります

(まれ、じゃないのかな?)。



足の打撲です、

と言って受け入れたら

”足の開放骨折だった”

(骨が足から飛び出している)

ということもあったりして、

なんだかなー、

と思うこともあるのが

事実です。






消防庁は搬送しなくちゃいけないので

患者さんを搬送できなくてトラブルになる場合、

結局、悪者は現時点では消防庁。





それを、

「病院が受け入れないのが悪い」

「病院はすべからく受け入れるべきだ」

「病院が受け入れを拒否してはいけない」

という狂った三段論法が

消防庁の責任回避とともに

強まっています。






医療の場合、

本当に働いた分の給与(=診療報酬)が激安なので、

地方は補助金という首輪というかシャブで

病院を言いなりにしています。





救急病院を止める?

それじゃあ、今までの補助金を

過去にさかのぼって返還してください、

なんて雰囲気をチラチラと出せば、

赤字でどうしようもない病院は

泣く泣く救急を続けるしかありません。




そうして

看護師3交代制、

検査技師不在、

事務不在、

医師だけは交代なしのぶっ続け32-48時間労働

という

ふざけた環境で働き続けて

夜勤ですらないのが現状です。




さらに、

消防が

”救急を受け入れるのが病院の義務”

なんて言い出したら

きっと救急はとどめを刺されることでしょう。







そうなったら、

間違う病院も少なくなるはずです。

救急の病院自体が大幅に減るでしょうから。


















関連記事

■開業つれづれ:「財政は…救急医療は… 登米市の病院改革改定案に不安の声」






「心が佐沼」

という名言を残した(1,2)

初期医療崩壊の聖地・佐沼。




医師を使い捨てきしてきた

かの土地は

いまだに第一歩が踏み出せないようです。







財政は…救急医療は… 登米市の病院改革改定案に不安の声

河北新報 2010年01月29日金曜日

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/01/20100129t11022.htm

 宮城県登米市が2009年度内の修正を目指す市立病院改革プランの改定案をまとめた。一般会計から市病院事業への繰入金は09~11年度に約69億円が見込まれ、現行プランより約24億円増える。11年4月に無床診療所化する予定だった米谷病院(同市東和町)は12年度まで有床の病院として存続させることになり、市立病院の中核を担う

佐沼病院(同市迫町)に医師を集約させる計画は先送り

となった。関係者から市の財政や医療体制の先行きを不安視する声が上がっている。(登米支局・柏葉竜)

<基金取り崩しも>
 市が現行プランを策定したのは08年12月。

昨年、市立病院の医師が2人減って

医業収益が落ち込み、数値目標の達成が難しくなったためプランを見直すことになった。市が改定案で示した主な方針は、一般会計からの繰入金の増加と、米谷病院の無床診療所化の先送りだ。

 一般会計から市病院事業への繰入金の推移はグラフの通り。09~11年度の繰入金は年間20億円以上で、現行プランより年間約7~9億円ずつ増える見込み。

 市は09年度、財源が不足した場合は財政調整基金を取り崩して対応する。ただ、基金は残り約38億円で「将来的には現在行っている事業を見直さなければならなくなる恐れがある」(財政課)という。

<「その場しのぎ」>
 市の09年度一般会計当初予算は約384億円。市企画部の佐藤順悦部長も「年間20億円以上の繰り入れを毎年続けたら、市の財政が持たない」との見通しを示すが、「一般会計からの持ち出しが少なくなるよう、関係部署に病院事業の経営改善を促したい」と強調する。

 ただ、地域の代表者らでつくる市立病院運営協議会の佐藤安宏会長は「市病院事業は赤字経営が続いており、一般会計からの繰り入れを増やすのはその場しのぎにしかならない。地方独立行政法人化や民営化など抜本的な経営改善策を早く検討すべきだ」と主張する。

<体制維持を懸念>
 市によると、米谷病院の11年度の無床診療所化を市が断念したのは、

米谷病院の3人の医師が全員、

「現在の勤務地で地域医療を続けたい」との意向

を示しているためだという。
 現行プランは、市内の救急医療を担う佐沼病院の人員配置を万全にするため、米谷病院の医師2人を佐沼病院に集約させる方針だった。

 改定案は米谷病院の医師の数も12年度まで現行のままとするが、市議会の星順一議長は「佐沼病院に医師を集めることなしに、市内の救急医療体制を今後維持できるだろうか」と懸念する。

 これに対し「今後も医師の確保に全力を尽くし、救急を含めた地域医療体制を維持したい」と話すのは、市医療局の渡辺武光次長。07年に設けた市の医学生向け奨学金制度や、県が東北大医学部などと連携して10年度に新設する「県医師育成機構」を通じ、医師招聘(しょうへい)の道を探りたい考えだ。









>米谷病院の3人の医師が全員、

>「現在の勤務地で地域医療を続けたい」との意向

簡単に言うと、

「佐沼には行きたくない」

ということなんでしょう。







それよりも

いまだに聖地・佐沼で

勤務している人がいること自体に

驚きが。






結局、小児科の先生は

常勤一人なんじゃないですか?

それとも分身しているのかな?

http://www10.ocn.ne.jp/~sanumahp/sinsatu.htm






民度が低い場所での

医療崩壊。

どうなる事やら。









(1)
■聖地・佐沼 「産科休止2カ月前倒し 分娩予約の妊婦に戸惑い」 登米
http://ameblo.jp/med/entry-10041586004.html



(2)
●聖地認定 「心に残る病院・医院 2006」
http://ameblo.jp/med/entry-10021116497.html




●宮城県登米市立佐沼病院

(心が佐沼(=心が僻地)、の病院。

医師の精神論、根性論ばかり叫ぶ住民と

現状を説明する医師のバトルが下記で繰り広げられていた。

ネットでは「佐沼に行くと住民に殺される」、

とまで言われた聖地)

登米市電子会議室
http://www.city.tome.miyagi.jp/cgi/patio/patio.cgi?mode=past&no=23&p=1




住民ご意見の一例

http://www.city.tome.miyagi.jp/cgi/patio/patio.cgi?mode=past&no=31&p=4



Re: 佐沼病院が大変ー2 ( No.36 )
日時: 2006/03/03 11:57 ホスト名:
名前: 一市民

派遣中止なんて馬鹿げている!
何のための県立医大だ!行政はすぐさま医大に介入して大学病院に
いる産婦人科医を強制的に県立病院に配置しろ!

拒否する医者は逮捕してでもだ!

こんな自分達のことしか考えていない医者のために我々市民の生命
が脅かされているんだぞ!
もっと皆怒れ!!今病院に通っている患者や家族は自分の主治医に
その怒りをぶつけろ!

訴訟や逮捕をちらつかせてペシャンコにしてやればいいんだ!!!

http://www.city.tome.miyagi.jp/cgi/patio/patio.cgi?mode=past&no=32&p=5


まさるさ~ん・・・ ( No.1 )
日時: 2006/03/06 15:33 ホスト名:
名前: はっぱ

私、医者を信じろとは一言も言ってませんよ???

