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■開業つれづれ: 「ねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書」 矢野 邦夫



ご紹介し忘れていました。

すみません。



是非お勧めな本です。




4コマ、1コママンガも多くて、

かなり好きです。




で、マンガ読むだけで結構勉強になります。

ホント。




クリックするとアマゾンに飛びます。

ねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書ねころんで読めるCDCガイドライン―やさしい感染対策入門書
(2007/02)
矢野 邦夫

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■CONTENTS
はじめに

【初級編】
掃除
 ―おばあちゃんから教わった掃除?

スリッパ
 ―土足で上がりこむなんて…日本人の刷り込み

早弁当
 ―ガイドラインに従えば…

プール
 ― 0.14グラムの糞便?

水と氷
 ―意外な盲点

シャンプー
 ―緑膿菌、繁殖してませんか?

爪、マニキュア、指輪
 ―細菌の宝庫にご用心

サンドイッチと手洗い
 ―手洗いしてから食べるか感染後に薬を服用するか?

インフルエンザワクチン接種の心得
 ―一般人と医療人を見分ける方法

マスク
 ―ウイルスは乗り物に乗って飛ぶ

ペット犬と盲導犬
 ―訓練された犬は健康にも配慮されています

食わず嫌い
 ―まず、食べてみてください

初級編の文献

【中級編】 
カーペットと道路工事
 ―アスペルギルスに注意!

結核と飛行機
 ―空気の共有時間で差

MRSA
 ―ふだんは無害だが…

手術時手洗い
 ―アルコール製剤による手に優しい手洗いへ

酒精綿の単包化など
 ―アルコールは濃度50%以下で殺菌効果が低下

消毒滅菌
 ―鍵はスポルディングの分類

三方活栓
 ―リスクが高く、廃止されつつある器具

ヘパリンロックと生食ロック
 ―同じロックでも違う役割

手術前の感染症検査
 ―患者だけに検査することの矛盾

抗菌薬の適正使用
 ―ターゲットの病原菌にピンポイントな薬を

剃毛
 ―うさぎ跳びと同じ運命?

中級編の文献

【上級編】
透析室
 ―手術室に近い状況

B型肝炎ワクチン
 ―HBs抗体を獲得していなければ危険

閉鎖式尿道カテーテル
 ―病原体が回路から侵入しないカテーテル

中心静脈カテーテル
 ―マキシマル・バリアプリコーションの実施は必須

結核患者の同室者および面会者
 ―距離と時間が問題

潜在性結核感染の治療(化学予防)
 ―「9ヵ月治療」とは「9ヵ月分の量と回数の薬の服用」

結核の空気感染
 ―結核菌を含んだ飛沫は肺に到達しない

N95マスク
 ―装着すると小走りは無理

人工呼吸器の交換頻度
 ―肉眼的汚染を根拠にする理由

プリオン
 ―蛋白性粒子のやっかい者

インフルエンザワクチンと妊婦
 ―有益性が危険性を上回る

外来採血室
 ―手袋を替えないのはサービスの低下

針刺し
 ―安全器材と手袋で予防

上級編の文献

参考にした主なCDCガイドライン





いろんな病院で

手術の手洗いの時の「滅菌水廃止」とか

ブラシ使用からアルコール消毒への変更とか、

経験したことないですか?




かなり昔に

手術手洗いを教え込まれた(刷り込まれた)身としては

最初は、「こんな簡単でいいの?」

と抵抗感がありますが、

この本にはP.62に載っていて

ホッと安心した記憶があります。




あと、

インフルエンザワクチン接種の心得
 ―一般人と医療人を見分ける方法


は医療関係者は必読です。

ぜひ、プロフェッショナルとして

予防接種をするようにしましょう。




医療関係者なら

変な本買うぐらいなら

この本を買った方がかなりお得です。




ご参考になりましたら幸いです。









関連記事

■開業つれづれ: 「小さな会社の トクする 人の雇い方・給料の払い方」 井寄 奈美



いろいろと面倒な雇用ルール。

でも、開業の時には

避けて通ることはできません。





私自身は社労士さんと

よく話をするのですが、

最低限、知っておかなくてはいけないことを

押さえてないと痛い目にあってしまいます。





なかなかまとまっていて

いい本です。

中の、関西弁のお姉さん社労士さんと

若手社長の会話で

たいへん分かりやすくなっています。




クリックするとアマゾンに飛びます。

小さな会社の トクする 人の雇い方・給料の払い方小さな会社の トクする 人の雇い方・給料の払い方
(2009/04/18)
井寄 奈美

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P.22からの「助成金」については

大変参考になるかと思います。

ただ、開業の形態が本当にいろいろですので、

どれもが当てはまる、

というわけにはいきません。





P.169の「年次有給休暇を取りまくる従業員への対処法」

とかも大変参考になりました。






分かりやすい言葉で

(↑これは大切! 雇用関係は、本当に読みずらい本が多いです)

一通り目を通すのに

とても良い本かと思います。




お勧めの一冊でした。

ご参考になりましたら幸いです。











関連記事

■開業つれづれ: 「ティアラかまくら:男性常勤医が辞職 常勤1人、非常勤3人に /神奈川」

ネタ元は

通りすがりさん

http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-673.html#comment6684

です。ありがとうございます。





前回の所長辞職と並んで(1)、

なんだか変な雰囲気の「ティアラかまくら」。





早くも常勤医が3人→1人となっております。

この人数、

通常は、お産取りやめラインです。








ティアラかまくら:男性常勤医が辞職 常勤1人、非常勤3人に /神奈川

毎日新聞 2009年5月29日 地方版
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090529ddlk14040199000c.html

 鎌倉市医師会は28日、運営する産科診療所「ティアラかまくら」男性常勤医師(57)が25日付で辞職したと発表した。23日に辞表を出していた。医師は、初診に訪れた妊婦に対し傷付ける内容の発言をしたとして、1日付で減給10%(3カ月)の処分を受けている。

