2009/03/31
■「自治体病院 広がる危機 銚子市長リコール成立 他病院 患者殺到で『もう限界』」
千葉、銚子市の市長リコール問題。医療の流れから簡単にまとめます。
(国)
●日本には病院が多すぎる
●非効率的な医療は整理すべき
↓
(マスコミ)
●”そうだ、そうだ。無駄な医療はつぶすべきだ”
↓
(国をあげて)
●反医療キャンペーン
●医療費を大幅削減、大学医局の医師派遣体制の解体
↓
●実際に医師がいなくて銚子市立病院がつぶれて住民はビックリ
●市長をリコール
(マスコミ)
>市立総合病院休止への市民の怒りが原動力となった。
なんかまったく流れを読めていませんね。
>病床利用率は95-98%と、常にベッドに空きがない状態。
…これで赤字なら本当に笑ってしまいますね。
でも、日本の医療はそうなってしまっているのです。
これでも病院を維持できるとでも?
自治体病院 広がる危機 銚子市長リコール成立 他病院 患者殺到で『もう限界』
東京新聞 2009年3月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20090330/CK2009033002000108.html
二十九日に投開票された銚子市の岡野俊昭市長(63)に対するリコール(解職請求)の是非を問う住民投票は、市立総合病院休止への市民の怒りが原動力となった。リコール運動は全国の注目を集め、住民にとって自治体病院がいかに大きな存在であるかを再認識させた。しかし、自治体病院の経営難や診療科の休止は同市にとどまらず、県内各地で表面化し、一部の病院には患者が殺到。現場では「もう限界」との声が強まっている。
「どこを見ても“焼け野原”だ」。国保旭中央病院(九百五十六床)の伊良部徳次副院長(59)は周辺の医療状況をそう表現した。
旭中央病院は、三次救急など県北東部で中心的な役割を担う。昨年九月末の銚子市立総合病院の休止後は、行き場を失った患者の受け入れ先の一つとなってきた。
伊良部副院長によると、状況が目に見えて変わったのは医師不足の原因といわれる医師臨床研修制度が始まった二〇〇四年度から。周辺の病院の機能が低下し、旭中央病院に患者が殺到し始めた。
病床利用率は95-98%と、常にベッドに空きがない状態。入院日数を平均十二日ほどに短縮して回転を早めているものの、限界がある。入院が必要と診断した救急患者を入院させられず、別の病院に移送するケースも増えているという。
現状を打開しようと、周辺病院に常勤医や外来応援として延べ約四十人の医師も派遣。だが、根本的な解決にはならない。伊良部副院長は「病院の体力はさらに落ちて、もっと悪くなるだろう」と指摘し、国の早急な対策を切望している。 (宮崎仁美)
銚子市長失職 市側『病院再開に影響』 市民団体出直し選 候補擁立へ
東京新聞 2009年3月31日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20090331/CK2009033102000093.html
銚子市立総合病院の休止を決めた岡野俊昭・前市長(63)に対するリコール(解職請求)の是非を問う住民投票から一夜明けた三十日、市は市長失職後の対応に追われた。市によると、市長が不在になり、今年九月の診療再開に向け進めてきた計画は大きくずれ込む見通し。ただ、新年度予算や人事異動は既に決まっており、そのほかの業務に当面支障はないという。 (宮崎仁美、那須政治)
市長の職務を代行する合六(ごうろく)司副市長は同日午後、市幹部を集めた臨時会議を開き、「市民サービスに支障がないよう職員が協力し、危機意識を持って対応してもらいたい」と呼び掛けた。
会議後の記者会見で、合六副市長は「新市長の(病院に対する)考え方もある」として、市立病院の委託先の選考を進める委員会について、存続を含め早急に協議するとした。「(再開に)大きな影響はあると思うが、一刻も早い医療提供に向けて協議を進める」と語った。
委託に応募した医療法人側は「市長不在では数カ月単位で再開が先に延びるだろう。新市長が決まるまで、市民が再開を本当に望んでいるか独自に調査したい」としている。
一方、リコール運動を進めた市民団体「『何とかしよう銚子市政』市民の会」は結果を喜びながらも出直し市長選に目を向ける。
茂木薫代表(58)は「候補者を選び、二、三日のうちに発表したい」と明言。リコール運動を支持した無職根本広次さん(75)は「みんなの手で市民の声を大切にする市政をつくらないと」と気を引き締めていた。
岡野前市長の支持者らは、解職への賛成票が反対票を大きく上回ったことに、ショックを隠しきれない。
岡野前市長を応援した「真実を知らせる市民の会」の白土勝彦代表(66)は「市民にこれだけ『ノー』を突きつけられるとは思っていなかった。私はそれでも岡野さんが正しかったと思う」と悔しさをにじませた。
こんな状況では
市長は単に巻き込まれただけで、
実際に維持していたら
病院の赤字で財政再建団体に突入するか、
医師がいなくて診療所化から
無人化するしかなかったでしょう。
おまけにリコールのせいで
>今年九月の診療再開に向け進めてきた計画は大きくずれ込む見通し。
なんておまけ付き。
いったい何のためのリコールだったんでしょう?
病院を同じレヴェルで再開することは
思いっきり赤字を背負い込み、
さらに大量の医師を確保するという
ことを意味します。
リコールしたあげくに、再選で
結局、現市長と同じ政策だったら、
単純な
「怒りのこぶしを市長に叩き落とした」
だけに終わることでしょう。