看護婦が泣くのはお金であって、病院の心配ではない・・・という感じの意見が、余りにも可哀相・・・と感じただけですが・・・
まあ何を言っても誹謗中傷したいだけの方々に、正当な話をいくらしても馬の耳に念仏なのでしょうね・・・








関連記事

■開業つれづれ:小児科9人の病院なら助けます 「【中医協】小児入院医療管理料に「常勤医9人以上」の評価新設へ」 


うわー、

東京的発想出た。






簡単に言うと、

「困窮している小児科医を助けます!」

っていいながら、

「ただし、小児科医9人以上の病院だけね」

というわけです。



つまり、

「小児科の医師9人以上集められない病院は日本から無くなっていいよ」

ってこと。




でもね、

地方の中核病院ですら、

小児科医9人なんて

絶対に無理です。





そんな病院、

大都市に集中しているに決まっています。





なにか

小児科医対策として

根本的に間違っている気がするのは

私だけでしょうか。







【中医協】小児入院医療管理料に「常勤医9人以上」の評価新設へ



更新:2010/01/28 15:27   キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/26091.html


 中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は1月27日の総会で、小児救急医療への評価の一環として、現在の「小児入院医療管理料」の区分を再編し、

常勤小児科医(小児外科医)を9人以上配置した場合の評価を新設

することを決めた。


 同管理料は現在、常勤小児科医を20人以上配置した場合の同管理料1(1日4500点、以下同)と、5人以上配置した場合の同管理料2(3600点)、3人以上配置の同管理料3(3000点)、1人以上配置の同管理料4(2100点)の4区分だが、中医協のこれまでの議論では、同管理料1と2の間に新たな区分を創設すべきだという意見が診療側から出ていた。

 厚生労働省が27日に示した来年度診療報酬の改定案によると、常勤小児科医9人以上の配置に対する「小児入院医療管理料2」を新設。現在の同管理料2を同管理料3(3600点)にするなどする。現在の同管理料1の点数は変更しない。新たな同管理料2の点数は今後、検討する。
 この再編に伴い、同管理料の区分は5段階(2100-4500点)となる。また、特定機能病院による同管理料の算定も認める。
 再編後の同管理料1の施設基準として改定案では、▽入院が必要な小児救急医療を提供▽小児重症患者に対する集中治療を行う体制を有している▽小児緊急入院が年800件以上-を列挙。また、同管理料2については、「常勤小児科医9人以上の配置」と「入院が必要な小児救急医療を提供」のほか、▽「7対1」以上の看護配置▽平均在院日数が21日以内-を挙げている。

 小児救急医療関連ではこのほか、「救命救急入院料」と「特定集中治療室管理料」に対する「小児加算」を新設する。改定案では、共通の施設基準として「専任の小児科医が常時、当該保険医療機関内に勤務」を挙げている。

■ハイリスク分娩管理加算は評価引き上げ

 一方、産科医療の充実を図るため、「ハイリスク分娩管理加算」(2000点)の評価を引き上げるとともに、「多胎妊娠」と「子宮内胎児発育遅延」を対象疾患に追加。「ハイリスク妊娠管理加算」(1000点)の対象にもこの2つを加える。
 また、「妊産婦緊急搬送入院加算」(入院初日5000点)の評価を引き上げるとともに、妊娠の異常以外の疾病で搬送された場合にも算定できるようにする。





最近、小児科の先生の開業が

めっきり少ないと思いませんか?




小児科が採算に合わず、

銀行も

「小児科医の開業には融資は出せない」

と公言しています。




結果として、

高齢の小児科の開業医の先生しかいなくなり、

ちょっとしたトラブルでも

総合病院にお願いするしかなくなっています。






緊急性の高いことでなくても、

小児科の受け皿がなくて

医療機関側も、親御さんも

とてもストレスがたまっています。






優秀な小児科の先生方が

夢を持って開業していただき、

地域医療に貢献しないと

集約するだけでは、問題は解決しません。




まして、

「常勤で小児科医9人いたら優遇します」

なんて、

病院経営者は喜んでも

現場の改善感は全然ないでしょう。






これが

10年ぶり診療報酬アップ0.19%

の内容だと思うと

かなりガッカリデス。
















関連記事

■開業つれづれ:「「ライ麦畑でつかまえて」サリンジャー氏死去」

サリンジャー氏が死去されました。



私の読書歴にも

大きな影響を与えてもらいました。







「ライ麦畑でつかまえて」サリンジャー氏死去

2010年1月29日3時39分配信 読売新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100129-00000155-yom-soci



 【ニューヨーク支局】AP通信などは28日、小説「ライ麦畑でつかまえて」などで知られる米国の作家、J・D・サリンジャー氏が米北東部ニューハンプシャー州コーニシュの自宅で死去したと報じた。91歳だった。

 ニューヨーク生まれ。1951年に出版された「ライ麦畑でつかまえて」は、成績が悪いせいで学校を追い出され、ニューヨークをさまよう主人公の心の動きを描いた物語。攻撃的な表現や性に関連した言葉遣いが賛否両論を巻き起こし、ロングセラーとなった。ほかの代表作は「ナイン・ストーリーズ」(53年)「フラニーとゾーイ」(61年)など。 最終更新:1月29日3時39分





The Catcher in the Rye は、

物語の中で子どもが歌うロバート・バーンズの詩

"If a body meet a body Comin' through the rye"

を、主人公が

"If a body catch a body comin' through the rye"

と聞き間違えたところから来ています。

(Wikipedhiaより)








村上春樹氏の新しい翻訳、

キャッチャー・イン・ザ・ライ

も個人的には名訳だと思います。





クリックするとアマゾンに飛びます。

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)
(2006/04)
J.D. サリンジャー

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しかし、サリンジャー氏は

その訳にも訳者解説をつけることを許さず、

村上氏はこちらの本に

訳者あとがきを書いています。

翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)翻訳夜話2 サリンジャー戦記 (文春新書)
(2003/07/19)
村上 春樹柴田 元幸

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翻訳、ひいては文学について、

サリンジャーを題材に

結構熱く語っている村上氏。

なかなかないと思いますので、

チャンスがあれば

(村上春樹氏が好きで、サリンジャーが好き、という意味)

ぜひ手に取ってもらいたい本です。








ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
(1984/05)
J.D.サリンジャー

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何と言っても

根がミーハーですので、

サリンジャーに入ったきっかけも、


バナナフィッシュにうってつけの日

( A Perfect Day for Bananafish )




からでした。



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ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)
(1986/01)
サリンジャー

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そう、皆さんご存じ、

吉田 秋生さんの

バナナフィッシュ。








はまり込みました。

Banana fish (1) (別コミフラワーコミックス)Banana fish (1) (別コミフラワーコミックス)
(1986/12/15)
吉田 秋生

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途中までタイトルをあまり気にしてなかったんですが、

作品中に

バナナフィッシュの由来が

書かれています。













へー、サリンジャーね、

と手に取ったのが

私のサリンジャー歴の

スタートでした。







そして、

それらの作品が

結び付けられるのが

フラニーとゾーイー

です。



フラニーとゾーイー (新潮文庫)フラニーとゾーイー (新潮文庫)
(1976/04)
サリンジャー

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サリンジャー短編が

一つの家庭の話の一部分ずつを

切り取ったものだとわかる

作品です。









非常に変人のようだった方ですが、

多くの方の人生を変えた偉大な作者であったと思います。

一部の未発表作も

これを機に公開されるかもしれませんし、

サリンジャー熱が

また起きるかもしれません。










ご冥福をお祈りいたします。










関連記事

■開業つれづれ:あららニプロ 「日本製の輸液用針、血管に樹脂詰まる恐れ 米当局指摘」


あらら、

現場は大慌てになるかもしれません。




「ヒューバー針」?