 今後は、常勤医師1人と非常勤医師3人で担当、大きな影響はないという。だが常勤医師3人体制でオープンしており、医師会はあと2人を早急に採用したいとしている。

 診療所は産科医確保策として2月17日、全国初の医師会立産科診療所として設立。5月27日までに33人が誕生し、夏からは月に25~30人の出産が見込まれている。開設時に3人いた常勤医師のうち、男性所長が直後に、スタッフ人事への不満とみられる理由で辞職していた。【吉野正浩】





久しぶりに鎌倉医師会のHPを


のぞいてきましたが、

「ティアラかまくら」設立前の文章だけでした。





医師会長から

http://kmed.jp/about/index.asp


鎌倉市医師会長の細谷明美です。

鎌倉市が直面する最重要課題である産院の問題を解決すべく、医師会立産院の開設へ向けて鎌倉市当局と協議を重ねまいりました結果、この度合意に至りました。

平成20年5月13日(火)、鎌倉市と医師会との間で産院設立に関する協定書の調印が行われました。これをもって、全国でも初めての医師会立産院設立という試みは、いよいよ現実のものとなってまいりました。

平成21年2月開院を目標に準備を進めてまいります。

開院までには医師の確保や運営上の問題等、解決すべき問題はたくさんあります。そういった問題を市当局と協力の上、一つ一つ解決して、市民、医師会員、皆さまの納得の出来る医師会立の産院を設立し、そこから鎌倉生まれの赤ちゃんが一人でも多く増えていくことを期待しております。

「こどもを生み育てることができるまち鎌倉」実現のために・・・






まあ、開院はしたけど

維持は大変、

ということです。




そうでなくても

悲惨な産科開業医事情。

常勤医1人で

どこまでやれるんでしょうか?






医師会が立てた手前、

どう折り合い付けていくのか

動向を注目しています。










(1)
■「鎌倉の医師会立産院 所長、早くも辞意 人事に不満」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-673.html











関連記事

■開業つれづれ: 最悪ペース 「医療機関の倒産、過去最悪と同水準-帝国データ」 一方、「「診療報酬の抜本見直しを」医師偏在の緩和へ財務省要請」 財務省はさらに最悪を目指す


史上最悪を更新しつつある

医療機関の倒産。




>診療所では07年度から2年連続で過去最悪の20件

ということです。

診療所の受難は続きます。





それなのに、財務省は

「開業医が悪いから、ガッツリ締め上げろ」

と言っております。



…なぜ?

バカじゃないでしょうか?

確信犯的にやっているんでしょうけど。

理解していなかったら大バカ者です。







診療報酬の引き下げ

 ↓

開業医の売り上げが減る

 ↓

患者さんの人数が来ないとペイしない

 ↓

人数のいない僻地での開業医の倒産続出

 ↓

医療過疎化の進行

 ↓

やはり都市部に医療が集中



ということになる気がします。

どう考えても、お金を減らされて、

「地方に仕事がないから都会に来ました」

という展開が医師でも起こるだけです。





偏在解消を目指して偏在が進む、

というおバカな展開です。




>「診療報酬の抜本見直しを」医師偏在の緩和へ財務省要請

”うんうん、そのとおりだよ”、

なんて国民が思って賛成したら、

結果的に

隣にあった開業医がどんどんつぶれる、

大都市部にはワーキングプアの医師が大量にあふれる、

ということになるのです。







医療機関の倒産、過去最悪と同水準-帝国データ

更新:2009/05/29 13:11   キャリアブレイン

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/22291.html

 帝国データバンクの調べによると、病院や診療所、歯科医院など医療機関の昨年度の倒産は、過去最悪を記録した2007年度と同じ40件だった。医師不足に伴う病院勤務医の労働環境の悪化などがクローズアップされる中、昨年4月の診療報酬改定では本体部分の改定率が8年ぶりに引き上げられたが、医療機関を取り巻く環境が依然として厳しいことを示す結果となった。


 医療機関の倒産は02年度から増え始め、06年度以降は高水準で推移している。
 01年度以降に発生した252件を施設別に見ると、病院60件、診療所115件、歯科医院77件。病院の倒産が06年度の12件をピークに減少に転じたのに対し、診療所では07年度から2年連続で過去最悪の20件を記録した。歯科医院も昨年度は13件と、01年度の4件から3倍以上に増えている。
 全国の病院数が年々減少しているのに対し、診療所と歯科医院は増えており、帝国データでは、施設増に伴う競争激化が倒産増加の要因とみている。

 また、01年度以降の倒産形態を施設別に見ると、事業を継続する「民事再生法」が病院で34件(56.7%)と過半数を占めたのに対し、診療所は20件(17.4%)、歯科医院は14件(18.2%)にとどまった。診療所の倒産は95件(82.6%)が「破産」によるもので、歯科医院でも63件(81.8%)と8割を超えた。

 帝国データでは、事業規模が小さい診療所や歯科医院では資金調達が難しいほか、事業価値を見いだすスポンサーが現れにくく、破産を選択せざるを得ないのが現状だと分析している。







「診療報酬の抜本見直しを」医師偏在の緩和へ財務省要請

asahi.com 2009年5月29日9時55分
http://www.asahi.com/business/update/0529/TKY200905290002.html

 財務省は厚生労働省に対し、医師の偏在を解消するため診療報酬制度の見直しを促す方針だ。勤務医と開業医との待遇格差を縮め、労働条件の厳しさから特定の診療科や大都市への医師の集中に歯止めをかける狙いだ。

 診療報酬の見直しは財務相の諮問機関の財政制度等審議会でも検討、財務相に来月提出する建議(意見書)に盛り込む。財務省は、10年度予算の基本指針となる「骨太の方針09」に反映させて政府方針に格上げしたい考えだ。

 財務省によると、医師の数は96年からの10年間で約23万人から26万4千人に14%増えた。だが、診療科別では、精神科が20%、整形外科が15%それぞれ増えた一方、産婦人科は10.6%、外科は7.7%それぞれ減った。地域別に見ても偏在は加速。埼玉県や千葉県では同じ10年間で20%以上増えたが、青森県や愛媛県の増加は6%以下だ。

