2008/12/07
■「桃井真里子 低すぎる医療費」
まっとうな意見は
大変小さく、
そして
狂ったアジテーションは
燃え上がる炎のように
一面を覆い尽くします。
こんな
当たり前のことが
やっと紙面に載るようになってきましたが、
現場では
すでに「あきらめモード」
が蔓延してます…。
桃井真里子 低すぎる医療費
asahi.com 2008年12月03日
http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000290812050001
医療とお金の話です。日本では保険診療が行き渡っているので、医療にどれだけお金がかかるのか実感がありません。医療は多くの専門職の時間と技術、高額の機器を必要としますから、多大なお金がかかって当たり前なのです。
国家の安全は防衛と医療で維持され、国家の将来は教育と医療で保証されます。両方に不可欠な医療には国家責任で多額の税金を投入する。これは当たり前です。
しかし外来患者1人あたりの医療費は米国6万2千円、フランス3万6千円、スウェーデン8万9千円、日本7千円。なぜかと言うと、日本は医師や看護師、その他の医療職も極端に少ないからです。日本の人口1千人あたりの医師数は経済協力開発機構30カ国中26位。100床あたりの医師数も看護師も米国の5分の1です。
米国の救急医療現場のテレビ番組で医師、看護師以外に多くの人たちが病院の現場で働いているのを見た方は多いでしょう。若い医師が血液検体を検査室まで運ぶ、などという米国ではあり得ないことをやっているのが日本の医療の現実です。病院で働く医師や看護師の低い給与体系と過重労働で日本の異常に低い医療費は成立しています。その医療費をもっと下げろ、というのが日本の政策です。
厚生労働省は、日本は病床が多すぎるのだ、と言います。米国では出産は1日、手術をしても数日で退院させられます。大病院の周りには家具付きアパートがたくさんあり、患者さんは超早期退院の後、アパート代を支払って通院治療を受けるのです。それでも米国は国内総生産に対し、日本の1・7倍の医療費を使っています。
国立がんセンターの若い医師の月収が、手取りで20万円あまりという記事もありました。大学病院でも同じです。日本は医療にもっとお金を投入すべきです。
病院勤務医の大部分が当直明けの休みも保証されず、リスクに比して低給与、という労働条件で働いているのに医療安全などと言っても、それは絵空事でしかないのです。皆さんは36時間勤務で寝ていないパイロットの飛行機に乗りたいでしょうか。(自治医科大学とちぎ子ども医療センター長)
何もかもが遅すぎ、
そして少なすぎます。
単に
2200億円の社会保障費の抑制をやめる、
というのではなく、
さらに医療の進歩に見合った
”増額”をしなければ
世界最先端だった
日本の医療は
世界レヴェルから
一気に転げ落ちることでしょう。