何のことでしょう?

という方には

コアレスニードルセットだ!


と言えばわかる方もいるかもしれません。






日本製の輸液用針、血管に樹脂詰まる恐れ 米当局指摘

asahi.com 2010年1月27日11時18分

http://www.asahi.com/national/update/0127/TKY201001270164.html

 【ワシントン=勝田敏彦】医療器具メーカー

「ニプロ」(本社・大阪)

が製造した輸液用の針で、人体に悪影響を及ぼす恐れのある製品があるとして、

米食品医薬品局(FDA)

は26日、該当品の使用を直ちにやめるよう医療関係者に通知したと発表した。具体的な健康被害は報告されていないが、

最悪の場合、患者が死亡することもあり得る最も深刻な「クラス1」の基準に分類

した。

 厚生労働省によると、FDAの措置は、使用条件を通常より厳しくした場合の検査結果を受けたものとしているが、FDAが重大視したことから、ニプロに自主回収を含めた対応を要請。これを受け、ニプロは海外流通分も含めて回収する方針を決めた。

 回収されるのは

「ヒューバー針」

と呼ばれ、がんの化学療法などで点滴を繰り返す患者らに使われる。FDAによると、患者の体内に、輸液用の針を刺す器具をあらかじめ埋め込む仕組みで、針を出し入れする際に器具のシリコーン樹脂がはがれ、患者の血管に詰まる恐れがある。

 ニプロによると、該当の製品名はコアレスニードル、コアレスニードルセット、セーフタッチコアレスニードルセットの3種。日米のほか、カナダ、イタリア、ドイツ、イスラエルでも販売している。

 厚生労働省によると、ニプロ製のヒューバー針の国内占有率は6割以上に上る。

 FDAによると、2007年1月から09年8月に製造されたもので、米国内では別の企業が販売し、200万本以上が出ている。09年10月に日本国内の工場で製品の検査をしたところ、針の形などに問題があり、60~72%の割合で接続部分の樹脂がはがれることがわかった。








しかも、二プロのHPに

http://www.nipro.co.jp/

アクセスできないし…。

海外の方も

NIPRO Group Companies Overview | NIPRO CORPORATION
www.nipro.co.jp/english/profile/group.html

HPを閉鎖している様子。


エラー: このリンクは無効です。

って表示になります。






これって

対応としてどうかと思います。






国内と海外の大量不良品に、

HP閉鎖と、

悪い材料が揃ってしまってます。






お粗末な対応に

ニプロ株の空売りするには

いいタイミングかもしれませんが。





関連記事

■開業つれづれ:「「医療注意義務怠った」 患者遺族2人が富山大を提訴 」”間質性肺炎を疾患する?免疫抑制剤「ミノマイシン」?”

なんだかすごい間違いだらけの記事発見。


なんだ、これ?




肺炎を疾患する?





うーん、新語なんでしょうか。

>肺炎を疾患していないか

って、書いた記者の

脳が疾患していないか

心配。







「医療注意義務怠った」 患者遺族2人が富山大を提訴


2010年1月26日 読売新聞
http://osaka.yomiuri.co.jp/university/topics/20100126-OYO8T00881.htm


 富山市杉谷の富山大学付属病院で2007年12月、同市の男性患者(当時60歳)が間質性肺炎で死亡したのは、担当医が医療注意義務を怠ったためとして、男性の遺族2人が富山大を相手取り計約9700万円の損害賠償を求める訴訟を富山地裁に起こしていたことが25日わかった。

 訴状などによると、男性は同病院でリウマチの治療中だった03年、病状が改善しないため医師が

間質性肺炎を疾患する

恐れのある

免疫抑制剤「ミノマイシン」

の投薬を開始。医師はレントゲン撮影などにより

肺炎を疾患していないか注意する義務

があったうえ、男性が05年11月以降、「せきがひどい」と訴えたが、検査を怠ったとしている。

 男性は06年5月に別の医師の診察を受けたところ、既に肺の半分近くの細胞が死滅し回復不能な状態で、07年12月に死亡した。遺族側と大学側は、昨年8月から3回にわたって富山簡裁で調停を進めてきたが、昨年末に不調に終わった。富山大学は「医療上適切な措置は施していた」とし、全面的に争う姿勢を示した。







>間質性肺炎を疾患する

>免疫抑制剤「ミノマイシン」


なんだか

ダブルで間違えられていて、

読んでいて気持ちが悪いです。




肺炎を疾患する、ってなんでしょう?



いつからミノマイシンは

免疫抑制剤になったんでしょう?

しかも、

かぎカッコ付きで間違っているし。





肺炎を疾患していないか注意する義務

何重にも間違えていますが、

こんな文章でいいんでしょうか?





記者って、日本語のプロだと思うのですが、

これってOKなのでしょうか?



もし同じレヴェルの間違いを

新米医師やったら

マスコミは袋叩きにするんでしょうけど、

身内のミスにはどう対処するんでしょう。




もしかりに

対処すればの話ですが。














関連記事

■開業つれづれ:またドミノが倒れた「全常勤医、退職へ 救急態勢に影響も」島根

またドミノが倒れました。

ここは

>1日平均で32・1人

なんてバカみたいに急患が来るところのようです。

外科医2人でできるなんて

よほどひどい酷使をされていたに違いありません。





あまり想像がつかない人のために、

平均で32人、毎日急患が来るとしたら、

60人以上の患者さんが来る日もあって、

20人ぐらいなら

今日は少なめだったね、ということです。





自分の仕事が終わってから、

60件のクレームが入ると思ってもいいです。

それも一晩中。

全部が生き死にがかかっているかもしれません。






救いだされた

外科医2名と整形外科医4名の

幸せを祈らずにはいられません。









全常勤医、退職へ 救急態勢に影響も


asahi.com 2010年01月26日

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000001001260003


◆大田市立病院外科・整形外科/広大・島大 派遣終了◆


 大田市立病院(339床)の常勤の外科医全員(2人)と整形外科医全員(4人)が3月末にも退職

する見通しとなった。竹腰創一市長が25日、記者会見で明らかにした。市は県や人材紹介会社を通じて後任を探しているがめどは立っておらず、一部の救急患者の受け入れができなくなる可能性がある。(中村正夫)


 市立病院の常勤医は現在、外科系15、内科系12の計27人。市によると、

外科医3人を派遣していた広島大

が、医師不足を背景に昨年9月末に1人の派遣を終了し、今年3月にも残る2人の派遣を打ち切る見通しとなった。これを受け、

整形外科医を派遣している島根大

が、外科医が不在になれば内臓損傷の急患や入院患者の急変などに対処できないとして、整形外科医を引き揚げる意向を市に伝えた。


 島根大医学部整形外科学教室の内尾祐司教授は「大田市立病院は内科系の専門医も手薄で、そのうえ外科医も不在になれば、整形外科医が専門外の診断をすることになり、リスクが大きすぎる。外科医不在が解消されれば、再び送り出したい」と説明。「現場の医師の頑張りも限界に来ている。医師不在の連鎖反応は整形外科に限らず、県内の他の病院でも起こりえる」と話した。


 市立病院は県の救急告示病院になっており、2008年度は

1日平均で32・1人

年間1万1728人の救急患者を受け入れた。


 会見で竹腰市長は「島根大が整形外科医派遣の大前提としている外科医の確保に引き続き取り組むが、新年度に間に合わせるのはたいへん厳しい」と現状を説明。今後の診療体制について「救急告示病院の認定返上や、外来を担当する非常勤医の派遣などについて協議している」と述べた。


 県医療対策課によると、県内の救急告示病院は24カ所。06年には津和野共存病院(津和野町)が告示を返上した。











政府も医療崩壊を受けて

診療報酬を10年ぶりに上げました。

しかし、値上げ幅はたったの0.19%。





診療報酬0.19%上げました!