 財務省は、診療内容が同じでも勤務医より開業医の報酬が高く設定されている現行の制度を問題視。開業医の平均年収は勤務医より1.8倍以上高く、勤務医をやめて開業医を目指す医師も増えているという。特に救急医療に追われる拠点病院の医師不足が深刻で、患者の「たらい回し」の一因にもなっている。

 診療報酬は2年ごとに見直される。財務省は次の改定がある10年度の予算を通じて待遇格差を縮めることを厚労省に促す。ただ、開業医の報酬を引き下げれば、報酬の配分を決める中央社会保険医療協議会などの反発は必至。日本医師会は自民党の有力支持母体でもあるため党内の抵抗も予想され、実現するかは不透明だ。(山口博敬)







>医師の偏在を解消するため診療報酬制度の見直しを促す方針

会社の社長と職員の給与を比較しているのは

大きな間違いなんですが、

いろいろな制度でがんじがらめにしたら、

結局、日本医療は、

人権も無視され僻地配置、

大半が歯科同様にワーキングプアで、

テレビに出ているタレント医師だけが勝ち組、

という

めちゃめちゃ悲惨な職場になることでしょう。




これらの改革で

医療業界の士気は

上がるとでも思っているのでしょうか?

逆に、やる気は下がりっぱなしです。








相変わらず続くマスコミによる

「たらい回し」

という用語を使った報道。

受け入れ不可能

だと思いますが、どうも正しい日本語が

分かっていないようです。

文を書いて飯を食っている

記者さんって日本語のプロではないのでしょうか?







新型インフルでも現場には

1円も出さなかった政府。

本気で政府とマスコミと国民は

日本医療を叩き潰そうとしているようにしか思えません。




関連記事

■開業つれづれ: 1Q84 村上春樹

すみません。

読んでない本を記事にするのは

滅多にないんですが、

注目しています。





1Q84

村上春樹さんの新作です。




1Q84(1)1Q84(1)
(2009/05/29)
村上春樹

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1Q84(2)1Q84(2)
(2009/05/29)
村上春樹

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完全に情報をクローズしている

村上春樹さんの新作。




都内で先行発売され、

5月29日に全国発売予定です。




なんだか情報がない分、

隠れてすごい注目されているようです。

ジョージ・オーウェルの「1984」と

関係しているのかな?

一体どうなんでしょう?







どんな作品になっているんでしょうか?

ちょっと楽しみです。









関連記事

■開業つれづれ: 再び闇金あらわる 「山鹿市 市立病院の医師不足解消 医学生に奨学金制度 予算案提案へ 10年勤続で返済免除」


これは、なんて懲罰(笑)?









山鹿市 市立病院の医師不足解消 医学生に奨学金制度 予算案提案へ 10年勤続で返済免除

2009年5月28日7時8分配信 西日本新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090528-00000002-nnp-l43

 山鹿市は27日、山鹿市立病院の医師不足を解消するため、大学の医学部1年生を対象にした奨学金制度を創設すると発表した。卒業後、同病院に10年間勤務すれば、返済を全額免除する。県内の市町村で初の試み。関連条例案と1000万円の予算案を6月1日に開会する定例議会に提案する。可決されれば、7月にも募集を始める。

 市健康増進課によると、入学金(限度額100万円)と授業料(年間限度額150万円)、生活費(月額7万5000円)を卒業までの最長6年間、学生に貸す。学生は卒業後2年以内に医師免許を取得し、市立病院に10年間勤務すれば、返済を免除
他の病院に勤務した場合は5%の利息を含めて一括返済しなければならないとしている。

 募集定員は3人、年齢や出身地は問わない。選考は市立病院の病院幹部や市職員が行う。

 市立病院には診療科が10科あり、常勤医は15人。小児科は現在、非常勤医による週2回の診療のみ、産婦人科も休診が続いている。同病院は「地域医療を守るには約20人の常勤医が必要。時間はかかるが、確実な医師確保につなげたい」としている。

 県医療政策総室によると、同様の奨学金制度を設けているのは全国で13市あり、九州は大分県中津市が導入済み。

=2009/05/28付 西日本新聞朝刊=

最終更新:5月28日14時22分






医師はトレーニングしないと

技量が上がりません。

医師になったとたんに

市立病院に10年間拘束、って

絶対に医師として

”エース”にはなれない条件です。




むしろブービートラップ。

こんな変なものに引っかかったら

医師人生終了。




医学生に向かって、

>他の病院に勤務した場合は5%の利息を含めて一括返済しなければならないとしている。

って、どこの闇金ウシジマくん?

こういうファイナンスをしては

身を滅ぼす、

といういい例です。






ウソついて契約違反してまで

医師を僻地に流す

闇金秋田くんよりまだまし、

というレヴェル(1)。





金貸して、

女をソープに沈めるのと、

金貸して、

学生を僻地医師に沈めるのと、

まったく構図は変わりません。







むしろ

公営でやっているだけに

どこにも訴えようがないだけ

さらに悪いかも知れません。













(1)
■闇金 秋田くんの悪魔契約 「修学資金貸与1人当たり減額へ 09年度、募集枠広げ総額抑制」 月額15万→10万円に減額 でも9年は働け
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-681.html



(2)
闇金ウシジマくん 14
闇金ウシジマくん 14 (ビッグコミックス)闇金ウシジマくん 14 (ビッグコミックス)
(2009/03/30)
真鍋 昌平

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関連記事

■開業つれづれ: ”お気の毒でございます” 「「PFI方式」方針変更の背景は」


すがすがしいほどまでに

ずさんな計画の

福岡こども病院移転計画。








(PFI導入について)
>福岡市も同じ?

>お気の毒でございます。


うぷぷぷ。

PFIを最初に導入してこけた

近江八幡市市長、おとぼけですね。





PFI近江八幡は20億円もの

違約金を払って

大赤字の病院を公営に戻しています(1)。

20億かけてもマシ、

というのがPFIです。





個人的には、

ここまで土建に荒らされて

ずさんな計画は見たことがないので、

ぜひPFIでやってほしかったもんです。




未曾有の大借金を

作り出す予定の福岡こども病院。

オリンピック誘致できなかったから、

ぽーんとPFI付きで病院を提供するなんて

福岡市、

太っ腹すぎます。






「PFI方式」方針変更の背景は

RKB 2009/05/27 20:02

http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/012512.html


福岡市のこども病院移転問題です。

福岡市は、新しいこども病院で導入を計画しているPFI方式について、大幅な見直しを決めました。

突然の方針転換の背景に何があったのでしょうか?

