2009/01/22
■「よくわかる病院のトラブル 法的対応のコツ」 井上 清成
病院のトラブルについて
いろいろ報道されていますが
実際に自分が巻き込まれない自信がありますか?
あるいは
巻き込まれてもうまく対処できますか?
私は残念ながら自信はありません。
ですので、
情報収集だけは
怠らないようにしているつもりです。
医療に対する司法の考え方が
どのように移り変わっているか
理解できる良著です。
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特にP.97からの最高裁判断が
10年ほど前から変わってきており、
「患者さんの自己決定権」に
極めて重きを置いている、ということらしいです。
つまりは
「ルールが変わっている」
ということなのです。
提示されている症例は
どう見ても現場の医師としては
理解できない裁判で、
しかもそれが負けているということなのですが
これも「ルールが変わっている」
ことを理解するのが一番なのでしょう。
また、最高裁の「ルール」も
患者さんの「自己決定権」ばかりを
重視し、
それによって発生するであろう
「自己決定義務」を
全く認めていないことから、
病院の苦悩ははじまっているのだと思います。
つまりは病院に無限の努力を要求させ、
患者さん側には、「自己決定義務」はなく、
決めなくてもしょうがない、
でも、不服があったら「自己決定権」を
盾に文句を言うことはOK、
というのが現在の司法の姿勢のようです。
…いやはや、
大変勉強になりました。
そのほかにも、カルテ改ざんと言われないための
カルテ追記の方法(P.35)とか、
患者さんとの会話の録音、録画の勧め(P.58)とか
読んでおきたいところは多くあります。
一方、
「Q&A「医療トラブル」対策ハンドブック」などを
読んでいないと、
本の中で出された裁判例について
まったくわからない場合があることと、
書いてあることが網羅的ではないので
やはり(1)などもあわせてチェックしていただいた方が
いいかと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
(1)参考図書
これは医療トラブルの必須本だと思います。
内容も網羅的で充実、しかも見開き2-4Pでまとまっています。
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