10年ぶりです!!

といっても、

全く希望が持てない医療業界。








0.19%って0.0019ですから

1000円あたり1.9円、

1万円で19円

10万円で190円

100万円で1900円

1000万円で1万9000円

1億円でも19万円しか

上がりません。





1000万円の売り上げで

2万円プラスしたから

医療崩壊どうにかしろ、

といってもね。




10年間、

さんざん削って削って、

医療現場を悪役にして

かなりの医師が擦り減ってしまいました。




上げるときはほんの少しで、

話にならない程度。






労働環境も全く改善されませんし、

行政処分は狂ったように出されるし(1)、

もう危ない医療はしてはいけないと

行政自身が言っているようなものです。





病院をつぶすのが行政の方針ですから、

この医療崩壊も厚労省の役人は

手を叩いて喜ぶのでしょうか。









■開業つれづれ:厚労省が医師の敵になる日 「医師への不当な行政処分を阻止すべき —長妻厚労大臣への要望提出のお願いー井上清成(弁護士)」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1258.html

















関連記事

■開業つれづれ:厚労省が医師の敵になる日 「医師への不当な行政処分を阻止すべき —長妻厚労大臣への要望提出のお願いー井上清成(弁護士)」


裁判で無罪判決であっても

行政が医師を独断で処分する。







それは許されることなのでしょうか?







単刀直入にお願いします。

(1)の小松先生の記事を読んでいただき、

事件の概要をご理解ください。





MRICの井上先生記事の趣旨に

ご賛同の方は、

【一般の方が長妻大臣へ要望書を出す場合の例】

に署名の上、

FAX03-5342-6552

にファックスお願いいたします。








これは大変だ

投稿者: 川口恭 | 投稿日時: 2010年01月21日 08:03

http://lohasmedical.jp/blog/2010/01/post_2246.php#more

今朝のMRICで以下のようなものが配信されてきました。
(ロハス・メディカル2月号ではMRICから広告もいただいています)




医師への不当な行政処分を阻止すべき —長妻厚労大臣への要望提出のお願いー井上清成(弁護士)

http://medg.jp/mt/2010/01/vol-16-4.html#more





思い起こせば、このブログを本格的に始めたのは福島県立大野病院事件の公判傍聴記を書いたことからです。『周産期医療の崩壊をくい止める会』の公判逐語録と合わせ、福島地検の立証がいかに杜撰か、世に知らしめることに貢献したと自負しています。

ただ、最初から傍聴記をあのスタイルで書こうと考え付いていたわけではなく、実は手本がありました。

第一回公判で関係者全員が抽選に外れ途方にくれていた時に、自らも刑事被告人というつらい立場に置かれていた佐藤一樹医師が抽選に当たって、検察のデタラメぶりを自らのブログに記してくださったのです。それを見て、「なるほど、これを手本にすればいいのか」と思ったのでした(当時は佐藤医師と面識がありませんでした)。あの事件で有罪判決が出たらもうお産は取り扱わないつもりだったという産科医も多いやに聞いております。つまり、全国の産科崩壊をくいとめることに大きな役割を果たしたのが佐藤医師だったのです。

佐藤医師自身も2審で無罪が確定し、よかったなと思っていたところに、こんなことが起きているようです。あまりにもヒドイと言わざるを得ません。ことは緊急を要するので、皆様も身の回りの方々にお知らせいただき、行動をいただけますと幸いです。

以下、MRICの文章より引用します。




【要旨】
 2010年1月19日、エムスリー「医療維新」に、「根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり」(厚労省が「刑事無罪」が確定した女子医大事件医師への処分を検討)、「『厚労官僚の火遊び』を許すなー虎の門病院・小松氏」(佐藤医師への「弁明の聴取」が先例になれば、医療体制は崩壊)という2つの記事が掲載されました。医師法・行政手続法に基づく

「弁明の聴取」

が行われるということは、

医師への医業停止処分か戒告処分

という行政処分が行われるということです。「弁明の聴取」は来週早々にも予定されているとのことです。それが実施されて行政処分がされれば、昨年末にやっと独立開業したばかりの佐藤医師はどうなってしまうのでしょう。報道によれば、その「弁明の聴取」は

ある一人の厚労官僚の独走の結果

である恐れがあります。筆者自身は、冤罪被害にあった佐藤医師が再び冤罪に問われてはならないと思い、厚労官僚の独走の有無を内部調査するよう、長妻厚労大臣に宛てFAXで1月19日夜に下記の要望書を提出しました。官僚主導によって医師への無限定な支配統制がなされてはなりません。医師への不当な行政処分を阻止するため、多くの方々が長妻厚労大臣に要望を提出していただくことを期待しております。ご参考までにサンプルを下記に添付しておりますので、よろしければお使いいただいて、要望書を提出してください。

【長妻大臣へ提出した要望書】

厚生労働大臣 長妻 昭 殿

FAX03−5342−6552


井上法律事務所 所長
弁護士 井上 清成

佐藤一樹医師に対する医師法・行政手続法に基づく
強制的な「弁明の聴取」手続の実施延期等を求める要望書

 平成22年1月19日付けのエムスリー「医療維新」での「根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり」という報道記事によれば、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科元助手の佐藤一樹医師が、厚生労働省による医師法に基づく行政処分を前提とした行政手続法所定の弁明の聴取手続の対象とされていて、近く強制的な弁明の聴取手続が実施される、とのことです。佐藤一樹医師は、かつて人工心肺装置の操作に過誤があったとして刑法第211条第1項所定の業務上過失致死罪で刑事起訴されて被告人となったものの、東京地方裁判所で無罪判決、東京高等裁判所でも無罪判決を得、検察が上告を断念して

無罪が確定した冤罪被害者

です。しかるに、やはり同日付けエムスリー「医療維新」での「厚労官僚の火遊びを許すな」という記事によれば、

厚生労働省医政局医事課の杉野剛課長

が医師資質向上対策室の

反対を強引に押し切り、

一定の行政処分を目指した

強制的な弁明の聴取手続

を進めようとしているとのことです。しかしながら、この他部署の反対を押し切ったという強制手続の強行は、もしもその事実上・法令上の根拠付けが十分でなかったものであるとしたならば、刑法第193条に定める公務員職権濫用罪(公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、2年以下の懲役又は禁錮に処する)に該当する恐れすらあります。
 長妻昭厚生労働大臣におかれましては、まず第一に、佐藤一樹医師に対する弁明の聴取手続を延期し、第二に、弁明の聴取手続実施の事実上・法令上の根拠の有無・程度、ならびに、場合によれば佐藤一樹医師への公務員職権濫用罪にも該当しかねない杉野剛課長による強制実施の判断・指示の有無、さらに、もしも真実であるならばそこに隠された意図及び背景事情を調査し、第三に、それら調査結果を踏まえた適切な措置を採られることを、ここに要望いたします。