「PFI方式」、施設の建設や運営の一部を民間会社にゆだねる手法で、福岡市は人工島に移転する新しい「こども病院」に導入を計画してきました。

「コストが削減できる」というのがその理由です。

福岡市は、先月、業者向けの説明会を開催、来月には業者の公募を開始する予定で準備を進めていました。

また、10日ほど前までは、PFIを実施するための議案について、一部の市議会議員に説明を行っていました。

しかし、急きょ、大幅に見直すことが明らかになったのです。

業者の公募は延期し、PFIの実施に必要な議案も、来月の市議会への提出を見送ることになりました。

公募直前というタイミングでの方針変更は異例の事態。

いったい何が問題となっているのでしょうか?

PFIを全国で初めて採用した滋賀県近江八幡市の市民病院

去年12月、
PFIを導入してからわずか2年半で破たん
しました。

前の市長時代に治療以外の病院運営を民間会社にすべて委ねることを決め、30年間で68億円のコスト削減を見込んでいましたが、現実にはたった2年半で逆に52億円の赤字を生んでしまいました。

また、収入を過大に見込みすぎたことも、破たんの一因でした。

福岡市の見通しでも、収入は2007年度の55億円から、84億円に増えると試算しています。

RKBの取材に応じた近江八幡市の市長は、「収入の増加予測」と「PFIの採用」という福岡市の計画について、「福岡市も同じ?お気の毒でございます。よほど契約を慎重にしないといけない」と話していました。

近江八幡市は民間会社に違約金を払って契約を解除、病院を市の直営に戻しました。

こうした状況を受け、先月開かれた市の諮問機関の会議では、複数の医師や議員から、
「ほとんど成功例がなく、不安だ」
として、十分な検討を求める声が相次いでいました。

そして、今回明らかになった突然の方針転換、「リスクが大きすぎる」という市の財政サイドの判断が背景とみられています。

市の幹部は、「PFIは病院の建設だけに限定し、運営は民間に委ねないことも検討している」としています。

一方、こども病院の人工島移転について、百条委員会の設置を求めている弁護士グループでは、今回の方針変更について、「当然の判断だ」と話しています。

弁護士グループは、こども病院の移転問題について大規模なシンポジウムを予定しています。

福岡市は、PFIを見直したとしても「2014年の開院予定は変わらない」としています。

しかし、新病院の収支計画はすべてPFIを前提に行われていて、新病院計画そのものに影響を与えるのは必至です。





>「ほとんど成功例がなく、不安だ」


そりゃ、不安でしょうね(笑)。

奴隷的な不安ですね。






どうかんがえても、

これほどまでにないずさんな

計画で、

市は

”土建屋のために大借金作って、

あとは医師が安い賃金で

死ぬほど働いて返していく”

って言っているんです。

あからさまに。





福岡からは即時撤退、が

賢明かと思われます。

とんでもない上司の牟田口命令は

某大学の某先生のご意見で十分すぎます(3)。





…もしかして、

院長として迎え入れたりしてね。







(1)

■PFI近江八幡はつぶれたが、福岡はやる気満々 「福岡市の新こども病院「基本構想」 PFIや独法化効果盛る」 
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-552.html



(2)福岡 こども病院人工島移転問題 
■「こども病院移転でまた不透明手続き、搬送時間調査公表せず」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-790.html

■「こども病院移転 今度は都市高延伸に誤算」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-739.html

■福岡こども病院 「赤字「30年で500億円」 どうする」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-692.html


■「6総合病院も異議 こども病院人工島移転に福岡の医師総すかん! 」 「【見直せ人工島移転】現場の開業医が異議」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-371.html

■「怒れ!福岡市民 インチキ「検証・検討」にだまされた市民」「人工島ヘリポートは「特別管制区」 待機時間発生可能性 他より高かった!」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-297.html

■「大うそだった検証・検討 水増し工事費で現地建替えを否定 子ども病院/福岡」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-296.html

■福岡市立2病院人工島移転 患者の母ら参加、反対意見が相次ぐ /福岡
http://ameblo.jp/med/entry-10071880129.html



(3)
■牟田口中将あらわる 「医師は被害者意識を捨てよ」 信友 浩一 九州大学大学院医学研究院医療システム学分野教授
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-569.html





関連記事

■開業つれづれ: 訃報 「“マルチ作家”栗本薫さん死去、「中島梓」の名でも活躍」: 追記あり

大変びっくりいたしました。




仕事に入るところでしたので、

とりあえず記事だけ書きましたが、

全面的に新しく書き直させていただきます。





コメントにありますように、

本当に一つの時代が終わったんだな…、

などと感じてしまいます。






“マルチ作家”栗本薫さん死去、「中島梓」の名でも活躍

2009年5月27日11時33分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090527-OYT1T00389.htm

著作の「グイン・サーガ」を抱える栗本薫さん(2005年3月) 大河SF小説「グイン・サーガ」のほか、ミステリー、文芸評論などマルチな才能で知られた作家の栗本薫(くりもと・かおる、本名・今岡純代=いまおか・すみよ)さんが26日午後7時18分、東京都内の病院で膵臓(すいぞう)がんのため死去した。

 56歳だった。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を開く予定。

 東京生まれ。早稲田大卒業後の1978年、青春ミステリー「ぼくらの時代」で江戸川乱歩賞を受賞。81年、本格推理「絃(いと)の聖域」で吉川英治文学新人賞を受賞した。

 また、中島梓の筆名で評論家としても活躍、純文学、漫画、サブカルチャーまで幅広く批評する一方、舞台演出、テレビドラマ脚本なども手がけ、テレビにも出演するなど多彩に活動した。

 剣と魔法の支配する異世界で、豹頭(ひょうとう)の戦士が活躍する「グイン・サーガ」は、79年にスタートし、2005年に正編だけで100巻を突破、最新刊は126巻。一人の作家による小説としては世界最長と言われる。2007年にがんが見つかり、抗がん剤治療中だった。








グイン・サーガ。

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豹頭の仮面―グイン・サーガ(1)豹頭の仮面―グイン・サーガ(1)
(1983/01)
栗本 薫

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懐かしい表紙ですね。

どこにいったかな?