 佐藤一樹医師の基本的人権侵害に関する緊急重大事ですので、甚だ失礼ながら、直接に本書1枚をFAXさせていただきました。よろしくお取扱いのほど、お願い申し上げます。
(なお、私は、弁護士ではありますが、佐藤一樹医師の代理人ではありませんし、本件につき佐藤一樹医師とも東京女子医科大学とも利害関係を有していない第三者です。念のため、申し添えます。)

【一般の方が長妻大臣へ要望書を出す場合の例】

厚生労働大臣 長妻 昭 殿

FAX03−5342−6552

佐藤一樹医師に対する医師法・行政手続法に基づく強制的な「弁明の聴取」手続の実施延期等を求める要望書

 平成22年1月19日付けのエムスリー「医療維新」での「根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり」という報道記事によれば、東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科元助手の佐藤一樹医師が、厚生労働省による医師法に基づく行政処分を前提とした行政手続法所定の弁明の聴取手続の対象とされていて、近く強制的な弁明の聴取手続が実施される、とのことです。佐藤一樹医師は、かつて人工心肺装置の操作に過誤があったとして刑法第211条第1項所定の業務上過失致死罪で刑事起訴されて被告人となったものの、東京地方裁判所で無罪判決、東京高等裁判所でも無罪判決を得、検察が上告を断念して無罪が確定した冤罪被害者です。しかるに、やはり同日付けエムスリー「医療維新」での「厚労官僚の火遊びを許すな」という記事によれば、厚生労働省医政局医事課の杉野剛課長が医師資質向上対策室の反対を強引に押し切り、一定の行政処分を目指した強制的な弁明の聴取手続を進めようとしているとのことです。しかしながら、この他部署の反対を押し切ったという強制手続の強行は、もしもその事実上・法令上の根拠付けが十分でなかったものであるとしたならば、刑法第193条に定める公務員職権濫用罪(公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、2年以下の懲役又は禁錮に処する)に該当する恐れすらあります。
 長妻昭厚生労働大臣におかれましては、まず第一に、佐藤一樹医師に対する弁明の聴取手続を延期し、第二に、弁明の聴取手続実施の事実上・法令上の根拠の有無・程度、ならびに、場合によれば佐藤一樹医師への公務員職権濫用罪にも該当しかねない杉野剛課長による強制実施の判断・指示の有無、さらに、もしも真実であるならばそこに隠された意図及び背景事情を調査し、第三に、それら調査結果を踏まえた適切な措置を採られることを、ここに要望いたします。

 佐藤一樹医師の基本的人権侵害に関する緊急重大事ですので、甚だ失礼ながら、直接に本書1枚をFAXさせていただきました。よろしくお取扱いのほど、お願い申し上げます。

住所                       




氏名  







【一般の方が長妻大臣へ要望書を出す場合の例】

以下をコピーペーストで

ワードなどに張り付けて

住所、氏名を書いて

ファックスを送ってください。







すでに

私は個人的に送らせていただきました。







なんだったら、

住所、氏名を書かずに

匿名でも

ハンドルネームでも

かまいません。





厚労省が医師を敵に回す日

が本当に来るようです。









(1)
vol 15 「厚労官僚の火遊び」を許すな


医療ガバナンス学会
(2010年1月20日 12:30)

http://medg.jp/mt/2010/01/vol-15-2.html#more


佐藤医師への「弁明の聴取」が先例になれば、医療体制は崩壊

虎の門病院
泌尿器科 部長
小松秀樹

※今回の記事はm3.comの「医療維新」で配信されたものです。
2010年1月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp


【弁明の聴取】
 佐藤一樹医師への、行政処分を前提とした「弁明の聴取」が近日中に開かれるとの情報が入った。この「弁明の聴取」は、中世の暗黒を現代にもたらし、医療の存立を脅かす。暗澹たる気分になるとともに、厚労官僚に対する歴史的かつ哲学的な憤りが短時間で意識されるに至った。
 佐藤医師は、東京女子医大病院事件で、冤罪のために、90日間逮捕勾留された。7年間の刑事被告人としての生活を強いられた。心臓外科医としてのキャリアを奪われた。昨年、無罪が確定した。この冤罪被害者である佐藤被告に対し、行政処分を実施しようというのである。

【検察の論理は援用できない】
 厚労省に、佐藤医師に対する処分を正当化できるような精度の高い独自の情報があるとは思えない。しかも、公判での検察の主張の一部を援用することには、決定的な問題がある。検察の主張は、科学者の事実に対する態度とは全く異なる。被告人に有利な事実をしばしば隠してきた。

福島県立大野病院事件では、自ら作成した調書に墨を塗って読めないようにした

佐藤医師の裁判では、論理が完全に破綻したために、訴因(犯罪であるとする理由)を第一審の途中で変更した。

第一審、第二審いずれも、検察の完敗で、上告断念に追い込まれた。検察は無茶な論理を平気で振りかざす。検察は、裁判官と弁護士の存在を前提としており、その存在がなければ、簡単に社会の敵になる。

【恣意的処分】
 医療事故調査委員会(医療安全調査委員会)をめぐる厚労省と現場の医師の争いに象徴されるように、この数年間、厚労省は一貫して、医師に対する調査権限、処分権限の増大を模索してきた。医師に対する行政処分は医道審議会で決定されてきた。従来、行政処分は、刑事処分が確定した医師など、処分の根拠が明確な事例に限られていた。医道審議会は、処分1件当たり、5分程度の審議だけで、事務局原案をそのまま認めてきた。慈恵医大青戸病院事件を契機に、刑事罰が確定していない医師にも処分を拡大してきたが、基準が明らかにされていない。これは、罪刑専断主義による恣意的処分と言い換えることができるかもしれない。

【毒を食らわば皿まで】
 医道審議会の状況から、行政処分と「弁明の聴取」の推進者は、実質的に調査権と処分権の両方を持つ。江戸時代の大岡越前守と同じである。当然、このような乱暴なやり方を職権濫用とみなす批判があり得る。推進者もそれを熟知している。強制的な調査を行って処分をしなければ、逆に、職権濫用罪の嫌疑を証明することになりかねない。自分を守るために、無理にでも処分したくなることは想像に難くない。裁判官がいない中で処分を行うことが、いかに難しいか容易に想像される。

【法の下の平等】

 今回の「弁明の聴取」は極めて異例なものである。そもそも、政府の行動はすべて法律に則っている必要がある。法律は全国民に対して平等でなければならない。通常業務と異なることを実施する場合には、相応の理由、正当性が必要である。平等のためには、個別事例を特別に扱うことに慎重でなければならない。そもそも、厚労省は、調査権、処分権を含めて、自らの権限を拡大しようと組織的に動いている。どうしても、この事件が実績作りに利用されているように見えてしまう。今回の「弁明の聴取」は、法の下の平等に反するのではないか。