最初は、全100巻予定、

って言ってましたが、

軽く超えてしまいましたね。



…もう新刊、出ないのかな…。

黒衣の女王 グイン・サーガ126黒衣の女王 グイン・サーガ126
(2009/04/05)
栗本 薫

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が現時点の最終巻で

よろしいでしょうか?



魔界水滸伝

魔界水滸伝〈1〉 (ハルキ・ホラー文庫)魔界水滸伝〈1〉 (ハルキ・ホラー文庫)
(2000/11)
栗本 薫

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そして、きわめて個人的なんですが、

レダ

です。

”全世界がぼくの敵だった…”

レダ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)レダ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)
(1988/06)
栗本 薫

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大変印象に残っています。




…あれれ、

アマゾンではイメージなしの

廃版ですか。





栗本 薫さんの初期の傑作だと思います。

機会がありましたらぜひ

手に取って読んでいただきたい本だと思います。






時代を超えて

人の心をつかんだ

稀有な才能の持ち主だったと思います。






大変、残念です。

故人の冥福をお祈りいたします。

合掌。
























関連記事

■開業つれづれ: マスコミに毒されるほど下位になる 「本読む親の子優秀 下位はワイドショー ベネッセ調査」




マスコミの垂れ流す番組を見ていると

最下位層になる、

というのが現実のようです。







本読む親の子優秀 下位はワイドショー ベネッセ調査

asahi.com 2009年5月27日4時52分
http://www.asahi.com/national/update/0527/TKY200905260379.html

  
 「成績上位の子どもの保護者は本をよく読む」
「下位の子の親が好むのはテレビのワイドショー」。
お茶の水女子大とベネッセ教育研究開発センターが共同で調査したところ、親をハッとさせるこんな結果が出た。保護者の普段の行動と子どもの学力には強い関係性があるという。

 調査は07年11月~08年2月、各地の5年生2952人と保護者2744人に実施。子どもにはベネッセのテストを解いてもらい、保護者には普段の行動などを選択肢から選んでもらった。

 国語の成績をみると、上位4分の1の最上位層の保護者の70.6%が「本(漫画や雑誌を除く)を読む」と答えたのに対し、下から4分の1の最下位層は56.9%にとどまり、13.7ポイントの差があった。最上位層では「家には本(漫画や雑誌を除く)がたくさんある」という回答も72.6%あり、最下位層より24.6ポイント高い。「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」も80.9%で、17.9ポイント高かった。

 一方、最下位層の親に多いのは「テレビのワイドショーやバラエティー番組をよく見る」「カラオケに行く」など。

 しかし、成績下位の子の親が子どもの学習に無関心というわけではない。「ほとんど毎日、子どもに『勉強しなさい』という」という答えは56.9%と、最上位層より5.7ポイント高かった。調査チームは、子どもの成績が思わしくないために小言を言いがちになるのでは、とみている。(中村真理子)









マスコミが自分で言うように、

「マスコミに食いついてくるのは最下位層」

という状況では

マスコミはすでに終わっている、

心ある有識者にはそっぽを向かれている

ということです。







ここまで言われても

まだわかんないですかね?

マスコミさんは?








関連記事

■開業つれづれ: マスコミ発 新型インフル誹謗中傷 「スクールバスで感染拡大か」


恐怖をあおり、

人を傷つけ、

そのインパクトで広告料を得て

成り立っているマスコミビジネス。

ビジネスモデルとして、

不幸せな人がいないと成り立たない、

周りを傷つけるシステムです。



そのシステムについては

常々、多くの人が疑問に思っています。














マスコミがあおるにあおった新型インフルエンザ。

当然、新型インフルに罹患したら、

家族も含めて

重罪人

という雰囲気になっていました。






マスコミは急速に興味をなくしていますが、

医療機関はいまだに新型インフルエンザに

対して対応を迫られています。





騒ぐだけ騒いで

個人情報もネタとして売ったマスコミ報道。

>調査を進める中で学校へのひぼう中傷が多く、関係者が心を痛めていると強く感じた。

という

マスコミ被害

についてはどのように考えているのでしょう?





あれだけ”タミフル”の異常行動は

叩いたのに、新型インフルになったら

手のひらを返したように

平気で使って、何も言わないのはなぜ?






彼らの

あまりに脊髄反射的な

幼稚な行動には、

毎度驚かされます。






スクールバスで感染拡大か


NHK 2009年5月27日 4時38分
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013241361000.html


生徒や教職員に新型インフルエンザウイルスの感染が確認された大阪・茨木市の学校について、感染ルートを調べている国立感染症研究所の調査チームは、生徒が通学のとき利用しているスクールバスで感染が広がった可能性があるとする中間報告をまとめました。



国立感染症研究所の調査チームは、新型インフルエンザの感染ルートを調べるため、感染が確認された直後から神戸市や大阪府などに入って調査を行っています。

このうち、大阪・茨木市の関西大倉中学・高校に対して、生徒と教職員あわせて64人を対象に、今月24日までの1週間、聞き取り調査を行い、26日、中間報告をまとめました。

それによりますと、学校は郊外の山の中にあるためウイルスが外から持ち込まれにくい環境にあることや、学年ごとに校舎が離れていて異なる学年の生徒が接触する機会が少ないことから、感染は当初、クラスの中で広がったものとみられるとしています。

そのうえで、およそ2000人の生徒や教職員のうち、1500人がスクールバスを利用して学校に来ていることなどから、調査チームでは、スクールバスの車内でほかの学年へと拡大した可能性があると指摘しています。

一方で、調査チームの安井良則主任研究官は「調査を進める中で学校へのひぼう中傷が多く、関係者が心を痛めていると強く感じた。感染した人は被害者であり、温かく見守ってほしい」と理解を求めました。

これについて、関西大倉中学・高校では「スクールバスは友達どうしが話をするなど、楽しく時間を過ごす場所なのに、それが感染を拡大する要因になったのなら、非常に残念です。今後は専門家の意見なども聞きながら、対応を検討したい」と話しています。










マスコミでは

HIV感染の時の誹謗中傷が

なんだかわけのわからないうちに

医療機関のせいにされたりしてましたが(1)、

ここまで責任をなすりつけるのは

本当に厚顔無知というか、

人でなしです。







あれだけ大騒ぎをして

今は知らんぷりですが

日本ではいまだに

HIV感染は静かに広がりを見せています。







そして、

今回の新型インフルエンザ報道。

毎度毎度の大騒ぎぶりと

感染者を犯罪者なみに仕立て上げる手法は

全く変わっていません。








正しい情報は常に遅れ、

不安をあおる情報があふれ、

そして

一気に忘れ去るという

おかしなマスコミシステム。








そしてマスコミ被害者が増え

マスコミ不信、マスコミ不要論が

増えていきます。




彼らは何を勉強してきているのでしょう?

何も学んでいないのなら、

周りを傷つけて、知らんぷりをする

ビジネスモデルとしてのマスコミは

すでに下り坂を

むかえているようです。










(1)
■「【社説】 新型インフル 医療機関は逃げないで」 …エイズ偏見まで医療機関のせい?
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-818.html















関連記事

■開業つれづれ: 憲法違反また出た 「医師配置、新機関で…厚労省研究班が提言 地域ごとに専門医定数」 医師 奴隷化決定

読売さんは医師の拘束がお好きなようで。

舛添大臣に、

医師の計画配置は「憲法違反」

と言われているのに(1、2)

なんでこんなこと繰り返すのでしょう?







なんでいきなり冒頭から

ウソ

で始まるかね、読売新聞は。

>多くの先進国が何らかの計画的な医師配置策を取っている



医療崩壊したイギリスなど数カ国が

そういうことをしているだけで、

しかも、アメリカの専門医制限は

医師による専門医の既得権を守る

という視点で、

医師の専門分野への新規参入を制限し、

その分、高い専門医フィーを守っている、

というのが現状。




日本がやろうとしているのは逆で、

不人気の所に強制的に人を送り込む、

という、いわば国による島流しシステム

です。






アメリカでは

J1ビザの切り替えができない外国人医師を

特例措置で僻地、

つまり砂漠地帯などに行かせて、

その代りにグリーンカードに切り替える、

ということをやっています。





日本流の視点は完全に

人権を無視して社会主義的に枠にはめる

ということばかりをしています。














医師配置、新機関で…厚労省研究班が提言 地域ごとに専門医定数

2009年5月25日 読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090525-OYT8T00227.htm



 医師不足や地域、診療科による偏在を解消するための抜本対策として、医師の計画配置がクローズアップされている。

 多くの先進国が何らかの計画的な医師配置策を取っている
なか、厚生労働省研究班(班長=土屋了介・国立がんセンター中央病院院長)もこのほど、日本でも第三者機関が診療科ごとの専門医数などを定める計画的な医師養成を行うべきだとの提言を打ち出し、さらに論議が高まりそうだ。(医療情報部 坂上博、利根川昌紀)

 厚労省研究班は、舛添厚労相の諮問機関である「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化検討会が2008年9月、医学部定員の1・5倍増などの提言を打ち出したのを受け、発足。質の高い専門医を養成するための制度改革などについて検討を重ねた。

 報告書では、〈1〉専門医の質の向上を図る〈2〉患者を幅広く診ることができる家庭医・総合医を養成する――ことなどを掲げたが、その具体策として打ち出したのが、専門医の定数を定め、計画的に養成するための第三者機関の設立だ。

 現在の専門医制度は、各診療科の学会が独自に認定。選考基準もまちまちで、定数も決まっていない。これが、産科や小児科、外科など激務の診療科で医師が不足する原因にもなっている。



救急現場では慢性的な人手不足が続いている(東京都文京区の東京医科歯科大病院救命救急センターで) 研究班は、専門病院や学会、医学部、開業医、自治体らで組織する「卒後医学教育認定機構(仮称)」の設立を提言。地域ごとに、患者数に応じた適正な数の専門医が養成されるよう、研修病院に対し定員枠の策定を求める。

 先進諸国の多くは、診療科や地域ごとに専門医の数を決めるなど、医師を計画的に配置する何らかの仕組みを設けている。フランスなどでは国による専門医数の規制が行われているほか、米国では医師らで作る第三者機関が専門医の養成数を定めている。

 医師に診療科や地域ごとの定数を設けることについては、

「職業選択の自由を奪うのではないか」、
「居住地の自由もないのか」

など、医師の自由意思を無視した強制的な配置ではないかとの誤解に基づく、反発の声も一部に聞かれる。

 研究班では、医師が診療科や勤務場所を自由に選べる日本のように「市場に委ねる方法では、医師の配置は最適化されない」としたうえで、
「強制的に行われるものではなく、患者数などに基づいて必要な専門医を養成することで、適正な医師配置に結びつけようとするもの」(土屋班長)
と説明する。

 国は今年度の医学部入学定員を昨春より693人増やし、過去最高の8486人に増員。また初期研修について、来年度から都道府県ごとの募集定員の上限を設けるなど、「医師不足対策」を講じているが、いずれも診療科別の定数などを規制するものではなく、医師不足・偏在解消の抜本策とはならない。

 厚労省は、「今回の研究班提言を踏まえながら専門医のあり方を検討していきたい」(医政局総務課)としている。

 医師不足 2004年度から医学部卒後2年間の初期研修が義務化され、研修医の多くが一般病院を研修先に選んだことから、大学病院の人手が不足。大学の医局に医師派遣を頼っていた地方の病院などで顕在化した。日本医師会の08年の調査によると、大学医局の77%が約3000病院への派遣中止や減員を行い、約500施設が診療科の閉鎖を余儀なくされた。