【行政の行動原理】
 厚労省が医師を裁くことには、社会思想史的な問題がある。厚労省は「正しい医療」を認定できるような行動原理を持ちえない。
 ヘルシンキ宣言は「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」として制定されたが、医療全般について医師が守るべき倫理規範でもある。実質的に日本の法律の上位規範として機能している。その序言の2に「人類の健康を向上させ、守ることは、医師の責務である。医師の知識と良心は、この責務達成のために捧げられる」と記載されている。医師は知識と良心によって行動するのであり、命令によって行動するのではない。法が間違っていれば、これに異議を申し立てる。
 これに対し、厚労省は「医学と医師の良心」によって動いているわけではない。法令には従わなければならず、しかも原則として政治の支配を受ける。メディアの影響も当然受ける。確固たる行動原理を安定的に持ち得ないため、ハンセン病政策のような過ちを繰り返してきた。
 第二次世界大戦中、ドイツや日本の医師の一部は国家犯罪に加担した。多くの国で、医師の行動を国家が一元的に支配することは、危険だとみなされている。
 公務員は原理的に国家的不祥事に抵抗することができない。この故に、行政は、医療における正しさというような価値まで扱うべきではない。明らかに行政の分を超えている。医学による厚労省のチェックが奪われ、国の方向を過つ可能性がある。

【チェック・アンド・バランス】
 立法・行政・司法は法による統治機構を形成する。法は理念からの演繹を、医療は実情からの帰納を基本構造とする。両者には大きな齟齬がある。

 厚労省は、実情に合わない規範を現場に押し付けてきた

このため、現場は常に違反状態に置かれてきた。

頻繁に立ち入り検査が行われ、実際に処分を受けないまでも、その都度、病院は担当官から叱責を受ける。厚労省は、いつでも現場を処分できる。
 厚労省の方法は、旧ソ連を想起させる。旧ソ連では物資不足のため、国民は日常的に、勤務先から物資を持ち出し、融通しあって生きていた。国民全員が何らかの違法行為を犯さざるを得ない状況下で、政治犯を経済犯として処罰していた。このようなやり方が国民と国家をいかに蝕んだかは想像に難くない。
 しかも、厚労省は、常に、権限と組織を拡大しようとする。厚労省は困った性質を持っており、チェック・アンド・バランスがないとかならず有害になる。チェック・アンド・バランスの考え方は、市民革命を通じて一般化したが、日本では力を持っていない。

【一般厚労行政への影響】
 処分は通常の行政とは大きく異なる。厳重な秘密保持も求められる。このため、厚労省主導で処分を実施しようとすると、担当部署は他の部署との間に障壁を設けなくてはならない。しかし、いかに障壁を設けても、厚労省と医師の関係が悪化し、医療行政に支障を来たすような事態は容易に生じうる。

佐藤医師への「弁明の聴取」が先例となれば、医師は行政を悪とみなすようになる。

厚労省は医師の敵になる。

行政は医師の協力を得るのが困難になり、医療行政は立ち行かなくなる。結果として、医療提供体制が損なわれる。 

【結論】
 個人的に得た情報では、行政処分の事務を担当している医師資質向上対策室は、佐藤医師への行政処分と「弁明の聴取」に反対したとされる。

それを、医政局の杉野剛医事課長が強引に押し切ったという。

これが本当なら医療提供体制が破壊されかねない。厚労大臣は、事実関係とその背景を調査すべきである。
 そもそも、佐藤医師への行政処分は「改竄への加担」が理由だとされるが、舛添要一前厚労大臣の著書『舛添メモ 厚労官僚との闘い752日』(小学館)によると、厚労省の官僚は、日常的に、大臣への報告で、事実を捻じ曲げている。それでも処分されていない。厚労官僚の行動は危うい。チェック方法と適切な処分のあり方を検討すべき状況かもしれない。


















         
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■開業つれづれ:「医師不足/具体的改善策見えてこない」 やっぱり福島は最先端 


さすが福島。

まったく反省の色なし。



奴隷(=医師)がいない!

だから労働強化だ!

と逆方向に進んでいる福島。



目指すは、電話一本で救急車を

全例断らずに引き受けるシステム(1)。



しかも罰則付き

…どれだけ現場に苦労かけると思っているんだか。




これだけ奴隷に厳しい姿勢を貫いていて、

集まれなんて

虫がよすぎませんかね?








医師不足/具体的改善策見えてこない(1月23日付)

福島民友 2010年1月23日

http://www.minyu-net.com/shasetsu/syasetu/100123s.html


 厚生労働省が昨年末に発表した2008年「医師、歯科医師、薬剤師調査」で、本県の医療施設で働く医師は人口10万人当たりで183.2人と、

全国37位という低さ

だったことが分かった。全国平均に達するには、計算上であと約600人が必要になる。
 

特に産科・婦人科医が不足

しており、本県は10万人当たりで6.6人と、

全国で42位

の少なさだった。

 医師不足は住民の健康にかかわる深刻な問題だ。本県をはじめ地方では診療科がなくなり、産む環境が整わなくなって久しいが、都市部との医療環境格差は少しも縮まらない。本県でも医師確保にあの手この手で奔走するが思うように集まらないのが現状。地方自治体の医師確保は手詰まりの状況にある。

 これでは地方の医療は疲弊するばかりだ。民主党は「医療破壊を食い止める」と訴え、政権交代を果たした。鳩山由紀夫首相も所信表明演説で「地域医療や救急、産科、小児科などの医療提供体制を再建する」と明らかにしている。

 しかし、10年度政府予算案は医療分野でも削減が行われ、鳩山首相が唱える「命を守る政治」は視界不良のままだ。地方の医師をどのようにして増やすのかなど、医師不足対策の具体的な道筋を明確に示して実行する必要がある。

 こうした中で、10年度から医療機関に支払われる診療報酬が全体で0.19%引き上げられることが決まった。大幅なプラス改定への期待が大きかった医療現場には、この程度ではという失望感があるかもしれない。だが、財政が厳しいという制約もある。診療報酬は小泉政権時代から引き下げが続いたが、民主党政権が10年ぶりのプラス改定を決めたことは評価したい。

 決定を受け厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は10年度診療報酬改定の骨子をまとめた。診療所が病院よりも高く設定されている再診料の統一に向けた検討などが含まれている。22日には福島市で地方公聴会が開かれたが、従来以上に効率的、効果的な配分を目指してほしい。

 ただ、崩壊瀬戸際の地域医療を立て直すには、診療報酬の増額だけでは限界があるのも確かだ。地方での医師不足に拍車を掛けたとされる新人医師を対象にした臨床研修制度の見直しも、思うように効果を挙げていない。研修制度には新たに都道府県別の定員上限が新設されたが、

10年度の本県研修病院の定員充足率は50%

と前年度とほぼ同じ。医師偏在の是正にはならなかった。

 巨額の公費で養成される医師は国民の財産と考え、

一定期間は計画的に配置

するなど、これまでのやり方にとらわれない思い切った再生策を求めたい。








ええと、

かなり偏った意見なので

あえて申し上げますが、

>巨額の公費で養成される医師は国民の財産と考え、


それをいうなら、

すべての国公立大学卒、

ひいては

公的教育を受けた方々全員が

国民の財産ではないのでしょうか?




そう主張されるなら

私立卒の方以外に

居住の自由はないと思うのですが、

どうなのですか?






>一定期間は計画的に配置

また出た、

人権無視の医師配置論。

憲法には国民には居住の自由、

ってあるんですけど、

福島では

医師は国民ですらないのでしょうか?






「医師が足りないなら、無理にでもへき地に行かせろ(人権を無視してでも)」

ということです。






以前、読売が「医師の強制配置」を主張して(2)、

すぐに舛添厚労大臣に否定された(3)、

ということがありましたが、

その何周遅れだか。






ちゃんと新聞読んでいますか?








それなのにこんな主張して、

救急は1回で受け取らなきゃ罰則も考える、なんて

奴隷に鞭打て!

なんて言っている限り、

「ああ、福島で理想の医療をおこなおう」

なんて医師が急増しないことだけは

確かです。






福島のマスコミ、行政の

意識改革が進まない限り

医療崩壊の最先端を走り続けることでしょう。






(1)
■開業つれづれ:とある医学の超DQN法 「救急搬送:ルール策定へ 県が受入協議会の初会合 /福島」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1239.html




(2)
■読売社説 日本の医師に自由はいらない(笑) 「医師を全国に計画配置、医療改革で読売新聞社提言」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-412.html

(3)
産科医療のこれから
医師の計画配置は「憲法違反」 舛添厚労相インタビュー
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/10/post-1341-67.html

(4)
■開業つれづれ:茨城県職員は憲法違反を叫ぶ 「日立総合病院産科休止 『ドミノ倒し』懸念の声」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1000.html





















関連記事

■開業つれづれ:200回 vs 474万回  「新型インフルエンザ:輸入ワクチン希望は山梨1県--初回出荷分」





すっかり落ち着いてしまった新型インフル。





私の極めて個人的な意見では、

変なタイミング、

たとえば今年の夏とかに

ワクチン効力が切れたときに

新型インフルの流行があるかも、

なんて思っています。






いずれにせよ

タイミング悪すぎの

輸入ワクチン。





ものも国産とは違いすぎるので

現場も混乱必至。





いっそのこと、

市場に流通しなかった

”幻の記念ワクチン”

として豪華箱入り保存版で

売り出すとかしたらいいかも。






はっ!!

山梨はそれを狙っているのか…?








新型インフルエンザ:輸入ワクチン希望は山梨1県--初回出荷分

毎日新聞 2010年1月23日 東京朝刊

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100123ddm041040118000c.html

 2月初旬から供給できる新型インフルエンザの輸入ワクチンについて、山梨を除く46都道府県は、初回出荷分の購入を希望していないことが分かった。国産ワクチンに余剰があるためで、全国的な輸入ワクチンの使用は当面先になりそうだ。

 グラクソ・スミスクライン(GSK、英国)とノバルティス(スイス)のワクチンは20日に承認され、GSK製は2月5日に

240万回分

ノバルティス製は3日に

234万回分

が出荷できる状況だった。しかし厚生労働省が都道府県を通し医療機関の購入予定をまとめたところ、

希望があったのは山梨県の200回分だけ

だった。

 今月29日出荷予定の国産ワクチンも希望が少なく、649万回分の予定を520万回分に減らした。

 国産は2~3月でさらに約1500万回分が生産

されるため、年度内は国産も含めワクチンが大量に余る可能性が高い。

 また、厚労省が22日発表したインフルエンザの定点患者数調査で、11~17日に全国約5000カ所の医療機関を受診した患者は1施設当たり8・13(前週9・18)で、7週連続減少した。最も流行している沖縄は49・98で、14歳以下を中心に再び患者数が増えた。【清水健二】






200/4740000

合わせて474万回分のワクチンのうち

希望はたったの200回分。






一斉に希望者が押し寄せ、

そして一気に飽きた、

というのがインフルワクチン。





行政として

「だからワクチンは大事なんですよ」

という断固とした態度を取らず、

市民と一緒に踊っていた、

というのが今回の新型インフルワクチン騒動。






ワクチン行政の三流国を

脱するには

まだまだ

道のりが長いようです。



















関連記事

■開業つれづれ:「輸入ワクチン ほぼ出荷されず」





幻の輸入ワクチン。


Yosyanさんの

新小児科医のつぶやき
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20100119

にもあるように、

ワクチン詰め合わせの

大量パーティーパック

http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1249.html#comment9540

なものですから、

全く使えない代物です。







今回の

新型ワクチンの輸入に

1126億円

使っています(1)。





ちなみに

今回、10年ぶりの診療報酬アップで

医療に

約700億円

アップだけで大騒ぎです。









輸入ワクチン ほぼ出荷されず


NHK 2010年1月22日 4時43分



http://www3.nhk.or.jp/news/k10015143661000.html


新型インフルエンザの輸入ワクチンについて、全国47の都道府県のうち44の自治体が、今のところ配分を希望していないことがNHKの調査でわかりました。厚生労働省は来月上旬に輸入ワクチンを出荷する計画ですが、全国的に国産ワクチンの在庫にゆとりがあることなどから、

ほとんど出荷されない見通し

になりました。

新型インフルエンザの輸入ワクチンをめぐっては、厚生労働省が来月上旬にも初回分の474万回分を出荷する計画です。これを前にNHKは全国47の都道府県を対象に輸入ワクチンの配分を希望するかどうか電話で調査し、回答を保留した2つの県を除く45の自治体から回答を得ました。それによりますと、輸入ワクチンの配分を希望したのは広島県だけで、ほかの44の自治体は「今のところ必要ない」として希望しないと回答しました。その理由について多くの自治体は

▽国産ワクチンの在庫にゆとりがあることをあげているほか、
▽接種方法や回数が国産ワクチンと違うため、医療現場が混乱するのではないか

といった課題を指摘する声もありました。これによって初回分の輸入ワクチンはほとんど出荷されない見通しになりました。これについて厚生労働省は「国産ワクチンにまだ余裕があり、それぞれの自治体が様子をみているのではないか」と話しています。また、長妻厚生労働大臣は今月19日の記者会見の中で「ワクチンが余る公算が大きく、ほかの国の対応も見ながら解約などの交渉ができるか検討していく」と述べて、今後、海外メーカーとの契約を見直すかどうか検討する考えを示しています。







日本医療が崩壊します!!

と言って

全国で700億円アップ。

0.19%という微量の上昇。





一方、新型ワクチンが1126億円

倉庫に眠るわけです。

当然賞味期限があるので、

使われなければ破棄です。




新型インフルワクチンの

1126億円

ちょっとでも返金があるなら

診療報酬にまわせよ、

そう思ってしまうのは

私だけなのでしょうか。







(1)
■開業つれづれ:「新型インフル 輸入ワクチン実需なし 1126億円無駄に?」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1249.html


(2)
■開業つれづれ:「診療報酬改定率:10年ぶり引き上げ 0.19%」二段底とかいうやつ
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1225.html










関連記事

■開業つれづれ:「小惑星探査機 『はやぶさ』帰還へ」





来ました!

はやぶさ!!