◇ ◇ ◇

 研修先、国が定員枠…読売新聞社提言

 医師不足などによる医療崩壊を防ぎ、信頼できる医療体制を確立しようと、読売新聞は昨年10月、医療改革提言を公表した。「医療は公共財である」との基本的視点に立ち、医師不足の地域や診療科に若手医師を計画的に配置する仕組みを作ることなどを柱に掲げた。

 提言では、自治体や大学、地域の基幹病院、医師会などで作る第三者機関を設立し、大学の医局に代わって、医師派遣の調整を担う。

 また、2年間の初期研修を終えた若手医師が、専門医を目指した後期研修(3~5年目)へと進む際には、診療科や地域ごとの定員枠を国が定め、若手医師の希望を第一に優先しながら、希望が重なる場合には調整するなど適正に配置する。

 後期研修先となる地域の基幹病院に若手医師がバランス良く配置されることで、中堅・ベテラン医師を医療過疎地域へ派遣することが可能になる。

◇ ◇ ◇
 

救急医4人一斉辞職…鳥取大病院
 医師集まらず激務…「心折れた」

 医師不足や偏在の影響は、とりわけ地方の救急現場などで深刻な人手不足となって表れている。鳥取大病院(米子市)救命救急センターでは今年3月末、人手不足などによる激務を理由に、八木啓一教授以下4人の医師が一斉に辞職する事態に見舞われた。

 同センターは専任の救急医7人に応援医師を加えた9人態勢で、年間約900人の救急患者を受け入れていたのが、2006年秋に2人が退職。月6回の宿直回数は10回ほどに増え、残った医師の負担は大きくなった。現在、横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター長を務める八木医師は「救急専門医を育てようと頑張ったが、医師が集まらず心が折れた」と振り返る。

 厚生労働省による06年の調査によると、日本の医師数は27万8000人と10年前に比べ約15%増えているのに対し、勤務が厳しいとされる外科、産科医は8~10%減少。また救急医は、最低でも約5000人が必要との試算もあるのに対し約1700人しかおらず、慢性的な医師不足状態にあえいでいる。

 鳥取大病院救命救急センターは現在、新しい救急医1人に、外科や整形外科などからの応援で急場をしのいでいる。豊島良太・同大病院院長は「何らかの医師配置の仕組みがないと、地方での医師確保は難しい」と話す。









>過去最高の8486人に増員

>また初期研修について、来年度から都道府県ごとの募集定員の上限



これに国による

専門の制限と

地域制限が入ってくれば、

立派な”配置”ができて

医療も完璧になる、

とでも思っているのでしょうか?




これだけやられて、

医師が行きたい専門科にも行けず

研修したい病院にも行けず、

いなかに飛ばされ、自分の望む科にもつけなかったら

士気の低下はどうしようもないです。







医療費を増やさないで、

医師を完全コントロールして、

ワーキングプアにして

理想配置にする、と。





逆に、これでも

医療は悪化を続けるでしょう。

そして、

国が理想配置をしても

医療が改善しなければ、

国が責任を取るのでしょうか?






ぜひ、置き換えてみてください。


「日本の僻地には人間が少ない。

人間が少ないのはいけないことだ。

各居住区で上限を決める。

職業も数の上限を決める」


今回の意見は、それと何が違うのでしょう?

もしも、国がそういうことを言い出したら、

読売さんは

もろ手をあげて賛成するんでしょうか?

当然、賛成しますよね?







読売さんの親族で

医師の子供がいて、

「眼科をやりたいけど、専門医制限でダメだった」

「東京で研修したかったけど、研修医制限でダメだった」

という医師の卵がいたら、

その人の前で、

「医師の計画配置は必要だ」

って、

自分の意見を胸を張って主張することができるんでしょうか?






「医師計画配置」という

ずっと続けている

読売新聞の狂った主張。


どうしようもない意見を

世論操作で推し進めようとしている

マスコミにはうんざりです。










(1)
■マスコミに対する無力感 誤用の連続「たらい回し」 憲法無視の「計画配置」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-631.html


(2)
産科医療のこれから
医師の計画配置は「憲法違反」 舛添厚労相インタビュー
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/10/post-1341-67.html





関連記事

■開業つれづれ: 「救急センター調査 救命存続へ 抜本的改善が急務」「救急センター:「今夜で7連泊」…過酷な泊まり勤務の実態」


7連泊。

そういえば、昔やりましたね…。

思えば、バカでした。




いえ、だからスキルが上がった、

ということも言えるのですが、

正直、まともな職場ではありません。




医療関係者には、

自殺、過労死、

病気などによる戦線離脱、

離婚などの家庭問題は

本当に多発しています。








救急センター調査 救命存続へ 抜本的改善が急務


5月24日2時31分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090524-00000005-maip-soci

 毎日新聞の調査で、全国の救命救急センターの医師たちの過酷な泊まり勤務の実態が明らかになった。搬送患者が増える一方、医師不足や病院の厳しい経営実態を理由にこれまで問題は放置されてきた。現場では過労による判断ミスを懸念する声も目立つ。患者と医師双方の命を守るため、抜本的な改善が求められている。【河内敏康、永山悦子】


 ◇搬送1年で3倍

 総務省消防庁によると、08年の救急搬送の総数は前年比で5%減った一方、センターへの搬送者は約54万人で、前年の3倍以上に増えた。

 日本の救急医療体制は、

▽入院の必要がない患者を外来診療する1次医療機関
▽入院が必要な患者に対応する2次医療機関
▽交通事故や脳卒中など命にかかわる患者を治療する3次医療機関(救命救急センター)

--の順で対応する仕組みになっている。

 救命救急センターは重篤な救急患者の搬送依頼を原則としてすべて受諾することになっている。センター以外の病院が人手不足などを理由に入院が必要な患者の受け入れを断るケースが増えているため、最終的にセンターに搬送が集中しているとみられる。その結果、今年3月には、鳥取大病院でセンターの常勤医全員が過酷な泊まり勤務を理由に辞職するなど、センター自体の存続が危ぶまれるようになっている。

 瀬戸際の救急体制を維持する処方せんとして、東京大病院救急部での勤務経験がある中島勧・東大政策ビジョン研究センター准教授(医療政策)は「現在、急患を積極的に受け入れている施設に、限られた人や金を集約させる施策が必要」と提案する。