はやぶさ、ご帰還待ってます(1)。






小惑星探査機 『はやぶさ』帰還へ

東京新聞 2010年1月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2010011902000135.html

 エンジンや姿勢制御装置の故障など数々のトラブルを乗り越え、不死鳥のように飛行を続ける小惑星探査機「はやぶさ」。六月の地球帰還まで半年を切った。満身創痍(そうい)で楽観はできないがゴールが見えてきた。目標とした小惑星の岩石採取ができているかどうかは不明だが、地上では試料カプセルの回収や科学分析などの準備が着々と進んでいる。 (榊原智康)

■ごく微量でも
 「わずかかもしれないが、小惑星イトカワに降り立った時に舞い上がった砂がカプセル内に入っているはず」

 試料の処理を担当する安部正真・宇宙航空研究開発機構准教授は模擬実験などから八~九割の確率で試料が採取できているとみる。

 小惑星は地球などの惑星が誕生したころの状態をほぼ保ち、岩石の分析から太陽系形成の謎に迫れると期待される。

 はやぶさは、イトカワへの着陸時に金属弾を発射し、飛び散った岩石片をカプセルに回収する計画だった。だが、装置がうまく働かず弾は撃ち出されなかった可能性が高い。

 採取できていても、ごく微量ということは十分考えられる。だが分析技術が向上し「一ミリグラムもあれば十分調べられる」(安部准教授)という。

 宇宙機構の相模原キャンパス(神奈川県相模原市)には昨年三月、五室のクリーンルームなどからなる「惑星物質試料受け入れ設備」が完成。分析を担当する大学などの研究グループに試料を「汚さず、なくさず、分配する」ための中継施設だ。十マイクロメートル(百分の一ミリ)角の粒子もつかめるマニピュレーターを備える。

 「ようやく私たちの出番。バトンをしっかり引き継ぎたい」と安部准教授。試料開封から初期分析までの予行演習をするなどして、はやぶさ到着を待つ。

■「鍋」を探す
 試料が入ったカプセルは直径四十センチ、重さ十七キロ。強化プラスチック製で、ふた付きの中華鍋のような形だ。地球から約十万キロの地点で機体から分離されて秒速十二キロで大気圏に突入。高度十キロでパラシュートが開き、オーストラリアの砂漠に落下する。

 カプセルが出す電波を地上四カ所のアンテナでとらえて着地点を割り出し、回収チームがヘリで駆け付ける。機体本体はカプセルに続いて大気圏で燃え尽きて役目を終える。

 昨年末には鹿児島県で気球を飛ばし、着地点割り出しの練習をした。山田哲哉・宇宙機構准教授は「かなりの精度で着地点を割り出せた。回収に不安はない」と自信を見せる。

■予断許さず
 ここまでの道のりはトラブル続きだった。

 打ち上げ直後、四台のイオンエンジンのうち一台が不安定になり停止。その後も三基の姿勢制御装置のうち二基が故障した。

 ようやくたどり着いたイトカワでは着陸後に補助エンジンで燃料漏れ。機体の姿勢が狂って通信が途絶えた。

 通信は約七週間後に復旧し「奇跡の復活」といわれたが、このトラブルのため二〇〇七年六月だった帰還予定は三年延びた。

 復路も無事には済まなかった。通信復活の後まもなく二台目のイオンエンジンが故障。昨年十一月にさらに一台。使えるのは劣化した一台だけとなった。

 このピンチも、運用チームが万一に備えて設けていた回線が救った。エンジンは「イオン源」と「中和器」が同時に動くことが必要だ。故障したエンジン二台のなかで、無事だったイオン源と中和器を遠隔操作でつないだところ、一台分の推進力が得られた。

 エンジンはその後も順調に稼働。十四日現在、地球まで約五千九百万キロに近づいた。ただ、残る一基の姿勢制御装置はいつ不具合が出てもおかしくない状態で予断を許さない。

 「昨年十一月に再び動いた時点で帰還は五分五分とみていた。今は六割と少し高まった」と、はやぶさプロジェクト責任者の川口淳一郎・宇宙機構教授。「動いているだけでも奇跡。何とか戻ってきてほしい」

<記者のつぶやき> 「帰還のためにはあらゆる努力を惜しまない」と川口教授。そこには神頼みも入る。はやぶさの運用室には東京の「飛不動」寺院のお守りのほか、中和(ちゅうわ)器の無事を祈って岡山の「中和(ちゅうか)神社」のお札も。御利益がありますように-。






世界的にも注目されているはやぶさ。

日本での扱いは

本当に小さいのですが、

マニアからファンまでいる

本当に稀有な衛星です。




入門には(2)とか

ぜったい読んでほしいなぁ。



(3)も良著。

熱い熱い書です。





日本の超貧乏宇宙開発が

アイディア勝負で

世界を引きつけるさまを

ぜひ注目してください。








(1)
■開業つれづれ:「はやぶさ 奇跡的復活、再び地球へ」 灼熱過ぎる展開、はやぶさ。地球で待ってます。
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1187.html

(2)
いやはや、本当に良著です。

涙浮かべながら読んでます。

”萌”図鑑

理系の方には間違いなくお勧め。


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現代萌衛星図鑑現代萌衛星図鑑
(2009/06/10)
しきしま ふげん

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はやぶさだけでなく、

おりひめ・ひこぼしや

ほかの衛星もとってもいいです。

文章の方が泣けるかも。







(3)

上の

”現代萌衛星図鑑”

とならんで

年末に売り切れ続出となった幻の新書。

これまた、

熱い本です。


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はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語 (幻冬舎新書)
(2006/11)
吉田 武

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”はじめに”より抜粋


 本書は、日本の宇宙開発史と共に、この人類初の偉業を出来る限り要領よくまとめ、一般の読者の方々に御紹介す
るべく執筆されたものである。内容は

”はやぶさマニア”や、

”ファン”

の皆さんには既知のものが多く、物足りなさを感じられるかもしれない

-そう、はやぶさには、マニアもファンも居る"、誠に幸せな探査機なのである。

そうした、深く宇宙探査の意味と意義を御理解頂いている方々にも、今一度「はやぶさ」の通った苦難の道を再確認して頂き、感動を蘇らせて頂く、一つのお手伝いになるのではないかとは思う。

(中略)

 山あり谷あり、まさに波潤万丈、息つく暇もなく、事件が次から次へと主人公に襲い掛かる筋立ての映画を

「ジェットコースター・ムービー(Roller Coaster Ride of a Movie)」

と呼ぶそうである。ならば「はやぶさ」の物語は間違いなく

第一級

のそれである。しかも、こちらはノン・フィクションである。如何な映画も及ばない、苦難と克服、歓喜と落胆の連続ドラマを、お楽しみ頂きたい。

 今、この瞬間も「はやぶさ」は、その飛翔を続けている。多くの人達が、その帰還をひたすら祈っている。しかし、次の刹那には、その行方を見失い、全ての機能が失われていく有様を目撃しなければならないのかもしれない。日々、こうしたギリギリの運用を続けているチームに心よりのエールをお送り頂ければと思う。「はやぶさ」の燃料は未だ尽きてはいない。地球に帰還するに際し、

最も重要なものはキセノン・ガスの残量ではなく、皆さんの応援である。

「はやぶさ」は人の情熱を推進剤とした、世界で初めての探査機なのである。

2006年10月7日 著者



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フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
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今は田舎で開業して院長になりました。
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