 ◇人材と予算手当を

 厚生労働省は02年、医療機関の夜間勤務が労働基準法に沿うよう全国の労働局に通知したが、改善は進んでいない。深刻な医師不足に加え、
「診療報酬の増額などがない限り、人を増やせない」
(関東の病院)と、厳しい経営状況が対策を遅らせている側面もある。

 医師の泊まり勤務を巡っては、東京都の総合周産期母子医療センターの指定を受ける愛育病院が、泊まり勤務で労基法を守るには常勤医が足りないなどとして、指定の返上を検討していることが3月下旬に発覚した。結局、外部の医師の応援を受けることで決着したが、人手をやりくりするのは容易ではない。

 また、産婦人科医の勤務をめぐり、奈良地裁は4月、県立奈良病院での夜間の勤務を宿直ではなく時間外労働と認定し、割り増し賃金などの支払いを命じる判決を出した。

 過労死弁護団全国連絡会議の須田洋平弁護士は「医師の夜間勤務は、労基法の例外措置として、超過労働を宿直という形で許可している。だが実態はほとんど眠れず、急患に追われる。例外というより法の『逸脱』だ」と指摘する。

 最高裁の判例では、仮眠中も警報や電話対応が義務付けられているビルの守衛について、宿直ではなく正規の労働時間と認定されたケースがある。須田弁護士は「医療は人命にかかわり、よりストレスが大きい。医師は法律で患者を拒否できないが、医師の倫理観や職業意識だけに頼るのはおかしい。交代勤務などを実現する人材と予算が必要」と語る。

 医師の過酷な勤務は、治療の質にも直結する。東京大政策ビジョン研究センターの中島勧准教授は「医師は一般に、日中の通常勤務をしたうえで宿直に入るため、24時間を超える連続勤務になる。医師が人間らしい生活をすることは、患者のメリットでもあるはずだ」と指摘する。

最終更新:5月24日3時12分






救急センター:「今夜で7連泊」…過酷な泊まり勤務の実態

毎日新聞 2009年5月24日 2時30分(最終更新 5月24日 11時21分)
http://mainichi.jp/select/science/news/20090524k0000m040111000c.html

救急医の主な意見 全国の救命救急センターの多くで、医師が労働基準法からかけ離れた過酷な泊まり勤務を強いられている。「宿直」扱いで泊まり勤務を行う地方と都市部の病院で、厳しい実態を目の当たりにした。

 「人手がない中、なんとかやってきたが、心が折れそうだ」と、東日本の地方病院の救命救急センター長はつぶやいた。

 病院には常勤の救急医がいない。約90人の医師全員が交代で1晩3人程度、泊まり勤務に入る。この病院の泊まり勤務は、手術などの労働がほぼないことが前提の「宿直扱い」。だが、患者の搬送受け入れは年5000件以上で、受け入れ率は97%に上る。泊まりの医師の手におえなくなると、各科の医師が呼び出されるのが日常だ。

 4月下旬の夜。「じんましんが出た」「血圧が高い」--。一般市民からの相談電話が鳴った。低血糖で意識障害を起こした糖尿病患者が救急車で運ばれてくると、糖尿病専門医を呼び出した。この夜、救急搬送だけで10回を超えた。

 毎日新聞の調査で、センターの常勤医が2人以下の施設が17カ所あった。日本救急医学会認定の専門医は2850人(09年1月現在)いるが、都市部に集中している。調査にも「常勤の専門医がいる都市部はまし。地方は崩壊寸前」との悲鳴が寄せられた。

 一方、都市部が「恵まれている」わけでもない。関西の大学病院救命救急センターには、専門医を含め10人の医師が所属する。だが、泊まりの翌日も休みではなく、連続40時間近い勤務になることもある。このセンターも宿直扱いで夜間の急患に対応する。労基法で認められる宿直は週1回までだが、月平均7回もある。

 今月中旬、午前3時過ぎに救急隊から連絡が入った。患者は錯乱状態で暴れる18歳の女性。恋人から暴力をふるわれパニック状態だった。「(高度医療を担う)センターが担当すべき患者ではないが、『暴れている』と聞くと他の病院は尻込みする。我々が受けるしかない」と50代の教授。同じころ、救急科病棟で、高齢の男性入院患者の容体が悪化した。肋骨(ろっこつ)を折り、自力呼吸が危うくなっていた。担当医(28)は「気になって離れられない」と、この日で7連泊目。教授は「熱意だけで続けられる仕事じゃない。ただ、そういう働き方を戦力として数えているのが現状」と語った。
【河内敏康、奥野敦史】







医療費は増やさない、

でも、

医学は進歩して

医療技術に伴って医療費は上昇する。






医療費は増やさない、

でも、

医師は増加させる。




どう考えても、歯科同様、

医師もワーキングプアになるような気がします。

これだけ労働条件が悪いまま

ワーキングプアになったら、

本当に

”医師は奴隷としか言いようがない職業”

になり下がってしまうでしょう。






もしくは、

中国のように

超高給取りの人しか

医療を受けることが

できなくなるかもしれません。








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中間管理職: このブログの管理人。
ID上、ブログではmedさんとも呼ばれてます。

某大学医学部を卒業
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医師免許取得: 医師にはなったけど、医療カーストの一番下でした。
 ↓
大学院卒業(医学博士): 4年間、院生は学費支払って給料なし。
 ↓
さらにアメリカの大学勤務: 激安給料
 ↓
日本の大学病院勤務: 労働基準法が存在しない。

フルコースをこなしたため貧乏から抜け出せず。
 ↓
大学から地域(僻地ともいう)の救急医療で疲弊しました。
 ↓
田舎で開業、借金は天文学的数字に。


今は田舎で開業して院長になりました。
でも、教授に内緒で開業準備していたころのハンドルネーム”中間管理職”のままでブログを運営してます。

ブログは主に
日本の医療制度(医療崩壊)、僻地医療事情、開業にまつわる愚痴と、かな~り個人的な趣味のトピックスです。

よろしくお願いいたします。


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